2006年09月28日
昨日はJ2リーグ42節が行われた。
ヴィッセル神戸はサガン鳥栖と対戦。
試合前、J2を報道する数少ないマスコミは一様に「新居vs神戸DF陣」という観点を掲げていた。
しかし、これはあまりに皮相的だ。
現在J2の得点王を独走する新居選手は確かに素晴らしいFWだ。
前節でも、途中交代で出場ながらロスタイムに決勝点を入れるなど良い働きをしている。
だからといって、新居選手だけが鳥栖のサッカーを作り上げているわけではない。
むしろターゲットが一人に絞れる分、DFはやり易いはずだ。
昨日の試合で注目すべきは神戸の攻撃のメソッド。
鳥栖は全体にラインを低い位置に置きながらも、コンパクトにつなぐサッカーが特徴。
J2に多く見られる、単純に引いて守り、カウンターで長いパスを前線に送るような「引きこもりサッカー」に対しての攻撃論は神戸は確立してきた。
しかし、あのようにコンパクトに短いパスで相手を引き付けつつ上がっていくサッカーには一歩間違うと、裏を取られてしまう。
そうした意味でもサイド攻撃から組み立ててくる神戸のサッカーをどうアレンジしてくるのか、コンダクターであるペドロコーチ、松田監督の手腕に注目すべきであった。
結論から言おう。
どのようなシステムも打開してしまう個人技こそがフィールドの王様として君臨する、という誠に実も蓋もない結論を導かざるを得なかったのだ。
前半、素晴らしく早いチェックで鳥栖にボール回しすら許さなかった神戸だが、Jリーグ最低と評されるウイングスタジアムの芝の影響だろうか、攻撃時には全くといっていいほどボールがつながらず、効果的な攻撃は皆無だった。
後半55分、距離は約30m強、ペナルティエリア左隅延長線上辺りからのFK。
蹴ったのは三浦淳宏。
右足から放たれたボールはそのままゴール右上に突き刺さった。
このFKについて視点を変えて紹介する。
・ゴール裏(正面)から見た場合→右上(三浦から見て左)に向かったボールが突然軌道を変えて左に曲がりストンと落ちた。
・スタンド(横)から見た場合→フカシ気味に上がったボールが三角形を描くように急降下した。
・ゴール反対側(後ろ)から見た場合→完全に上に上がったボールが突然見えなくなった。
これは嘘でも何でもない。
まとめると、三浦の右足から放たれたボールはゴール手前まで上昇しながら、突然右方向に鋭角に落ちた、ということだ。
キャプテン翼に登場する、主人公のドライブシュートが鋭角に落ちたものというと解り易いだろうか。
全ての球技における球の変化は球体力学の法則に則っている。
空中で突然向きを変えることなどありえないはずだ。
しかし、あの瞬間スタンドにいた誰もが、ボールそれ自体が意思を持った生き物であるかのごとく変化するのを目にした。
試合後、GKの経験のある人に話を聞くことができた。
彼が言うには物凄いキレで変化したボールは、あたかも空中で突然向きを変えたかのような錯覚に陥ることがあるそうだ。
その証拠に、鳥栖のGKは蹴った次の瞬間右(三浦から見て左)に動こうとしている。
彼には空中で突然向きを変えたように見えたことだろう。
それまで膠着していた試合は、その瞬間に決着がついたといっても過言ではない。
結果は2-0で神戸の勝利となった。
サッカーはチームスポーツである。
もちろん、三浦がそのキックを蹴る前に、チームが連動して動いていたからこそ、その位置でFKを蹴ることができた。
しかし、時にスポーツにおいてはその集団性を忘れさせるかのような個人の輝きが放たれることがある。
そうした瞬間は見ている我々の中で、語り継がれる「伝説」に昇華される。
このような瞬間に立ち会うことができた幸せに感謝。
惜しむらくはこの試合が4000人にも満たない人間の前で行われていたことだ。
しかもテレビニュースでも一切放送はされなかった。
平日のナイター。
しかもJ2。
悪条件は揃っていたのかもしれないが、このような素晴らしい瞬間の価値を高めるためにも、もう少しJ2にも目を向けて欲しい。
posted by lovesportslove |18:53 |
JリーグDivision2 |
2006年09月11日
先週土曜日の9日にJ2リーグ戦第38節が行われた。
私の応援するヴィッセル神戸はコンサドーレ札幌との試合。
結果は1対1のドロー。
スタンドに座っているだけでも汗が噴き出してくるような高湿度、それに加えて神戸ウイングスタジアム名物と皮肉さえ言いたくなる様な酷いピッチ状況と二重苦での試合。
内容的には、はっきり言って低調な試合。
神戸の今季生命線となっている右サイドの朴康造を基点として、MF田中英雄とのパス交換で、スピードを活かし一気に相手DFラインの裏へ抜け出る動きが、ピッチ状態の故に出せず終いだった。
どうしても短いパス交換を主体とするため、ピッチが「ボコボコ」の状態では、パスが足に落ち着かない。
札幌DF陣は、前回の対戦で大量6失点しているためか、文字通り身を挺しての守備に終始していた。
そのため、前述のパス交換でボールが流れたところには、きっちりと走り込み大きくクリア、この繰り返しになってしまった。
神戸の失点シーンは、得点直後。
それも30秒程度後に訪れていた。
リスタートからの展開で、札幌のFWフッキ選手が右アウトサイドからミドルシュートを豪快に叩き込んだ。
試合後、監督の会見からも選手のコメントからもこの失点を悔やむ声が聞かれた。
「バクスター監督にも『得点後5分間は気をつけるよう』言われていたのに・・・」。
確かに失点シーンはフッキ選手へのマークが甘くなっていた。
というより一瞬完全なフリーにしてしまっていた。
しかし、難しい位置からのシュートでもあり、これは打ったフッキ選手を褒めるべき得点だった。
難しい位置からのシュートなので、誰か一人でもDFが身体を寄せていけば入らなかった可能性は高いのかもしれない。
しかしそれはあくまで結果論。
ここは、この環境下で負けなかったことで良しとしてもいいと思う。
選手・監督が気にする理由はたった一つ。
それはこのチームを作り上げてきた名将スチュアート・バクスター前監督の帰国後初の試合であったという外的要因によるものだ。
ここまでチームを率いてきた監督、しかも全選手に支持されていた監督の不在、これは昨年負けに負け続けたチームにとっては、大いなる不安を掻き立ててしまうことになったのだろう。
そしてもう一つ「新しい首脳陣にプレッシャーを与えないためにも、この試合は勝っておこう」という気持ちも強すぎたのかもしれない。
実は一番怖いのはここだ。
選手達が「気にしないように」と意識し過ぎるあまり、いつの間にか「気にしてしまっている」という状態に陥ることだ。
神戸ファンに限らず、多くのサッカーファン(J2を見ている)が「一番良いサッカーをしており、安定感があるのは神戸」と認めてくれている。
こんな評価は、選手達は当然耳にしていると思う。
後は自信の問題なのだろう。
ここまで積み上げてきたものを発揮すれば、下位チームとの勝ち点差から考えても、J1復帰は現実的に手が届くだろう。
その自分達を信じきることができるか、今チームは試されている。
ここで大きな安心材料を発見した。
それは松田浩監督の発言だ。
「スチュワートが監督の時でも勝つことも、負けることも、引き分けることもあった」
そう、ここが実は最も大事なところだ。
首脳陣がここに気付いているのであれば、私の心配は杞憂に終わってくれることだろう。
そう思えた。
それにしても、不在になってもその影がチームに影響するバクスター監督の大きさが改めて感じられた試合でもあった。
posted by lovesportslove |17:16 |
JリーグDivision2 |
2006年09月06日
今日は少し前の話になるが、去る2日に行われた横浜FC対ヴィッセル神戸の試合についての話だ。
結果は1対0でヴィッセル神戸が勝利したのだが、正直言って、今シーズンテレビ観戦を含めて自分が見た全てのJリーグの中で断トツに面白い試合だった。
両チームともJ1昇格へ向けてのラストスパートに入ったこともあり、非常に高いモチベーションを維持した90分間だった。
しかし、神戸の側にはバクスター監督一時帰国前最後の試合ということも重なり、少しだけモチベーションが相手を上回ったのがこの1-0というスコアだったのだろう。
高い位置でのプレスから、細かくボールをつなぎながら相手陣内に入っていく神戸としっかりとしたライン構成から、ボールを奪取、すばやくチーム全体が攻撃に切り替わる横浜の駆け引きは、それぞれ相手の良い部分を引き出しつつ、自分達の良い部分をも最大限アピールする試合になっていた。
シーズン前、横浜FCは決して高い評価を得ていたとはいえない。
シーズン当初、上位に位置していたときも「いずれは落ちてくる」と多くの人が思っていた。
しかし、4分の3近くを消化した時点で首位から勝ち点5差の3位に位置している。
横浜のサッカーはDFラインの前に位置するMF山口が心臓部。
その山口がラインを統率しながら、相手の攻撃にはしっかりとマークにつく。
そしてボールを奪った際は、起点となって攻撃の組み立てを行っていた。
前線に位置するFW城は、相変わらずポストプレーの技術は一級品だった。
確実に次のボールの動かす位置をイメージしながらのポストプレーは、神戸陣内では、非常に危険な位置にボールを動かしていくことになり、2度決定的場面を作り出していた。
この強さは「シンプルなサッカー」がもたらしたものだと思った。
全てのポジションにシンプルにプレーが指示されていて、それだけを確実にこなすこと、そして最後までボールの動きから目を切らないこと、恐らく徹底されているのはこの3つくらいだと思う。
サッカーにおける「戦術」はシステム論とイコールではない。
システム論は「戦術」の一部に過ぎない。
しかし、ここをイコールと捉えている人間は「神戸のサイド攻撃対横浜のアレモン」といった、表象すら捉えていない視点しか提示できなくなる。
この試合のポイントは「discipline(規律)」にあった筈だ。
横浜の高木監督はサンフレッチェ広島での現役時代、バクスター監督指揮の下、Jリーグステージ優勝を成し遂げている。
あの当時バクスター監督がよく話していたことは「規律こそがサッカーを形作る」ということだ。
例えばFCバルセロナでも、そのサッカーは非常にシンプルに成り立っている。
常に選手達はツータッチ以内にパスを送り、相手のボールに対しては複数人数でプレスをかけ、高い位置からの連続したプレスで決してペナルティエリアへの侵入を許さない。
まずはこうした基本ともいえる規律があり、これを90分間高いレベルで選手が遵守しているからこそ、そこにスパイスで加わる各選手の個人技が光るわけだ。
神戸対横浜戦でも、途中三浦淳宏と山口素弘のマッチアップは実に見応えがあった。
かつてのフリューゲルスのチームメイトで、どちらも日本代表経験者。
そしてどちらもサッカーを良く理解している好選手。
スピードこそ全盛期には及ばないだろうが、流れの中で必要な1対1の場面を作り出し、どちらもファールぎりぎりの高い技術のタックルを仕掛け、これぞ一流選手同士というマッチアップを繰り広げていた。
そしてこのマッチアップを引き立たせたのが、周囲の選手の動き。
その場面を見守るのではなく、かといって割り込むのでもなく、きちんとしたフォローの動きができていた。
非常に高いレベルのサッカーであったにも係わらず、観客はわずかに6,660名。
これはもったいない。
こうした試合こそ、メディアはしっかりと取り上げて、サッカーの面白さを伝えて欲しい。
そしてその面白さを伝えることのできる解説者、表面的な部分だけを話す人間や感情むき出しで隙間を埋めようとするタレント解説者を淘汰して、本当にサッカーの面白さを話せる人を同時に育てて欲しい。
posted by lovesportslove |17:36 |
JリーグDivision2 |
2006年08月30日
私はヴィッセル神戸のファンである。
東京ヴェルディ1969(以下ヴェルディ)は、同じJ1からの降格組、そしてJ1復帰を大命題に掲げるライバルチームだ。
そのヴェルディの公式サイトの中に「ヴェルディ食堂」というタイトルのブログコンテンツがある。
ここでは選手やスタッフがそれぞれブログを展開しており、それぞれ面白い内容になっている。
その中で私が最も気に入っているのが、ヴェルディの取締役である田中尚雅氏の「栄光への道」というブログだ。
このブログは田中氏が、日々起きたことを氏の感想や思いを交えながら書き綴っている。
昨年のJ2への降格から、新チームの結成、ラモス新監督の就任、選手との契約難航など、決して愉快な内容ばかりではなく、サッカーというビジネスにおいて起きることが解り、非常に面白い内容となっている。
最近はチームの状態が決して良いわけではなく、大命題であったJ1復帰が非常に厳しい状態に追い込まれている。
田中氏の苦悩もよく記されている。
そんな中、数日前の記事で気になる表現を発見した。
---以下引用---
>多くのブロガーから多くの意見が寄せられ、できうる限り目を通しているつもりですが、今の時点でクラブ内やチームに楔を打ちかねない意見はあまり歓迎できません。
---以上引用---
断っておくが、田中氏は決して大上段からものをいうタイプではないと思われる。
日々のブログでは、選手やサポーターに対して常に感謝の気持ちを感じさせる表現が多々登場する。
この表現も、先日の神戸戦での敗戦によってJ1復帰の条件である3位以内が非常に厳しくなった中、サポーター・チーム・クラブみんなで結束し、最後まで戦い抜こうという意味の中で出てきた発言だ。
しかし、「それは言ったらあかんやろ~」と私は思う。
推測するに、田中氏には様々な意見が届いているのだろう。
中には誹謗・中傷としか思えないような発言もあるだろう。
しかし、クラブ経営陣には「そうした意見すらもありがたい」と思って欲しいのだ。
私達ファンは基本的に選手への思いを伝える術は無い。
練習場などで帰り際の選手に「頑張ってくれ!」というのが精々のところだ。
本当は誰もが言いたいことは山のようにあるだろう。
しかし、皆その気持ちを飲み込みながら、時には交通費をかけてまでもチームを応援している。
いわば無償の愛だ。
それによってチームが勝てば、選手は活躍に応じて金銭や名誉を受け取ることができる。
チームが強くなり、観客動員が伸び、スポンサー契約が増えれば、その収益に応じてフロントスタッフは給与が増えることもあるだろう。
しかし、チームがどうなろうともサポーターはひたすらお金を払い、時間を使い応援するだけだ。
(もちろん選手やチームは悪くなったときのリスクも負っているが)
しかし、ほぼ全てのファン・サポーターは金銭や名誉が欲しいわけではない。
自分の応援するチームが強くなる。
素晴らしいチームになる。
その成長を見守る。
それが嬉しいのだ。
だからこそ、苛立ち紛れに様々なことを言いたくなる。
だからこそ、せめて「無償の愛」を注ぎ続けるサポーターの意見を「あり難い」、「あまりあり難くない」という区分をしないであげて欲しいのだ。
どんな意見もヴェルディに関心を持ってくれていればこそ、と受け止めてあげて欲しい。
「愛」の対義語は「憎悪」ではなく「無関心」なのだから。
ヴィッセル神戸も昨年、負けが込み「降格」という言葉が現実味を帯びて来る中、サポーターは色々な意見を言っていた。
しかし、最後には「それでも俺達は神戸を応援する」というところに帰結していった。
その理由は、現在ヴィッセル神戸のGMを務める安達貞至氏の存在が大きかった。
ヴィッセル誕生時のGMでもあった安達氏は昨年5月、低迷するチームを救うべくGMとして神戸に復帰した。
結果として、J1残留は果たせなかったが、それまでJ1残留という近視眼的な球団運営をしていたヴィッセルに長期的視野を持ち込み、現在、そしてこれからも続いていくであろう未来を感じさせてくれた。
そして何より、練習場やサポーターズミーティングなどの場で寄せられる厳しい意見、時にはただの愚痴すらも「ファンの思い」として受け止めてくれた。
実際に球団運営に活かされずとも良い。
そうした意見を受け止めてくれている。
それだけでファンは大いに救われるのだ。
田中氏が情熱を持ってヴェルディを運営していることは、ブログから十分に感じ取れる。
だからこそ、ファンの思いを全て受け止めてあげて欲しい。
もしかしたら茨の道が続くのかもしれない。
しかし、その先には必ず昔とは違った栄光が待っている。
ファンはそう信じてついていっているはずだから。
posted by lovesportslove |15:53 |
JリーグDivision2 |
2006年08月28日
26日の土曜日にはJ2リーグ第36節が行われた。
ヴィッセル神戸は東京ヴェルディ1969との対戦。
この日は試合前から、スタジアム全体が独特のテンションで包まれていたように思う。
今年1月より、ヴィッセル神戸を監督として指揮してきたスチュアート・バクスター監督が、家庭の事情で退任することとなり、この日がホームでの最後の指揮となるためだ。
前回、このブログでも書いたが、ファン間におけるバクスター監督の支持は非常に高い。
チームがピンチのときに救ってくれた救世主というイメージ故だろう。
昨年までの神戸には、システムが悪い意味でなかった。
能力の無い選手達に、消化不可能なシステムを押し付けた結果失われたというのならまだしも、チーム作りそのものにコンセプトが無かったために、戦術の存在する空隙すら奪われていたのだ。
バクスターは就任後すぐに、4-3-3のシステムを提唱。
これは決してそのシステムに固執するという意味ではなく、チーム作りの基本を記号化したに過ぎなかった。
しかし、その記号こそがチーム作りの礎石であり、その言葉からイメージされるサッカーに向かって、選手はプレーを適合させていく。
シーズン開幕当初は、選手間の連携が明らかに悪く、やりたいことは判るが、プレーが追いつかない、選手間でのイメージ共有が図れていないなどの理由で中々結果が出なかった。
しかし、シーズンが進むに連れ、結果として表れ始めた。
第2クール以降21試合を14勝5分2敗というペースで勝ち進むことができ、現在は2位、首位柏との勝ち点差も2まで詰め寄ってきた。
この日の対戦相手東京ヴェルディ1969は、同じJ1からの降格組。
潜在的な力のある選手が多いものの、読売グループのチームらしく(?)、方向性の見えない選手補強を続け、チームとしての戦術は熟成されること無く現在5位と波に乗り切れていない。
しかし、前節では首位の柏を4-1で一蹴するなど、はまったときの破壊力はJ2では屈指のものを持っている。
この日のゲームでは立ち上がりこそ神戸が高いポゼッションをキープしつつ攻め上がるが、フィニッシュが決まらない。
そのうちに流れはヴェルディへ。
中盤が高い位置でプレスをかけ、右サイドの藤田に上がらせることで、神戸のDFラインを低い位置に縛り付けることに成功。
そんな中、神戸DF河本のクリアミスをシウバがさらい、ループ気味のシュートで先制する。
前半終了間際には神戸のボランチ丹羽が2枚目のイエローカードで退場処分となってしまう。
後半バクスター監督はシステムを4-3-2に変更。
ボランチの位置に三浦を下げる。
これが見事にはまった。
三浦というキープ力もあり、正確なパスを送ることができる選手が中央でボールを落ち着かせることで、MF田中やFW朴といった選手の動き出しが生きてくる。
ヴェルディのシウバが「足のハリを訴え」途中交代したことも大きかった。
もし、彼が後半も残っていたなら、彼の縦への突破に備えるために、中盤の底には三浦よりも足の速い選手が必要となったかもしれない。
そしてヴェルディは徐々にバランスを崩し、神戸の左サイドには常に大きなスペースが生まれた。
それを生み出したのはMFガブリエルの投入。
ボールを経由させるプレーの多い神戸中盤には珍しく、縦への意識が強く、ブラジル人らしい独特のリズムのドリブルからミドルを撃つ姿勢も見せるなど、相手にしたら対応し灘いタイプだったのだろう。
そうしたスペースを活かし、左サイドの突破から得たCKを、河本が頭で合わせ同点。
この河本という選手は優男であるため、頼りなさ気に見られがちだが、実は神戸で最もヘディング技術に長けている。
他の選手が「当てるヘディング」が多い中、河本は「叩きつけるヘディング」が身についている。
こうなると完全な神戸ペース。
最後まで左サイドのスペースを使い、そこから中央へ、そしてそのこぼれ球、という攻め方を変えることなく貫いた結果、ロスタイムに田中の逆転ゴールが生まれた。
10人での逆転勝ち。
これは神戸の選手には、大きな自信となるだろう。
逆にヴェルディの選手には計り知れないダメージを残したことだろう。
まだシーズンは1/3を残しているが、シーズンの流れの中での大きな試合となるような気がする。
神戸の勝因は、ずばりバクスター采配にある。
選手が一人少なくなるとまずは守ることから、となりがちなJリーグの中で、負けているチームは攻めに出る、といういたってシンプルな戦略。
サッカーとは一点でも多く取るスポーツ、という大前提に忠実な戦術だった。
そこで、移籍してきたばかりのガブリエル投入を、試合後本人は「監督としては賭けだった」と語っているが、実は自信があったのではないだろうか。
ヴェルディが人数の優位を活かすために前がかりに出てくることは予想できた。
となるとバイタルエリアには、ガブリエルのようなタイプが動くスペースが生まれると見たのではないだろうか。
試合後、バクスター監督は「ミナサン『サヨナラ』トハ、イイマセン。『マタ、アトデ』ト、イワセテクダサイ」と日本語で挨拶。
記者会見でも「サポーターは血です」、「とにかく私は神戸が好きなんです」、「今日マジックを起こしたのは選手達です」と発言し、自らのホーム最終試合を完璧な形で締めた。
最後に余談だが、一方の対戦相手の監督が「選手がサボった。神様が怒ってバチを当てた」といったそうだ。
選手へのリスペクトがない指導者は、退任時にリスペクトなく送り出されることだろう。
posted by lovesportslove |16:13 |
JリーグDivision2 |
2006年08月25日
昨日、ヴィッセル神戸のファンにとっては衝撃のニュースが飛び込んできた。
「バクスター監督一時帰国」
昨年、4勝9分21敗という惨憺たる成績でクラブ史上初のJ2降格となったヴィッセル神戸。
このチームは、毎年のように降格争いを繰り広げていたのだが、何となく土壇場ではJ1残留を果たしてきたために、私たちファンの中にも「多分大丈夫じゃないか」という妙な安堵感があったことは事実だ。
そのため、いざ降格となったときには、その対処法を持っておらず、妙に暗い雰囲気になってしまった。
そんな中、もう一度このクラブを応援しようという気になった二つの出来事のうち一つが「スチュアート・バクスター監督就任」のニュースだった。
(もう一つはキャプテンの三浦淳宏がチームに残留したことだった)
ヴィッセル神戸発足時の監督でもあり、Jリーグでの優勝経験もあり(サンフレッチェ広島時代)、イングランドU-19代表監督、南アフリカA代表監督などを歴任した名将でありながら、他チームオファーを断ってまでヴィッセルJ1復帰のために就任を快諾してくれた監督ということもあり、サポーター間の支持率も非常に高い監督である。
その彼が帰国する理由は、家族の病気。
スウェーデンに入院しているご息女の病状が決して軽くなく、家族のフォローが必要と医師に言われたための帰国であるようだ。
スポーツの世界において、家族と仕事ということはよく言われてきた。
記憶に新しいところでは、阪神タイガースに在籍していたランディー・バース氏が、息子の治療のためシーズン中にアメリカに帰国すると、在阪のマスコミを中心に大バッシングがおきた。
「仕事を放り出して、子供の病気に付き添うとは仕事をなめてる」というわけだ。
日本では「プライベートは仕事に持ち込まず、寂しさを隠しながらプレーするのが美しい」とされてきた。
これはスポーツに限らず、一般のサラリーマンの世界ですら適用されてきた理屈だ。
日本では「仕事」という社会性のあるものは「家庭」というパーソナルなものよりも優先される。
これは一見すると非人間的とも思われがちだが、こうした「モーレツ」振りが日本の経済発展の一助となっていたことは、疑いの無い事実だ。
決して悪いことばかりとは思えないのだ。
ただ、適用するタイミングや場所の問題だけなのではないだろうか。
