情熱的氷滑芸術

宮原 完全復活,坂本 覚醒【アメリカ大会感想】

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本女子シングルにとっては,最高の大会になりました。まずは,なんといっても 宮原知子 選手の復活優勝。ミス・パーフェクトがこんなにも早く帰ってくるとは…と涙した方も多かったのではないでしょうか。コンディションが戻ってきて,スケートができることの喜びにあふれている気がしました。また,昨季より情感が強く表現されていて,休養している間に吸収したものの大きさを感じました。それを審判も感じ取ったのか,FS(Free Skating,フリースケーティング)の PCS(Program Component Score,演技構成点)が71点台に上がりました。しなやかで凛とした人物を描き出す「SAYURI」「蝶々夫人」の2つのプログラムは,ムダな動きが削ぎ落とされ洗練された表現力を持つ 宮原 選手だからこそのプログラムであり,今年初頭のケガからこれまでの彼女の努力に思いをはせると,さらに心に響いてきますね。

 このままのコンディションで全日本選手権を迎えてほしい,そう願うばかりですが,今大会の優勝でグランプリファイナルの補欠1番手になりましたので,ケガが報じられている メドベージェワ 選手が欠場すればファイナル出場が転がり込んできます。大会前からファイナル進出の可能性が消えていたことで,アメリカ大会でかなりギアを上げたと思うので,もしファイナルに出場できた場合,全日本選手権までのペース配分をどうするか,難しい判断を迫られそうです。しかし,今大会で自信を取り戻した 宮原 選手は,もうペース配分など関係ない高みに上ったかもしれず,補欠出場でファイナル制覇→全日本選手権優勝という完全復活シナリオも大いに期待してしまうほど,今大会の 宮原 選手の演技は神々しさに満ちたものでした。

 ブログのプレビュー記事で「優勝争いをするのでは」と予想した 坂本花織 選手が,期待以上の内容で本当に優勝争いに加わりました。特にFSの「アメリ」は,最後のジャンプのあたりで私は言葉を発することなくただただ画面の中の 坂本 選手を追い,最後のポーズのときには言いようのない感動に包まれました。ジャンプの質,ステップの最中にまで表現される細かいパントマイム,音楽とスケーティングの融合,全てがうまくハマったこのプログラムが持つ雰囲気は最高です。友人がジュニア時代から 坂本 選手を推していて,それで私も注目するようになったのですが,ロシア大会のときは今一つ「アメリ」の良さが実感できませんでした。でも今大会で完全にブレイクしましたね。スケール感と細かい表現の両立が 坂本 選手の個性になりそうです。

 200点超えどころか一気に210点に到達し,プログラムの秀逸さも考えれば全日本選手権で大金星の可能性さえ感じさせてくれる 坂本 選手の活躍は,同門生の 三原舞依 選手や,同じシニアデビュー組の 本田真凛,白岩優奈 といった選手たちを大いに刺激するはずです。宮原,坂本 両選手のアシストによってファイナル進出を果たした 樋口新葉 選手も,ファイナルにトップギアで挑むことでしょう。坂本 選手の今大会の大躍進により,女子シングルの代表争いはさらに高い次元に引き上がっていきそうです。

 坂本 選手と並ぶサプライズとなったのは,予定外出場でワンチャンスを生かした ブラディ・テネル 選手(米)。テネル 選手が好調という話は耳にしていたのですが,観戦の機会がなく,グランプリシリーズ初出場となる今大会でようやく観ることができました。手足の長さは ポリーナ・エドモンズ 選手(米)を彷彿とさせ,華やかさは五輪出場断念となった グレイシー・ゴールド 選手(米)に比肩する,素晴らしい選手ですね。アメリカの女子シングル選手は誰も本調子に至っておらず,テネル 選手は代表争いに名乗りを上げたどころか,このままなら全米選手権を勝ってしまうような勢いと自信を得たと思います。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

スケート部・関東大学アイスホッケーリーグ戦対明大2回戦【「中大スポーツ」新聞部ブログ  ~劇闘中大!中大から大学スポーツを熱くする~】

【シリーズ終了】女子シングル:グランプリシリーズ主要選手出場大会&順位一覧【情熱的氷滑芸術】

お帰りなさい、知子ちゃん!【観るの大好き♪】

ブロガープロフィール

profile-iconmakk

スポナビブログ終了後は,下記関連サイトに挙げた個人ブログ「マイクを持てば酔っぱらい」にて引き続き書いていきます。平昌五輪のフィギュアスケート男子シングル日本勢1&2フィニッシュを予想している私ですが,果たして本当にそんなすごいことが起きるのか? 2月まで熱く盛り上がりたいと思います。また,個人ブログはソチ五輪から4年間書き続けており,スポナビブログ参入前の記事もございます。ソチ五輪から今までを振り返る際にご覧いただけたら嬉しいです。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:592475

(01月16日現在)

関連サイト:マイクを持てば酔っぱらい

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 宇野昌磨:昨季の驚異的な活躍と,今季の華麗なる賭け
  2. 女子シングル2枠代表選考を振り返る 【スポーツ雑誌風】
  3. 涙の全日本選手権
  4. グランプリシリーズ主要選手出場大会一覧(シングル)
  5. グランプリシリーズ スコアランキング 女子シングル編
  6. なぜ平昌五輪の女子は2枠なのか? 五輪でベストな演技をするには?
  7. 羽生結弦 順調,樋口新葉 詰め甘し 【ロシア大会感想】
  8. 五輪2連覇ほぼ手中にした 羽生結弦
  9. ロシア大会(ロステレコム杯,グランプリシリーズ第1戦)プレビュー
  10. 【SP終えて】どうなる?女子シングル五輪代表2枠

月別アーカイブ

2018
01
2017
12
11
10
09
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月16日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss