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バドミントン田児賢一 の誤りはスポーツ競技者の非道徳的特徴と一致

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バドミントン選手違法賭博事件 2016年4月10日に都内で行われた日本バドミントン協会の臨時理事会で、違法カジノ店で賭博をした世界ランキング2位の桃田賢斗選手(NTT東日本)が無期限の出場停止、ロンドン五輪代表の田児たご賢一選手(同)が無期限の登録抹消となる処分が決まった。
NTT東日本は11日、同社社員で男子バドミントン部の田児賢一(26)桃田賢斗(21)ら8人が違法カジノ店で賭博行為を行ったことについて「社会をお騒がせし、多くの皆様の期待を裏切る結果となりましたことを心より深くお詫び申し上げます」などと謝罪。田児を解雇とするなどの社員の処分と、男子バドミントン部の半年間の活動停止を発表した。【スポニチ】

長年対戦型のスポーツ競技をTOPレベルで実施していると、「勝利」のためにずる賢くなる必要がある、と言われている。またTOPアスリートは、閉鎖的な社会で生活をしているため、閉ざされた社会の中での価値観や常識に影響を受けやすくなっている。代表選手になると、コーチからの信認によってオリンピック出場にも影響がある。つまりコーチの言うことは絶対であり、練習をする仲間はいつも同じ顔ぶれ、メディアにはちやほやされている。という異常な環境に身を置いている。 そんな環境にいるから、非道徳的な行動に対する認識がズレてしまっていると考えられているのだ。

フランスのKarine Corrion氏が2009年のスポーツ心理学会にこんな論文を発表している。 バスケットボールと、テコンドーのトップアスリート24人に構造的なインタビューを行って、道徳的に正しく無いことを許容しているかを調べた。結果は、予想より道徳的に誤った行動を取る傾向は少なかった。しかし競技スポーツをゴリゴリにしている人は、そうで無い人と比較して、モラル乖離度は高く、道徳的に正しくない行動を取る傾向はあった。

この論文では、アメリカ心理学会会長を務めたアルバート・バンデューラ博士の理論、モラル乖離8項を使用して、勝敗にこだわった競技を行っているアスリートを対象に調査を行っている。

1,moral justification 倫理的正当性

「テロリストへの拷問はこれ以上被害者を出さないために正当だ」と大義などを持込み、拷問という非人道的な行動を正当化すること。「この試合に勝つために仕方がない」「仲間を守るために、相手チームに暴力的な行動を取っても仕方がない」など。

2,advantageous comparison 有利な比較

自分が行った行動より、ひどいルール違反などと比較して自己の行動を正当化すること。

3,euphemistic labeling 婉曲理解

ことばの使い方で、深刻な事実でもソフトに見せようとする方法で、非道徳的な行動を正当化し、当事者の責任を低減する。「ファウルで切り抜ける」など、「審判に勇気を持って果敢に講義する」など。当事者サイドからだけの視点で、事態を正当化することばを追加すること。

4,minimizing or ignoring consequences 結果を無視する

自分が行った非道徳的な行動による影響や損害は、無かったかの様に認識することで、非道徳的な行動へ踏み出しやすくする。

5,attribution of blame 責任転嫁

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バドミントン田児賢一 の誤りはスポーツ競技者の非道徳的特徴と一致

バドミントン界の動向を遠巻きにウォッチしてきた人間としてはとても残念なニュースでした。特に田児賢一選手が事実上再起不能に追い込まれた事は痛恨の極みです。報じられた範囲の事以外については知らないので本来は論じる資格はないのでしょうが、バドミントン一家に生まれ、幼少の頃よりバドミントン漬けの生活を送り、ついには全日本総合6連覇を成し遂げるなどして大成した選手の事。そのバドミントンを奪われたこの先の人生をどうするのか気にならないでもありません。

田児賢一選手は歴代の日本ナショナルチームの男子シングルス選手としては最も高い期待を背負った選手だったのではないかと思います。その期待を背負っての事なのか「オリンピックでのメダル獲得を目指す」という大きな目標を公言してもいました。2年前(2014年)のトマス杯初優勝に大きく貢献した後、怪我などもあったようで思わしい結果が残せなくなり、選手として一番脂がのった時期に迎えるはずだった今年のリオデジャネイロ五輪への出場権獲得が絶望的となった時期に発覚したスキャンダルでありました。バドミントン大会での活躍ぶりによって同じくらい大きく報道される価値がある選手だと思っていただけに極めて残念です。

今のところは日本バドミントン協会や所属実業団からの処分を受けただけで、逮捕されたり起訴されたりしたわけではありません。問題を起こした事に対する反省は不可欠でしょうが、彼の再起を助けてくれる方々が現れる事を祈るばかりです。

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江頭満正/Mitumasa ETOH
東京都出身。1988年リクルートを退職後起業。2001年ダイエーホークスの公式携帯サイトをオープン し、その後ベイスターズ、近鉄、千葉ロッテ、オリックス、日本ハム、ジャイアンツ、清水エスパルス、J SPORTSと公式携帯サイト運営を契約。チームの内側からITによる観客動員を模索、3度の日本シリーズと1度の天皇杯決勝を経験。2004年アテネ五輪では、Yahoo! JAPANのオリンピック結果データを全て担当。現在大学でスポーツビジネス研究者として 教壇に立っている。
【現職】尚美学園大学准教授・一橋大学スポーツビジネス研究会研究員・特定非営利活動法人スポーツマンシップ指導者育成会 理事
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