2009年10月31日
日本シリーズを前に、指名打者制度による巨人打線のパワーアップが話題になっていますね。
でも札幌ドームではDH制度をいかに守備に生かすかのほうがカギのように思う。
広く、球が強く跳ね、かつ打球がよく飛ぶ札幌ドーム、それに対する守備というものを熟知する元ハム戦士が内部にいるのはありがたい。
攻撃にも応用がきくだろう。
内野手は広いファールグラウンドに飛んだ打球をどんどん取ってほしい。それを狙い、直球で押すという手段も策のひとつだ。
外野手はとにかく間や後ろだけは抜かれないように気をつけよう。
日本ハム打線はたった1点で火がつく。
少ないヒットで点を献上してしまうリスクは避けたい。逆に1点が遠い、という印象を相手に植え付けさせれば、勢いを殺げる。
でもそんな守備、巨人のスタメンだけで完璧にできるわけない。
巨人としてのポイントは選手の交代機。
ペナントでは、試合終盤になると面子がガラリと変わる巨人。
よもや短期決戦で極端なことはすまいが、交代して出場した選手が一定水準にあるというのは、その場その場で思い切った手を打てやすい。
代打大道とか、代走鈴木とか。
どこで使っても古城や工藤、キムタクが守備をカバーリングできる。
この点、巨人というチームの柔軟性は12球団№1だと思っている。
まったく斬新でもなんでもない内容でした。
しかし今年巨人が優勝したワケ、「全員野球」
それを見せつける試合を期待しています。
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2009年04月18日
イチローならやれる!
そう言われてきた記録をついに成し遂げましたね。
昨日のエンゼルス戦でイチローが張本氏の記録を抜く、日米通算3086本目の安打を放ち、日本選手歴代1位の座に立ちました!
イチローは安打を生む打撃技術も凄いのですが、フィールドに立ち続けたらしめる抜群の守備力、常にスランプにも打ち勝ってきた精神力、振り子打法から始まる豊かな発想、故障とも無縁になる自己管理、
そしてレーザービーム、背中キャッチなどのパフォーマンスに見るスター性!
まさに努力・才能という概念すら超えた、「選ばれた人間」だとさえ思えてしまいます。要は何か持っているんでしょう(^皿^ )
イチローも結構な年齢になってはきましたが、ファンに4265安打のピート・ローズの記録を抜く夢を見せるに十分なパフォーマンスをしていますね。今回のことはまだ通過点、もっともっとこの先を目指してほしいですね(言うまでもないか…)。とにかくプロ野球、いや日本に旋風を巻き起こしたイチローという唯一無二の存在、
この先、仮にイチローの日本記録を抜く人間が現れたとしても、イチローというブランドが色あせることはないでしょう!
張本氏以上の安打数を記録したメジャー選手は多いですが、これから「新記録!」という場面に立ち会うことは少なくなりますね、概ねイチローが打ち立ててしまいましたからね(笑)
とりあえず9年連続200本安打からでしょうか、自分との闘いになりますね。「自分との闘い」という響き、実にイチローのイメージに似合いますね。
※主なイチローの記録
日本リーグ
MVP-3回
ベストナイン-7回
首位打者-7回
打点王-1回
盗塁王-1回
最多安打-5回
ゴールデングラブ賞-7回
シーズン安打-210本(日本リーグ記録)
メジャーリーグ
MVP-1回
首位打者-2回
盗塁王-1回
シルバースラッガー賞-2回
ゴールドグラブ賞-7回
新人王
シーズン安打-262本(世界記録)
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2009年03月07日
当記事は、もしも昨日、日本が韓国に敗れていた場合におそらく課題になっていたであろう事についてなのですが、結局勝利したので「勝因」ということになりますかね?
実は強化試合・中国戦を通して見て、管理人が事前に用意していたものです、せっかくなので、明日の韓国戦に向けての記事と合わせて公表します。
「左投手に対しても踏み込め・体を開くな」
特に左打者に言える事なのですが、内角が苦しくなってもボールに対して、しっかり踏み込んでいくべきだと思います。特に進塁打を打とうと引っ張るなら重要になります。
体を開いて引っ張ろうとしてしまうとスイングに力が無くなって押し込まれ、結局はピーゴロやポップフライが関の山です。スイングを崩す点でもバッテイングに逆効果ですし、次に外角をキッチリ突かれたらボールは見えず、バットが届かずでもうお手上げです、まあ野球ファンなら常識ですね。
体(足)が開いても外角球を強く打ち返せる(上体は残っている)のは、現役では中村紀・二岡・和田一ぐらいでしょうかね、そんな彼らでも引っ張るまではできませんし…
昨日のイチローは球が待てたというか、バッティングを崩す原因となった前で捌こうと突っ込む点が修正され、見事結果が出ました。それはいいとして、小笠原・福留・岩村ですね…
小笠原は点差がついた後は余裕が出たのか少し良くなりましたが、ボール球にも手を出していました。振り遅れまいと始動が早くなりすぎて、体が開いているのでしょうか?ボールを引き付けられないので見極めが難しくなりますね。
福留・岩村は甘いボールに手が出ません、狙い球は決めているはずなのでタイミングが取れていないのでしょうね、それなら振りを鋭くしながら徐々に合わせていくといいのですが、振れもしないうちは先が厳しいと言えます。
「左投手に対しても踏み込め・体を開くな」
この課題なのですが、いますねぇ1人、クリアしている左打者が日本代表に。内角恐るるに足らずとばかりにベースに覆いかぶさるように構えながら、内角も外角も適確に打ちわける安打製造機!
「青木宣親」
覚えてます?っていうか、ご存知ですかね?
内海が青木の内角攻めて危険球を当てたことを。内海は恩をあだで返しちゃいましたよね(冗談です)。
当時内海に制球力がないなら内角に投げるなと非難がありましたが、本来打者の体が無いところだから内海の方もとんだとばっちりだ(つまり青木の構え方も考えもの)と、議論が起きたことがありました。
どちらに非があるか、などはどうでもいいのですが、青木はその後も平然とヒットを打ち続けています。何が言いたいかといえば、恐がってはいけないという事ですね。「狙い球が外れたらどうしよう」、「詰まらされたらどうしよう」、「空振りしたらどうしよう」、「打ち損じたらどうしよう」、そういった打者の抱く懸念はバッテイングを微妙に、しかし確実に狂わせるものです。しかし青木は今大会でもプレッシャーに負けず、積極的に振りに出て好調を維持しています。この姿勢に他の打者も追従して欲しいですね。
調子が悪くとも、常に前を向き、「人事(振りこみ)を尽くして」結果を出したイチロー、
プレッシャーのかかる国際舞台で、ネガティブな思考を持ち込まず恐れないプレーをする青木、
ドミニカがオランダに敗れる、というような波乱アリ、気持ちが勝負の短期決戦で本来の力を発揮するには、彼らの姿勢が素晴らしい手本だと思います、そう、単なる技術やパワーは関係無しにです。
精神論でなくスポーツ心理学と言ってください(笑)
Q.「打てるか不安です」
A.「大丈夫」
Q.「初球を打つのに勇気が出ません」
A.「迷うな」
Q.「狙い球が絞れません」
A.「ふっ切れ」
Q.「タイミングが合いません」
A.「振れば何か起こるさ」
Q.「追い込まれました」
A.「慌てるな」
Q.「打てませんでした」
A.「切り替えて次、頑張れ」
Q.「もう9回2アウトッスよ…」
A.「諦めたらそこで試合終了だよ」
とにかく前向きにね。
さて、明日の韓国戦ですが、前回日本打線がボール球に手を出さなかったことが有利に働くといいですね。連打も見せたので、相手が慎重になってカウントが有利になれば大助かりです。それには日本の打者の見極めも大事ですが…
内角が決定的に苦手な韓国打者が自国リーグで成り立っているのは、韓国投手に内角を突ける選手が少ないこともあると思います(代表投手ともなれば違ってくるでしょうが)。日本の打者は内角球に対しても粘れるだけの技術はありますから、そのうちやってくる甘い球は、逃さず、鋭く振っていかなければ!
そうでなければ相手も恐がりません。
繰り返すようですが、シャープにコンパクトに振ること、踏み込むこと、積極的にいくこと、これが打線の鍵です(何回そのネタやったのやら…)。いざとなったらバントしましょう。
中島・村田・内川・城島ら右打者はもうだいぶ振れてきていますが、力は劣らない福留・小笠原・岩村らにも結果が出れば、チームの雰囲気も一層良くなると思いますね。
この記事が「貧打、日本打線の課題」なんていう題で出ることがなくて良かったです。
まずは明日の韓国戦、期待しています!
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2009年02月27日
《前回までの記事は【コラム:WBC代表選考の意図は少数精鋭主義か!? (上)~(下・1)】をご覧ください》
では、イチローが3番、稲葉が4番に座り話題となっている野手陣営の話に移りたい。
以前にも取り上げたが、今回の打線は1番から9番まで、基本的に打撃・走塁・守備のバランスがいい選手が並べられているのが特徴である。日本・メジャー各球団から選抜されているのであるから、穴の少ない選手が揃ってくるのは当然だろうと思われるかもしれないが、実はその選出・起用法にも注目したい点があり、大変興味深い。
まずはこの打線で如何なる攻撃が期待できるか考察したいが、ありがたくも原監督は打線の構想について「一の矢・二の矢・三の矢」とのコメントを残し、レイズ・岩村も「原監督は三つのクリーンナップを作る考え」と証言しており、大きなヒントが得られている。普段から野球をご覧の方は、大して説明がなくともこの打線の「得点力重視」・「どこからでも点がとれる打線」という方向性をお察しのことだろう。具体的には「三つの矢」は出塁率重視・確実性重視・意外性重視の順で打線を組んだものであると、首脳陣のビジョンが明らかになっている。
この打線、基本は一の矢でチャンスを作り、二の矢で返す、三の矢であわよくば得点、という構造だが、それだけでもない。攻撃が始まるその都度、各打者の役割を柔軟に変更できる。誰でもチャンスを作れる、チャンスができたら、迎える打者はクリーンナップに早変わり。つまり一の矢・二の矢・三の矢の役目を全員で持ち回りできるのだ。ここは出塁したいのに打順が悪い、折角のチャンスに、打点を稼げる打者に回らないという「噛み合せの悪さ」がない、毎回1番打者から始まると言ってもそう過言ではないだろう。高いレベルでバランスのいい打者が並ぶからこそ為せる業ではないだろうか。
日本人選手は細かいプレーが得意だが、何でもそつなくできる器用さもある。現に日本人選手の基礎力は評判だ。今回は後者を中心に生かした形だろう。言うなれば進塁打やエンドランを駆使する、専門家を要所に配置するのは「3アウトを活用する野球」、バランス型の選手を並べるのは「9イニングを活用する野球」といったところだろうか。
では今回、首脳陣がこのような打線構想を打ち出した理由、思考の根底には何があったのだろうか。マスコミには原監督が星野氏を意識して違う色を出そうとした、と結論付けるところもあるが、管理人はそれで済むほど簡単な話ではないと考えている。そのような単純な理由だけで戦略を選べない事情が、WBCという大会にある。そこについて考察していきたい。
まずWBCの野手陣営を編成するにあたり、始めからある制約がかかっていることを見逃してはならないだろう。前回の記事で述べたように、「球数制限」などの特別ルールに対応するため、28人枠の席が投手に多めに割かれてしまうことになるのだ(しかも負傷者が出てもそのラウンドが終了するまで選手の補充はできない、二軍という組織をおくペナントとは場合が違う)。つまり残った貴重な席をやり繰りすることが、野手戦略の関門としてあるわけだ。よって同じポジションにタイプが似た選手を複数抱えるなど、まさに貴重な枠を無駄遣いする愚行であることだけは断言できよう。もうひとつ、当然控え選手の数にも余裕がないため、采配するにしても手元のカードを軽々しくは使えないということも考慮していただきたい。
前々回、首脳陣の野手戦略について管理人が「打線はメンバーを固定して戦うつもりではないか?」と考察した理由はここにある。管理人はメンバー構成を見て、レギュラーとベンチに選手としての特性に明らかな違いがあることからそれを「少数精鋭」と表現したが、その必要性がどこから来るのかを、この「野手枠の容量不足」に見出したのだ。これは以前取り上げた「亀井が選出された理由」にもつながるのだが、つまるところWBCでは、多種多様な選手を自由な采配で起用できるような環境とは言えないのである。言うまでもないが、絶好の場面で「その道のプロ」を起用しても、代わりにベンチに下がった選手の特性も失うリスクがあるから、そのような策は余程の勝負時に使うか最後の奥の手とするしかない。
ではこのような状況下では、どのような野手陣営の戦略を考えたいか。これも言うまでもないが、野球はその時々で状況が風向きのように変わる、相手も、事情も、心理もだ。であるから、常にチームとして対応力・適応力が求められるわけだ。しかし「野手枠の容量不足」という制限下では、人数を揃えるという方法は使えない、だから首脳陣は、各選手自身に対応力を求めることで帳尻を合わせようと考えたのではなかろうか。管理人は、スタメンにオールマイティーでバランスの良い選手が並ぶのはこれらの事情が絡んだのではと考えている。
次にベンチの話だ。万能型を揃えたとしても、何らかの策を成就させたくば「その道のプロ」に任せる方が得策なのは自明の理だ。無駄な選手交代はできない以上、彼ら「専門家型」は絶好の場面で使いたい、そのためにはベンチに控えているのもプラスになるはずだ。代打、代走、勝負時のまさに欲しい場面で、彼らは満を持して登場してくることだろう。実際、今回のベンチにはそれに応じたような面々が並んでいる。
このような役割分担を目指すと選手交代が極力控えられ、スタメンは自ずと固定されてくる、万能型のスタメンと専門型のベンチという戦略に至るのだ。
昨今の日本では「スモールベースボール」が神話化し、今大会でもその戦法を推す声も大きいが、忘れてはいけないだろう。「スモールベースボール」は走者が塁に出なければ始まらない、必ずしも成就するものでもない、その上WBCにおける「野手枠の容量不足」のもとでは、その都度贅沢に「専門家型」を投入して満足なパフォーマンスを得ることも望むべくもない、「スモールベースボール」中心の戦略は既に絵に描いた餅なのではないだろうか。
無論、万能型が並んだ打線にしても必ずしも機能するわけではない。チャンスさえ掴めば「常にクリーンナップを迎える」という点は大量得点も期待できるが、あてにはできないのが実情だろう。だがどうしても1点が欲しい場面、彼ら、一点買いの「専門家」の出番がくる。「スモールベースボール」は彼らによって、最も絶好の場面で実行されるだろう。
では話を整理しよう。
WBCの特別ルール下で求められる、
・戦略の柔軟性
・選手の適合性
・危機管理
の3つの条件。
今回の選手選考はこれをクリアすべく打ち出された結果ではなかろうか。もっと言えば、
それもこれも限られた選手・厳しいルールで闘うことが要求されるという、WBC独特の事情に始まり(原因)、
その対応のために、チーム作りには采配的に幅が利きくこと、なお無駄とムラのないよう、ポストと人材枠の節減を両立する必要が出てくる(目的)、
その実現のためには、単純な実力・実績で比較せず、チームの総力量でなく、実用性、効率性、そして選手の適性を重視し人材を募る(手段)、
そうして誕生したチームが今回のものではないだろうか。選ばれたのが不可解だ、という選手もあるだろう、それもそのはず、ポストによって総合力が求められたか、一芸が求められたかは全く違うのだ。だから管理人は「少数精鋭主義」と表した。配役・出番の有無に関わらず、無駄がなく全てが必要とされ、各々使命を請け負った選ばれた人材。「この場面で彼がいれば」と後悔する可能性を、極力排した戦略、全てに対する備え、そしてチーム全員が「活きる」選手選考、管理人は今回首脳陣が目指した野球はこのようなものだと考えている。
最後に、勝手ではあるが管理人なりのチームビジョンを述べて締め括りたい。
日本の投手力は世界に誇る、日本の野球は守り勝つことにその真髄がある。
だが世界の強豪が相手、WBCルールの下では投手も慣れない環境に苦しみ、采配でも継投のタイミングに無理がくることもあろう。幾ばくかの失点は覚悟しなければなるまい(トーナメントとなったため失点を気にする意味もなくなった)。
得点力は欲しい。ただでさえ大きい投手への負担をさらに増やさぬためには点差を広げるしかない。その代わり野手には大きなプレッシャーと高いレベルが求められるが、これも助け合いだろう。
巨人で原監督が掲げる、4点を取って3点に抑える野球といったところか(そこが原監督の嗜好が影響した可能性を否定できないところなのだが…)。
とにかく、日本代表の健闘を祈りたい、以上である。
(ご挨拶)
では、今回をもちましてコラム「WBC代表選考の意図は少数精鋭主義か!? 」は終了とさせて頂きます。
大変冗長になり、お見苦しい乱文もあったこととは思いますが、WBCが終わりました後にでもまたご覧になっていただければ幸いです。
※後日、今回記事に寄せて頂きましたいくつかの疑問点にも、管理人なりにお答えして参りたいと思います、そちらもよければご覧ください。
最後までお付き合い下さり、まことにありがとうございました!
posted by let's go giants |22:20 |
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2009年02月25日
《前回までの記事は【コラム:WBC代表選考の意図は少数精鋭主義か!? (上)・(中)】をご覧ください》
前回までは、今回の日本代表がスタメン選手に比べ控え選手の役割が限定的で絞られていながらも、その重要性は失われていない点を管理人は「少数精鋭」と表現した。では、如何なる構想の野球を目指したもとで、この少数精鋭の代表チームが編成されたのであろう。
今までは野手陣営を中心に話を進めてきたが、それは先日発表された28人の代表選手の顔ぶれを見た中から、その選出の傾向を考察するためであった。だがこのチームを構築してその先、采配を見据えたところでの首脳陣の構想を探るには、先ずは投手陣に目を向けるべきであろう。というのも首脳陣は通常よりも投手を優先して多くの枠を割く(理由は以下の内容を参照して頂きたい)など、投手陣戦略からチーム作りを始めているからだ。
先に管理人の見解として述べておきたいのだが、今大会はリリーフ・継投が鍵を握っていると思われる。先ずはその見解から説明したい。
WBCにはご存知の通り、「球数制限」という特別ルールが設けられており、これが今回WBCにおける投手戦略のポイントになるのだが、考慮するべきは、試合に登板する投手個々の球数に制限ができると、その投手が一体どこまでのイニング、マウンドに立っていられるのか先行きが不透明になるということだ。被安打・与四死球の数やカウントの内容によっては、予想したよりも早く規定の球数の上限に達してしまうことは、多分にある。然るにそのあとを受けるリリーフ投手は何人つぎ込むことになるとも知れず、継投策の重要性が自ずと高まってくる、同時に投手の頭数においても多いに越したことはない、というところだ。
首脳陣もその点を考慮していたのだろう、特に以前の国際大会とはうって変わり、リリーフ、中でも中継ぎ専門の投手を十分に用意する方針を表明していた。しかしその実現は叶わなかった。一次選考の時点で名前を連ねたリリーフ投手は、抑えの藤川・馬原に中継ぎ専門では若い山口のみという状況。
おそらくは
・絶対的な能力のあるリリーフは日本において人材不足
・リリーフと言えども枠の関係でロングリリーフが可能なことが望ましい
・リストアップはしたものの斎藤隆・高橋聡文・浅尾拓也・岩瀬・(岡島)らをはじめとする辞退者も相次いだ
という事情によるところもあろう。特に日本では、リリーフ投手の先発投手に対する劣等コンプレックス・先発優位の価値観が未だ根強く、リリーフ投手から積極的にWBC出場に手があがるというのも期待薄な面があるかもしれない。
もう一つ考慮に入れたいのが、今大会から一次・二次ラウンドに導入されたダブルエリミネーション(以下、DE方式)という特殊なトーナメント方式である。DE方式は1敗してもセカンドチャンスが与えられるのが特徴で、勝敗結果によってはこなしていく試合数が異なってくるのだ。順調に勝ち進めば3試合で済むが、初戦に敗北するとそのラウンドを通過するには4試合を行う必要が生じ、日程も過密になる。
「球数制限」、そして「DE方式」と「登板間隔」の兼ね合い、今大会はまさに継投における駆け引きが非常に大きな比重を占める。対策としては試合前にあらゆる事態を想定し、継投プランを立てることが重要であるのはもちろんだろうが、待機する投手陣にも柔軟な対応が求められるのは火を見るより明らかだ。
ならば、である。新聞各紙や報道番組などのマスコミは「先発3本柱」などと世間ウケしそうな言葉で煽っているが、とりまく状況を考えれば首脳陣の思考は、言うなれば「全員リリーフ」の方向でいるのではないだろうか。
つまり「先発3本柱」は単に「一番手」としての意味合いが強く、好調であれば球数制限と登板間隔規定を考慮の上でそのまま投げるだろうが、試合状況だけでなくトーナメントの進行具合如何では、可能な限りの続投か早期の交代かはその都度の判断が必要だ。
さて、いかにリリーフというポジションが重要か、その前提についてはもう十分だろう。では限られた枠の中でリリーフ投手を選考するにあたり、首脳陣には如何なる戦略があったのか、考察したい。
今大会の首脳陣の打ち出した戦略として「第2先発」という概念がある。これは体のいい名を付したものだが、リリーフ専門投手の不足・ロングリリーフの必要性から、ただ先発投手を配置転換した苦肉の策という感は否めない、しかしその是非が論点なのではない。
選考方針と、そこから見える戦略を炙り出すことが目的だ。では、その役の選考において物議を醸した例があるのでそちらを取り上げることにしよう。
「第2の先発」、先発型リリーフ「左腕」として内海・岩田が選出された件である。そして選考漏れしたのが、上記2人の左腕とWBC出場の枠を争うと目され、国際舞台でも多くの実績を残してきた和田であった。
単純に和田と岩田・内海を実績・調子で比較した場合、和田が漏れるべき大きな理由は見当たらない。先日の巨人との練習試合でも2回2/3を無失点に抑え、本人の言葉も「調子はいい」とのことだった。国際試合に登板してきた経験も大きなアドバンテージだったはずだ。
そこでである。管理人は本コラムの(上編)において、対象選手を単純比較するだけで得た答えが好結果を生むとは限らない、と述べたと思うが、ここで首脳陣の意図に接近するには、そのスタンスを以て、岩田・内海が代表入りするに合点がいくだけの強みを持っていないかを探る必要があるだろう。首脳陣が彼らの選考について最終結論を出したのは巨人との練習試合であるから、そこにこの問題の答えを導く鍵があると思ってよいのではないか。
まず和田の投球内容であるが2回2/3を無失点に抑えている。しかし実は他に気になるデータがある。4三振こそ奪ったものの、そこまでに44球を要しているのだ。いや、2回までは順調であったのだが、3イニング目に打者に粘られたのである。和田の投球スタイルは変則フォームからのフォーシームを中心とする真っ向勝負。キレのいい球で三振も取れるし、内外角を投げ分ける制球力も素晴らしい。しかしそこには副産物がある、三振を奪う傾向にいくと球数は自ずと増えるのだ。配球上、実際より速くは見えるが素直な球ゆえ、勝負に行くにもボール球を混ぜる必要があるのだから仕方ない。また逆球が多い投手でもあり、いわゆる一発病も指摘されていることもある。リリーフを考える上で、首脳陣には一抹の不安も生じたのではないだろうか、何しろ球数は今大会の鍵を握るテーマだ。
続いて岩田である。彼はWBC首脳陣の間で評価が急上昇し、既に代表入りが囁かれていたのだが、どうもその評価の対象は「ツーシーム」だという。和田のストレートとは違う、シュートとも言い換えられるクセ球である。なぜ首脳陣には岩田のツーシームが魅力的に映ったのか?それは岩田の投球スタイルに答えがありそうである。
どうも岩田のツーシームはメジャー球によって威力を増したらしく、巨人との練習試合では安打こそ許したものの、三ゴロ(エラーにより併殺ならず)・二安打・遊併殺とゴロを打たせて切り抜けているのだ。次の回も二ゴロ・遊ゴロ・三振で無難に抑え、その後の豪州との練習試合でも併殺を奪っている。岩田のスライダーにしろ、対戦する度に凡打ばかり打たされ辛酸を舐めさせられた我々巨人サイドは、その特徴をいやほど知っている。
今大会の球数制限のルールのもと、最悪の状況は塁に走者を溜めてしまうことである。岩田はその危機を回避する、省エネ投球ぶりと奪凡打・併殺打能力が買われたのではないだろうか。岩田のゴロを打たせる能力の高さを証明するかはわからないが、コントロールはアバウトにも関わらず昨年の被本塁打がわずか5本というのも魅力ある数字だ。
最後に内海である。正直なところ管理人も和田よりも内海を選ぶべき決定的な理由は思いあたらないが、表現するなら彼は和田と岩田の中間とも言える投手である。内外角に投げ分ける制球力もあるが、生命線の低めの変化球で凡打も取れれば三振も取れる。そして本人はメジャー式のボールにかなり手ごたえを得ているらしく、巨人・豪州との練習試合では全3回1/3を無安打、ほとんどを凡打に討ち取り省エネ投球を披露している。
確かに岩田へのリリーフとしての期待は高いと思われる。しかし、「球数制限」、「登板間隔規制」を考慮すると、岩田を毎試合起用するのは不可能であり、そのとき、より岩田のものに近い投球を期待できる存在が内海と言えるかもしれない。参考までにあげておくが、内海の昨年の被本塁打も7本と少ない。
手元に有効なデータがないため、断ずることはできないが、管理人はもし首脳陣が内海にWBCのリリーフとしての魅力を見出したのだとしたら、少なからずこの部分が絡んでいるのではないかと考えている。
他の投手陣、特に松坂・ダルビッシュ・涌井ら軸になる投手が既に球数問題に直面している事情を鑑みると、同じ問題を抱える投手をさらに増やす危険を孕むという点で、それに対する懸念が首脳陣の和田の選出にブレーキをかけてしまったのかもしれない。もちろん原監督らからしてみれば、特定球団から選手を集めすぎること(ソフトバンクからは川﨑・杉内・馬原が選出されている)に躊躇いもあろうが…
ここまで読んで頂ければ分かるように、管理人の推察が正しいにしろ誤っているにしろ、WBC特有の大会ルールやチーム構築の方針など、考慮すべき諸事情や条件によっては、単に実力による単純比較(和田>内海・岩田など)に立脚しない答えが導出されることはあり得るのである。だからもし、球数制限等に対処するという条件設定がなければ、和田が選出された可能性は極めて高かろうとも思う。しかしどんなに小さな役割であれ、そこに人材を割いて不足分まで無駄なくフォローする必要性があり、それを追求するチーム方針を貫くなら、かなりの熟考と多角的な視点が必要だ。この、管理人が「少数精鋭主義」と呼んだチーム作りの方向性は、WBCという大会において限られた人材・時間・ルール下での闘いを強いられることに対応しようとする、言うなれば「適者生存」の思考から生まれてきている。
ただし今回、WBC投手陣の柱となることがほぼ規定路線となっていた「3本柱」や「クローザー」の枠もあるので、全てがこの方針の下で選考がなされたかと言えば、そうではなかろう。故に投手陣戦略の材料探しについては特に難しいところではあった。その中で、首脳陣の思考を考察するにあたり「3人の左腕の選考結果」を対象として選んだが、その結論は以上である。
思いのほか長文となったため、野手陣営については次回に持ち越しとしたい。
posted by let's go giants |21:26 |
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2009年02月24日
《前回記事は【コラム:WBC代表選考の意図は少数精鋭主義か!? (上)】をご覧ください》
そもそも管理人が比較論を抜きにして、今のチーム構成がベストであるか見つめ直そうと思ったのは亀井の選出が発端である。この選手は強肩・好守備に定評があるもののプロでの実績はないに等しく、一次候補として選出された段階で、世間からのWBC首脳陣(特に原監督)に対する非難轟々たるや凄まじかった。亀井は原監督が自チームで目をかけていた存在だと知られていただけになおさらである。
では何故、首脳陣は批判が起きるのを承知で亀井を選出したのか?それを紐解く鍵が「どうしても守備のスペシャリストがほしい(2009.2.23)」という緒方守備走塁コーチの言葉である。今回のWBC代表における外野陣、イチロー・福留・稲葉・青木ら名手が揃った面々を見ると守備固めは必要ないという意見もファンの間にはあるが、注目したいのは緒方コーチの意見に他の首脳陣も概ね同調しているらしいということだ。「どうしても」という部分も引っかかる。なぜならば今回の外野陣に、「守備力」の面での補強は必要ないはずだからだ。しかし「どうしても」とまで言うからには、そして他の首脳陣も賛同するからには、やはり何かが足りないと思われているはずなのだ。管理人が推察するに、おそらくそれは「頭数」である。思えば今回の構成、外野手に1人でもトラブルが起こると起用法の面で著しい不具合が起きる。
かねてから指摘される本職レフトの不在であるが、しかし内野陣もユーティリティープレーヤーが不在という状況では、内川をおいそれとレフトには回せないのだ。そうなると外野全体をカバーできる人材が必要になる、何しろ誰に何が起こるかわからない。この時点で、その条件に見合う選手は限定されてしまう、多くの一流選手は各チームで守備位置が固定されているのだ。おそらくWBC首脳陣の当初の構想では、この問題を解決する切り札として考えられていたのは中日・森野だろう。安定した成績を残し、内外野をほぼ全て守れる貴重な便利屋…
だが森野がWBCを辞退するという事態が起きた。ダジャレとか言ってる場合ではない、当時首脳陣が「構想が崩れた(2008.11.22)」とコメントしていたのはこれも理由の一つではなかろうか。そこで急遽、名前が浮上したのが亀井だったのではないのか。亀井自身は何も聞かされていなかったらしく、発表を聞いて驚いたという、当然だろう。
・外野全般ができ守備力が保障されている選手
・ベンチ扱い前提で不満をもたない選手
・各球団に対し後腐れがない選手
亀井はこの条件、言い換えれば首脳陣側のニーズに合致したのだ。つまり厳密に言えば、亀井は守備固め要員ではなく危機管理を理由に選ばれたのだと、管理人は考えている。
レフト問題や候補選手の状態が取り上げられるにつれ、「亀井にWBC選出の余地あり」とする意見がちらほら出てきたが、ベンチ選手の立場や外野の状況を考慮してのことだったのだろう。
なぜこのような役割に枠を割くのか。亀井に要求されているのはたったこれだけの役割だ。それよりも、万一出場機会が巡ってきたとき、もっと期待できる選手を選んでも良さそうなものではないか?
