2008年12月12日

オシムの時代。それはすなわち、千葉のキング中島浩司の時代だった

ジェフから多くの戦力外選手・移籍選手が発表されています。

当初は各選手について触れていくつもりでしたが、ちょうどオシムも日本を離れるということなので、本日は中島浩司選手について私の意見を。

参考文献:07年11月発売の某週間サッカーマガジンのインタビュー記事

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■仙台の10番から千葉のキングへ

仙台育英高校から当時JFLのブランメル仙台に入団した中島選手。

1999年11月14日のFC東京戦(駒沢競技場)で放ったミドルシュートは、FC東京のJ1自力昇格の可能性を消し去り、並びに目前での昇格を阻止したゴールとして仙台サポーターの間で語り草となっている(Wikipediaより)。

1999 J2-35 FC Tokyo vs Vegalta Sendai(Youtube)

仙台で10番を付ける程の選手でしたが、02年オフに仙台から戦力外となり、Jリーグ合同トライアウトを経て翌年にジェフに入団。

同じく、ジェフに就任したのが、イビチャ・オシムでした。

好きなサッカー選手はバルデラマ(元コロンビア) で、ファンタジスタNAKAZIMAとも呼ばれた選手でしたが、オシムとの出会いによって、大きく成長を遂げることとなりました。

その要因となったのが、このエピソードだと感じます。

「入団後、あまり出場機会がなかった時期に、どうすればプレーの質を上げられるかをオシム監督に聞いたら、『お前は足が速いプレイヤーでも強いプレイヤーでもない。しかし、相手より先にスタートを切ることで早いプレーはできる。スピードは別の物で補える。肉体的なことは変わらなくてもプレーの質を上げることはできる』と言われた」

このことから、中島選手はオフザボールの動きの質と判断力の向上を意識するようになったそうです。

このオシムの言葉は、全ての日本人選手に当てはまるものであり、それを誰よりも意識して実践したのが中島選手でした。

20代後半からオシムのもとで急成長した彼は、まさにオシムチルドレンの最代表格。

いつしか彼は、「国王」と呼ばれ、「千葉のキング」になりました。


■類まれなるポリバレント性

オシムのサッカーの申し子と呼ばれるのは、羽生選手や巻選手といった、所謂「走る」ことに特化した選手たち。

しかし、オシムが日本にもたらした言葉である「ポリバレント」に関しては、中島浩司選手こそがその申し子だったと思います。

現在、ジェフでGMを務める昼田さんは、中島選手についてこう語ります。

「今でこそポリバレントという言葉が当たり前に使われますが、ポリバレントの先駆者は中島ですよ。彼を獲得した理由は、左右両足で蹴れて高さがあるボランチが欲しかったから」

トップ下からセンターバックまでプレー可能で、オシムからの評価は非常に高く、中島選手に対しては非常に熱心に指導しているシーンが印象的でした。

ジェフの主力選手はほとんどが他クラブからオファーを受けており、実際に中島選手にもオファーはあったそうですが、「多くのポジションで使えて、サッカーを知っている彼を絶対に手放すな」とオシムがオファーを断らせ続けていたのですから、その熱の入れようは尋常ではないでしょう。

オシム時代は、阿部勇樹・佐藤勇人のダブルボランチのバックアップおよび、リベロのストヤノフ選手のバックアップとして、ジェフの薄い選手層を一人で支えてくれました。

また、息子のアマル政権時は、3バックのセンター(リベロ)としてレギュラーに定着。

高さと技術と読みの鋭さを併せ持った選手として、ジェフの薄い選手層を一人で支えてくれた、本当に頼りになる存在でした。


■実力以上に愛された男

ミスが多く、プレーも軽く、ピッチで散歩してる、あれはプロかと某掲示板にスレが立つなど、様々な壁があり、そしてそれに思い切りぶつかりながらも、成長を続けた遅咲きの菜の花。

本来は控え選手であり、20代後半にトライアウトで獲得したにも関わらず、中島選手は常にジェフファンから愛される存在でした。

専用の応援歌を持ち、熱心な固定ファンを持ち、いくつかの専用の横断幕を掲げられ、ある種レギュラー選手以上の人気を誇りましたね。

普段は飄々としている中島選手ですが、熱い一面もあることを示してくれたエピソードもあります。

07年。やらかしまくって大敗した東京戦後、気合の丸刈りで挑んだ広島戦で開始早々ハンドでPKを献上。

プロのサッカー選手にも関わらず、とても、身近で、人間味を感じさせる男でした。

中島選手は、全国的な知名度こそありませんが、千葉では「国王」として、誰よりも愛されており、オシム時代(06年)の浦和戦での素晴らしいゴールや、今年の川崎戦でのゴールは、他の誰のゴールよりもゴール裏が盛り上がりましたね。

ジェフファンの方が運営するブログは多々ありますが、どこのブログでも非常にショックを受けている様子が窺えたのも非常に興味深く、本当に愛されていたのだな、と改めて感じさせてくれました。


■千葉のキングはまだ終わりじゃない

今回、中島選手の戦力外通告に対して、フロントに怒りをぶつける方は少ないかと思います。

4バックのセンターとしての起用は本人も言うように理想的ではないですし、ポジションを考えれば、戸田選手を獲得すれば、年齢的にも弾かれるのは中島選手、これは間違った判断ではないと思います。

ただ、公式サイトに彼のコメントを掲載して欲しいと願います。

カップ連覇を果たした、イビチャ・オシムとアマル・オシムの時代、それはすなわち中島浩司の時代だったんだから。

コージ、いや、キング。

今まで本当にありがとうございました。

今年の神戸戦で見せたスルーパス。

あのプレーだけで、あなたが価値ある存在であること、そして、これからもあなたが活躍を続けられることがすぐに理解出来ます。

背番号15は、千葉のキング、中島浩司の番号に染まりました。


本日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

青木良太選手の海外挑戦には驚きました。人違いでしたが。

イチロー選手が初芝さんになってた時以来の衝撃でした。

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posted by marcos2008 |12:00 | 移籍・引退 | コメント(5) | トラックバック(0)
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オシムの時代。それはすなわち、千葉のキング中島浩司の時代だった

コメント投稿者ID :

良いも悪いもネット上でいろいろ言われてたようですが、私個人が彼に魅了された理由はひとつです。
それは一年一年、年を越すごとに見違えるように上手くなっていったこと。
巻選手もそうですが、そういう選手を応援できるのはサポーター冥利につきることだと思っています。
簡単に言いましたが実際にそれをやるのは凄い難しいことで、大変な努力と深い自己分析ができる頭の良さが無くては不可能じゃないでしょうか。
あ、そういう努力家な面と頭が良いっていうのも巻選手と共通する部分ですね。オシムさんと共に入団したこの二人が本当のオシムチルドレンだったのかもー、なんて

本当にとても残念です。別のチームでスタメンで活躍する姿を見せてくれることを願っています!

posted by tana | 2008-12-12 14:07

オシムの時代。それはすなわち、千葉のキング中島浩司の時代だった

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初めてジェフの試合を生で見たとき、確か数年前の磐田戦だったかと思いましたが、なんてよく動いてうまい選手がいるんだとそのとき思いました。でもなぜかその試合ではMVPじゃなくてサッカー雑誌での採点も低いし、みんな何を見てるの憤慨したことがあります。それが中島選手でした。最近あまり試合に出ないなあ、調子悪いのかなあとは思っていましたが、そうですか。まだまだ見たいいぶし銀の選手ですよね。がんばって欲しいと思います。

posted by シモンセン | 2008-12-12 17:01

オシムの時代。それはすなわち、千葉のキング中島浩司の時代だった

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彼のプレーを酷評する人は、サッカーの上っ面しか見られていない
ある意味で、サポーターの質を計るバロメーター的な役割も担わされていましたね
あんなに個性的なプレーヤーは、そうは居ないと思います
一歩抜きん出たセンスが、なかなか理解されなかった素因とも思いますが、
また彼を活かせる指導者の元での爆発を願います

posted by 市原姉崎 | 2008-12-12 19:20

オシムの時代。それはすなわち、千葉のキング中島浩司の時代だった

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>tanaさん
コメントありがとうございます。

本来、能力が落ちても仕方ない年代を、常に成長し続けたことは、本当に尊敬すべき点ですよね。

そういう選手を応援できるのはサポーター冥利につきることですし、オシムとしてもそういう中島選手だからこそ、何度失敗があっても、起用し続けたように感じます。

おっしゃるように、一見は正反対にも見える巻選手と共通点も多かったように感じます。
サポーターから愛されている、という点で同じですが。

オシムさんと共に入団したこの二人が本当のオシムチルドレンだった、というのは私も同感です。

まだここで終わる選手じゃない。
これからも成長し続ける彼の姿が見たいですね。

>シモンセンさん
コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、良い動きをしているな、と感じても周囲の評価は低いという不思議な選手でした。

例えば、今年の浦和で言えば阿部選手よりも一般的には闘莉王選手が評価される。
どちらも素晴らしい選手ですが、シーズンを通してどのポジションでもこなせる存在は非常に貴重ですし、中島選手のオフザボールの動きは簡単には評価されないでしょうね。

ただ、シモンセンさんのようにそういう動きを認めてくれる方もいること、非常に嬉しく感じますし、中島選手のような存在をもっともっと世間に認めてもらいたいと感じます。

>市原姉崎さん
コメントありがとうございます。

サポーターの質を計るバロメーター的な役割というお言葉、なるほどと感じます。

どちらかと言えば、年間を通して評価されるべき選手であり、年間を通して応援を続けたジェフサポーターにこそ評価される存在なのかも知れませんね。

また、個性的なプレーヤーという表現、非常に中島選手に合っているな、と感じます。
あのセンスや独創性、それでいてポリバレント。
特異な存在だったように思います。

中島選手がプレーを続ける場所に、彼を活かせる優秀な指導者がいれば(ミラーがそうではないとは言いません)、これほど嬉しいことはないですね。

今後のキングの活躍に期待したいと思います。

posted by マルコス | 2008-12-12 21:48

オシムの時代。それはすなわち、千葉のキング中島浩司の時代だった

コメント投稿者ID :

広島のキングになりました。

posted by 熊本熊 | 2009-09-14 21:05

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