そしてその時代、スポーツ(特にプロ野球)はサラリーマンが自らの自己投影であったり、鬱憤晴らしであったりといった役割を負わされてきた。
しかし、90年代頃から、公よりも私を優先する方が素晴らしい、といった妙な反動がおき、仕事ですらも責任感の欠如した社員が増え始めた。
しかし、同時にスポーツが、サラリーマンの仕事から切り離された。
鬱憤晴らしのスポーツ観戦でなく、レクリエーションとしてのスポーツ観戦が根付き始めているように思う。
インターネット掲示板などで今回のバクスター監督の一時帰国に対する意見を見ていると、概ね好意的な反応だ。
「今までありがとう。娘さんの全快を祈ります。また一緒にサッカーがしたいです」というのが最大意見のようだ。
昨夜の発表と同時に、メールマガジンで告知、社長が事の経緯を説明した、クラブの対応も良かったのだろう。
大好きな監督だからこそ、好意的に送り出したい。
そんな思いが叶えられて、少し幸せな気持ちになれた。
posted by lovesportslove |15:30 |
JリーグDivision2 |
2006年08月21日
19日の土曜日にはJ2リーグ戦第34節が行われた。
私の応援するヴィッセル神戸は愛媛FCとの対戦。
愛媛FCは今年からJリーグに昇格したばかりの新興チーム。
ここまで2戦2勝と相性も決して悪くない。
この試合もしっかりと勝利しておきたいゲーム。
結果は1-0の辛勝。
特に前半などは、神戸得意のワイドストライカーからの攻撃も影を潜め、中盤では逆にボールを奪われる始末。
愛媛も直近の4試合負けなしと、好調であったためだろうか、序盤から積極的にSBが高い位置で神戸の中盤・田中にチェックに行くため、ボールが全くといっていいほど落ち着かなかった。
しかし、愛媛も最後のところでパスミスが多く、シュートまではいけない。
そこに救われた感があった。
後半バクスター監督は、三浦淳宏を中盤に下げホルヴィと並べ内側に入れ、中盤の底に丹羽を配置、中盤を逆三角形にしてボールを落ち着かせようとした。
この布陣は結果的にズバリと的中した。
全体的なポゼッションが高まり、結果として後半は殆ど相手陣内で試合を運ぶことができた。
ここで考えてみると、この試合で後半の布陣、中盤前目に三浦とホルヴィが並ぶのは開幕戦以来。
ホルヴィは決して守備がうまいタイプではなく、三浦も脚に不安を抱え、運動量は決して多くは無い。
そのため、チェックはどうしても甘めになるため、バクスターの目指す「高い位置でのプレス」は中盤が省略された形になってしまい、カウンターサッカーの餌食になりやすくなってしまう。
図らずもそのことを証明したのが開幕の草津戦だったが(結果は0-3で完敗)、この試合では前線とDFラインを非常にコンパクトにまとめることで解決を図っていた。三浦、ホルヴィの関係性も破綻することなく無難に収まっていた。
加えて中盤の底に入った丹羽の動きが素晴らしく、攻撃時にはDFラインに吸収され3バックのような形を作り出し、SBの動き出しをフォロー、守備時には前に上がりつつ、三浦とホルヴィのフォローに回るなど、この戦術に対する理解度の高さをうかがわせる動きを披露した。
決して内容も良くなく、選手のコンディションも悪そうだったこの日、勝ち点3を取れるようになったというのはチームとしての基礎が完成されつつあることの証左といえそうだ。
これまでの神戸は、内容は悪くなかったが結果は惜敗、ということが多かった。
これは基礎が構築されていないために、どうしても最後の部分で詰めが甘くなり、決定的な失点を喫してしまうということだった。
また、選手個々の能力を踏まえた上での戦術が提供されているのだろう。
選手たちが無理なくそれを理解、実践しているように感じる。
試合後のコメントを読むと各選手とも、その試合の問題点の認識を一にしており、そこに戦術を同じレベルで理解していることをうかがわせる。
そのため、反省点なども具体性が出てきている。
昨年までは「試合内容は決して悪くなかった」「下を向くわけにはいかない」といった、分析ができていないが故の抽象的発言ばかりであった。
中には「審判のレベルが低すぎる」というものまで聞かれた。
昨年までの神戸も、今の神戸も個々の選手を見たときに、スーパープレーヤーは三浦しかいない。
しかし、昨年までの神戸は個々の力量で何とか、局面を打開しようと試みて、失敗に終わるというのが殆どだった。
しかし今年はここにバクスター監督が、個々の力量にあわせた戦術を提供し、その中で個々の力量を発揮するというシステムとスキルの紐帯関係が存在しており、そのため悪くても何とか格好は付けられるようになってきた。
第1クールの負け越しは、この状況になるために必要な犠牲であったのかもしれない。
残り17試合。
J1復帰に向けて落とせる試合は一つも無い。
柏レイソル、横浜FCとのガマン比べはまだまだ続く。
posted by lovesportslove |15:46 |
JリーグDivision2 |
2006年08月07日
またまた長いこと更新をサボってしまった。
昨日はヴィッセル神戸はベガルタ仙台との一戦。
現在3位にいる神戸だが、4位仙台との勝ち点差は僅かに1。
しかも、次節神戸は試合がない。
ここで勝利し、勝ち点差を4に広げておくことで次節終了時も3位が確定する。
そのためには是が非でも勝ちたい試合だった。
結果から言うと主将・三浦淳宏のゴールで上げた1点を守りきった神戸が勝利したのだが、ここで勝者に相応しいのは三浦淳宏だ。
試合後の会見でバクスター監督は、名将ボビー・ロブソンの言葉を引いて「こうした重要な試合では重要な選手がビッグパフォーマンスを見せる」といって三浦を称えたそうだ。
三浦はまだ移籍2年目にもかかわらず、神戸ファンの間で絶大な支持を得ている。
その理由は、彼が「仁義」を大事にする選手だからだ。
東京ヴェルディ1969で監督と衝突、ポジションを失った三浦が神戸に移籍してきたのが昨年。
しかし、昨年の神戸はシーズン中に2度の監督交代を迎えるなど混迷を極めた。
当然成績は断トツの最下位。
さらにシーズン途中で、それまで神戸の顔とも言われていた「キングカズ」こと三浦知良(現横浜FC)の放出もあった。