そこが少数精鋭という解釈に至った理由だ。今回、レギュラーと控えに求める役割が大きく違うという点。
前回の代表を思い出してみよう。
阪神の鉄腕・久保田が登板機会がない、
ソフトバンクの不動の抑え・馬原が登板機会がない、
本塁打王・新井がベンチに座ったまま、
通算打率が3割を超える和田一がベンチに座ったまま、
という状況。
スター選手を集めると、レギュラーに少々の不調・負傷者が発生しても交代による戦力ダウンはないが、チーム戦略についてはそのたび変更を余儀なくされる。そして何事もなければ、普段ベンチに座るは、使いどころがない明らかな余剰戦力である。この時、不調ならいくらでもいる代替選手に取って代わられるかもしれないレギュラー、いつ出番が来るとも知れない、若しくは状態は好調なのに使われない控え、それぞれのストレスも相当なものだろう。これはモチベーションに関わってくるし、そもそも一丸となって優勝を目指すのに身内で牽制し合っていてどうするのか…
しかし、なぜ前回は大した不満も出ずうまく回ったのか?それは監督が人格者・王だからであろう。王監督だから控えに一流選手を留めても許されるのだ。悪いが原監督ではそうはいかない。本人も、巨人で数名の主力選手がトレード等を志願して流出したという経験を持つところ、余剰戦力の持つマイナス面は理解しているのだろう。そう、世間が考えている以上に、チーム内での選手の扱いには気をつけなければならない、士気に関わってくるのだ。思えば前キャプテンの宮本は、年長者にも関わらずよく黒子役に徹してくれたものだ(感服する)が、そういう人材は稀なのだ。いや、当の選手が納得してくれても所属球団は何と言うだろうか…前回WBCで最多選出されたことでチーム作りに支障をきたし、不平を述べた監督(今回も不当な起用をするつもりなら選手を返せとコメント)、ケガを例にとっても、北京で所属選手を酷使され起用法に不満を述べた監督、V逸の原因になったとして問責した球団、前例には事欠かないのだ…そしてその言い分に無理もないのである。
では今回のWBCだ。おそらく今回の方針としては、メンバーをほぼ固定して戦うつもりではないだろうか。
先日の巨人との練習試合を見る限り、スタメンには走・攻・守のバランスがいい選手が連ねられている。これは非常に柔軟な攻撃を可能とする。役割を持ち回りすることで、多くのチャンスを創出し、常に得点力のある打者を迎える。亀井・片岡・川﨑・阿部・石原ら控えが予想される選手は守備・走塁・打撃などそれぞれの特性を生かせるポイントのみでサポートするだけだろう。まあ具体的には次回検証することにしよう。
今回のチームの青写真ではスタメンと控えとでは担う役割が明確に異なる、が、それは裏返せば、控えが単なる「予備」でなく、それぞれベンチに居ながらにして使命を与えられているということ、その点が「少数精鋭」なのだ。人海戦術とは正反対にムダとマイナス要因を省くのである。思えば代表入りした川﨑などは、「たとえ控えに甘んじても」という精神を酌める選手ではなかったか。
よって今回の選手選考結果は、単に優秀な選手を集めた「オールスターチーム」を作ったというよりも、それこそどこにでもある単一チームを選手単位でグレードアップさせたものと考えた方が近い表現だ。単純な比較論に基づく、ありがちな「ファンの考える日本代表」とは差が出て無理もないのだ。
無論弱点もある。負傷などで選手が欠ければ戦力ダウンは免れない、ケガや不調には弱いのだ。だからこそ、この段階ではコンディションを最優先に選考する必要があったのであるし、不調は他がカバーするとして、どうにもしようがない故障は、森野構想、転じて亀井構想が命綱となるのであろう。
北京五輪では選考において、ストライクゾーン・国際球等の国際仕様でのプレー経験、そして選手のコンディションを対比させる必要があったが、その見極めを誤った。候補選手が一度首脳陣の支配下から離れてしまったが故、選手のコンディションをリーグでの戦いぶりからでしか判断できなかったのだから難しい(その事情を考えれば星野氏の失敗はある程度無理からぬことと思えなくもない)。
ペナント前に開催されるWBCはそういった環境ではない。選手の調子もわからない、調整も済んでいないゼロからのスタートである。しかしそれを逆手に取ると言ってはおかしいか、その見極めに時間を割けるのだ。コンディションを優先して万全のチームを構成した上で戦略を組んだ後は、選手はただ状態を上げることに邁進すればよいのだ。
役割がはっきりしているから、ポジションを争う相手もいない、それぞれ状態を上げるのに集中していくというのが現況。結果に関係なく、もし今回のWBCを機に代表選手の選出方法や国際大会での戦略について何らかの答えが出れば、それは大きな功績となるだろう。首脳陣に以後代表監督・スタッフとなっておかしくないほどの重鎮がそろっているのはその点で楽しみだ。
今回の選手選考の意図を、前向きにとらえた結果が以上である。
では次回は、今回の代表メンバーでできる野球がどんなものであるか、考察したい。
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2009年02月23日
WBCの代表選手選考の件についてだが、予想通りの結果となった。
大方の人も同じ気持ちではないだろうか?
なるほど考えた通りの世間の反応だ、と。
今回の最終選考で代表から漏れた5人、
和田 毅
岸 孝之
栗原 健太
松中 信彦
細川 亨
ほとんどは故障、調整遅れなどが前々から指摘されていたためか、彼らの選考漏れについて疑問や苦言を呈する声は、多くのファンの声が集まるネット上を眺めても、意外にも少なかった。ただ「思い入れのある選手だから残念」、「万全なら活躍できるはずなのに残念」という声が聞かれるのみである。
ただ、
「ソフトバンク・和田」
彼の落選に対して異論を唱える声は非常に大きい。
かくいう管理人も和田の落選は思慮の外で、しばらくこの報道を飲み込めずにいた。何しろ、国際試合の経験が豊富、国内での実績・知名度・人気を考えて、まず当確だろうと思われた選手が漏れるのだから…
それに付随して、阿部、岩田、内海が代表入りしていることについて疑問の声が出ている。
まず肩に故障を抱える阿部の選出については、コンディション重視での選考方針と矛盾するのでは、ということだ。ただ、同じ捕手候補の細川も肩に不安があり、その細川よりも打撃力で上回る阿部は代打・DHでの役割を見込めること、代打・DHとしてならば、足を故障し走塁に不安のある松中よりも、阿部の方がコンディションがいいというのが現状であり、それを考えれば阿部の選出はさして不思議ではない。
対して、内海・岩田の選出への批判については、論理的なものが見当たらなかった。国際試合の経験、練習試合の結果、実力を根拠としての批判らしいが、実はこれが和田を選出するべきとする理由として弱い。練習試合で結果を出したのは内海も岩田も同じ、国際試合で明確に和田に有利性があり、内海・岩田では否定されるという訳ではない。実績についても昨シーズンの成績は和田よりも内海が上回っているぐらいなのだ。
だが問題なのは、和田と内海・岩田のどちらが上かではなく、代表チームの選出について、この
和田>内海・岩田
に代表されるような、単純な比較論で打ち出された結果を正解と思い込む認識の仕方である。もっと言えば、我々ファンは「ドリームチーム」という言葉に踊らされている、代表チームをオールスターかなにかと混同している。
管理人は、今回の不可解といわれる選考の騒動はWBC首脳陣の青写真と、ファンらの一般的認識とのミスマッチが起こしたものだろうと考えている。このギャップに対する、時折声高に言われる首脳陣(特に原監督)の考え足らずや読売贔屓など、半ば感情論と言ってもいい理由付けは一先ず置いておいてもらいたい。
WBCの監督として任命された当初、原監督はチーム作りに関して次のようなコメントを残している。
「(日本代表の4番について)まだ決めていません。大きな可能性を持った選手が集う。よく見て、よく知ってその中で決めていく(2009.2.2)。」
⇒結局は稲葉選手が選ばれ大方の予想を覆している
今回の選手選考に関してのコメントはこうだ。
「(5人を)削る作業はしていない、28人をピックアップした(2009.2.23)。」
後者のコメントは配慮の意味合いを含んでいるであろうとはいえ、首脳陣は今回の選考に関して「局地的比較論」は持ち込んでいない。つまり今回の選考の意図を酌むには、選出されたメンバーで試合をシュミレートし、どのような野球を目指してチームが組まれたのか探らなければ始まらないはず。なのに選考結果が発表されるやいなや、時間を待たずに疑義を唱える主張がネット上に溢れること溢れること…
管理人も同じ穴の狢であった、だが原氏が監督を務める巨人のファンであることも手伝ってか、冷静に見つめ直してみることにしたのだ。
今回の代表が構築された理由は?
このメンバーでできる野球とは?
管理人なりに解釈した 「少数精鋭」とは?
亀井の代表入りの理由についても触れながら、次回書いていきたい。
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2008年08月29日
前回は日本代表の準備態勢と球界全体でのサポート体勢に触れました。それと関連してか、本番の試合で多くの弊害が出ていたように見えましたので、これから考えていきたいと思います。
そろそろ「もういいじゃん」といった言葉も聞こえてきそうですが、お付き合いくだされば嬉しいです。
(召集メンバーについて)
今大会の召集メンバーについては、大会前に多くの議論を醸しました。成績不振の上原、直近の試合で炎上した川上・成瀬、選出される要素の見当たらない田中、負傷しているか、または不振の野手。彼らを選出しなければならなかった原因は、主に前回触れた準備不足にあると思われます。「調子は?」「どこまで動けるか?」、その見極めができなかったのです。
しかしそれ以外に、私が疑問に思っているのが、選手を選出した基準です。どうも選手の性質を測る基準が単純すぎないでしょうか?
野球における一般的な成績は、投手なら【防御率】、野手なら【打率】・【本塁打数】・【長打率】・【出塁率】・【盗塁数】などです、おそらく今大会でもこれらを参考にしたと思われます。しかし、ほとんどが統計的数値である色合いが強く、短期決戦で数字どおりに働いてくれると期待できるものでは全くありません。あくまで長期的に、トータルで見た選手の実力を示すだけです。真に短期決戦で力を発揮できるチームはいかなるものなのか、それを意識しなければいけなかったのではないでしょうか。
そこで一部選手について、一発勝負の国際大会での有利不利がどうでるか、通常成績抜きで考えてみました。だいぶ偉そうに書いちゃいました…
1.ダルビッシュ有
本拠地札幌ドームで防御率1.71と絶対的なのに対し、他球場ではほぼ2.5~4と落ちる、不安な点はここであった。選出には「満場一致」の空気があったが、上の傾向の原因がどこから来るのか、答えによっては対策が不可欠だろう。
2.和田毅
三振が取れて、勝ち方を知っているが、逆球が多い投手。相手打線の打撃結果だけを継投の判断基準にするのはまずかったのだろう。韓国戦、三者三振に討ち取った次のイニング、気持ちの切れたところで逆球でも威力のあった球は捕まってしまった、米戦でも同様の結末。結論、継投の難しくなる格上・同格相手では慎重に継投すべし。
3.成瀬善久
五輪仕様のボールになっても生命線のキレ・制球力に問題はなかった。あいまいなストライクゾーンに対しても、ゾーンに切り込むスライダーを巧く使えばボールゾーンで勝負でき、不利にはならないだろう。対戦のない相手に対しては、変則型というのも強みだ、私は有利だと思う。
4.川上憲伸
変動ストライクゾーンによる被害者。直球・カッターを緻密に投げていくはずが、カウントを取るのに苦しんだ。彼には緩急をつける技もあるから、打者を崩した上なら、やや甘くても力のある直球で勝負しても通じたと思う。結論、先発で修正の余地を与える方がいいと思われる、中継ぎは苦しい。
5.涌井秀章
球種は多いはずだが結局今回「落ちる球」が見られなかった。とすると内と外で揺さぶる投球をするこのスタイルはあまりにザラ、少しの不調か相性如何ではKOされそうで恐い。力量はあるが、相手に対応される危険は高いと思うので不利ではないか。
6.岩瀬仁紀
