情熱的氷滑芸術

女子シングル2枠代表選考を振り返る 【スポーツ雑誌風】

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【注】文中のリンクは,スポナビブログ閉鎖を念頭に,私の個人ブログのページにリンクさせていただいた。

 フィギュアスケートの女子シングル平昌五輪代表は,宮原知子,坂本花織 の2選手に決定した。宮原 選手は日本女王の貫録でつかみ取り,坂本 選手は,競馬に例えるなら4コーナーから一気の末脚で馬群から抜け出した。4年間を支えてきた大エースと,シニアデビュー組の2人という,2枠としてはなかなか良い陣容となった。五輪の代表選考は,今シーズンの内容が大きく関わってくるが,4年間の集大成という位置付けでもあるので,この4年間を追いながら代表決定までのドラマを振り返りたい。

◆ソチ五輪後

 ソチ五輪の女子シングル代表だった3選手は,鈴木明子 が引退,浅田真央 が休養,村上佳菜子 が現役続行も成績停滞と,一気に世代交代の機運が高まった。そこに名乗りを上げたのは,宮原知子本郷理華 だった。宮原 は,ソチ五輪の翌シーズン(2014年)から全日本選手権を4連覇。本郷もソチ五輪の翌シーズン(2015年)から世界選手権に3年連続で出場。4年間の実績で代表を選ぶなら,この2人が選ばれていただろう。そのくらい2人は,この4年間の日本フィギュアスケート界を支えた。

 浅田 が1年間の休養を経て2015/16シーズンに復帰を果たし,復帰シーズンにもかかわらずGP(グランプリ)ファイナルにも世界選手権にも出場した,見事な復帰だった。さすが 浅田,これなら平昌五輪でも勝負できるのでは,そう思ったのも束の間,翌2016/17シーズンはケガもあって精彩を欠き,五輪シーズンを前に潔く身を引いた。

 その2016/17シーズン(昨シーズン)に台頭したのが,シニアデビューの 三原舞依樋口新葉 だ。2人は全日本選手権の表彰台に乗り,宮原 と共に四大陸選手権と世界選手権の代表になった。しかし,シーズン後半,2人の明暗は分かれた。三原 は,平昌五輪のリンクで開催された四大陸選手権で優勝,世界選手権はSP(Short Program,ショートプログラム)で出遅れながらFS(Free Skating,フリースケーティング)で巻き返し5位に入賞した。一方,樋口 は四大陸選手権,世界選手権ともに8位入賞さえも逃し,平昌五輪の代表枠をまさかの2枠に落としてしまった。これは,宮原 のケガの快復が間に合わず世界選手権を欠場したことが響いたが,樋口 はあと1つミスが少なければ3枠を確保できる順位に上がれただけに,日本にとってはあまりに厳しい世界選手権の結果だった

◆樋口新葉

 樋口 にとっては,自分の演技によって五輪代表枠を2枠に落としたことが,代表決定の局面で自分の首を絞めてしまった。しかし逆の見方をすれば,その責任を感じながらも,代表選考の最後の選択肢までよく残ったと見ることもでき,この健闘は大いに称えられるべきである。世界選手権の失意の後,国別対抗戦にも駆り出されたのを見て,国別対抗戦の結果によっては 樋口 が潰れてしまうのではないかと,私はかなり本気で心配したが,国別対抗戦で 樋口 は日本史上最高スコアのFSを披露し,それまでのもやもやを吹き飛ばしてシーズンを終えた。悔しさと成長を手にした 樋口 の五輪シーズンには期待と不安が入り混じっていた

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この記事へのコメントコメント一覧

五輪代表と世界選手権代表が異なるケース

紅梅 さん,コメントをいただき,ありがとうございます。

2010年までは,五輪代表と世界選手権代表が異なるケースがけっこうあったんですね。その頃の私は,のほほんと観戦していたので,そういうケースを全く覚えていませんでした。とはいえ,少し調べればわかる事例でした。

紅梅 さんのコメントで記事が補足され,とても助かりました。ありがとうございました!

このブログが閉鎖されてしまうのは残念ですが,引き続き個人ブログにご来訪いただければ幸いです。

五輪と世界選手権が異なる代表選手だったこと

初めまして。
「五輪と世界選手権に異なる代表選手が選出されたことがあっただろうか?」という一文がどうしても気になり、コメント致します。
2005年の全日本フィギュアの結果を受け、2006年の五輪は高橋選手、世界選手権は織田選手が派遣されました。
(男子は各1枠のみ)
女子は五輪が村主選手、荒川選手、安藤選手、世界選手権は村主選手、荒川選手、中野選手が選出されましたが、荒川選手が世界選手権を辞退したため、補欠の恩田選手が派遣されました。
2010年の五輪と世界選手権も女子は異なる代表選手が選出されましたが、中野選手の世界選手権辞退(引退)により、五輪と世界選手権に同じ選手が派遣されました。
ご参考になれば幸いです。

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スポナビブログ終了後は,下記関連サイトに挙げた個人ブログ「マイクを持てば酔っぱらい」にて引き続き書いていきます。平昌五輪のフィギュアスケート男子シングル日本勢1&2フィニッシュを予想している私ですが,果たして本当にそんなすごいことが起きるのか? 2月まで熱く盛り上がりたいと思います。また,個人ブログはソチ五輪から4年間書き続けており,スポナビブログ参入前の記事もございます。ソチ五輪から今までを振り返る際にご覧いただけたら嬉しいです。
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(01月15日現在)

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