そのカズから主将を受け継いだのが三浦淳宏だった。
自身はドイツワールドカップ予選を代表として戦うため、度々チームを離れることとなった。
しかも終盤には無理がたたり、足の状態が悪く代表合宿は辞退、チームでも出場できないという悪循環に陥ってしまっていた。
そしてシーズン終了、J2降格。
私たちファンの誰もが、三浦は移籍すると思っていた。
当時代表監督のジーコは「J2からは招集しない」と発言しており(後に一応撤回はしている。が視察には一度も訪れていない)、三浦のワールドカップ出場にかける思いからしてもJ1チームに移籍止む無しと思っていた。
しかも敗れたとはいえ残留争いのために、足を犠牲にしてまでも戦ってくれた三浦を誰が責めることができるだろうか。
私自身も拍手で送り出してあげたい、と本気で思っていた。
しかし、まさかの残留宣言。
その後の活躍は言うまでもない。
以前の神戸に在籍した選手の中で、在籍中は「このチームが好きだ、全てを賭けている」といった発言をしていた選手はいた。
私なぞはこうした発現を聞くと、どうにも嘘臭さを感じてしまう人間なのだが、パフォーマンスとしては至極当たり前の標準的なものだと思う。
しかし、こうしたことを現実行動に移せるということは素晴らしい。
三浦はワールドカップの舞台に立つことはできなかった。
年齢的にもその夢は夢のままで終わる公算が高い。
しかし、彼はこれまで神戸に在籍していた選手が一人も得ることができなかった「ファンの絶対的な信頼」を手に入れた。
これがワールドカップの対価として相応しいかは判らない。
しかし、その思いの強さゆえに、私たちファンは彼のゴールに、その人格を重ね合わせ一層の拍手を送るのだ。
ボクシングのとあるチャンピオンが「批判されてもいい。それを押さえ込むためにも勝ち続ける」という意味の発言をしているようだが、彼(とそれを指示する人たち)は決定的なことが解ってない。
それは
「良きスポーツ選手である前に、よき社会人であれ」
ということ。
自分さえ良ければ、結果さえ良ければ、こうした風潮の中、自らの発言に責任を持ち、自らのプライドをかける三浦の姿は本当に素晴らしい。
昨日の得点も、中央からの横へのパスをPA左角で受け、そのまま右足でゴールに一直線に突き刺した素晴らしいもの。
相手監督も「あれはどのGKでも取ることができない」
といい、神戸のバクスター監督は「FCバルセロナのユニホームを着ていても違和感がないほどのシュート」と大絶賛。
そしてバクスター監督は「J2なのであんなに素晴らしいシュートでも報道されない」と発言していた。
J2を見たことのない方、ぜひ三浦のFKを見てください。
あんなのJ1でもそうはいませんよ!
posted by lovesportslove |15:49 |
JリーグDivision2 |
2006年08月01日
また数日の間を空けてしまった。
まあ働いていると月末っていうのは何だかんだと忙しいもので、とかく時間が足りなくなってしまう。
そんな中でもJ2リーグはしっかりと予定を消化しつつある。
先日の7/29で早くも第31節。もうすぐ4分の3が過ぎようとしている。
私の応援するヴィッセル神戸は、現在3位。
2位の横浜FCとの勝ち点差は1。
しかし、4位のベガルタ仙台との勝ち点差も1。
1勝が勝ち点3だから、2位から4位まではものすごい混戦になっているのだ。
年間を通じてホーム&アウェイでそれぞれ2回づつ戦わなくてはならないため、J2では全体(48試合)を4つに分けて考。
その第1クール神戸は、5勝1分6敗と負け越した。
それが第2クールに8勝3分1敗として、一気に昇格争いに加わった。
こう見ると完全な上り調子なのだろうが、ファンとしては不安を抱いてしまう。
第1クールでは、主将の三浦淳宏(元日本代表)のFK、新人柳川雅樹の急成長,
そして新監督スチュアート・バクスター(元南アフリカ代表監督)の新戦術が見られたこともあり、負け越していたとはいえ、ここから確実に良くなっていくであろう兆しが見られていたのも事実だ。
逆に最近は、過酷な試合日程のためか、選手たちに疲れが目立つ。
抜群のテクニックを持つはずの三浦にしてから、何ということのないパスを受け損うこともある。
しかし、これが不思議と結果は出ているのだ。
相手のシュートミスなどにも救われているのだが、何にせよ負けることがなくなってきたのはファンとしては、大変に心強い。
今週の日曜日には4位仙台との直接対決が待っている。
その後は2位横浜FCとの対決もある。
2位以内を確保し、J1への自動昇格を手にするためにもこれからの対決は、文字通り「絶対に負けられない」となるのだ。
しかし、過酷な日程でプレーしているのは相手も同じ。
だからこそ、内容だけはしっかりとしたサッカーをして、体調の悪さをカバーして欲しいと思っているのだが。
現在の神戸が底上げができた故の勝利ならば良いが、勢いに乗っているだけであるとすれば・・・
考えただけでも恐ろしくなる。
ファンなればこそ期待をしてしまうのだが、期待の高まりは不安の大きさに比例しているから恐ろしい。
今日は単なる呟きになってしまいました。
明日はもう少し普通に書きます。
posted by lovesportslove |16:32 |
JリーグDivision2 |
2006年07月22日
今週の水曜日には、各スポーツニュースが「Jリーグ再開」と報じていた。
ここでいうJリーグとは「Division1」のこと。
しかしその裏では、私の応援するヴィッセル神戸の所属する「Division2」は、中断期間もなく、リーグ戦が続いている。
今日22日には早くも29節の試合が行われた。
ヴィッセル神戸は今年がクラブ史上初のJ2。
J2に所属する以上、目標は当然J1昇格。
J1昇格の条件は2つ。
1.年間順位2位以内
2.年間順位3位かつJ1の16位チームとの入替戦(H&A)に勝利すること
いわば13チームによる椅子取りゲーム。
現在29節終了時点での暫定順位は1.柏レイソル、2.横浜FC、3.ベガルタ仙台、4.ヴィッセル神戸、5.東京ヴェルディ1969となっている。
なぜ暫定順位なのか?
