2006年09月08日

プロフェッショナルを考える~三浦知良選手

私が普段は散々批判をしている夕刊紙だが、先日興味深い記事を見つけてつい読んでしまった。
それは横浜FCの三浦知良選手(以下カズ選手)に関するものだ。

記事の骨子は「カズ選手はJ1昇格に向けて邁進するチームの中で実力的には戦力外。しかし、営業的には主戦力であり、"貧乏球団"である横浜FCは扱いに苦慮している」というものだ。
もちろん、例によって推測や発言者が明らかにされない伝聞が中心に成り立っているため、真偽のほどは疑わしいのだが、一応肯かされてしまったのも事実だ。

カズ選手は昨年まで4年以上に渡って、ヴィッセル神戸に在籍していた。
ヴィッセル在籍時には、既に往年のキレはなくなっていたが、練習場などで見せるその存在感はやはり他を圧倒していた。
比較的地味なチームであるヴィッセル神戸の知名度を引き上げてくれた一人が間違いなくカズ選手だ。(他はイルハン選手と三木谷オーナー)

私は、彼のプロ意識には敬意を表していた。
ヴィッセル神戸の公式携帯サイトのインタヴューの中で「こう使ってもらえれば、という愚痴をいう選手がいるが、そう使ってもらえるかどうかも自分次第」という旨の発言をしていた。

これは全スポーツ選手が傾聴すべき言葉だ。
サッカーに限らず、首脳陣との相性や自分への理解の無さを口にする選手は少なからずいる。
しかし、一流選手ほど、実は言い訳をしていない。
野球の落合博満選手(現ドラゴンズ監督)などは、皮肉は毎日のように口にしていたが、常々「俺は4番だから打って当たり前。打てなかったらいくらでも批判してくれ。不要になったらいつでもクビにしてくれ」と言っていた。ジャイアンツを解雇されたときも「打てないからですよ」とサラッと言っていた。

カズ選手も、毀誉褒貶定まらない中、己という価値観だけはしっかりと確立していたのだろう。
しかし、彼のこのプロフェッショナルな価値観は、サッカーというチームスポーツの中では悪影響になることもある。

彼は時に「プロなんだから誰かに言われて考えるべきではない。全て自己責任の中で解決させるべき」という意味の発言もする。
推測の域を出ないが、チームが彼に期待する「チームリーダー」というものは、もっと若い選手に干渉して、プロフェッショナルな態度を押し付けていってくれ、ということだと思う。
逆に彼のように、明らかな年長者が何も言わずに自分のことだけに集中している(ように見える)行動を取ると、若い選手は「叱られていないからOKだろう」と勘違いしてしまうのではないだろうか?
その意味では、彼は主将や監督といったチームリーダーではないのかもしれない。
時にリーダーはパフォーマーであることを要求されるからだ。

サッカーが大好きで、40歳を目前にしても依然トレーニングを怠ることが無いと聞く。
ひょっとすると、来年はJFL、地域リーグまで行くのかもしれない。
どこに行こうとも、彼は現役を続ける間は「貴重な経験を若手に伝える」なんていうことを考えずに、ひたすら必死でプレーして欲しい。

「消え去らない老兵」を見続ける楽しみがあっても良い、そう思う。

posted by lovesportslove |18:16 | Jリーグ全般 |
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