スポーツマーケティング探求記

名将の条件

このエントリーをはてなブックマークに追加

毎年、産業能率大学がその年の新入社員を対象にして「理想の上司」を調査している。産業能率大の新入社員研修を受けた受講者を対象に400人前後を対象にし、1998年からの上位5位までを下記の表にしてみた。

FIG

ここから時代による理想の上司像の移り変わりを感じることが出来る。果たしてスポーツの名将はどのような評価だったのだろうか。スポーツ界では「監督」の業務に対する学問はまだまだ不十分だ。この分野の研究は存在するが、競技結果を測定指標とすると選手のパフォーマンスの影響が大きく正確に測定出来ない。 いい指導者の条件は色々あるが、「高い目標に向かって挑戦する」姿勢や気持ちを選手に持たせることが出来ることも重要だ。簡単に勝てる相手との試合を好み、「勝利」することを喜びとするような指導は名将とは言われない。強豪との試合でも臆すること無く、自信を持って自己のパフォーマンスを120%出すことによって、ジャイアントキリングを起こす。そういった指導が日本でイイとされている。それは、日本という国が歴史上世界の列強に比較して経済的にも軍事的にも劣っていたにも関わらず、戦いを挑み一時は勝利を収めていた時期があることも影響しているかも知れない。強いものに挑んでいくことや、難問をコツコツと解決することは賞賛の対象となる。

さて、あなたがあるチームを率いる監督だとしよう。それは球技のチームスポーツだ。 同じ程度の競技力のチームと公式戦を4-3で勝利した。あなたは試合後チームに何と声をかけるだろうか。何を褒めて、何を反省点と示すだろうか。

1999年にコロンビア大学の心理学教授、Carol.S.Dweckがこんな論文をアメリカ教育者学会誌に発表している。 実験に参加する子どもを無作為にA班とB班に分ける。そして両チームとも同じ知能テストを受けさせる。その答案を返す時A班には「Intelligent」(得点)が良かったと褒め、B班には「Efoort」(努力)が良かったと褒めた。その後スグに、A班B班両方の子どもに、難しい問題ばかりが書かれた練習問題と比較的やさしい問題ばかりが書かれた練習問題だと説明し自習の時間をおうけた。  最初の知能テストで「結果」を褒めたA班のこどもは、やさしい問題集に取り組み、「いい結果」を出そうとした。一方最初の知能テストで「努力」を褒めたB班のこどもは、難しい問題に取り組み「努力」を出そうとした。この論文が明らかにした真理は現在教育の現場で活かされている。

スポーツの指導にも、この論文は当てはまるだろう。 最近は「結果にこだわる」という言い回しが流行しているのか、「結果」だけを評価する指導者が少なくない。そもそもスポーツは勝敗の為に行うのでは無い。強くなりたいのなら、「結果」よりも「努力」やリスクをとったチャレンジを褒めるべきだ。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
その他のスポーツ
タグ:

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

コラム「ブラインドサッカー日本代表が世界へ挑む」Text 飯塚健司【AJPS オフィシャル・ブログ】

股関節100パーセント、カラダの機能回復/トレーニング、講座日程【股割り(MATAWARI JAPAN)】

秋から冬はこれで熱くなる【Armar know Jack Bigwild】

ブロガープロフィール

profile-iconmarketing

江頭満正/Mitumasa ETOH
東京都出身。1988年リクルートを退職後起業。2001年ダイエーホークスの公式携帯サイトをオープン し、その後ベイスターズ、近鉄、千葉ロッテ、オリックス、日本ハム、ジャイアンツ、清水エスパルス、J SPORTSと公式携帯サイト運営を契約。チームの内側からITによる観客動員を模索、3度の日本シリーズと1度の天皇杯決勝を経験。2004年アテネ五輪では、Yahoo! JAPANのオリンピック結果データを全て担当。現在大学でスポーツビジネス研究者として 教壇に立っている。
【現職】尚美学園大学准教授・一橋大学スポーツビジネス研究会研究員・特定非営利活動法人スポーツマンシップ指導者育成会 理事
  • 昨日のページビュー:163
  • 累計のページビュー:1093194

(01月17日現在)

関連サイト:尚美学園大学 江頭ゼミ

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 星稜高校「必笑」で9回8点を逆転
  2. 浅田真央 現役時代の経済効果
  3. 【収入4500億円】行き過ぎたオリンピック商業主義
  4. Jリーグ経営難3 アルビレックス新潟
  5. プロサッカー選手年俸 過半数はJリーグ以下
  6. 高校野球のビジネス
  7. 清水エスパルスへ新卒入社
  8. 「プロ野球人気低下説」は誤り
  9. シーズンシートの価格と観客動員
  10. 経済効果と東京マラソン

月別アーカイブ

2017
06
05
04
02
01
2016
08
04
02
2015
08
07
04
03
02
2014
12
11
09
08
07
05
04
02
2013
09
08
07
05
02
01
2012
11
07
04
03
02
01
2011
12
10
08
07
06
04
03
02
01
2010
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2009
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2008
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2007
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2006
12
11
10
09
08
07
06

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月17日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss