2009年02月04日

若手育成を考える

【2009シーズン始動!】ジェフユナイテッド千葉新体制発表会見での三木博計社長・昼田宗昭強化シニアマネージャーコメント(09.02.02)
【2009シーズン始動!】ジェフユナイテッド千葉新体制発表会見でのアレックスミラー監督コメント(09.02.02)
【2009シーズン始動!】ジェフユナイテッド千葉新体制発表会見での新加入選手コメント(09.02.02)

J'sGOALニュースにて、昨日の新体制発表会見でのコメントが掲載されています。

今日から3部作くらいで、そんな新体制発表会見であったコメントを取り上げ、やっぱりあれこれ考えてみたいと思います。

第一回は、「若手の育成について」です。

難しいテーマですが、皆様もすでに色々と考えてらっしゃるかも知れませんね。


■アカデミーとなったジェフリザーブズ

三木社長の言葉にもあるように、今季からジェフリザーブズはアカデミーという場になった。

アカデミーの意味(学術団体、学会)を私はいまいち理解していない部分があるのですが、ここでは、育成のための組織になったという解釈で話を進めたいと思います。

ジェフリザーブズが明確に育成の場になれば、これまでぼやけていたリザーブズの価値や存在意義がよりいっそうはっきりするようになるように感じます。

これまで、トップとリザーブズを何度も往復していた中牧選手のように、トップの活動にもリザーブズの活動にも集中し辛い、いわばプロ野球の2軍のような位置付けでしたが、育成の場であれば、トップの人数が足りないからと、緊急の穴埋めとして呼ばれることもなく、自分の成長と向き合うことが出来る。

また、新人選手に対してもトップで通用しないならば、まずはリザーブズからゆっくりと育成することが出来るため、他のチームよりも若干のアドバンテージを持てるようにも感じます。

昨季のような戦力外要員とイコールになってしまうチームでは、意味がなくなってしまいますが、まずはJFLというアマチュアのトップリーグで自らの力を伸ばし、トップへ上がっていく、というコースが出来れば、と思います。

もちろん、ゆっくりと育成するといっても、結果はすぐに求められるのが寿命の短いサッカー選手なんですけどね。

また、有力ではあるけれど晩成型の選手に対してもアプローチをかけやすいのもリザーブズの長所だと感じます。
トップで契約するにはリスクがあっても、リザーブズであればそれも軽減出来る。

そして、育成のためにレンタルで選手を出して、藤田選手のように帰って来なくなるよりも、ユースから大学へ進学して中後選手のように別のチームに入団するよりも、リザーブズで育成していく中で、トップチームに参加することへの渇望を持たせた方が、良いでしょう。

昨季はリセットのため、リスタートのための一年だったと以前書きましたが、リザーブズという組織にとっても、今季からが新たなスタートになるように感じます。


■若手の育成は必要なのか

当然のことながら、若手選手の育成にはお金がかかります。

コーチらの人件費や施設などのハード面を含めて、投資額は天井知らずなのに対して、選手が育つ保障はどこにもなく、怪我の心配やそもそも選手に才能はあるのか、時間をかけて育てても広山選手のように無料当然で海外へ行く可能性もある。

ユースが機能せずに成功したクラブはいくらでもあります。

スペインにあるデポルティーボ・ラ・コルーニャがその典型例で、彼らはユースの育成よりも、有力外国人の獲得に力を注いでいました。

ポルトガルに近いガリシア地方にあるクラブということもありましたが、リバウド、ベベット、マウロ・シウバ、ドナト、ファビアーノという素晴らしいブラジル選手を幾多も獲得し、また若いフアン・カルロス・バレロンという選手を獲得し、彼はチームの顔になるまでの成長を遂げた。

国内のチームを見渡しても、ガンバ大阪や京都サンガ、何より今のジェフのようにレギュラーにほとんど生え抜きがいないクラブもある。

ただ、若手選手やユース選手に頼らないチームを作るには、やはりそれなりのお金が必要になる。

ジェフはユース出身の選手を売り、黒字を出してきましたが、昨年もそうであったように、売った選手の穴を補充するための移籍金が必要になる。

そして、J1に残り続けるためには、補強の失敗が許されなくなる。
大金を払って選手を獲得しても、怪我やスランプの危険性は常にはらんでいるわけですからね。

さらに、移籍で補強するのはどのチームでもしていること。
ガンバもそうですが、移籍加入した選手とユース出身の選手が共存することで、単純に移籍だけで選手層を厚くするよりも、効率的で長期的な補強が可能になる。

育成力があることは、クラブにとって決してマイナスになることはない。

常に強いチームであるためには、常に若く才能のある選手が必要となり、たとえ移籍したとしても、移籍金さえ残してくれれば、心情はともかく、財政的には温まる。

昨季のジェフに出来なかったのは、その穴をユース出身者などの若手選手で埋めること。
抜けた選手と同額を出して選手補強をしていては、ユースの価値も下がってしまう。

継続的にチームを強化していくためには、潤滑な世代交代が求められ、若手の育成が重要なポイントになります。
選手を補強することは大切ですが、それと同じくらい若手選手の成長は大切なことだと感じます。

何よりも、やはりユース出身の選手がチームにいないことは、サポーターにとっては寂しいことではないでしょうか。

そういう意味で、「実は工藤選手以降育成からのトップ雇用というのが途切れております」という三木社長の言葉は、育成の失敗を認めるものであり、問題視するべきことだと感じます。


■帰って来た大木さん

ユースの難しいところは、指導者の質だけでなく選手との相性や選手の才能、施設の質など求められるものは多岐に渡るところです。

だから、監督だけで全てが変わるわけじゃない。
けれど、ジェフサポーターはどうしても監督に依存しがちな気質がある。

ユースの監督に就任した大木誠さんには、「山口智、阿部勇樹、山岸智、工藤浩平、岡本昌弘らをずっと育成で育ててきたコーチ」としての力を十二分に発揮して欲しいところです。

また、OBの大柴克友さんがユースのシューティング専門コーチに就任。
私は決定力という言葉が嫌いなので、そのことについては、あまりあれこれ書きたくないのですが、個々の能力をその道のプロが指導するということは面白い試みだと思います。

特に、OBの大柴さんを起用したというのが嬉しいですね。
OB選手の未来については、次回の記事でまとめたいと思いますが、やはり引退後もジェフに関わって欲しいというのが、ファンの本音ではないでしょうか。

解説者になるのも良いのですが、そこで「降格するのはジェフ!」と言われると凄く微妙な気分になりますから。


■ジェフの下部組織が再び輝くように

GK 高木貴弘、太洋一、岡本昌弘 

DF 山口智、市原充喜、小宮山尊信、竹田忠嗣、山本英臣、井上公平

MF 酒井友之、村井慎二、阿部勇樹、佐藤勇人、山岸智、工藤浩平、鈴木規郎、中後雅喜、金子慎二

FW 佐藤寿人、遠藤敬佑、金東秀、川淵勇祐、西脇良平

ここに名前を挙げたのが一例にすぎないくらい、多くの選手をプロに排出してきたジェフの下部組織。

若手育成というのは簡単なものではないのは間違いないですが、やはり以前の「育成のジェフ」という看板をこのまま置き去りにするのは非常に忍びない。

改善のためには、近年の停滞の原因究明も必要ですし、指導者とユース世代の質の向上も求められる。

三木社長がはっきりと明言したからには、若手の育成を期待したいところですが、では実際に育成に力を入れる上で、どのような問題があるのでしょうか。


■ジェフの若手育成の弊害

ジェフが育成力が他のサポーターから一目置かれていた時代は、黄金時代と呼ばれる阿部勇樹~工藤浩平までの4年間だけでしょう。

しかも後半3年間は、中後雅喜選手が大学を経て鹿島へ、小宮山尊信選手が高校・大学を経てマリノスへ、鈴木規郎選手が高校を経てFC東京へ入団している。

そして、そこから何年間も下部組織出身でトップで試合出場する選手が出てきていない。

ジェフは関東にホームタウンがあるため、下部組織を経ても他の関東のチームに流れる。

さらに、浦和ユースや柏ユース、マリノスユースにヴェルディユース、FC東京ユースと、近隣に競合するクラブがあり、さらにそれらのクラブが昨今結果を出していることも、逆風になっているように感じます。

特に同じ県内の柏ユースが昨季黄金時代を迎え、その内の6選手がトップに昇格したのに対し、ジェフがトップに昇格する選手がいなかった事実からは目を逸らすことは出来ません。

ジェフの黄金時代を迎えていた当時は、そこまでユースの存在はピックアップされませんでしたが、今ではどこのチームも当然のように力を入れているだけに、ジェフユースの黄金時代を再び!、とは簡単には言えないでしょう。

しかも、千葉は今やサッカー王国の一つ。
県内に強豪高校が多く、実際に前述の小宮山選手が市立船橋高校に、鈴木選手が県立八千代高校に流れている。

当時の小宮山選手のチームメイトには青木良太選手、大久保裕樹選手、小川佳純選手、原一樹選手、増嶋竜也選手、カレン・ロバート選手、鈴木修人選手、佐藤優也選手と逸材が揃っていたことを考えると、これも大きな弊害だと感じられます。

以前、Numberのノンフィクションにもありましたが、やはり高校サッカーという舞台は大きな魅力があり、実際にユースの誘いを蹴って高校の部活動へ流れる選手もいます。

他のユースチームでもなく、県内の強豪校でもなく、ジェフを選んでもらうためには、さらに魅力を増す必要があります。

ジェフユースのソフト面だけを良くしても、金の卵が別の人気クラブに流れては、ユースに才能が集まらない。
いかにして、ハード面とソフト面を魅力的に感じさせるかが課題になるように感じます。

このあたり、三木社長がどのように考えているのか、サポコミなどでの発言に注目したいところですね。


アレックス・ミラーを、サー・アレックス・ファーガソンにするためには、ミラー本人も言うようにユースの充実が求められる。

水本選手や水野選手を発掘したスカウティング力が、昼田さんが強化のトップに立ったことで、少し薄れた印象があるだけに、若手の育成を充実させるためには、やはりユースは軽視出来ませんし、ユース出身の中後選手を今年獲得したことは、何よりの反省材料だと感じます。

ユースにいかにして才能を集めるか、いかにして育てるか、いかにユースからトップへと順調にステップアップさせるか。

ひとまずは、サポコミを、そして今年一年の成果をじっくりと見つめたいと思います。

社長、期待しておりますぞ。


本日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

いよいよキャンプです。ウェルカムパーティーです。

ところで、大宮の桜井選手引退は少し残念でした。
サッカーが1on1のスポーツだったら日本屈指の存在な能力とストヤノフ選手をぶん殴ったことは忘れられません。

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posted by marcos2008 |12:14 | 考察 | コメント(4) | トラックバック(0)
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はじめましていつも楽しく拝見させて頂いております。質問ですが、廣山望選手福田健二選手もジェフの下部組織出身だったのでしょうか?

posted by 川崎犬 | 2009-02-04 21:36

若手育成を考える

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ご指摘ありがとうございます。
彼らは玉田選手と同じ市川カネヅカSC出身でした。
私の思い違いですので、修正しておきます。

posted by マルコス | 2009-02-04 22:12

若手育成を考える

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初めまして、お初コメントさせていただきますシティと申しますm(_ _)m
自分の興味のある若手育成、下部組織のお話だったので思わずコメントしたくなってしまい(笑)

さて、話題に挙がってます下部組織からの育成のお話ですが、自分としてはその通り!と納得する部分と、それはちょっと違うかなあという部分と両方あるんです。

まず、余り認識されて無い部分なんですが、多くの人にとって評価の高い祖母井さんがGMだった時代から、下部組織的には手抜きをされてるような印象を持っていました。
具体的に言うと、監督の指導方針、または指導者の人数や人事そのものについてです。

当時はそうなること(弱体化すること)は分かりきった上で、なおそうしてるのだろうと思っていたので、サポコミではテコ入れすると何度となく言われていましたけど、表で言っているほど実は力は入れてないんじゃないかな?と思っておりました。

2000年前後は資金的に余りにも厳しかったので仕方ないかなとも思っていましたし。

最近では、ユースはそこまで悪くなかったと思います。
特に昇格した乾と高田の世代は、その他に小井土、市原を始め複数の昇格候補が居ました。

ただ、ジュニアユースはちょっと問題だったと思います。
これはエルゴラなどで川端さんなども指摘されていましたが、選手はそれぞれの地区の有望選手がずっと来つづけていましたが、指導がちょっとよろしくないという話は、街クラブの間でも出ていました。

ジェフは監督依存の気質があると言われれば確かにと思いますが(笑)、しかしユース年代こそ指導者の影響力が大というのもまた確かなんです。
その評判によって来る選手が変わることがあるくらいです。

ジェフのフロントは、やむにやまれずかあえてかはわかりませんが、そこの部分を軽視し続けていました。
環境に関しては街クラブなどのほうがもっと悪いわけですから、あまり言い訳になりません。

自分としては、ジェフのユース年代の現状は環境による仕方ない論には組しません。

人災である、と思います。

posted by シティ | 2009-02-05 22:24

若手育成を考える

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はじめまして、非常に勉強になるコメントありがとうございます。

実は私の周辺に下部組織に明るい方があまりいらっしゃらないこともあって、とてもためになりました。

祖母井さんについて、これはあくまでも私の評価ですが、「クラブに残すものが少なかったGM」であったと感じています。

オシムら名将を引っ張ってきたこと、ジェフのタイトル獲得に貢献したこと、路線を継続させる強化をしたこと、多くの方がそうであるように評価するポイントは多々ある一方で、これは祖母井さんだけの責任ではないですが、おっしゃる通り元々あった資産を切り売りし過ぎたきらいはあります。

監督依存の気質を記事で書きましたが、良い意味でも悪い意味でもそれを生み出したのは祖母井さんであり、これはオシムの問題でもあったかも知れませんが、祖母井さんの意向で選手やスタッフのカットも非常に多かった。

中西永輔さんのカットは今でも賛否両論ですよね。

おっしゃる通り、ユースの育成では結果が出せず、自らもジェフよりも海外を選び、次の世代で中心になるべき水野選手と水本選手が移籍したこともあって、1つサイクルを飛ばしてしまったことで、世代交代が早くなりすぎたように感じます。

そういう意味で、昨季途中、今季の補強は必要なものであったと解釈しています。

この辺り、記事にすると怖いので、ひっそりコメントで本音を書いておきますと、祖母井さんの時代は最高のものではなく、一つの成功と失敗が重なった例でもあるようにも感じました。祖母井さん個人にその責任は押し付けられませんが。

ユースの難しいところは、質の高い選手が揃ったとしても、指導者の質が悪ければ意味がないことです。

ちょっと違う話になるかも知れませんが、非常に評価の高い柏ユースがピックアップされる一方、柏のジュニアユースのある世代の指導者は質があまり良くないという話を、以前柏の関係者だった方から聞いたことがあります。

全ての年代で最高の指導者が付く、というのは厳しいですし、それをGMだけの責任にすることは難しい。

けれど、問題を先送りにする姿勢は正しくない。
「3年計画だから」と言って、その後のことを軽視することも同じ。

サポーターとしては、あまり過去を振り返って、あれが良くなかった、という話はしたくないのですが、三木社長ら現フロントには、過去なぜうまくいかなかったか、という点をしっかりを顧みて欲しいと思います。

サポコミが終われば、我々に出来ることは信じることだけになりますからね。

posted by マルコス | 2009-02-06 00:11

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