2008年02月06日
熊本からJリーグを!その3 続アルエット熊本編
昨日の続き、アルエット熊本編です。 初のJFL参戦の開幕前から水面下では色々あったアルエット。財政的に厳しいチーム状態でしたから、補強もままならなりませんでした。大卒の選手を2名ほど獲得したのみで、あとは現有戦力での挑戦。しかも開幕前から怪我人が複数いるという状態でした。 案の定、開幕してから勝てない日々が続きます。しかしそんな状況が一転したのはリーグの3分の1が過ぎようとしていた頃でした。怪我人の復帰も大きかったのですが、それ以上に同じNTTを親会社とする、大宮アルディージャから無償レンタル選手(2名)の補強が行われたのです。 本来、レンタル移籍とはレンタル中は借り入れ先が選手の給料を払うわけですが、移籍金はもちろん、給料もすべて大宮持ちという好条件でした。 加入した選手は結果を出さなければクビになるという必死な思い、そのプロ意識を間近で見た、アルエットのアマチュア選手の気持ちにも変化が訪れ、後半戦は快進撃。 結果、アルエットはJFL1年目、16チーム中8位という好成績で終えたのです。 そしてJFL1年目の最終戦終了後のインタビューにてついに「5年以内のJリーグ参入を目指す」との宣言があったのです。 ちなみにアルエットは始めからJリーグを目指していたように思われていますが、チームが公式な見解として「Jリーグ入りを目指す」という発表は最後までありませんでした。 もちろん、フロントの人たちはJを目指していましたが、周りのサポートの現状を踏まえると、とても発表することができなかったのです。 さて、JFL1年目に旋風を起こしたアルエットでしたが、2年目は厳しいシーズンになってしまいます。 開幕前、快進撃の原動力になった大宮の選手はいなくなりました。彼らは結局、大宮を解雇されたので、アルエットで雇用することも可能だったのですが、とてもプロ選手を抱えるだけの余裕はなく、獲得を泣く泣く見送ったのです。 また、開幕前から主力に怪我人も続出。そしてNTTから完全に離れてしまった為、社員選手にも選手特権がなくなり、主力選手でありながら、県外への転勤というかたちでチームを離脱する者すら出てきたのです。 確かに抜けた人数分以上の補強はありましたが、抜けた穴を埋めるだけのポテンシャルを持った選手はいませんでした・・・。 序盤こそ1勝2分という、上々の滑り出しでしたが、その後、10数試合も勝てない日々が続きました。気付けばアルエットは降格圏内にいたのです。 そして一度陥った負のスパイラルを振り払うことができないままアルエットは最終戦も敗戦。僅か2年でJFLから降格することになってしまいました。 チームはその後、存続の危機に陥ります。 「JFLで戦えるから」という理由で集まっていた選手のほとんどが離脱。残ったのはNTT時代からのベテランと地元出身の若手という状況でした。 そしてカテゴリーが下がったことで、ただでさえ少なかったスポンサーも減ってしまったのです。 チームフロントは解散も視野にいれたのですが、もう一度、JFLに挑戦することを決意。 (この決定まで時間がかかったのでかなり焦りました・・・) チームは九州リーグから再出発することになったのです。 しかし、当時の九州リーグはかつてNTT九州が天下だった頃とは一変していました。 Jを目指し、強化を図っていたチームがゴロゴロいたのです。今は衰退してしまいましたが、加藤久率いる沖縄かりゆし、前田浩二率いるヴォルカ鹿児島、同じJFLからの降格組あるサン宮崎、数年後のJリーグ入りを宣言し、現JFLのニューウェーブ北九州。そんな厳しい状況の中、アルエットの新たな挑戦は始まるのでした。 補強はほとんどできなかったアルエット、序盤こそ維持を見せて上位争いをしていましたが、中盤以降失速し、屈辱の5位で九州リーグ1年目を終えてしまいました。 翌年、今年こそはと選手を多く補強しJFL復帰へと動き出しました。 しかし時を同じくしてあるプロジェクトが水面下で動き出していたのです。 そう、それが現ロアッソ熊本の構想。 この件の詳しい話はロッソ熊本編で書きたいと思います。 「くまもとにJリーグをつくろう!」という運動が表面化し、マスコミにも取りあげらるようになりました。 そしてアルエットをベースにはするものの、チーム名、チームカラー、選手の入れ替えも決定したのです。 そう、アルエット熊本としての活動はこの年が最後となってしまったのです。 九州リーグ中盤を過ぎた頃にはアルエットにJFL昇格の可能性はなくなっていました。しかし、観る側からすれば順位などはすでにどうでもよく、このチームも目に焼き付けておきたい、そういう思いに変わっていました。 そして九州リーグ最終節を勝利で飾り有終の美を飾ったアルエットイレブン。 チームはそのJへの夢のバトンをロッソに渡し、静かにその長き活動に終止符を打ったのでした。 彼らのその後ですが、そのままサッカーを諦めた選手はいませんでした。みんなサッカーを愛していたのです。 元アルエットの選手と監督コーチ陣は新たにチームを設立。 そのチームは県リーグを圧倒的な強さで勝ち抜き(35-0とか凄いスコアもありましたw)今期、九州リーグに「復帰」しました。 アルエットの血を正統に引くのはロッソ(現ロアッソ)熊本ではなく、彼らが設立し、九州リーグに復帰したヴァンクール熊本なのかもしれません。 次回はロッソ熊本。
posted by loveroasso |10:37 |
熊本のサッカー |
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