スポーツマーケティング探求記

シーズンシートの価格と観客動員

このエントリーをはてなブックマークに追加

プロ野球球団の営業はこの時期シーズンシートを売るのが最優先事項だ。この価格設定、チームごとにまちまちでなかなか面白い。

一番高額なのは、ホークス。
コカコーラシートSSが1席 年間で なんと130万円!
新しく新設されたフィールドシートで、今までの内野席の前に張り出すように作られている。こういった試みは、神戸のスカイマークスタジアムで行われてきた。ホークスの場合はこのエリアのチケット名称を命名権としてコカコーラに販売した上に、高額のチケットとして販売している。

一番低価格なのは、ファイターズ。
札幌ドーム58試合と、東京ドーム8試合の、内野・外野自由エリアを観戦できて
たったの39,000円!
もってけドロボー!!
とでも言いたくなるような価格だ。
いくら3000席限定とは言え、通常価格1600円(内野自由)66試合の63%オフだ。

種類の多さでは楽天イーグルス
圧倒的で24種類もあり、砂かぶり席40万円から、ミックススペシャル13万円まで細分化されている。このミックススペシャルは、22あるシーズンシートのポジションを複数枚づつ綴られたもので、あっちこっちの席から見られる。またボックス5人シートは、テーブルを囲んで5人でコの字型に向かい合う席で、宴会しながら野球が観られる席もある。

種類が最も少ないのは、西武ライオンズ。
4席セットのボックスシート 273万円
ベンチサイドシート      25万2000円
ーーー以上終了ーーー
なんだかあまりやる気が感じられない構成だ。

各球団のシーズンシート1席価格を高い順にすると
1,福岡ソフトバンクホークス  130万円
2,ジャイアンツ        110万円
3,中日ドラゴンズ       70万円
4,西武ライオンズ       68万2500円(ボックス4席2,730,000円)
5,オリックスバファローズ   62万5000円(京セラ大阪ドーム48試合アリーナビュー席1,250,000円)
6,北海道日本ハムファイターズ 50万円
7,東北楽天イーグルス     40万円
8,阪神タイガース       37万円
9,横浜ベイスターズ      31万5000円
10,千葉ロッテマリーンズ    30万円
11,東京ヤクルトスワローズ   28万8750円
12,広島カープ         27万3000円(ロイヤルボックス4席1,092,000円)
(各球団最高額の商品で比較)
(観戦可能試合数は球団によって多少異なります。オリックスは48試合です)

どういう理由でこの値段が決まっているのだろう。
市場原理から考えると、需要と供給のバランスで決まっていると考えるのが普通だ。
つまり人気があって、スグにチケットが売り切れになってしまう球団のチケットはシーズンシートで買うことで間違いなく確保できるという「付加価値」がついてくる。
それに球団側も、毎試合完売ならば、チケットの値段が高くてもファンが買ってくれると考えるだろうし。
チケットを買う方の気持ちになってみても、ガラガラの球団のシーズンシートが高くて、いつも満席の球団が安いとなると納得出来ないところがある。

では2006年シーズンの観客動員数を見てみよう。
1,阪神タイガース      :3,154,903人 :1試合平均43,217人
2,読売ジャイアンツ     :2.892.695人 :1試合平均39,626人
3,中日ドラゴンズ      :2.398.695人 :1試合平均32,858人
4,福岡ソフトバンクホークス :2.037,553人 :1試合平均29,964人
5,北海道日本ハムファイターズ:1,603,533人 :1試合平均23,581人
6,オリックスバッファローズ :1.390.231人 :1試合平均20,444人
7,千葉ロッテマリーンズ   :1.349,756人 :1試合平均19,849人
8,東京ヤクルトスワローズ  :1,315,386人 :1試合平均18,019人
9,西武ライオンズ      :1,196,574人 :1試合平均17,596人
10,横浜ベイスターズ     :1,106,511人 :1試合平均15,157人
11,広島東洋カープ      :1.009.751人 :1試合平均13,832人
12,東北楽天イーグルス    : 951.723人  :1試合平均13,995人

どうですか。
なんとも興味深いデータでしょ。

そもそもスポーツ観戦のチケット価格って何によって決められているか。
それはとても「あいまい」なのだ。他の球団の価格や、映画、コンサートなどと比較して、ホームスタジアムがある地域の可処分所得などを考慮して決めているのが現状だ。
だからファンのアンケート結果で、チケットの値下げを行う球団が出現するのだ。
近ごろ、「ロングテール」だとか「新富裕層マーケティング」だとかが人気だが、そのへんの理論もまだプロ野球界には来ていないみたいだ。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
プロ野球
タグ:

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

Re:シーズンシートの価格と観客動員

興味深く拝読させていただきました。

ボクが思うにシーズンシートの、しかも高額席は飛行機のファーストクラスみたいなもので、観客動員や収支に関係なくお金を出せば確保できるちょっとラグジュアリーな席、という概念じゃないでしょうか。

誤解を恐れずに言えば、シーズンシートをファンサービス(価格)にしてしまうと確かに席は売れるでしょうが、本来のシーズンシートとしての品位が損なわれると言いますか…。

1席100万円の席を10万円に値下げして10人の庶民に売るくらいなら、100万円のままで1席だけ1人のリッチマンに買っていただいて残りの9席は空席、の方を球団は希望しているんだと思います。

Re:シーズンシートの価格と観客動員

たびたび申し訳ありません。
さきほど読売の営業さんに尋ねましたら、やはり2席単位での発売でHPの記載は不十分なので修正するそうです。

http://www.giants.jp/top.html
のトップページから左下のオレンジ色の「チケットBOX」から「シーズンシート」をクリックすると「エキサイトシートは2席の料金」の表記がありますのでご参考まで。

Re:シーズンシートの価格と観客動員

江頭さま、スイマセン、お名前をいきなり間違えてしまいました!

Re:シーズンシートの価格と観客動員

K30さん
コメントありがとうございます。
ご指摘の内容を確認してみましたが、
東京ドームのサイトによりますと、1席220万円でいいみたいです。
http://www.tokyo-dome.co.jp/dome/giants/season/index.htm

僕の間違いでしたら、またご指摘ください。

こんな記事も読みたい

ブロガープロフィール

profile-iconmarketing

江頭満正/Mitumasa ETOH
東京都出身。1988年リクルートを退職後起業。2001年ダイエーホークスの公式携帯サイトをオープン し、その後ベイスターズ、近鉄、千葉ロッテ、オリックス、日本ハム、ジャイアンツ、清水エスパルス、J SPORTSと公式携帯サイト運営を契約。チームの内側からITによる観客動員を模索、3度の日本シリーズと1度の天皇杯決勝を経験。2004年アテネ五輪では、Yahoo! JAPANのオリンピック結果データを全て担当。現在大学でスポーツビジネス研究者として 教壇に立っている。
【現職】尚美学園大学准教授・一橋大学スポーツビジネス研究会研究員・特定非営利活動法人スポーツマンシップ指導者育成会 理事
  • 昨日のページビュー:167
  • 累計のページビュー:1093032

(01月16日現在)

関連サイト:尚美学園大学 江頭ゼミ

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 星稜高校「必笑」で9回8点を逆転
  2. 浅田真央 現役時代の経済効果
  3. 【収入4500億円】行き過ぎたオリンピック商業主義
  4. Jリーグ経営難3 アルビレックス新潟
  5. プロサッカー選手年俸 過半数はJリーグ以下
  6. 高校野球のビジネス
  7. 清水エスパルスへ新卒入社
  8. 「プロ野球人気低下説」は誤り
  9. シーズンシートの価格と観客動員
  10. 経済効果と東京マラソン

月別アーカイブ

2017
06
05
04
02
01
2016
08
04
02
2015
08
07
04
03
02
2014
12
11
09
08
07
05
04
02
2013
09
08
07
05
02
01
2012
11
07
04
03
02
01
2011
12
10
08
07
06
04
03
02
01
2010
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2009
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2008
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2007
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2006
12
11
10
09
08
07
06

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月16日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss