2008年04月09日

【メジャー】オープン戦観客動員過去最高

20080409-00.jpgメジャーリーグのオープン戦観客動員数が過去最高であることが発表された。1試合当たり平均の観客動員数は8,026人で、過去最高の7,709人を上回った。合計動員数でも2007年の342万1055人を超え、369万2125人だった。

メジャーのオープン戦は、スプリングトレーニングの一部で、日本のオープン戦とは少し趣が異なる。メジャー30チームのキャンプ地はフロリダと、アリゾナに分かれている。気候が温暖で、キャンプを行うのに充分な設備があり、自治体の協力がある、など様々な理由でこの2つの地域に集中している。
フロリダはグレープフルーツリーグ
アリゾナはカクタス(サボテン)リーグ
という愛称で呼ばれている。

グレープフルーツリーグには、
ヤンキース、レッドソックス、メッツ、ドジャーズ、Sカージナルスなど馴染のあるチーム名が並ぶ。

スポーツ・マネージメントを研究する立場としては、SPRING TRAININGの紹介ばかりではなく、どうしてメジャーのSPRING TRAININGに、そんなに多くの観客が見に来るのか。という疑問を考察してみないといけないよね。

いくつかの要素に分けて情報を収集してみた。

TICKET
SPRING TRAININGでは、日本のオープン戦と異なりチケットは有料。
例えば、NYメッツ

Bleacher / Berm	   $6 /$10*
Upper Reserved	   $12 /$25*
Lower Reserved	   $18 /$30*
Field Level Terrace	$20 /$30*
Premium Box		$25 /$35*

という値段になっている。同じ席でも対戦カードによって値段が違う。NYメッツの場合は、レッドソックス戦がプレミアムゲーム指定だった。
メッツのスタジアムTradition Field は新しいし、席数もたっぷりある。普段はメッツのマイナーチームが使っているスタジアムだ。

MLBの公式サイトには掲載されていないけど、ほとんどの球場にはスイートルームがあって、スイートルーム観戦券も販売されている。格差社会を容認しているアメリカでは、富裕層の為のチケットは、マイナーリーグにも、独立リーグにも存在している。
SPRING TRAININGだって同じこと。
シカゴや、ワシントン、ニューヨークにはまだ雪が残っている時期に、20度を越すフロリダでMLBの一流選手のゲームをゆっくり楽しむ富裕層は確実に存在するわけ。だからスイートルームのチケットがちゃんと売られているのです。
中には、SPRING TRAINING期間の試合15ゲームをセットにしたシーズンチケットを売っているチームもある。日本じゃ考えられないよね、オープン戦のシーズンチケットなんて。


STADIUM
メジャーはSPRING TRAININGに観客を呼び、ビジネスにすることを前提にしている。それを証明するのが、アトランタ・ブレーブスだ。
ブレーブスは毎年、フロリダ州オーランドのディズニー・ワイド・ワールド・スポーツコンプレックスでキャンプを行っている。
このキャンプ地セレクト。チーム側にもディズニー・ワールドにもファンにとっても、メリットがあると言われている。

ファンにとっては、ブレーブスとディズニーの両方が楽しめる。今日はディズニー、明日はSPRING TRAININGと目的別にスケジュールすることで、子供も母も父も楽しめる休暇を過ごす事が出来る。昼はSPRING TRAININGでエキサイトして、夜はダウンタウン・ディズニーでファンタージーなショウとディナーを楽しむことだって出来る。読者の中にも海外旅行の女性の「買い物」につき合わされて辟易した経験がある方もいるだろう。そんな事が起りにくいというわけだ。

春のキャンプ地を訪れるのは、野球のひとつの楽しみ方だ。しかしキャンプの練習やオープン戦は、丸一日かかるものではない。夕方5時頃から時間をもてあましてまうことになるものだが、ブレーブスファンには「時間をもてあます」なんで言葉は無縁なのだろう。


3つめは地域との共生
フロリダもアリゾナも、仕事を定年した高齢者たちの移住先として人気が高い。このリタイア族を、SPRING TRAININGのスタジアムでとても大勢見かける。駐車場から、席の案内、などスタジアムボランティアをこの人たちが楽しそうにやっているのだ。カンカン帽にチームのロゴ入りのポロシャツ。コットンの短パンを履いて元気に楽しそうにやっている。
「チームの調子はどうですか」
「ベテランはまだまだだけど、若手に面白いのがいるよ、ジム・パーカーっていうピッチャーがいてね・・・・・」
うっかり話しかけると、5分は話しが止まらない。
ニコニコしながら、孫の話でもするように、その駐車場にいたリタイア族は僕に色々話してくれた。
リタイア族は、ボランティアをする人もいれば、毎日毎日スタジアムに通い詰める人もいる。スコアブックをつけながら、時々ヤジを飛ばして、心から野球を楽しんでいる人がスタジアムには本当に多い。
僕は、リタイア族のボランティアはとても好感が持てた。学生アルバイトよりもずっと上品で、ずっとスマートだった。


4つめは、フロリダとアリゾナの気候
例えば、シカゴ・ホワイトソックス。この季節シカゴはまだ0度近い気温なのに対して、アリゾナは20度近いポカポカ陽気だ。SPRING TRAININGで試合が始まる前に、シカゴの天気と気温が場内にアナウンスされる。
すると、大きな歓声があがる。それだけ多くの人がシカゴからこの地に来ているのかもしれない。

ホワイトソックスに限らず、フォランチャイズの都市からやってくるファンは、短くて2週間。長ければ1ヶ月以上をキャンプ地で過ごす。
キャンプ目的で訪れた人たちが、そこで活き活きと暮らしているリタイヤ族の姿を見て触れてみて、アリゾナの良さに触れて、移住してくるようになった人も多いそうだ。

ともあれ、日本のオープン戦、キャンプと異なり、練習と興行の両立を前提に考えているということだ。
MLBは2006年シーズンから、順調に観客動員を伸ばしている。eマーケティングでも成功し、webを核にした物販やチケットセールスも順調だ。
日本プロ野球にも、まだまだ伸びしろはあるってことだ。


posted by marketing |10:15 | メジャーリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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