情熱的氷滑芸術

なぜ平昌五輪の女子は2枠なのか? 五輪でベストな演技をするには?

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 シーズンの前哨戦が始まり,いよいよ五輪シーズンだなぁとワクワクしている方が多いのではないではないでしょうか。ただ,いざシーズンが始まってみると,シングル女子が2人しか平昌五輪に出場できない,いわゆる「女子2枠」問題が,わかっていたこととはいえ,やっぱり私たち観る側の心を締め付けてくる感じがあります。なぜ女子が2枠になってしまったのかを改めて振り返ると共に,2人の代表が五輪の大舞台でベストパフォーマンスができるにはどうすればよいのか,考えてみたいと思います。

◆ 女子が2枠になった理由

 五輪の出場人数は,直前の世界選手権の成績で決まります。各国上位2名の順位の合計が13以下ならば五輪の出場枠が3枠になります。昨季の世界選手権は,三原舞依 選手が5位,樋口新葉 選手が11位,合計で16だったため,日本の女子の出場枠が2枠になってしまったわけです。

 昨季の世界選手権を振り返ってみると,なかなかドラマティックな展開でした。三原舞依 選手はSP(Short Program,ショートプログラム)で珍しくミスが出て15位と出遅れましたが,FS(Free Skating,フリースケーティング)はノーミスかつ完成度の高い演技で,一気に5位まで浮上しました。このFSは 三原 選手本人の談話のとおり,ソチ五輪の 浅田真央 選手の伝説のFSを彷彿とさせるものでした。深夜,リアルタイムで応援していた私は,三原 選手の素晴らしい演技に感涙し,197点まで伸ばしたのを見て,3枠の可能性十分にあり!と期待感を膨らませました。

 樋口新葉 選手は,結果論としてFSで1ミスまでは許される状況でした。しかし,演技の後半最初の 3Lz+3T(トリプルルッツとトリプルトウループの連続ジャンプ)の失敗(= 2Lz 単独になってしまった)と,最後にリカバーのために予定と違うジャンプに挑んだ 2A+3T(ダブルアクセルとトリプルトウループの連続ジャンプ)のセカンドジャンプの失敗によって,11位に沈みました。どちらかが成功していれば,8位に入り3枠を確保できただけに,実にもったいない結末でした。三原 選手のSP出遅れが 樋口 選手にも影響した面はあったかもしれませんが,結果論として 三原 選手の出遅れは無関係でした。三原 選手のSPが完璧だったとしても4位であり,この場合 樋口 選手は9位になる必要がありましたが,8位と9位のスコアの差はわずか0.2点しかなかったので,結局同じレベルの演技が必要だったのです。

 しかし,シニア1年目の両選手に責任を負わせるのは完全にお門違いです。こうなってしまった大きな要因は,日本のエースである 宮原知子 選手の欠場です。宮原 選手は,昨季の四大陸選手権とアジア大会が2週連続の開催であるにもかかわらず,その両方に出場を予定していましたが,これはエースに対する配慮が欠けていると言わざるを得ないものでした。例年なら四大陸選手権を回避する手もありますが,昨季の四大陸選手権は平昌五輪のリンクでの開催という重要な大会でした。ですから,アジア大会も日本開催で大事だったことはわかりますが,アジア大会には別の選手を出場させるよう調整すべきでした。宮原 選手はこの2つの大会を乗り切るため,練習過多になった可能性があります。国のトップスケーターが欠場すれば3枠が危ないのは,日本に限らずどの国も同じであり,もっともっと配慮が必要だったはずです。

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スポナビブログ終了後は,下記関連サイトに挙げた個人ブログ「マイクを持てば酔っぱらい」にて引き続き書いていきます。平昌五輪のフィギュアスケート男子シングル日本勢1&2フィニッシュを予想している私ですが,果たして本当にそんなすごいことが起きるのか? 2月まで熱く盛り上がりたいと思います。また,個人ブログはソチ五輪から4年間書き続けており,スポナビブログ参入前の記事もございます。ソチ五輪から今までを振り返る際にご覧いただけたら嬉しいです。
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