情熱的氷滑芸術

羽生結弦 順調,樋口新葉 詰め甘し 【ロシア大会感想】

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 羽生結弦 選手は,またしてもグランプリシリーズ初戦2位という結果でしたが,2位以内に入ればグランプリファイナル出場に支障はないので,全く問題ないでしょうね。4Lz(4回転ルッツジャンプ)の成功で盛り上がっていますが,個人的には 4T+1Lo+3S という4回転からの3連続ジャンプが入らなかったのが残念でした。次の日本大会(NHK杯)は間違いなくもっと良い仕上がりになるでしょう。2年前に歴代最高得点を記録した舞台ですし,日本の観客に良いものを見せたいという気持ちが強いと思いますので。

 ネイサン・チェン 選手(米)は,今回のFS(Free Skating,フリースケーティング)では5種類の4回転を入れてきませんでしたね。次の米国大会でお披露目となるのでしょう。それでも4回転4本をさらっと飛んでいてそれはそれですごいですが,チェン 選手の注目点は技術点ではなく PCS(Program Component Score,演技構成点)の方です。昨季は80~85点あたりでしたが,今大会では88点台を出し,羽生 選手との差を詰めてきています。実はこっちのスコアの差が詰まってくることで,勝負の局面で 羽生 選手がミスできる回数が少なくなり,プレッシャーを強めることができます。チェン 選手は今回の PCS に手ごたえを感じていると思います。

 ミハイル・コリヤダ 選手(ロシア)は,FSで3度の転倒にもかかわらず185点台で,PCS は90点が見えてきました。完璧な演技ができれば,6強に続くFSの200点を達成できそうです。プレスリーという王道のメドレーが上滑りしないのは,コリヤダ 選手の表現力の賜物でしょうね。

 驚きだったのは,モリス・クヴィテラシビリ 選手(ジョージア)。長身なのにジャンプがスマートで,スケーティングも滑らかで醸し出す雰囲気も良い。FSで4回転ジャンプを3本入れて250点に乗せ5位に入りましたが,実は 田中刑事 選手の欠場で代わりに出場した選手だったと聞いてビックリ。ワンチャンスをモノにしましたね。そして,エテリ・トゥトベリーゼ コーチと聞いて納得。ロシアの メドベージェワ,ザギトワ 両選手を指導している名コーチですね。今大会がきっかけになって,一気にブレイクしそうな予感満載です。クヴィテラシビリ…覚えづらいけど覚えておきましょう。

 樋口新葉 選手,3位ですか…。やっぱりミスがあると2位にはなれないですね。SP(Short Program,ショートプログラム)での回転不足と,FSのサルコウジャンプのミス(トリプルがダブルに)がなければ,カロリーナ・コストナー 選手(イタリア)と入れ替わっていたかもしれません。コストナー 選手がFSはそれほど仕上がっていないと予想していたのですが,ここまでの仕上がりとは驚きでした。相手に恵まれなかったという見方もできますが,やはりミスしているようではダメとスケートの神様に諭されている感じがします。

 昨季,樋口 選手は,ジャンプとの両立に苦しみながら PCS の引き上げに取り組んでいましたが,その成果が今大会FSの PCS 68 点(満点の85%)という形で現れました。プログラムも 樋口 選手に合っていて,特にFSの「007 スカイフォール」は 樋口 選手にとてもマッチしていると思いますので,完璧な演技ができればトータル220点に届くと思います。だからこそ,得意なはずのジャンプでミスしている場合ではないのです。ピークは全日本選手権に持っていくとして,グランプリシリーズで8割の力でもジャンプを決める技術とメンタルが求められます。3位に終わりファイナル進出はかなり難しく,しかも次の中国大会はシリーズで最も厳しい対戦カードですが,優勝すれば一転してファイナル進出が確実になるので,強い意気込みで臨んでほしいです。

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