情熱的氷滑芸術

グランプリシリーズ展望【スポーツ雑誌風】

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 いよいよ今週末,グランプリシリーズが開幕を迎え,本格的なフィギュアスケートの五輪シーズンに突入する。6週連続のグランプリシリーズ,そこから2週間後のグランプリファイナル,さらに2週間後の全日本選手権,同時期のロシア国内選手権…目が離せない大会が続き,あっという間に年末を迎え日本代表が決まる。羽生結弦 選手の五輪2連覇への挑戦,日本女子シングルの2枠をめぐる熾烈な代表争いなど,かつてないほど見どころ満載の今シーズン。まずは,グランプリシリーズ全体としての見どころを探っていこう。

 今季は,例年と開催順序が大きく異なっている。

《昨季》 米 → カナダ → ロシア → フランス → 中国 → 日本 (ちなみに2季前と3季前は,米→カナダ→中国→ロシア→フランス→日本) 【今季】 ロシア → カナダ → 中国 → 日本 → フランス → 米

 例年,北米から始まり,日本(NHK杯)でグランプリファイナル出場者が決定する,という流れだったが,今季はロシアから始まり米国で終わるという流れになり,北米2大会とヨーロッパ2大会が各々中3週空くことになった。なぜ開催順序が変わったのか,私はその事情を全く知らないが,この開催順序がどのような影響を与えるのか,興味深いところだ。

 まず明らかに言えることは,日本選手とロシア選手が自国の大会に出場するケースで,調整が楽になるという点だ。昨季の場合,日本大会に出場する日本選手は,日本大会 → グランプリファイナル → 全日本選手権 が各々中1週であり,4週間で3大会(しかもいずれも気が抜けない大会)に出場した。昨季の日本大会に出場した 羽生結弦 選手や 宮原知子 選手は,実に過酷な1ヶ月を送っていた。また,ロシア大会に出場するロシア選手は,日本大会以外の出場だとグランプリシリーズが中1週または2週連続となり,日本大会に出場すれば,ロシア国内選手権が全日本選手権と同時期なので,4週間で3試合という日本選手同様の状況になっていた。

 今季はこの不利から解放される。ロシア大会と日本大会に出場する 羽生 選手と メドベージェワ 選手(ロシア)は,グランプリシリーズ2戦~ファイナル~国内選手権の間隔中2週→中3週→中1週 になる。絶対王者&女王の2人が無理のないローテーションで臨めるメリットは大きい。練習拠点のカナダではなくロシアを選択した 羽生 選手には五輪シーズンへの意気込みを感じるし,大好きな日本に来られる メドベージェワ 選手も気分よく年内を戦えるだろう。一方,日本大会に出る 宮原 選手はもう1つが米国大会であり,日本→米国→ファイナル→全日本 の4戦が全て中1週なので,負傷明けでこのスケジュールを乗り切れるのかが注目点だ。ただし,今季のグランプリファイナルの開催地は名古屋なので,移動の負荷が米国のときだけなのは救いだ。

 もう1つ言えることは,北米2大会(米,カナダ)と欧州2大会(ロシア,フランス)の各々の間隔が空くことで,欧米選手の調整が楽になる点だ。昨季まで,北米とヨーロッパは各々2週連続だったので,米&カナダ,ロシア&フランスという選択はしづらかったが,今季はその選択がしやすい状況になり,近場で調整したい欧米選手には朗報のはずだ。ところが,北米の選手が米&カナダの2大会に出場,または欧州の選手がロシア&フランスの2大会に出場,というケースが有力選手では極めて少ない。チェン,ワグナー の米国女子2選手が北米2大会に出場する程度で,ロシア&フランスの出場に至っては(欧州以外の選手を含めても)有力選手が全くいないという,やや不思議な状況が生じている。つまり,北米や欧州の開催時期分散を活かす欧米選手がほとんど現れなかったのである。

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この記事へのコメントコメント一覧

Re: グランプリシリーズ展望【スポーツ雑誌風】

⇒ HO太 さん
 いつもコメントありがとうございます。私の拙い記事に的確な補足をいただくことで,とても助かっております。

 どの大会に出場するかについて,選手が選択したものがそのまま通るとは思いませんが,この大会に出場したいというような希望は出せるのかな?と思い,それを「選択」と表現してみました。どのようにして大会の割り当てが決まるのかは興味深いところですね。

 女子はピーク年齢が16~18歳になる選手が珍しくないようで,メドベージェワ 選手はそこにバシッとハマりましたよね。また,三原舞依 選手のように急成長する姿を見ると,他の選手にも励みになるでしょうし,観る我々も下位の選手を観る際に楽しみが出てきます。今シーズン,特に女子は若手からベテランまでとても多彩なメンバーが揃い,本当に見ごたえがありますね。

グランプリシリーズ展望【スポーツ雑誌風】

こんにちは。
グランプリシリーズ開幕がもう明日ですね。楽しみです。
ここ数年はNHK杯が最後だったんですが、今季は第4戦に。なんだか雰囲気違うな~なんて思ってましたが、開催順序が選手たちに与える影響という視点には、なるほどと思いました。中1週なのか2週なのか、前半2大会か後半2大会か、国内選手権との間隔、移動距離や時差、、、考えればいろいろありますよね。
時差が苦手な宇野昌磨選手が、早々と現地入りして対応したという話を聞くと、大変だなと思います。

〉練習拠点のカナダではなくロシアを選択した 羽生 選手
グランプリシリーズ出場大会の決まり方ですが、選手が自由に選べるわけではないと思いますよ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ISU%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA#ISU.E3.82.B0.E3.83.A9.E3.83.B3.E3.83.97.E3.83.AA.E3.82.B7.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.BA.E5.87.BA.E5.A0.B4.E8.B3.87.E6.A0.BC
もちろん、ある程度の希望は所属連盟を通じて伝えるでしょう。例えば重要な試験がある週ははずしてほしいとか、怪我上がりなので後半がいいとか。
世界選手権6位までの選手は2大会シードされますが、1位・2位・3位は原則同じ大会にならないようにするそうです。また、開催国はその国のトップ選手は出場させるのが慣例らしいです。
その上で、各大会のレベルが偏らないように、選手権順位やシーズンベストスコアを参照しながら調整していくわけですから、全員の希望が通るというわけにはいかないでしょうね・・・
欧米選手たちがヨーロッパ2大会や北米2大会になっていないのは、希望しなかったというより割り当ててもらえなかっただけかも?
私のイメージですが、選手たちは移動距離・時間をそれほど苦にしてないような気がします。むしろ試合間隔のほうが影響ありそう。昨季のフェルナンデス選手がロシア→フランスと2週連続で「こんなの初めて」と言ってたのを思い出します。練習拠点はカナダですから長い遠征だったのかな?

〉振り返れば,一昨季の メドベージェワ 選手や昨季の 三原 選手の大活躍をシーズン前に予想できた人は少なかったはずで
世界ジュニア女王からいきなり世界女王になったメドベージェワ選手は凄かったですが、、、
世界ジュニアで勝つくらいの女子選手は、ちょうど技術的にピークを迎えているんですよね。体が大人になりきる前で、まだジャンプも楽に跳べる。シニア1年目は活躍しやすい時期とも言えます。
世界選手権優勝はさすがにいないですが、村上佳菜子はグランプリファイナルに進出しましたし、ユリア・リプニツカヤやエレーナ・ラジオノワは世界選手権でメダル獲得しています。なので今季のザギトワがどこまで行けるか、注目しています。
一方、三原舞依選手は本当に予想外でしたね。なにしろ世界ジュニア出場もなかったわけですから。体力が充実する十代後半に頭角を現したのは好条件だと思います。頑張ってほしいです!

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