2006年10月27日
マーケティングから日本シリーズを見ると
北海道日本ハムファイターズが、日本シリーズで中日を破って、日本一を決めた。 これで4年連続、パ・リーグが日本シリーズを制したことになる。しかも毎年違うチームが優勝するという素晴らしい結果になった。 スポーツマーケティングの世界では、試合結果の予想不確実性が重要だと考えられている。どのチームが勝つのかわからない。リーグの中での戦力を均衡化させることによって、試合が面白くなり、観客動員が増えると言われている。 そのためにメジャーでは、ラグジュアリータックス(ぜいたく税)制度があって、1チームの選手年俸合計が一定金額を超えたチームからは、リーグが税金を徴収する仕組みがある。NFL(アメリカンフットボール)では厳格なサラリーキャップ制度があり、1チームの選手年俸合計は例外なく超えることを禁止している。同様の制度は、NAB(バスケット)、NHL(ホッケー)にも存在し、リーグを挙げて試合結果の予想不確実性を維持しようと懸命になっている。 日本のプロ野球には、サラリーキャップも、ラグジュアリータックスも無い。2006年のチーム年俸総額は、巨人39億1190万円を最高に、広島16億9700万円と開きが大きい。にも関わらず、パ・リーグでは過去6年間で5チームがリーグ優勝し、ここ4年連続で日本一に登りつめている。この現象をどう見るか。 あくまで私見だが、年俸とチーム戦力の相関関係に歪みがあるのではないだろうか。 ある一定金額までは、年俸とチーム戦力は比例して高くなる。しかしクリティカルラインを越えると、その関係は正比例ではなくなる。場合によっては戦力の低下を招くこともあるのではないか。巨人の戦力低下や、NYヤンキースがWシリーズ優勝から遠のいている事実や、レアル・マドリッドの戦力低下も1例と考えていいだろう。 ここで、年俸の高い選手の要素を確認しておく必要がある。 ・年俸が高いということは、選手として高い実績を残してきたこと。 ・選手としての経験年数が5年以上あること。 ・選手としてのプレースタイルが確率されていること。 ・スター性が高い選手の場合、成績よりも観客からの支持が高い場合があること。 などが考えられる。 ファンが喜ぶから、スター選手を使わなくてはならない。 年俸が高い選手を、出場させないなんてもったいない。 など試合の指揮をとる監督に雑音が多く入ってくることになる。 監督も選手の実績を重視して、たとえその選手がピークを過ぎていようと、過去の素晴らしいプレーに惑わされて起用してしまうのではないだろうか。同時に、若くて可能性はあるが実績の少ない選手を、起用する機会が少なくなる。そうなるとベンチの中の緊張感が、減ってしまう事態を招きかねない。 幸いにもパ・リーグのチームは、歪みが出るほど高い年俸を支給していないのではないだろうか。同時に年俸総額のバラつきも少ない。 年俸と戦力が正比例する範囲内に6チームがいるというわけだ。 さてさて 日本ハムの優勝で、パ・リーグは面白くなるのだろうか。 試合結果の予想不確実性は、2006年シーズンより2007年シーズンが高くなる。新庄が引退しても、北海道のファンは離れないだろうし、北海道日本ハムファイターズのブランドイメージは、ファンは勿論、選手や監督にとっても大きく向上しただろう。戦力の均衡がスポーツ試合の商品力を高めるという定説を検証できる条件が整ったことになる。パ・リーグの今後が楽しみでならない。 2006年 チーム別選手年俸総額 千葉ロッテマリーンズ・・・・25億1210万円 ソフトバンクホークス・・・・30億8730万円 西武ライオンズ・・・・・・・28億3630万円 オリックスバファローズ・・・22億3320万円 北海道日本ハムファイターズ・22億9160万円 東北楽天イーグルス・・・・・17億9640万円 阪神タイガース・・・・・・・33億7420万円 中日ドラゴンズ・・・・・・・37億8820万円 横浜ベイスターズ・・・・・・22億0787万円 東京ヤクルトスワローズ・・・25億6560万円 読売ジャイアンツ・・・・・・39億1190万円 広島カープ・・・・・・・・・16億9700万円 (週間ベースボールマガジン2006年1月30日号より) 日本プロ野球 リーグ優勝チーム(パ・リーグ) 2001 近 鉄 梨田 昌孝 78勝60敗 2分 .565 2002 西 武 伊原 春樹 90勝49敗 1分 .647 2003 ダイ エー 王 貞治 82勝55敗 3分 .599 ☆ 2004 西 武 伊東 勤 74勝58敗 1分 .561 ☆ 2005 ロ ッ テ バレンタイン84勝49敗 3分 .632 ☆ 2006 日本 ハム ヒル マン 82勝54敗 0分 .603 ☆ (セ・リーグ) 2001 ヤク ルト 若松 勉 76勝58敗 6分 .567 ☆ 2002 巨 人 原 辰徳 86勝52敗 2分 .623 ☆ 2003 阪 神 星野 仙一 87勝51敗 2分 .630 2004 中 日 落合 博満 79勝56敗 3分 .585 2005 阪 神 岡田 彰布 87勝54敗 5分 .617 2006 中 日 落合 博満 87勝54敗 5分 .617 メジャーリーグ ワールドシリーズ優勝チーム 2000年NYヤンキース(ア)3年連続26回目4-1NYメッツ(ナ) 2001年Aダイヤモンドバックス(ナ)初優勝4-3NYヤンキース(ア) 2002年Aエンゼルス(ア)初優勝4-3SFジャイアンツ(ナ) 2003年Fマーリンズ(ナ)6年ぶり2回目4-2NYヤンキース(ア) 2004年Bレッドソックス(ア)86年ぶり6回目4-0Cカージナルス(ナ) 2005年CIホワイトソックス(ア)88年ぶり3回目4-0HUアストロズ(ナ)
posted by marketing |00:43 |
プロ野球 |
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Re:マーケティングから日本シリーズを見ると
お引越し完了、おめでとうございます。
ようこそ、スポーツナビ+blogへ。
楽しみにしてます。
posted by 澄谷 | 2006-10-28 02:47


