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羽生選手とプリンスについて語ってみよう

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ジュニア時代から応援していた羽生選手。「Purple Rain」の映画公開以前からファンだったプリンス。この二者が共演する事など、全く想像もしていなかったため、そのプログラムを見た初めの頃は、何をどう語ったらいいのか、頭の整理がまったく出来ませんでした。しかし先日のNHK杯での羽生選手の演技を見て、ようやく語れる余裕ができてきたので、ここで少しその話をしてみたいと思います。

プリンスという選択

羽生選手がプリンスを使うと聞いた時の最初の印象は、正直なところ「無理じゃない?」の一言でした。だってあのプリンスですよ。若い頃は過激で、エロくて、セクシャルな表現ばかりで、放送禁止になった曲もいくつかあって。「Purple Rain」のアルバムに収録されている「When doves cry」という曲のプロモーションビデオでは、バスタブから全裸で這い出しながら歌っていて。当時ティーンエイジャーだった私は、ものスゴイ衝撃を受けたのです。その頃のプリンスと比較したら、清潔感溢れる羽生選手はまさに対極のイメージしかありません。

でも今は、その選曲の狙いがなんとなく分かったような気がしています。羽生選手はとにかく人をアッと驚かせるのが好き(勝手な推測ですが)。「SEIMEI」も、それまで誰もフィギュアスケートで取り上げてこなかったキャラクターで、驚かされましたよね。そんな風に、誰も想像していなかった領域に踏み出すのが、羽生選手のやりたいことの一つなのだろうと感じています。そんな前向きなチャレンジ精神と、それを着実にこなしていく勤勉さは、ジャッジやフィギュアスケートの関係者たちに良い印象を与え、その結果として彼の周囲には多くの人材が集まるようになってきます。そして同時に広く世界にファンを増やす要因にもなります。頑張っている羽生選手のために、自分も何か力になりたい。そう思われることは、競技を続ける選手にとって、何よりも力強い財産です。今回のエキシビションナンバーに使用している「Notte Stellata」もロシアのタラソワコーチから直接送られた曲のうちの一つとのこと。そういった周囲からのサポートが、今後、更に羽生選手を高みへと押し上げていくことでしょう。羽生選手が今現在の状態に留まらず、更に飛躍するためには、こうした大きな挑戦が必要不可欠なのです。

Let’s go crazy

「Let’s go crazy」は、「Purple Rain」のアルバムの中において最もノリの良い曲であり、それまでプリンスを良く思わなかった人でも、ついつい一緒に声をあげたくなるような、キャッチーな作品です。それまで異端児と見られていたプリンスを、一気にメジャーに押し上げた曲でもあると思っています。内容は「悪魔のエレベーターに引きずり落とされそうになったら、Oh, No!クレイジーに駆け抜けよう!」というような感じでしょうか。私も昔から好きで、聞こえてくれば一緒に口ずさみます。でもよくよく歌詞の内容を細かく読んでいくと、きわどい情景描写があって、その意味を知らずに声高に歌ったりすると、恥ずかしいものがあります。羽生選手のプログラムでもその部分の歌詞が入っていますので、特に女性ファンは、みんなで一緒に歌って盛り上がる場合には、場所に注意が必要でしょう。

そんな”きわどい”歌詞があり、使い方によってはマイナス印象を与える可能性もある「Let’s go crazy」。しかし羽生選手は見事に一つのプログラムとしてジャッジに認めさせています。その成功要因は、この曲のギター部分にあります。「Let’s go crazy」の一番の聞かせどころは、ギターのソロです。プリンスのギターはまるで泣いているような色っぽさがあって、彼の第二の声と言って過言ではありません。そのギターソロの部分で、羽生選手は一番盛り上がる振り付けを持ってきていますね。こういったシビれる演出が出来るのは、羽生選手の強みです。NHK杯を見たアメリカの解説の女性が「このプログラム、大好き」とコメントしていました。私も最初の「羽生選手とプリンス?」というぼやけた印象が、この部分に来た瞬間にピタリと焦点が合った気がしました。なるほど、これをやりたかったんだなと。

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記事カテゴリ:
Figure Skating
タグ:
フィギュアスケート

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この記事へのコメントコメント一覧

羽生選手とプリンスについて語ってみよう

ch191さま
コメントありがとうございます(^ ^)。
ご指摘いただき、感謝、感謝です。文章を修正させていただきました。
そうですね、羽生選手は音楽に対するリスペスト、そして日本人としての思いも素晴らしいと思います!
オリンピックにどんな曲を持ってくるのか、今からワクワクドキドキです。

羽生選手とプリンスについて語ってみよう

素敵な記事をありがとうございます。
私はプリンスに関してそんなに知識を持っているわけではなかったので、読ませていただいて羽生選手のプリンスに対する思いや、表現しようとしていることがよく分かりました。
「パリの散歩道」もそうだと思うのですが、偉大なミュージシャンに対するオマージュが演技に込められているように感じます。
そして、FSで久石譲の曲を選んだ理由も分かるような気がします。
「SEIMEI」に続いてあえて日本の曲を選ぶことで「日本の良さ」を世界に発信してくれているのではないかと。

こんなに素敵な記事に恐縮ですが一点だけ指摘させてください。
羽生選手のカナダ大会は2位です。
4位だったのはSP終了時だと思います。

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