2009年03月30日
ミシェウが走ればシステムが変わる【ナビスコカップ第2節 柏レイソル戦】
07年から過去7試合中5試合が1-1というスコアだった柏との千葉ダービー。 1-1だけは勘弁して欲しいと挑んだナビスコカップ第2節。 日立台で何度負けても、フクアリではもう負けられない。 公式戦4試合未勝利の流れを断ち切るために。 そんなスーペルクラシコ第2弾、柏レイソル戦です。 プレビュー:試合決める力を【ナビスコカップ第2節 柏レイソル戦プレビュー】 関連記事:J'Sゴールゲームサマリー またまた追いつかれ千葉ドロー沼地獄 新居先制弾も千葉初勝利逃す/ナビスコ杯 山形小林監督が次戦の相手千葉を分析 「勝てた試合」千葉、追いつかれる/ナビスコ杯
■今日のスタメン GK: 17. 櫛野亮 DF: 2. 坂本將貴 DF: 14. 池田昇平 DF: 4. ボスナー DF: 31. 青木良太 MF: 10. 工藤浩平 MF: 3. 斎藤大輔 MF: 6. 下村東美 MF: 16. 谷澤達也 MF: 19. ミシェウ FW: 11. 新居辰基 前節の神戸戦のメンバーから怪我のアレックス選手が外れ、下村選手が左サイドに入りました。 後は変更なしということで、神戸で見せた内容をフクアリでも見せて欲しいところです。
■[前半]斎藤大輔とダイアモンド フクアリ編 まず、守備に関して非常に安定していたように感じます。 その理由はやはり新しいダイアモンド型のシステム。 アンカーの斎藤大輔選手は運動量があり、強さがあって、さらに元々センターバックの選手だけあって守備能力も高い。 また、サイドの工藤選手と下村選手も中に絞ってプレスをかけることで、高い位置でのカウンターが可能となり、サイドハーフの二人がボランチのような役目を果たすため、サイドバックがそのスペースを埋める必要があり、リーグ戦よりも高い位置でプレーしていました。 そのことで、守備ラインも高く保つことが出来ていたように感じました。 さらに守備ラインが高いラインを保つために、中盤と前線の6選手が中央でプレスをかける上で、斎藤選手、工藤選手は非常に良い動きを見せてくれたように感じます。 また攻撃面でも、ダブルボランチがそのまま中盤に残ることが多かったリーグでの戦いに比べ、システムが4-1-3-2となることで、厚みが増していたように感じます(まだ水準は高くないですが)。 斎藤選手自身も良いタイミングで顔を出すことで、攻撃面での貢献度も高かったですね。 ただ、プレスに行く・ラインに吸収されるというバランス感覚は、経験値や危険察知の能力が高い斎藤選手ならではであり、戸田選手を放出したジェフが、彼が不在の時もこのシステムを継続させることが出来るかは微妙なところです。 それにしても、1974年生まれ、今季35歳になる斎藤選手は本当にいつまでも頼れるお父さんであり、現代のスーパーマンっぷりには頭が下がります。 ちなみに1974年は「アルプスの少女ハイジ」、「宇宙戦艦ヤマト」の放映が開始され、フィンガー5の「学園天国」 がヒットし、「ゴジラ対メカゴジラ」の映画が公開された年。 同じ年には立石智紀さん、松原良香さん、デルピエロ選手、スコールズ選手、松井秀喜選手、デレク・ジーター選手、うすた京介先生・・・。 なんだかこう名前を並べていると、まだまだ何年でも現役でいけそうな気がしてきます。
■[前半]互いを理解するタツタツコンビ 「タツ(新居)さんとはお互いに考えていることが分かるし、非常にやりやすい。ただ、もう少しクサビを受けて、3人目の飛び出しがないと攻撃の形はできないと思う」という谷澤選手のコメントが非常に的を射ていました。 お互いに息も合っており、囮の動き、裏への走り出す動き、スペースを作る動きと良く連携が取れていたように感じます。 また、ゴールに直結するパスを貰うために何度も動き直していた二人が前線にいるからこそ、そして、「裏を狙う」という狙いが明確だからこそ、奪った後にすぐに攻撃に転じられるという良さもあり、現状の形を継続するのであれば、途中から投入された巻選手よりも、この二人の方が得点の可能性を感じられるようにも思えました。 先制点は前半8分。 フランサ選手から青木良太選手がボールを奪うと、斎藤選手、ミシェウ選手、工藤選手、もう一度ミシェウ選手と繋ぐと、ミシェウ選手のスルーパスを新居選手がフリーで受け、GKのタイミングを外すように逆足である右で倒れ込みながら流し込んでの素晴らしいゴールでした。 ミシェウ選手という出し手がいるからこそ、新居選手が活きたプレーであり、逆に巻選手ではなく新居選手だからこそ、フリーでボールを受け、上手く決めることが出来たゴールでしたね。 ただ、試合を通して考えると、彼ら2人の動き出しこそ素晴らしかったのですが、ボールを預けた際にやはり強度不足は否めず、高さでの競り合いでもどうしても劣勢になっていました。 裏へのボールではなく、タツタツコンビの足元にボールが入った時に、いかにフォローがあるか、3人目の飛び出しがあるか。 今のシステムで戦う上で、彼らが裏だけを狙うサッカーでは、どうしても通用しないことがあるはずで、チャンスの場面にはミシェウ選手や工藤選手、下村選手といったアンカーと前線の間の選手いかに攻撃にうまく絡むのかが、今後重要なポイントになるように感じます。 実際に、ミシェウ選手や工藤選手がスペースに走り込むことで決定機、もしくは決定機まであと一歩という場面を生み出せていましたね。
■ハーフタイムコメント アレックス・ミラー 「勝ちたいという気持ちを強く出せ。ミスがあっても取り戻す動きがあればいい。怖がりすぎるな」
■[後半]ミシェウが走ればシステムが変わる この試合のMVPを選ぶならば、私はミシェウ選手を推します。 先制ゴールのスルーパスはもちろん素晴らしかったのですが、それ以上にその豊富な運動量。 柏が中盤で厳しいプレスをするチームではないという側面もあったものの、ミシェウ選手がとにかく顔を出すことで、パスコースを生みだし、これまでなかった自陣での細かい繋ぎを生み出すことが出来ていました。 前述の3人目の動きという意味でもPKかと思われたシーンなどもありましたが、最も可能性が感じられた選手の一人です。 また、その豊富な運動量は、オフザボールの動きのみならず、守備面での貢献も大きかったように感じます。 その証拠として、サポーターが最も多くコールしたのはミシェウ選手の名前でしたね。 ダイアモンドの中盤は、時折3ボランチに、さらに押し込まれそうな場面では、フラットの形にも見えました。 逆に攻撃時に3トップのように感じられたのは、ミシェウ選手がとにかく色んな場面に顔を出してくれたからこそでしょう。 彼が攻守に貢献してくれたからこそ、リーグよりも一枚少ない中盤でボールがよく繋がり、中盤のプレスも効いていたように感じます。 中2日ということもあり、途中で疲れてしまいましたが、ミラーの言うようによくハードワークしてくれたと感じています。
■[後半]厚いはずの選手層の薄さ この試合で持ち味を発揮出来なかったのは、下村選手と中後選手だと感じます。 共にボランチのレギュラーとして出場する選手であり、能力に問題があるわけではない。 下村選手は左サイドハーフとしての出場でしたが、あまりに左サイド中心にプレーし過ぎており、悪いプレーだったわけではないけれど、中後選手とのダブルボランチの時と比べれば、プレス以外の場面で持ち味を発揮することが出来ていなかった。 アレックス選手がこの位置に入れば、中でも外でも自由に動くことで持ち味が発揮出来るという良さが見れるのですが、逆サイドの工藤選手と比べて、下村選手は非常に窮屈そうに動いていたことを考えると、このシステムでアレックス選手に代わりになる選手が他にいなかったことを痛感しました。 下村選手自身も、「僕が相手にアプローチすることでボールが取れたところも何度かあったけど、僕はボールを持った時にドリブルで仕掛けるような選手ではないので。初めてこういうポジションで出たんですが、攻撃よりも守備で貢献することを考えてプレーしました」と戸惑いが感じられたコメントをしていますね。 斎藤選手、工藤選手、ミシェウ選手が攻守共に良かっただけに、私が物足りなく感じただけかも知れませんし、左サイドの守備を固める狙いがあったのかも知れません。 記者さんにはそのあたり、ミラーに質問して欲しかったのですが、質問が選手交代のことだけってのは、会見が短かったのでしょうか。 ナビスコでは巻選手の起用法ばかりですし、もっと踏み込んだ質問をして欲しいところです。 また、ミシェウ選手に代わって出場した中後選手も、ミシェウ選手の役割を果たすにはあまりにタイプが違いすぎました。 中後選手が良いパスを持っているのは理解していますが、それはミシェウ選手のように色々な場面に顔を出して、スルーパスで裏へ出すというものではない。 下村選手、中後選手が悪いのではなく、彼らの適正ポジションではなかった。 そして、チームを見渡した時に適正ポジションとなる選手がいなかった。 それは、怪我を負ってパフォーマンスが落ちてしまった斎藤選手がそのままフル出場した理由にも繋がるのかも知れません。 単純に前線を強化したい、休ませたいという狙いがあったかも知れませんが。 無理に同じスタイルで戦う必要はないですし、すべての選手にバックアップが存在するわけではないことはわかりますが、ジェフは選手が代わった後も同じ形で戦っていた。 シーズン前に多くの中盤の選手を獲得し、これで選手層は厚くなったように感じられましたが、それはあくまでもシステムが4-2-3-1での話であって、4-1-3-2というシステムでは、選手層の薄さを感じてしまったというのが本音です。
■[後半]課題は明確も改善は難しい ジェフに疲れが出たこと、柏が選手交代で修正したこともあって、後半20分以降は柏ペースとなり、いつものように守備ラインが下がり、同点ゴールとなる素晴らしいミドルシュートをこの日も披露されることとなりました。 このことに関して、選手たちも監督も厳しく受け止めています。 アレックス・ミラー 「簡単にボールを失ってしまい、25メートル程の距離からミドルシュートを打たれてしまいました。そこに対してはDFがしっかりと寄せなければいけない状況だったと思います。うちは今、こういったことで無失点にできていません」 下村東美 「後半はどうしてもチーム全体が下がってしまった。失点の場面に関しては、相手の選手が仕掛けてくるのに対して、真ん中には空いているうちの選手がいたはずなんですが、どうしても試合の中ではああいうふうにポカっと相手の選手が空いてしまうことがある」 工藤浩平 「後半は疲れてしまって、全体に下がり気味になってしまった。やはりラインを下げてしまうと失点しやすくなってしまう」 櫛野亮 「血管が切れそうになるぐらい、何度も大きな声を出してみんなには『下がるな!』と言っているんですけど、どうしても全体がゴール前に下がってきてしまう。もちろん1点取った後に追加点を取れればいいですけど、今のうちはそんなに何点も取れるわけではない。だから、今は1-0で勝つ試合をしないといけないと思います。今はとにかく辛抱の時ですね」 池田昇平 「点を取られた場面はどうしても、プレッシャーがかからず、ディフェンスラインが下がってしまっている。そこがボクたちの課題。ラインが下がらないように、プレッシャーがかかるようにしていきたい」 新居辰基 「ディフェンスに関してもうしろだけの問題でもない。同じミスをこれ以上繰り返さないようにしたい」 昨年から付きまとう、ラインを下げてミドルシュートという「失点パターン」。 なかなか改善が出来ませんが、試合の中でそういったシーン自体は少なくなってきてはいる。 もう少し我慢が必要かも知れませんが、逆に考えれば、守備ラインが下がった時以外の失点はガンバ戦以降少なくなっているのも事実。 新居選手のコメントにもあるように、守備ラインが下がるのは、DFの選手たちの責任ではないですし、ジェフは90分間ラインを下げずにプレー出来るようなアクションサッカーをするチームではなく、あくまでも受身から攻撃を開始するリアクションサッカー。 ラインが下がったらすぐに失点するのではなく、下がりっぱなしになっているからこそ、ミドルシュートのタイミングを与えてしまうので、そこをなんとか耐えしのいでいくしかありません。 じゃあ、なぜ下がりっぱなしになるかと言えば、押し込まれる時間帯だったから。 柏戦はミシェウ選手が交代し、斎藤選手に怪我があったことが原因の一つでしょう。 それでも、内容は確実に向上している。 1か月で3度戦った柏レイソルのサポーターの方がブログで「千葉さんは徐々に良くなっている兆しが他サポながらわかりました」と書いて下さっているのだから、間違いないでしょう。 ナビ杯予選第2節 千葉戦A(Rb ism ~蹴球観戦記~様) 「引き分けるチーム」から「勝てるチーム」になるまでは、あともうちょっと。 押し込まれる時間帯があるのは仕方無いわけで、あとはそれをどれだけ短く出来るか、いかに耐えられるか。 桜の開花に合わせて、ジェフも開花してくれれば、と期待して待ちわびたいと思います。
■総括として 「今日の試合はいいスタートを切ることができましたし、柏レイソルにどんどんプレッシャーをかけていくことがしっかりとできていたと思います。高めでボールをキープすることもでき、FWの二人のいい動き出しもできていました」 ミラーのコメントに私も賛成です。 工藤選手、ミシェウ選手、斎藤選手が非常に多く走ることで、ボランチが1枚の中盤4人でもプレスは効いていましたし、速攻も出来ていたように感じます。 特に高い位置でボールを奪った後に、工藤選手からのクロスに谷澤選手がヘッドで合わせたシーンなどは、「エキサイティングなサッカー」の片鱗が見れたと言えるのではないでしょうか。 結果としては、今シーズン4試合連続となる、また対柏4戦連続となる、いつも通りの1-1ドロー。 とはいえ、内容自体は神戸戦に引き続き良かったと思います。 プレビューで書いた、「試合を決める力」は攻守ともに見られなかったものの、守備の安定、速い攻撃が見れたことは収穫です。 中盤でのプレッシャーに関しては向上を感じられ、2試合続けて「勝てる試合」と監督が評価していて、攻撃も3戦連続で先制点を決めている。 谷澤選手、新居選手とFWの選手が2試合連続でゴールを決めているのも大きいですし、ターンオーバーが機能することもこの試合で確信を持つことが出来ました。 カップ戦2試合で内容は上向きになってきただけに、次のリーグ戦は非常に大切なものになりますし、そろそろ結果を求めたい気持ちも強いです。 公式戦4戦無敗という数字も、勝利があってこそ輝くものですので、次こそは、結果も付いてくることを期待したいですね。
サポーターに関して。 画像は柏サポーター(モザイクかかってる人がいますね)ですが、ジェフサポーターについて。 前半は人数の少なさか、寒さに負けてか、声が小さかったです。 ただ、ハーフタイムに温まった後、後半は大きな声が出ていました。 谷澤選手のチャントの盛り上がりが凄く良い感じでしたね。 山形でも「ジェフサポーターは熱いな」と思って貰える応援をしましょう。 本日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
![]()
新居選手、初ゴールおめでとうございます。 やっぱり「餓えた新居」は頼りになります。 良い笑顔ですね!
posted by marcos2008 |12:01 |
ジェフ千葉 観戦記 |
コメント(4) |
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が変わる【ナビスコカップ第2節 柏レイソル戦】
コメント投稿者ID :
アレックスは神戸戦でボスナーのクリアが顔に当たって出れなかったらしいです。
posted by jef16 | 2009-03-30 21:28
ミシェウが走ればシステムが変わる【ナビスコカップ第2節 柏レイソル戦】
コメント投稿者ID :
また1-1でしたね。
ぜひリーグ次節の初勝利、と行きたいものですね。
>同じ年には立石智紀さん、松原良香さん、デルピエロ選手、スコールズ選手、松井秀喜選手、デレク・ジーター選手、うすた京介先生・・・。
おお、斎藤選手、ワタクシと同い年かぁ~。
(ちなみに、デルピエロ選手とは、誕生日も一緒なんですよ!)
posted by 地理屋 | 2009-03-30 21:36
ミシェウが走ればシステムが変わる【ナビスコカップ第2節 柏レイソル戦】
コメント投稿者ID :
新居頑張れよ。
こんなもんじゃねぇぞ。
お前は。
posted by 厚別 | 2009-03-31 00:44
ミシェウが走ればシステムが変わる【ナビスコカップ第2節 柏レイソル戦】
コメント投稿者ID :
>jef16さん
コメントありがとうございます。
そうですね。残念ですが、ボスナー選手のキックを顔に受けて、命が残っただけでも充分です。
>地理屋さん
お世話になっております。
デルピエロ選手と誕生日が同じだなんて、まさに今が全盛期ですね。
ワンワンスコアが続きますが、次こそは初勝利を目指したいです。
>厚別さん
コメントありがとうございます。
同意です。
posted by マルコス | 2009-04-01 00:00
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07年から過去7試合中5試合が1-1というスコアだった柏との千葉ダービー。
1-1だけは勘弁して欲しいと挑んだナビスコカップ第2節。
日立台で何度負けても、フクアリではもう負けられない。
公式戦4試合未勝利の流れを断ち切るために。
そんなスーペルクラシコ第2弾、柏レイソル戦です。
プレビュー:
■今日のスタメン
GK: 17. 櫛野亮
DF: 2. 坂本將貴
DF: 14. 池田昇平
DF: 4. ボスナー
DF: 31. 青木良太
MF: 10. 工藤浩平
MF: 3. 斎藤大輔
MF: 6. 下村東美
MF: 16. 谷澤達也
MF: 19. ミシェウ
FW: 11. 新居辰基
前節の神戸戦のメンバーから怪我のアレックス選手が外れ、下村選手が左サイドに入りました。
後は変更なしということで、神戸で見せた内容をフクアリでも見せて欲しいところです。
■[前半]斎藤大輔とダイアモンド フクアリ編
まず、守備に関して非常に安定していたように感じます。
その理由はやはり新しいダイアモンド型のシステム。
アンカーの斎藤大輔選手は運動量があり、強さがあって、さらに元々センターバックの選手だけあって守備能力も高い。
また、サイドの工藤選手と下村選手も中に絞ってプレスをかけることで、高い位置でのカウンターが可能となり、サイドハーフの二人がボランチのような役目を果たすため、サイドバックがそのスペースを埋める必要があり、リーグ戦よりも高い位置でプレーしていました。
そのことで、守備ラインも高く保つことが出来ていたように感じました。
さらに守備ラインが高いラインを保つために、中盤と前線の6選手が中央でプレスをかける上で、斎藤選手、工藤選手は非常に良い動きを見せてくれたように感じます。
また攻撃面でも、ダブルボランチがそのまま中盤に残ることが多かったリーグでの戦いに比べ、システムが4-1-3-2となることで、厚みが増していたように感じます(まだ水準は高くないですが)。
斎藤選手自身も良いタイミングで顔を出すことで、攻撃面での貢献度も高かったですね。
ただ、プレスに行く・ラインに吸収されるというバランス感覚は、経験値や危険察知の能力が高い斎藤選手ならではであり、戸田選手を放出したジェフが、彼が不在の時もこのシステムを継続させることが出来るかは微妙なところです。
それにしても、1974年生まれ、今季35歳になる斎藤選手は本当にいつまでも頼れるお父さんであり、現代のスーパーマンっぷりには頭が下がります。
ちなみに1974年は「アルプスの少女ハイジ」、「宇宙戦艦ヤマト」の放映が開始され、フィンガー5の「学園天国」 がヒットし、「ゴジラ対メカゴジラ」の映画が公開された年。
同じ年には立石智紀さん、松原良香さん、デルピエロ選手、スコールズ選手、松井秀喜選手、デレク・ジーター選手、うすた京介先生・・・。
なんだかこう名前を並べていると、まだまだ何年でも現役でいけそうな気がしてきます。
■[前半]互いを理解するタツタツコンビ
「タツ(新居)さんとはお互いに考えていることが分かるし、非常にやりやすい。ただ、もう少しクサビを受けて、3人目の飛び出しがないと攻撃の形はできないと思う」という谷澤選手のコメントが非常に的を射ていました。
お互いに息も合っており、囮の動き、裏への走り出す動き、スペースを作る動きと良く連携が取れていたように感じます。
また、ゴールに直結するパスを貰うために何度も動き直していた二人が前線にいるからこそ、そして、「裏を狙う」という狙いが明確だからこそ、奪った後にすぐに攻撃に転じられるという良さもあり、現状の形を継続するのであれば、途中から投入された巻選手よりも、この二人の方が得点の可能性を感じられるようにも思えました。
先制点は前半8分。
フランサ選手から青木良太選手がボールを奪うと、斎藤選手、ミシェウ選手、工藤選手、もう一度ミシェウ選手と繋ぐと、ミシェウ選手のスルーパスを新居選手がフリーで受け、GKのタイミングを外すように逆足である右で倒れ込みながら流し込んでの素晴らしいゴールでした。
ミシェウ選手という出し手がいるからこそ、新居選手が活きたプレーであり、逆に巻選手ではなく新居選手だからこそ、フリーでボールを受け、上手く決めることが出来たゴールでしたね。
ただ、試合を通して考えると、彼ら2人の動き出しこそ素晴らしかったのですが、ボールを預けた際にやはり強度不足は否めず、高さでの競り合いでもどうしても劣勢になっていました。
裏へのボールではなく、タツタツコンビの足元にボールが入った時に、いかにフォローがあるか、3人目の飛び出しがあるか。
今のシステムで戦う上で、彼らが裏だけを狙うサッカーでは、どうしても通用しないことがあるはずで、チャンスの場面にはミシェウ選手や工藤選手、下村選手といったアンカーと前線の間の選手いかに攻撃にうまく絡むのかが、今後重要なポイントになるように感じます。
実際に、ミシェウ選手や工藤選手がスペースに走り込むことで決定機、もしくは決定機まであと一歩という場面を生み出せていましたね。
■[後半]ミシェウが走ればシステムが変わる
この試合のMVPを選ぶならば、私はミシェウ選手を推します。
先制ゴールのスルーパスはもちろん素晴らしかったのですが、それ以上にその豊富な運動量。
柏が中盤で厳しいプレスをするチームではないという側面もあったものの、ミシェウ選手がとにかく顔を出すことで、パスコースを生みだし、これまでなかった自陣での細かい繋ぎを生み出すことが出来ていました。
前述の3人目の動きという意味でもPKかと思われたシーンなどもありましたが、最も可能性が感じられた選手の一人です。
また、その豊富な運動量は、オフザボールの動きのみならず、守備面での貢献も大きかったように感じます。
その証拠として、サポーターが最も多くコールしたのはミシェウ選手の名前でしたね。
ダイアモンドの中盤は、時折3ボランチに、さらに押し込まれそうな場面では、フラットの形にも見えました。
逆に攻撃時に3トップのように感じられたのは、ミシェウ選手がとにかく色んな場面に顔を出してくれたからこそでしょう。
彼が攻守に貢献してくれたからこそ、リーグよりも一枚少ない中盤でボールがよく繋がり、中盤のプレスも効いていたように感じます。
中2日ということもあり、途中で疲れてしまいましたが、ミラーの言うようによくハードワークしてくれたと感じています。
■[後半]厚いはずの選手層の薄さ
この試合で持ち味を発揮出来なかったのは、下村選手と中後選手だと感じます。
共にボランチのレギュラーとして出場する選手であり、能力に問題があるわけではない。
下村選手は左サイドハーフとしての出場でしたが、あまりに左サイド中心にプレーし過ぎており、悪いプレーだったわけではないけれど、中後選手とのダブルボランチの時と比べれば、プレス以外の場面で持ち味を発揮することが出来ていなかった。
アレックス選手がこの位置に入れば、中でも外でも自由に動くことで持ち味が発揮出来るという良さが見れるのですが、逆サイドの工藤選手と比べて、下村選手は非常に窮屈そうに動いていたことを考えると、このシステムでアレックス選手に代わりになる選手が他にいなかったことを痛感しました。
下村選手自身も、「僕が相手にアプローチすることでボールが取れたところも何度かあったけど、僕はボールを持った時にドリブルで仕掛けるような選手ではないので。初めてこういうポジションで出たんですが、攻撃よりも守備で貢献することを考えてプレーしました」と戸惑いが感じられたコメントをしていますね。
斎藤選手、工藤選手、ミシェウ選手が攻守共に良かっただけに、私が物足りなく感じただけかも知れませんし、左サイドの守備を固める狙いがあったのかも知れません。
記者さんにはそのあたり、ミラーに質問して欲しかったのですが、質問が選手交代のことだけってのは、会見が短かったのでしょうか。
ナビスコでは巻選手の起用法ばかりですし、もっと踏み込んだ質問をして欲しいところです。
また、ミシェウ選手に代わって出場した中後選手も、ミシェウ選手の役割を果たすにはあまりにタイプが違いすぎました。
中後選手が良いパスを持っているのは理解していますが、それはミシェウ選手のように色々な場面に顔を出して、スルーパスで裏へ出すというものではない。
下村選手、中後選手が悪いのではなく、彼らの適正ポジションではなかった。
そして、チームを見渡した時に適正ポジションとなる選手がいなかった。
それは、怪我を負ってパフォーマンスが落ちてしまった斎藤選手がそのままフル出場した理由にも繋がるのかも知れません。
単純に前線を強化したい、休ませたいという狙いがあったかも知れませんが。
無理に同じスタイルで戦う必要はないですし、すべての選手にバックアップが存在するわけではないことはわかりますが、ジェフは選手が代わった後も同じ形で戦っていた。
シーズン前に多くの中盤の選手を獲得し、これで選手層は厚くなったように感じられましたが、それはあくまでもシステムが4-2-3-1での話であって、4-1-3-2というシステムでは、選手層の薄さを感じてしまったというのが本音です。
■[後半]課題は明確も改善は難しい
ジェフに疲れが出たこと、柏が選手交代で修正したこともあって、後半20分以降は柏ペースとなり、いつものように守備ラインが下がり、同点ゴールとなる素晴らしいミドルシュートをこの日も披露されることとなりました。
このことに関して、選手たちも監督も厳しく受け止めています。
アレックス・ミラー
「簡単にボールを失ってしまい、25メートル程の距離からミドルシュートを打たれてしまいました。そこに対してはDFがしっかりと寄せなければいけない状況だったと思います。うちは今、こういったことで無失点にできていません」
下村東美
「後半はどうしてもチーム全体が下がってしまった。失点の場面に関しては、相手の選手が仕掛けてくるのに対して、真ん中には空いているうちの選手がいたはずなんですが、どうしても試合の中ではああいうふうにポカっと相手の選手が空いてしまうことがある」
工藤浩平
「後半は疲れてしまって、全体に下がり気味になってしまった。やはりラインを下げてしまうと失点しやすくなってしまう」
櫛野亮
「血管が切れそうになるぐらい、何度も大きな声を出してみんなには『下がるな!』と言っているんですけど、どうしても全体がゴール前に下がってきてしまう。もちろん1点取った後に追加点を取れればいいですけど、今のうちはそんなに何点も取れるわけではない。だから、今は1-0で勝つ試合をしないといけないと思います。今はとにかく辛抱の時ですね」
池田昇平
「点を取られた場面はどうしても、プレッシャーがかからず、ディフェンスラインが下がってしまっている。そこがボクたちの課題。ラインが下がらないように、プレッシャーがかかるようにしていきたい」
新居辰基
「ディフェンスに関してもうしろだけの問題でもない。同じミスをこれ以上繰り返さないようにしたい」
昨年から付きまとう、ラインを下げてミドルシュートという「失点パターン」。
なかなか改善が出来ませんが、試合の中でそういったシーン自体は少なくなってきてはいる。
もう少し我慢が必要かも知れませんが、逆に考えれば、守備ラインが下がった時以外の失点はガンバ戦以降少なくなっているのも事実。
新居選手のコメントにもあるように、守備ラインが下がるのは、DFの選手たちの責任ではないですし、ジェフは90分間ラインを下げずにプレー出来るようなアクションサッカーをするチームではなく、あくまでも受身から攻撃を開始するリアクションサッカー。
ラインが下がったらすぐに失点するのではなく、下がりっぱなしになっているからこそ、ミドルシュートのタイミングを与えてしまうので、そこをなんとか耐えしのいでいくしかありません。
じゃあ、なぜ下がりっぱなしになるかと言えば、押し込まれる時間帯だったから。
柏戦はミシェウ選手が交代し、斎藤選手に怪我があったことが原因の一つでしょう。
それでも、内容は確実に向上している。
1か月で3度戦った柏レイソルのサポーターの方がブログで「千葉さんは徐々に良くなっている兆しが他サポながらわかりました」と書いて下さっているのだから、間違いないでしょう。
■総括として
「今日の試合はいいスタートを切ることができましたし、柏レイソルにどんどんプレッシャーをかけていくことがしっかりとできていたと思います。高めでボールをキープすることもでき、FWの二人のいい動き出しもできていました」
ミラーのコメントに私も賛成です。
工藤選手、ミシェウ選手、斎藤選手が非常に多く走ることで、ボランチが1枚の中盤4人でもプレスは効いていましたし、速攻も出来ていたように感じます。
特に高い位置でボールを奪った後に、工藤選手からのクロスに谷澤選手がヘッドで合わせたシーンなどは、「エキサイティングなサッカー」の片鱗が見れたと言えるのではないでしょうか。
結果としては、今シーズン4試合連続となる、また対柏4戦連続となる、いつも通りの1-1ドロー。
とはいえ、内容自体は神戸戦に引き続き良かったと思います。
プレビューで書いた、「試合を決める力」は攻守ともに見られなかったものの、守備の安定、速い攻撃が見れたことは収穫です。
中盤でのプレッシャーに関しては向上を感じられ、2試合続けて「勝てる試合」と監督が評価していて、攻撃も3戦連続で先制点を決めている。
谷澤選手、新居選手とFWの選手が2試合連続でゴールを決めているのも大きいですし、ターンオーバーが機能することもこの試合で確信を持つことが出来ました。
カップ戦2試合で内容は上向きになってきただけに、次のリーグ戦は非常に大切なものになりますし、そろそろ結果を求めたい気持ちも強いです。
公式戦4戦無敗という数字も、勝利があってこそ輝くものですので、次こそは、結果も付いてくることを期待したいですね。
サポーターに関して。
画像は柏サポーター(モザイクかかってる人がいますね)ですが、ジェフサポーターについて。
前半は人数の少なさか、寒さに負けてか、声が小さかったです。
ただ、ハーフタイムに温まった後、後半は大きな声が出ていました。
谷澤選手のチャントの盛り上がりが凄く良い感じでしたね。
山形でも「ジェフサポーターは熱いな」と思って貰える応援をしましょう。
本日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。