それはリーグが13チームのためだ。
実は今日の段階で1位の柏と2位の横浜は消化試合が1つ少ないのだ。
一言で言ってJ2のサッカーは「忙しいサッカー」(by三浦淳宏選手)のようだ。
例えば神戸がボールを支配している時間帯、相手のゴール前に8人が並んでいるなんていうのは珍しい光景ではない。
しかもそのときに相手FWも自陣内に下がっているため、要は完全な守備隊形、というか「引き過ぎ」なのだ。
では攻撃してこないか、というとそうではない。
相手のボールを自陣ゴール前でカットすると、そのままポンと縦に「長いボール」を蹴り出す。
そしてそこにFWが一気に走り込む。
そして得点すると、また下がる、といったサッカーだ。
J1でボールを回しながら組み立てていくサッカーに慣れ親しんでいた場合、このサッカーへの対応は決して簡単ではないようだ。
浦和レッズやサンフレッチェ広島、セレッソ大阪といったチームが降格した際に全て年間2位でJ1に復帰していることからも、その対応の難しさが伺える。
ここで一つ誤解して欲しくないのだが、私は決してJ2のレベルは低いと思っているわけではないということ。
年間で同じ相手と4回戦わなくてはならない(J1は2回)、きつい日程、地方都市も多く、遠征も多いということから、いかに一年間体力を温存しながら戦うか、ということを考えたときに、こうした戦法が主流になるのは止むを得ないと思う。
そして、同じプロがそれだけの人数をかけて守っていたら、そうそう点は取れない。
ここにはJ1とは違う面白さがある。
もちろん私はヴィッセル神戸にJ1復帰を果たして欲しいと本気で思っている。
しかし、J2に来てよかったと思っている部分もある。
アウェイのスタンドに行くと、客席に屋根もなく、通路も狭く、コンコースなども決してきれいとはいえないといった状況に接することが出来る。
しかし、応援している人からしたら「おらがチーム」なのだ。
人数は少ないかもしれないが、必死に応援している。
その姿はJ1の人気チームと何の違いもない。
必要以上に美化する必要はない。
そのまま同じJリーグの仲間として受け止めればよかったのだ。
しかし、J1にいるというだけで(成績が悪くても)、何となく我々ファンの側にも驕りのようなものはあったのかもしれない。
しかし、色々な場所でサッカーを見れた、そしてJ2のサッカーを楽しめた、これだけでもJ2を経験した価値はあると思う。
ヴィッセル神戸はチーム改革を行っている。
少し前の「元有名選手」の墓場ではない。
新しい才能が確実に芽吹いている(風に見える)。
だからこそ、一ファンとして、彼ら若い選手にはJ1時代、いかに恵まれた環境でサッカーをしていたか、ということをこの一年で痛感して欲しい。
そして、精神的に、肉体的にタフになって欲しい。
このJ2リーグをもっとマスコミも取り上げて欲しいと切に願う。
このリーグにはJリーグの理念が最も見え易い形で存在していると思うから。
posted by lovesportslove |21:28 |
JリーグDivision2 |
2006年07月13日
またまた長いこと間が開きました。
それでもめげることなく、こうして書いている自分の忍耐強さを誉めることとしよう。
昨日、Jリーグの試合が行われた。
J1リーグがワールドカップの中断期間明けに第11節の残り試合、ワールドカップ帰りの宮本、遠藤、福西、川口の登場するガンバ大阪対ジュビロ磐田というカードがあった為、世間の耳目はそちらに流れたようだ。
その裏ではJ2リーグもしっかりと行われた。
私の応援するヴィッセル神戸はザスパ草津との3回目の対戦だった。
ザスパ草津とはご存知の方も多いかもしれないが、昨年からJリーグに加盟したチーム。
選手は大半が地域リーグなどの経験者。
Jリーグ経験者は少ない。
昨年はJ2最下位。
ヴィッセルは主将で元日本代表の三浦淳宏、元韓国代表朴康造などJ1時代の選手の大半が、J2降格後もチームに残ったためその戦力差は如何ともし難いと思われていた。
しかし、ここまでの2試合は3-0、3-2で草津が2連勝。
番狂わせも2度続くと番狂わせではなく、相性と思うしかない。
昨日の試合は、神戸が先制、草津が直後に追いつき、勝ち越し。
後のない神戸が最後に粘りを発揮して再逆転、しかも後半ロスタイムでの逆転という薄氷の勝利だった。
試合結果
私が感心したのは、試合後のザスパ草津の植木繁晴監督のコメント
「点を取って、相手には最終的にシュートを打たせないようにすればいいという形でいったのだが、4回目の対戦ではもうこういう戦い方はできないだろう。相手の気持ちを楽にしてしまった」ということを言っていたそうだ。
最近では中田英寿氏を司令塔で起用したベルマーレ平塚(=現・湘南ベルマーレ)の監督として、様々なメディアでも取り上げられているようだが、この植木監督という方は「弱者の勝ち方」を知っている方なのだろうと思う。
戦力に差がある場合、弱者はいかに策を弄するか、ここに全てが集約されてくるわけだが、この場合植木監督は「ボールを支配することは不可能だ。なればこそゴール前だけをしっかりと固めて、カウンターであわよくば1点を取り、それを守り抜こう」と考えたのだろう。
こうした戦術は、他の監督でも考えつく。
この方法以外にも、もっと効果的な戦術はあるかもしれない。
しかし、植木監督の凄みは「4回目の対戦ではもうこういう戦い方はできないだろう。相手の気持ちを楽にしてしまった」という部分に現れている。
奇策は一度きりゆえ奇策たる。
しかし、そこに相手の「勝って当たり前」という精神状態を加味して考えると、もう一度奇策が奇策足りえる。そう考えたのだろう。
そして、奇策はタネを見破られ、相手にかかったプレッシャーという魔法が解けた瞬間に陳腐化する。
ここも十分に承知していればこその発言だと思う。
戦力差を十分に認め、それでも勝利するためには、を考え、さらにそれがどこまで継続できるか、という部分までも見据えていく。
これが監督の仕事というものだろう。
植木監督の発言を見て、この人はプロフェッショナルだ、と改めて思った。
なればこそ、植木監督の次なる奇策に期待してしまう。
とはいえ、次の対戦はシーズン終盤。
昇格争いも大詰めになっている頃と思われる。
心臓には悪そうな戦いがこれからも続く。
posted by lovesportslove |17:13 |
JリーグDivision2 |
2006年06月24日
ワールドカップがスポーツ界の話題を独占しているが、そんな中でもJ2リーグは続いている。(世界中でここだけじゃないかな??)
私の応援するヴィッセル神戸は横浜FCをホームに迎えての一戦。
結果からいうと0-0のスコアレスドローだったが、素晴らしい試合だった。
何といっても今日素晴らしかったのは監督の采配。
少々読みにくいかもしれないが、以下に状況を説明する。
ヴィッセルは4-3-3のフォーメーションを基本としているが、前半は中盤をMF栗原をシャドーの位置に置き、ホルヴィと田中を底とする三角形の配置。
しかし、栗原の動きに切れがなく、相手のバイタルエリアの中でボールが収まらず、攻撃が寸断されていた。
それを見てバクスター監督は栗原に替えて、守備的なMFである小森田を投入、ワンボランチとして、ホルヴィと田中を前に上げる逆三角形にしたのだ。
さらに前線の左右を構成する三浦と朴をより高い位置に入るよう指示することで、前線にスペースを作り、そこに二人のMFが入ることでより攻撃的な形となり、後半は横浜を圧倒する試合内容となった。
ハーフタイムにこうした的確な指示を送り、それに選手が結果で応えるというのは、当たり前かもしれないが、サッカーの面白さの一つだ。
当然、好ゲームとは相手あってのこと。
横浜FCもゴール前で体を張っての素晴らしいディフェンスで、神戸の決定的チャンスを何度も防いでいた。
文字にしてしまうと、何てことのない普通のサッカーに思えるのだが、昨年までのヴィッセルにはない「組織立ったサッカー」、「意思の感じられるサッカー」を見せてもらった。
ワールドカップはもちろん素晴らしい。
世界最高峰の技がそこかしこに散りばめられており、ため息をつくような素晴らしいプレーが続出している。
しかし、ファンにとっては、レベルこそ違えど、代表戦に劣らぬ面白さがそこにはある。
チームが成長していく楽しみ、これは応援するチームが身近にあればこそ、日常的に味わえる。
そして自分の応援するチームから代表選手に選ばれる選手が出る。
こんな希望を持って応援できることは、サッカー観戦を一段と楽しいものにしてくれる。
posted by lovesportslove |23:58 |
JリーグDivision2 |
2006年06月15日
私の応援するヴィッセル神戸は、現在J2で戦っている。
昨年4勝9分21敗という、ある意味他を圧倒するペースで負け続けた結果だ。
さらに昨年は東京ヴェルディ1969と柏レイソルという名門チームも一緒に陥落した。
現在は13チームでのリーグ戦、H&Aを各2回のため年間で48試合という、過酷なリーグを戦っている。
余談だが13チームという奇数のために各節とも休みのチームが1チームあり、そのため年間では52節という少々計算上面倒なことになっている。
J2に入った当初は、何だか自分たちのいる場所ではないような気がして(といってもプレーするのは選手だが)、どうにも尻が落ち着かない感じがあった。
例えるならば、子会社に左遷されたサラリーマンが、出向先の会社に馴染めないようなものだ。
しかし、いざリーグが進んでいくと、これがどうにも癖になりそうな面白さだった。
試合内容そのものと同じくらい、「昇格に向かっての勝ち点計算」が面白いのだ。
試合ごとに胃が痛くなるような思いをして、他チームの結果を異常なまでに気にして、落ち込む間もなく次の試合がやってくる。
本当に退屈している暇がないのだ。
リーグが始まるまでは受験のようなものかな?と思っていたが、よくよく考えると受験においては、過程と結果は一致していない。模試でA判定のやつが落ち、E判定の記念受験組が受かるなんて話は、それこそ枚挙に暇がない。
プロ野球ほど試合数が多いわけでもないため、いわゆる捨て試合が作りにくい。
勝利という過程を積み上げ、2位以内という結果に辿り着けば、自動昇格。3位であればJ1の16位と入れ替え戦、というこのシステムは、落ちてくる側、上がろうとする側双方にとって面白い。
MLBのプレーオフ制度も面白いと思うが、降格がないために下のチームは早い段階から翌年以降へのシフトが可能になる。しかし、降格のあるシステムでは下も何とか踏ん張りきることが求められる。
昨年私は降格のための勝ち点計算を必死にした。しかし、ほぼ状況が絶望的になってからは、どのチームを道連れにしたいかという、半ばヤケクソの予想になってしまった。おそらく全身から負のエネルギーが出ていたことだろう。
今年は昇格に向けてという正のエネルギーに突き動かされ、応援している毎日だ。
願わくばJFL、地域リーグと連なる組織の中で、自動入れ替え、という制度が果てしなく続くことを希望する。
元J1のチームが河川敷で地域の草サッカーと戦っていたなんて、不謹慎だがちょっと物悲しくて面白いかもしれない。
posted by lovesportslove |15:37 |
JリーグDivision2 |