2010年06月28日

W杯-経済効果リバウンド

marketing-170234.jpg一次リーグ敗退が決まった南アフリカ。ワールドカップ開催の経済効果は7000億円と言われているが、その反動が起き始めている。
ワールドカップ開催のために、南アフリカには巨額の投資がされてきた。10のスタジアムや施設の新設、改修が行われ、31億米ドルがつぎ込まれた。日本円にして約3000億円にのぼる投資は、南アフリカで雇用を増加させた。
サラリーマンの賃金は日本と大きな開きは無いが、タウンシップと呼ばれるアフリカ人が多く住む地域は水道が完全に通っていなかったり、電気もない場所もある。トタンで作られたバラックに住み、火事が起きると数十人が死傷する。ハッキリとした経済格差が存在する。
経済的には途上国と言っていい国家に、ここ数年で31億米ドルが建築関係だけで投資されたのだ。そのお陰で雇用が生まれ、貧困層の人々の暮らしが改善されてきた。
そして、ワールドカップが開始された。
大会開始前に、建築物は完成し、建築労働者の殆どが解雇された。それは事前にわかっていたことで、労働者も承知した上で雇用契約を結んでいる。だから何と言うか「当たり前」の様に解雇されるのだ。

建築業をはじめとするW杯需要が終息したために、全業種の雇用者数が急激に減少、5月までの2カ月間で年換算6.2%落ち込み24歳以下の失業率は74%に達した。建設業の落ち込みが最も深刻で10.2%。公表されている南アフリカ全体の失業率は25.2%だ。

6年前からW杯需要は徐々に始まってきた。土木に始まり建築、製造、サービスと広がりを見せてきた。経済全体は世界中からの資金の流入で活性化し人々の生活も向上した。それがW杯特需であるとは気がつかずに。
特需の終わりは突然やってくることを考えずに。

大会開始と同時に、大勢の人が職を失い、大会終了と同時に深刻なリバウンドに見舞われるのだ。6年掛けて徐々に良くなってきた生活レベルに、市民は慣れてしまっている。W杯が終わって、特需が無くなったといって、貧困街に戻る気にはならないのだ。そして消費者の消費意欲を冷めさせて、南アフリカ全体の経済が冷え込む。
これがW杯の経済効果リバウンド長野オリンピックの時、スタジアム建築で重要な労働力となった外国人が、建築物完成と同時に職を失い問題となった。
北京オリンピックの時にも一時的に中国経済が停滞した。
大型国際スポーツイベントの経済効果リバウンドはいくつも観測されているのだ。

まだまだ経済的に成熟していない南アフリカが、このリバウンドに耐えられるかどうか。もしかしたら、W杯経済波及効果リバウンドで、南アフリカにダメージを与えてしまう事だって考えられる。
そうならないことを切に祈るだけだ。




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