情熱的氷滑芸術

三原 届かず,フェルナンデス 復調【フランス大会感想】

このエントリーをはてなブックマークに追加

 宇野昌磨 選手は,とりあえずグランプリファイナル進出を決めただけ,といった内容でしたが,大崩れはしていないので心配ないでしょう。中2週で地元・名古屋でのファイナルを迎えますが,ここは五輪本番の予行演習として本気で優勝を狙うと思います。フランス大会は,最悪でもこの程度のスコアは出るという確認ができたということではないでしょうか。

 ハビエル・フェルナンデス 選手が復活優勝を遂げました。とはいえ,FS(Free Skating,フリースケーティング)ではまだまだジャンプが揃わず,例年に比べて明らかに調整が遅れています。他の選手ならこの程度でも問題なしと言えますが,フェルナンデス 選手はシーズン前半でも大崩れしない選手だったので,五輪の表彰台に黄信号という印象は変わりません。今後の国内選手権~ヨーロッパ選手権で,どこまで整えてくるのかに注目していきたいです。

 ファイナルに出場できる可能性のある選手は,みな4位以下に沈みファイナル出場がほぼ消滅しました。期待していた ヴィンセント・ジョウ 選手(米)は,ジャンプがことごとく精彩を欠いた(←映像観ていませんので採点表を見た印象)ようで,シニアデビューのジャンプ構成のギャンブルが通じませんでした。チャンスが転がってきても,ファイナルに進出するのはなかなか容易ではないですね。

 三原舞依 選手は,SP(Short Program,ショートプログラム)のミスが響き,今大会も表彰台に届かず,ファイナル出場にも届きませんでした。2大会とも200点を超えたのに表彰台を逃すとは気の毒としか言いようがなく,この順位だけで不当に低い評価が与えられてしまう恐れがあることを私は危惧します。SPは 三原 選手の得意な路線とは言えないタンゴですが,かなり雰囲気ができてきましたし,FSは本人にとても合っていて,今大会でものびやかに滑っていたので,このまま細部を詰めていけば,ちょうど平昌五輪の頃に高い完成度に到達するのではないか,と期待できる内容だと思いました。

 ただ,今大会は優勝を狙っていたはずですが,技術のほかに気迫のようなものがもう少し必要だったかもしれません。SPでスピードが出過ぎてミスしてしまったせいか,FSではやや慎重な感じが見られ,PCS(Program Component Score,演技構成点)が64点にとどまりました。ジャパンオープン(10月)が70点だったことを思うと物足りません。樋口新葉 選手の気迫や,ザギトワ 選手の芯の強さのようなオーラが,グランプリシリーズの 三原 選手はやや弱かったと私は感じました。しかし,三原 選手は確かな技術や表現力で魅せていく選手であり,シーズンが進むにつれ演技が徐々に完成されていく中でそのオーラも強くなります。そのことは昨シーズンの四大陸選手権や世界選手権で証明済みです。なので,シリーズ2戦の内容で 三原 選手の力が表面的に判断されることがないよう願ってやみません。

 シリーズ2戦で 三原 選手より上位に入った 樋口,ラジオノワ,ソツコワ といった各選手は,日本やロシアという過酷な五輪代表選考争いの中で,気迫・技術の両面で強いものを持っていたことは確かだと思います。中でも今大会で2位に入った ソツコワ 選手は見事でした。正直なところ私は ソツコワ 選手は良くて3位だろうと予想していましたが,オズモンド 選手のミスを逃さず2位に食い込んでくるあたり,ロシア選手の逞しさを強く感じます。前大会のFSでいくつかあった回転不足を完全に解消し140点に乗せてきましたが,まだジャンプの着氷やつなぎの充実などに伸びしろがあります。FSのステップは,音楽に乗せて優雅に柔らかく,それでいてきっちりと1つ1つのターンを刻んでいくところが本当に素晴らしく,観ていて鳥肌が立ちましたね。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

小林潤志郎のW杯初優勝2つの効果【スポーツ えっせい】

オリンピックシーズンの曲選びの大切さ。【観るの大好き♪】

【湘南アイスホッケー部】関東リーグ大学リーグ戦第9戦vs立教大【東海スポーツ】

ブロガープロフィール

profile-iconmakk

スポナビブログ終了後は,下記関連サイトに挙げた個人ブログ「マイクを持てば酔っぱらい」にて引き続き書いていきます。平昌五輪のフィギュアスケート男子シングル日本勢1&2フィニッシュを予想している私ですが,果たして本当にそんなすごいことが起きるのか? 2月まで熱く盛り上がりたいと思います。また,個人ブログはソチ五輪から4年間書き続けており,スポナビブログ参入前の記事もございます。ソチ五輪から今までを振り返る際にご覧いただけたら嬉しいです。
  • 昨日のページビュー:290
  • 累計のページビュー:592475

(01月15日現在)

関連サイト:マイクを持てば酔っぱらい

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 宇野昌磨:昨季の驚異的な活躍と,今季の華麗なる賭け
  2. 女子シングル2枠代表選考を振り返る 【スポーツ雑誌風】
  3. 涙の全日本選手権
  4. グランプリシリーズ主要選手出場大会一覧(シングル)
  5. グランプリシリーズ スコアランキング 女子シングル編
  6. なぜ平昌五輪の女子は2枠なのか? 五輪でベストな演技をするには?
  7. 羽生結弦 順調,樋口新葉 詰め甘し 【ロシア大会感想】
  8. 五輪2連覇ほぼ手中にした 羽生結弦
  9. ロシア大会(ロステレコム杯,グランプリシリーズ第1戦)プレビュー
  10. 【SP終えて】どうなる?女子シングル五輪代表2枠

月別アーカイブ

2018
01
2017
12
11
10
09
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月15日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss