2009年11月08日
育成選手の仕組みを考えてみよう
2009年のプロ野球も巨人が日本シリーズを制し、幕を閉じた。 新聞記事などを読むと『育成枠』という言葉をよく目にするようになった。日本シリーズを制した巨人の中継ぎエース山口投手や、いぶし銀の活躍を見せた松本選手等、育成枠出身の選手も見かけるようになってきた。 今まで、育成選手制度について、あまり考えた事がなく、かつものすごく暇でもあったので、育成選手制度について調べたり考えたりしてみた。 育成制度のそもそもの始まりは、不況の昨今、主に社会人野球で廃部になるチームが相次いだ事で、ノンプロで学生ではない人たちが野球をする環境が小さくなっていくことで、野球というスポーツの裾野の狭まりへの懸念や、有望な若手選手らを育成する観点から、2005年に広島東洋カープの発案で「準支配下登録選手」の制度設置を審議、導入された制度だ。 それまでの日本のプロ野球界では支配下登録選手枠の上限が最大70人で、それ以上になった場合、練習生(公式戦の出場はできないが、チームの練習には参加可能)という扱いとなっていが、その制度を利用して有望な学生を練習生として囲い込む球団が出たためそれ以後は練習生契約は規制されていた。
また、まだ成熟した制度ではないため、中日がシーズン中に金本明博選手をウエーバー公示し、育成選手として再契約する動きを見せ、選手会から「戦力補強の抜け道になりかねない。本来の制度趣旨と違う」という指摘を受け、紛争になったり、実績ある中村紀選手をを中日が育成選手として契約したりと言った事態が起こり、シーズン中の 支配下登録から育成への切り替え禁止等の試行錯誤が行われている。 ある意味社会情勢が生んだプロ野球選手を目指す若者にチャンスを与え、野球の裾野を広げようとする制度だが、巨人の山口投手、松本選手や楽天の中村選手等、活躍する選手も出始めてきており、一定の成果を挙げていると言えるだろう。 だが、その半面でいくつかの問題点、改善をした方がいい点も見受けられる。 まず、メリットとしてよく挙げられる最低年俸(240万円)の安さだが、これは確かに安く、1軍選手1人分の最低年棒で、育成選手6人を抱えることができる計算になる。 だが、育成選手をより多く保有し、育成していこうとすれば、それら選手が練習する練習場、合宿施設、その他諸々の費用がかかる。更に、育成するスタッフの充実なども当然必要であり、育成選手から優秀な選手を育て上げるためにはそれなりの資本投下が必要となる。最低年棒が低いからと言って、必ずしもローコストで結果を望めるという事ではなく、球団の資金力がものを言ってくる部分もある。 そういう観点から見て、むしろ戦力差の拡大につながるとして、制度に反対という識者もいる事も事実だ。 多少、分かりにくい部分があるかもしれないが、反対派の識者の言い分をざっくりまとめると要するに一芸に秀で育成によっては化ける可能性のあるドラフトにはかからない選手をお金のある球団は大量に抱える事が出来、更にそれらの育成にもコストをかけられる。逆にお金のない球団はそれが出来ないため、結果的に戦力差の拡大につながる恐れがある。という事だ。 確かにそういった側面もあると思うが、今後の制度改革によって解決できない問題ではないと思う。 また、育成選手の二軍戦出場は5人までという規定があり、球界全体の育成選手が今後増え続けて行くと仮定すれば、実戦経験を積むことが難しいという問題があり、その一方で1年で解雇される選手が多いという側面もある。『育成』という本来の目的からすれば、個人的には3年くらいは見て欲しいと思う部分もあり、また、実戦の機会が十分には得られないという事も問題と言えると思う。 変な話、極少数の球団だけが育成枠の活用に力を入れても、そういった制限等の問題で芽が出ない選手も多く存在する可能性があるという事だ。 埋もれた選手を発掘し、それを磨き、プロ野球を目指す若者の可能性を広げ、それが日本野球界の発展に資するものであるのならば、球界全体としてある程度協力して制度を作り上げて行って欲しいと思う。 育成制度が今後更に制度改革等を経ながら拡大して行くのだとすれば、プロ球界のみの取り組みだけではいずれきっと破綻をきたすと思う。理由は簡単で、プロ球界のみで2軍以下の下部リーグをこれ以上増やす事は困難だと思うからだ。 仮に3軍を作り3軍は育成選手のリーグみたいな感じにしようとしても、基本的に、2軍以下というのは不採算部門なわけで、そんな不採算部門を新設できるほどに各球団に資金力がないというのが現状だと思う。 その現状に立つ以上、社会人や独立リーグ等との提携を志向する方が現実的ではないかという気がする。 これまで日本の野球界の選手は、高校・大学OR社会人野球-プロ野球、というステップを踏んできた。高校卒業時にドラフトにかからなくても、大学あるいは社会人野球で腕を磨きプロに入ると言ったステップだが、その段階ごとで大学野球・社会人野球が『選手育成』を段階ごとに担ってきた。 だが、社会人野球の縮小傾向によって、NOMOベースボールクラブ等のクラブチームや独立リーグという存在も出来あがりつつあり、それらでプレーする選手の大部分の目標がプロ野球選手になる事であると思われる。 そういった現状を鑑みた時、プロ野球会と社会人野球・クラブチーム・独立リーグとの関係を考え直す時期に来ているのではないかと思う。 昨年の田沢投手、今年の菊池君と昨今では日本球界を経ずに大リーグへ挑戦するか否かが問題となるケースも出てきている。 本来なら、日本プロ野球と海外のプロ野球リーグ間で、そういった取り決めがなされるべきだが、昨年、ああいう事があったにも拘らず日本球界では嫌がらせのようなルールを作ったくらいで、そういった取り組みも見受けられない。 選手の育成にプロ野球界のみではなくと社会人球界、独立リーグ、クラブチーム、学生球界がどこかの段階で関係を持っている以上、育成選手制度を一つの契機として、野球界全体の統一的な秩序や育成システムの整備を考えるべきではなかろうか?
posted by lovelions |21:46 |
その他 |
コメント(20) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/lovelions/tb_ping/90
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
調査が足りんな。
すでにフューチャーズ(3軍)は社会人チームや試合の無いイースタンリーグのチームと対戦をしているぞ。
posted by Gg | 2009-11-09 00:12
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
そういう事を球界全体でもっと推し進めた方がいいって言ってるんじゃ?
posted by ↑ | 2009-11-09 00:33
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
まぁ、馬鹿な揚げ足取りはほっといて、フューチャーずっていうロッテと巨人のみの取り組みじゃなくて球界全体としてそういう方向性を目指していくってのは良いと思う。
実際問題として、今育成枠を利用してないチームってのもあるんだし。それは各球団ごとの資金的な問題が大きくかかわってる事も事実だと思うしね。
単にいくつかの球団だけが社会人のチームとかと試合をしたりという限定的な取り組みじゃなく球界全体でそういう仕組みを整備していく事は重要だと思う。
posted by 揚げ足取りはほっといて | 2009-11-09 00:43
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
>>↑さんへ
球界で推し進めてフューチャーズという仕組みがあって、社会人チームなどと試合ができるようになっているんじゃないんですかね?
あと、個人的にはもっと地方で公式戦を行ってもらったほうがいいです。普段はテレビでしか野球みる機会がないので。(CSは除きますよ)
posted by うーん | 2009-11-09 00:54
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
なんかいくつか誤解があるな。
まずフューチャーズについて。
イースタン・リーグは7球団だから、必ず試合が組まれない球団があるわけ。
だから、試合がないチームとイースタン・リーグ各球団の混成チーム(フューチャーズ)で試合をする事で試合の機会を増やそうよという風になってる。それと社会人野球との交流試合なんかもたまにやってる。だけど、社会人チーム側の日程的な問題とかで思うように試合が出来ないという問題点もある。
それとは別に巨人とロッテの育成選手等の混成チームとしてシリウスというチームもあって、社会人野球のチームやクラブチームや独立リーグのチームと試合をしてる。
このシリウスというチームは混成チームなだけにシリウスでの試合中、あるいは練習中は本来所属しているチームとは離れ、本来所属しているチームとは別の指導者に指導を受けるという事にもなるわけだ。
いわば派遣社員みたいな感じかな。
フューチャーズ、シリウスともに試合機会が少ないという問題点を改善するための処置である事は間違いないが、育成選手等が増えてきている昨今、それでもまだまだ十分とはいえない状況にある。
だから、球界全体(プロだけじゃなくアマも)で取り組み、管理人の記事にあるところの『社会人野球・クラブチーム・独立リーグとの関係を考え直す時期』って事を問題提起した記事って事なんじゃないかと思うし、そういう事を球界全体でもっと推し進めた方がいいって言うのが管理人の記事の趣旨だと俺は思ったんだが。
逆に『うーん』さんは今の取り組みで十分と思ってるんですかな?
posted by ↑ | 2009-11-09 01:34
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
基本的には制度を作っても活用しないチームがある方が問題なんだよね。
あまりにも金がないという言い訳をするチームは球団売却をすすめるなどの措置が必要だと思う。
貧乏球団などと言っても世間からすると一流企業。
ヤル気ぐらいは見せてもいいと思うが・・・
posted by まぁ | 2009-11-09 01:38
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
物事は、全て現在進行形で進んで
るわけだから、その点から目を切っちゃうとこういう問題提起は趣旨が分からなくなっちゃうよな。ある意味、読み手の読解能力の問題でもあるが。
要するに育成選手が今後増えて行く事が予想され、かつ社会人野球が縮
小してきてもいるから、球界全体で『統一的な秩序や育成システムの整備』を考えて行く時期じゃねーかって事だとおもう。
posted by LG | 2009-11-09 01:42
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
バレンタインが提唱して、その後ロッテが実行委員会でも要望した
独立リーグへの育成選手派遣、の件が抜けてますがな・・・。
結局反対に遭って断念、シリウスという形に変わりましたが。
posted by とおりすがり | 2009-11-09 01:59
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
育成ドラフトは元々、通常のドラフトにはかからないような、でも才能の片鱗は感じさせる選手への救済策、
みたいな感じだったと記憶しています。
そもそもは、どんどん数が減っている社会人球団の
受け皿にする意味合いもあったような。
裾野が広がるのはいいことだし。
青田買いだ囲い込みだと批判する前に、
球界全体のことを考えてみても良いと思いますよ。
フューチャーズはたしかBCリーグや社会人チーム、
欽ちゃん球団なんかとも交流戦をしていたはずです。
posted by くぁ | 2009-11-09 02:39
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
清武代表の働きがまったく書かれてない
ルビコンの決断を見てないんだろうな
育成枠制度にしてもフューチャーズにしても清武代表の働きがデカかったのだよ
posted by ジン | 2009-11-09 03:02
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
つかこの手の話題を話し合うには閲覧者のレベルが低すぎるよ。管理人ももう少し考えて、閲覧者の層にあった話題を書くべきだろう。
>青田買いだ囲い込みだと批判する前に、
>球界全体のことを考えてみても良いと思いますよ。
この記事・コメントで誰がそんな批判してる?球界全体の事を考えた記事だと思うけどな。
>清武代表の働きがまったく書かれてない
>ルビコンの決断を見てないんだろうな
>育成枠制度にしてもフューチャーズにしても清武代表の働きがデカかったのだよ
それが書かれてないから何なんだ?意味分からんよ。それとも巨人ファンからしたら清武のヨイショが入ってないと認められないってか?
posted by LVが | 2009-11-09 04:42
育成選手の仕組みを考えてみよう
コメント投稿者ID :
うーむ。こういうまじめな話題で、何で巨人がどうたらとかっていう次元の話になるんだろう?
ぶっちゃけ、巨人関係なくね???
清武代表の事が書かれてないからクソ以下ってのはいくらなんでも失礼すぎだろう。
posted by korya | 2009-11-09 05:01
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
日本シリーズでもあんなに外国人を登録できたのも、清武代表の努力のおかげ!! 我田引水
posted by 41 | 2009-11-09 08:56
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
育成枠をやりたいとこだけがやる例外的な措置ではなく、野球界全体の育成システムにする方法が出来れば……と考えるに、特定球団ではなく、全球団で共同育成チームを作る。なんてことが出来れば面白いでしょうね。ただ流石に12球団でとなると育成のノウハウ、誰が指揮を執るのかといった問題もあるし、そう簡単にはいかないでしょうけど。
あと設備、周辺の人件費にしたって全球団で、それぞれの資本の割合に応じて出資して、一つ大きいのを作ってしまったりね。
posted by 妄想だけど | 2009-11-09 09:07
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
常に月一回でもトライアウトでもやるとか?
全球団である程度資金供出してまかなって、できれば6チームくらいのリーグ作って。
いいですねえ。
批判するのは簡単ですけど、「だから出来ない」じゃなくて「どうすれば出来るのか」と考えていった方が建設的ですよね。
posted by ↑さん | 2009-11-09 10:41
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
そもそも二軍の試合数が少なすぎるんだよね~。
チームによっちゃ一軍の1.5倍から2倍近い選手を抱えてるのに公式戦は100試合。
そりゃ独自にシリウスや独立との交流戦とかやりたくもなるよ。
本来ならNPB全体で取り組むべき事柄なのにね。
よくドラフト中位で入団した高卒選手が2年くらい体力強化という名目の基、ろくに試合に出場出来ないケースがあるけれど、あんなのも良くない。
やっぱり試合に出ないと経験なんてつめない。
もっと試合数を増やす仕組みや組織作りが必要だよ。
posted by もも | 2009-11-09 11:32
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
育成選手を採用していない球団にはその球団なりの理由があります。
全球団に義務付けられているわけでもないのに、「やっていない球団があるから試合を組めない」などと言われても困るような気がしますが。
posted by SN | 2009-11-09 15:40
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
巨人の球団代表ってエラそうなひと多くねぇ!
posted by mm | 2009-11-09 16:29
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
mmくんお前が何を知っているの?清武代表のどこが偉そうなんだよ。単なるアンチ巨人的発想で書き込むなよ、こういう輩がいるから2chみたいになるんだよ。
posted by ガイア | 2009-11-09 16:49
育成選手の仕組みを考えてみよう1
コメント投稿者ID :
確かに少しは抱え込的な部分もあるから、球団単体の利益として考えると難しいのかもしれないけど、野球界全体として取り組んで原石を磨いて行けるような環境を作っていく方が日本球界全体の為にはなるよね。
posted by LLL | 2009-11-09 18:00
コメントする
「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。
- Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
- mixiアカウントでコメント投稿
- Googleアカウントでコメント投稿
- Hatena IDでコメント投稿
- Biglobeアカウントでコメント投稿
- ログインしてコメント投稿
- メールアドレスでコメント投稿
※新規のメールアドレスによる投稿IDご利用は停止しました。
※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」
※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」


