2010年02月09日
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
ジェフユナイテッド市原千葉 熊本キャンプ入り 石垣市でのキャンプも終わり、次は熊本でのキャンプが始まります。 フィジカル中心のメニューだった石垣と違い、熊本では多くのトレーニングマッチが組まれているだけに、07年から付けられていない勝ち癖を今年こそはキャンプで付けて欲しいところです。 さて、その勝ち癖を付けるために必要なものは、最近の日本代表の試合を見るまでもなく、「ゴール」なのだと思います。 無失点を目指すサッカーをほとんど実現出来ないまま、それを貫くことも出来なかったジェフとしては、今季の攻撃サッカーは是が非でも完成へ近づけていきたいところ。 じゃあ、その「ゴール」を奪うためにはどうすればいいのか。 もしかすると、そのヒントはすでに石垣キャンプで明かされつつあるのではないでしょうか。 今季、1年でのJ1昇格を決めるために、どのようなシステムで、どのような攻撃方法でジェフは戦うのか。 今回は石垣キャンプで行われた練習試合から今季のジェフのフォーメーションと江尻監督が目指す攻撃パターンについて考えてみたいと思います。 なお、タイトルでネタバレしていることは内緒です。 参考記事:「4-3-3」システム論(FCKSA55様) 「3top」「4-2-3-1」システムの概要(VF戦術研究所様)
■サイドアタックの強化 林丈統、村井慎二、鎌田翔雅、渡邊圭二。 このオフ、クラブは徹底的にサイドアタックが期待出来る人材を集めました。 今季のジェフはおそらくポゼッションサッカーを目指すのでしょうが、ボールを中央だけで繋いでいても、残念ながら体のサイズ的にゴールを奪うことは難しいでしょう。 ならばゴールから攻撃を逆算していけば、サイドアタックを重視することは決して間違った考えではないように感じます。 中央には巻選手やネット選手というクロスボールを合わせる技術に長けた存在がいて、その後方には機動力豊かな選手たちが控えている。 大袈裟に言うならば、今季の戦いはいかにサイドを制圧出来るか、という見方も出来ると考えています。
■今季のジェフのフォーメーションは? 昨季、江尻監督は就任以後4-2-2-2、もしくは4-2-3-1のシステムにこだわっていたように感じます。 ミラーが好んでいた4-3-2-1やフラットな4-4-2よりも少し攻撃的なフォーメーションは、監督自身の攻撃へのこだわりもあるのだと考えられるでしょう。 しかし、今年に入ってから江尻監督は前線にターゲットとなるセンターフォワードを置き、高い位置にサイドアタッカーを配置するシステムを多用しています。 ※このシステムを1トップと見るか3トップと見るかは見方でも変わってくるので、今回の記事では3トップで統一させて頂きます。 ビエルサのサッカーを意識する上で、3トップにこだわることは自然のことですし、クゼやミラーが構築した4バックを継続した上で、より攻撃的なサッカーをするための選択肢としては正しいものであるように感じます。 そんなわけで、ジェフの今季のシステムは「4-3-3」であると過程して、話を進めていきます。 その方がビエルササッカーっぽいですしね。
■4-3-3のストロングポイントとウィークポイント どんなシステムでも良い部分と悪い部分がありますが、4-3-3というシステムの長所はやはり「サイドを制圧しやすい」点が挙げられるかと思います。 サイドバックとウイングの2枚をサイドに配置出来るのだから、例えばウイングバックしかサイドの選手がいない「3-5-2」のチームよりもサイドで優位を作りやすい。 また、前線に選手が多いことで前からのプレスに迫力や連動性を加えることも出来ますし、FWが3枚いるからこそツートップがターゲットとなるよりも厚い攻撃が出来るでしょう(その他、詳しいことはWikipediaでどうぞ)。 一方で、中央地帯の守備力に不安がありますが、ジェフは山口選手や佐藤勇人選手といった運動量に優れたセンターハーフを獲得することで、この不安の解消に努めました。 例えばロナウジーニョ選手が左ウイングだった頃のバルセロナがエドガー・ダーヴィッツ選手を獲得したように、4-4-2に比べてサイドの守備のスペースが広い問題を、選手の運動量で埋める狙いがあるのだと考えられます。
■江尻監督の狙う攻撃パターン 江尻監督が目指す攻撃が垣間見られたと思われるのが、7日に行われた流通経済大学との練習試合です。 2010キャンプレポート 石垣市 (2月7日) GK: 1. 岡本昌弘 DF: 2. 坂本將貴 DF: 4. 茶野隆行 DF: 23. 益山司 DF: 27. 渡邊圭二 MF: 6. 山口慶 MF: 7. 佐藤勇人 MF: 24. 太田圭輔 FW: 22. 米倉恒貴 FW: 16. 谷澤達也 FW: 20. ネット 上記の4-1で勝利した1本目のメンバーが開幕戦のメンバーであっても驚きは少ないのではないでしょうか。 そんなメンバーが先制点を挙げた後に生み出したツーゴールは、「サイドから崩し逆サイドに飛び込む選手がゴールを決める展開」だったと説明されています。 これこそが3トップの典型的な攻撃パターンと言えるかも知れません。 3トップのウイングがボールを持った際、例えば左サイドでボールを持った谷澤選手がドリブルで仕掛け、クロスボールを上げる。 もしも2トップならばFWの選手がサイドに流れた場合、中の枚数が足りないことが多いです。 今の日本代表や昨年のジェフを思い出して頂ければわかりやすいかも知れません。 けれど、3トップならば谷澤選手がサイドに流れても、中にはセンターフォワードともう1枚のウイングがいる。 例えばこれがネット選手と米倉選手ならば、共に空中戦に強い選手だけにセンターバックのマークが分散され、昨年までのように巻選手にマークが集中するよりも遥かに勝負しやすい状況になります。 またネット選手や巻選手がセンターフォワードでプレーするならば、彼らのケアに気をとられ、逆サイドがフリーでボールを受けられることもあるでしょう。 オシム時代、サイドからのクロスボールが巻選手とハース選手を飛び越えて、逆サイドで待つ山岸選手や羽生選手が決めるという攻撃パターンがジェフサポーターとしてはわかりやすい例になるかと思います。
■エースを囮にするチームへ 個人的には3トップのサイドアタックの破壊力は「3トップ」以上に「後方からの飛び出し」こそが鍵を握るのだと考えています。 サイドアタックの特徴として、サイドにボールが入った時に、どうしても守備側はサイドでボールを持つ相手と前線の選手の両方を視野に入れる必要があります。 特にサイドに目を向けていると自分の後方のスペースがどんな状況になっているかが判断し辛い上、自分が守るゾーン内にいるFWのケアを最優先しなければなりません。 その死角を突いて、センターハーフやセンターバックの選手がゴール前に飛び込んで来る攻撃。 これこそが江尻監督が目指し、サポーターが望むべきゴールパターンではないかと考えています。 ウイングがサイドでボールを持った時、前線にはネット選手なり巻選手という高さのあるFWと谷澤選手や米倉選手といったフィニッシュのセンスを持った選手がいる。 それに加えて、流経戦でゴールを決めた太田選手のような機動力を持った中盤の選手がゴール前に飛び込んでくれば、それだけで相手守備陣は混乱するでしょう。 江尻監督はそれに加えてセンターバックのゴールも期待しているのだから、いつ、誰が、フリーの状況で飛び込んで来るのか、ゴール前に一体どれだけの人数が飛び込んで来るのか予想も付きません。 サイドにボールが入るたびにスタジアムが熱狂するサッカー。 最前線のネット選手や巻選手をただ狙うサッカーではなく、2人が空中戦で強さを発揮する選手だからこそ、彼らを囮にするサッカー。 人数をかけてサイドを制圧し、クロスボールに複数人がゴール前に飛び込むサッカー。 今季のジェフは4-3-3で、サイドアタックを重視するならば、私はそんなサッカーを期待したいと考えています。
■お手本は05年の甲府か 今季のジェフのシステム(4-3-3)を考える上で、最初にお手本とすべきチームは大木武監督が率いていた頃のヴァンフォーレ甲府ではないかと考えています。 05年の天皇杯で対戦した際、当時ナビスコカップを制覇し、J1でも優勝争いをしていたオシム率いるジェフに対して、堂々とした勝負をされていたことが印象に残っています。 個人的に「走るサッカー」と言われていた当時のジェフがまったくセカンドボールを拾えなかったことが非常に衝撃的でした(技術やフィジカルならともかく、運動量で負けたチームは甲府だけでした)。 オシムも「相手はリスクを冒して攻めてきている」、「すごく勇気をもって攻めているし、戦術的にも勇気がある」と称していたあのサッカーこそがクラブとして目指す価値のあるスタイルなのかも知れません。 当時の甲府のシステムは4-3-3で、大まかな戦術はポゼッションサッカーです(サイドアタックに重点を置いた、という話からは少しズレますが)。 3トップのセンターに高さのあるバレー選手を置き、ウイングに石原克哉選手と長谷川太郎選手というスピードと運動量を兼ね揃えた選手を配置。 センターハーフには運動量と技術のある倉貫一毅選手と藤田健選手、攻守のバランスに長けた奈須伸也選手や山本英臣選手を並べ、守備ラインにはオーバーラップも魅力的な秋本倫孝選手がいる。 残念ながら今の日本代表では大木さんの色がなかなか見られません(小倉コーチもそうですね)が、今季のジェフが目指すサッカーを考えれば当時の甲府は良いお手本になるように感じます。 オフに行ったジェフ補強を考えても、センターハーフが3枚であれば佐藤勇人選手、山口選手、倉田選手がそれぞれレギュラー争い出来ますし、サイドの補強もウイングの重要性を考えれば林選手や村井選手を獲得した意味は大きいでしょう。 前線3枚の攻撃力、中盤3枚の運動量。 4-3-3でのポゼッションサッカーで求められる能力を持った選手たちが多くジェフに加わってくれましたし、多くジェフに残ってくれました。 今季は純粋にJ1昇格を狙うだけではなく、チームとしての戦い方を構築する一年になりますが、頑張った先には魅力的なサッカーが待っているはず。 昇格のためのサイドアタックを。 今季はサイドの攻防に注目しながら、スタジアムで楽しそうにプレーする選手たちを多くのサポーターの方々に応援して頂ければ嬉しいです。 本日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。![]()
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個人的に05年はJリーグが一番面白かった一年でした。 ジェフが良いシーズンだったこともそうですが、J1昇格を果たした甲府のドラマチックな終盤戦が印象的です。 AAJリーグFLASHの2005年度版は何度見ても胸が熱くなりますね。 「J2は地獄じゃない。強さと楽しさは必ずしも比例しない」。 そんな一年を存分に楽しみたいと思います。 あと、コメント欄のシステムが変わったそうです(私もこれから勉強します)。
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posted by marcos2008 |12:15 |
ジェフ千葉 エトセトラ |
コメント(8) |
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4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : NID00000295
コメント失礼します。
浦項に勝ったみたいですね。
太田2点、深井1点の、3-2。
中身を見ていないので何とも言えませんが、
サイド攻撃が形になってきているような感じですね。
林の名前はまだあまり聞きませんが、
太田が流経に続いて活躍、村井も結果を出しているし、
深井も調子を上げてきた。
サイドはいい競争ができてますね。
中盤も勇人や山口、倉田が活躍し、
SBは渡邊ががんばっている。
ミリガンのケガは残念ですが、
新戦力がうまく融合している感じがします。
逆に、残留してくれた浩平や和田、
復帰したコータあたりは、文字情報の上では、
現状ちょっと埋もれてしまっているかな、とも思います。
まだ練習試合はたくさん残されているので、
持ち味を発揮して、江尻監督を良い意味で悩ませて欲しいところです。
posted by 路石 | 2010-02-09 17:40
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : NID00000298
初めましていつもは拝見しています
僕も2005年が一番面白かったと思います
ジェフのナビスコ優勝もですが
Jリーグ優勝争いも凄かったです
posted by バロー | 2010-02-09 17:47
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : NID00000346
「ゴール」 大切な話題ですね。
ピッチに立つ全ての選手の頭を支配している事柄のハズ。
「センターで引き付けて逆サイドで決める」
清水にやられた記憶がよみがえります。
サイドを突破する前に、もう一つ逆算して
どうやって、有利な状況にボールを運ぶかが
キャンプの課題ではないでしょうか。
後、おっしゃる通り、空いたサイドの守備もですね。
posted by kohji | 2010-02-09 21:19
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : NID00000607
いつもお世話になります.
トップの人数が多い=攻撃的
ってわけではないのですが,やっぱり
「攻めてやる」
って感じがして良いですよね.
サイドバックもウィングも出来る選手があれだけいて,
サイドからセンタリングがいっぱい上がって,
1列目が,1.5列目が,2列目が,センターバックが,
次々と相手ゴールに飛び込んでいく.
90年代にアヤックスが魅せてくれたような
そんなチームになって欲しいなと.
4点,5点といっぱい点を取って欲しい.
ここ数年,得点シーンに飢えてますからね.
ガチで守ってくる相手には,サイドからってのは鉄則ですし.
(でも,真ん中からの攻撃が怖くないと,サイドをガチで締められちゃうけど)
posted by さいと | 2010-02-11 11:15
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : NID00000651
ジェフにとってやはりサイドアタックが重要なようですけど、今季のJ2において似たような攻撃の繰り返しが懸念されるだけに、オプションを追加してもいいかなと思います。
最近のJ2では守備的なチームが少なくなってきているそうなので、今はジェフにとってまずは軸となる攻撃パターンが必要になりそうですね。
去年の教訓として、まずは得点力を上げる事を重視している気がします。
それから、最近の日本代表を見ていると、去年のジェフを思い出してしまいます。
ホームで勝てない・得点出来ないという感じが、まさにそれです。
ブーイングをするのも納得かな。
何か見ていて、今季のジェフはあのようになってはいけないと改めてそう思いました。
でも、中国が韓国に勝ったそうで、あながち日本が引き分けたのも偶然ではないと言う事なんでしょうか。
posted by ちょろ | 2010-02-11 16:33
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : marcos2008
>路石さん
コメントありがとうございます。
浦項戦のゴール、なかなか良かったですね。
2点目は谷澤選手がサイドを崩したゴールでしたが、中に入っていたのがセンターハーフ(ですよね)の太田選手だったことも好印象です。
新戦力が次々融合する中で、確かに林選手の名前をあまり聞きませんね。
怪我などでなければ良いですし、早く活躍する姿を見せて欲しいです。
工藤選手や和田選手はもちろん、福岡に4失点したメンバーも、まだまだ練習試合はありますから、おっしゃる通り自分の持ち味を発揮して、江尻監督にどんどんアピールして欲しいところです。
>バローさん
コメントありがとうございます。
2005年は面白かったですよね。
J1もJ2も最終戦まで目が離せない展開で、選手の個性も強かった印象があります。
もちろん、ジェフの初タイトルという忘れられない出来事もありましたが。
posted by マルコス | 2010-02-11 21:19
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : marcos2008
>kohjiさん
コメントありがとうございます。
確かにサイドを突破する前に、もう一つ逆算して有利な状況にボールを運ぶかがキャンプの課題になるかも知れません。
清水戦・・・確かにお手本のようなゴールを決められましたね。
>さいとさん
お世話になっております。
確かにサイドアタックという意味では甲府よりも90年代のアヤックスがわかりやすいお手本になりますね。
サイドからのセンタリングに複数の選手が飛び込む。
もちろん、リスクは伴いますが、そういうサッカーに熱狂していた経験がジェフにはありますからね。
引いた相手であってもサイドを支配出来れば、中央に長身の選手(ネット選手と巻選手の共存など)を揃えることも出来る選手層なだけに、毎試合大量得点が挙げられるチームになって欲しいです。
一方で、中央からの攻撃をどうするか。
ボランチの楔から巻選手というパターンもありましたが、この辺りも進化してくれば面白くなりそうです。
posted by マルコス | 2010-02-11 21:40
4-3-3システムで昇格のためのサイドアタックを
コメント投稿者ID : marcos2008
>ちょろさん
お世話になっております。
オプションの追加・・・なるほどです。
例えば昨季半年間積み上げた4-4-2なんかもオプションとして考えても良いのかも知れません。
確かに最近のJ2では守備的なチームは多くなく、どのクラブも自分たちのサッカーでチャレンジしているように感じます。
そんな中でジェフがどのように勝ち抜いていくか。
軸となる攻撃パターンの確立にはもしかしたら時間がかかり、序盤は苦戦するかも知れませんが、キャンプ中にその精度を高めて欲しいと思います。
日本代表について、私は岡田監督はミラーに似たタイプだと考えている(もちろん違いはありますが、守備重視という点で)ので、ミラー時代のジェフと似たような展開になってしまうことはまあ仕方ないかなと。
それよりも、本来はキャンプで体を作るこの時期に東アジア選手権というワールドカップのシミュレーションにもならない大会で優勝を目指さなければならない状況をもったいなく感じます。南米やアフリカ遠征が出来ればいいのですが・・・。
posted by マルコス | 2010-02-11 22:14
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