最近は球の力が落ち、名前で抑えていると指摘が出るようになっている。しかも国内においても度々安定感を欠くようになった。今でも日本で成績を収めている理由は本当に球の力なのか、見極める必要がある。スライダーを使った投球術は多彩だし、1イニング若しくはワンポイントの本来の起用であれば通用すると思うが…貴重な投手1人分の枠を割くほどのメリットがあるだろうか…
7.藤川球児
シーズン中だけあって球は本来のカがあり、自慢の直球は通用していた。制球に苦しむことは想定の範囲内、しかし直球で苦しくなったときの次なる手が存在しなかったのが致命的となった。直球に比べレベルダウンするフォークで勝負して失敗、制球に苦しみ、直球で決められない時に垣間見せる悪癖。日本でのリーグ戦とは違い、相手打線は1流どころが並んでいるのだからこういうことは起こり得たのだ。しかし、相手をねじ伏せて三振をとれれば、相手の反撃意欲をそぎ流れを呼び込む大きな力となる。流れは一発勝負において重要性は大きい、よって場面において有利に働くだろう。
8.上原浩治
制球力が抜群で、WBCでも四球0と国際ストライクゾーンに見事に対応する器用さがある。その上得意のフォークボールはボールゾーンでも勝負でき、三振もとれる。気持ちも強く、国際戦への強さは25戦無敗の戦歴が示すとおり疑いない。しかし不振だった今年でも、結果は無失点だったものの、星野監督が期待したような働きができたであろうか、その答えは出なかった。
9.野手
打線はその時その時だから、私が個人に言及する事はない。しかし初見の相手を打てる、センスのあるタイプが必要だと思えた。川﨑や青木はセンスがあり、西岡は技もある、それは初球から甘い球を逃さない、追い込まれても対応できる、ツボにはまるのをわざわざ天に祈って待つ必要のない打者だ。阿部もそのタイプのはずだが…
今大会、狙い球を絞るスラッガーたちは、知らない投手・未知のストライクゾーン相手に空回りしてしまっていた、川﨑や西岡の負傷などで打線の特性が偏り、打線全体が「考えすぎる」悪循環となった。
私が一般的な統計上の打撃成績はあてにならないと言った真意がここにある。
打者の傾向・特質の面で考えなければ、短期決戦では高確率・効率的な得点手段は得られないだろう。
とまあ、今回の代表で成績不問にしてまで召集されたのは上原のみと言ってもいいでしょう。成績は個人の実力を表象しますから考慮しなければいけませんが、力のある者を集めれば勝てる、なんていう計算式は成り立たないのは某球団が実証済み(爆)
我々素人国民を納得させるだけの選出では、まあ勝てないわけでしょう。
とはいえ、自由に代表メンバーを選ぶには日本プロ野球は人目がありすぎて、ねぇ…
posted by let's go giants |01:55 |
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2008年08月26日
「事前準備の不足」
これは決定的だと思います。
五輪前のチームとしての練習は1週間の合宿のみ、実戦も壮行試合を二試合行なっただけで、しかもセ選抜には惨敗…
この点につき各紙では、選手の選出・召集についてリーグ各球団の利害から摩擦が起きていたと報じられています。なんでも選出に際して「ローテ投手を2人も抜かれたら困る」なんていう選手の派遣を渋る声もあったとか。召集についても球団がギリギリまで代表選手を拘束、夏は各球団の稼ぎ時であり、看板選手を抜かれることは利益に響く、と嫌ったと言われています。ペナントも五輪と並行して行なわれました。
しかしプロ野球が利益目的で運営されている以上、真の「全面協力」などはっきり言って実現不可能です。日本野球はこの構造の下でこれからの世界戦対策を講じていかなければなりません。
金メダルを勝ちとった韓国は、ボール・マウンド・ストライクゾーンを国際仕様に変更するなどの対策を行い、リーグ戦も中断、他国との練習試合も含めたチーム練習を重ねてきたそうです。見習うべき点は多いと思います、しかしリーグ戦の中断というのが難しい。これからも選手の選出・召集、そしてチーム作りの大きな障害となるでしょう(五輪は今回で最期ですが)。
もし、日本プロ野球はレべルが高いのだとしても、国際戦の経験は皆無と言っていいです。今さらですが、研究する余地はもっともっとあったのだと思いますし、対策が不十分なのは命取りだとしっかりと認識しなければいけませんでした。
では私なりに案を…
(選出について)
今回は負傷者・不調者が代表メンバーに続出し、最高のメンバーを集めたと言っておきながら試合への起用にすら悪戦苦闘していました。そのトラブルがチームの空気にも大きく影響したと思います。事前での調子の見極めと調整ができなかったためでしょう。
今のままでは長期のリーグ戦の中断がかなわないのなら、ペナントの日程を刷新してみるのもいいのではないでしょうか?本番1ヶ月前ぐらいは代表練習の時間を確保したいところ、そこでリーグ完全中断は代表練習に専念したい約2週間とし、実戦を行なう残りの期間はリーグに1チーム(代表チーム)加え13球団あるものとしてペナントを行い、代表は各球団と試合を組む。日本代表は他国代表とダブルヘッダーを組むのもアリ。
それならば
・代表選手に負傷者が出てもリーグ継続中だから、代わりの選手の試合勘・調子の判断だけは問題ない
・代表の実戦を含めた充実した練習の確保
・早い段階の選手召集とベストな選手選考が可能
・各球団との試合を平等に行なえば、ややこしくはなるがチーム・個人成績を反映させることも可能、わだかまりがない
・各球団は試合を確保できる、それどころか巨人戦なんかより客を呼べるだろう(爆)
・普段は観られない対戦もあり新鮮
・各球団の戦力変動の期間(13球団の期間+本番期間)も今回の北京五輪と大差なし
といった利点があるだろうと思います。もちろん実現できたとしても、日本が世界一になる保障などありません。どちらが勝つか分からない、そんな戦いを強いられるはずです。しかし少なくとも今回のように、なすすべのない最悪の状況に陥ることはないだろうと思います。
とにかく各球団の利益が考慮されてもいいから、代表を本当にサポートできる手を「本気」で考えて欲しいと思います、知恵を絞って欲しいと思います。今の議論は、代表の支援と球団の利益を秤にかけているようにしか見えません。そんなことでは、折角の日本野球の培った力と歴史が泣くではありませんか…
posted by let's go giants |00:40 |
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2008年08月08日
更新が出来なかった間に、また大きな記録が生まれた。
もうすぐ43歳になる中日・山本昌(本名:山本昌広)が通算200勝を達成した。
その記念の勝利をあげた相手が、巨人だ。
完投勝利で、軍配は完璧にマサにあがった。敵ながら天晴だ。
もうあれから数日が経ってしまったが、今からでも、巨人ファンの私からも、これはぜひ記事にさせていただきたいと思う。
マサの直球の球速は130㌔台止まりだ。それは衰えたからというわけではない。スクリュー・スライダー・カーブを左右に投げ分け、直球で緩急を活かす。その巧みな投球で勝利を積み上げてきたが、我らジャイアンツも、幾度となく煮え湯を飲まされた。
巨人の右打者はスクリューに、左打者はスライダーや胸元をつく直球に、凡打の山を築いた。正直私は、「そんなに打ちにくい投手か?マサって…」と思うこともしばしばあったものだ。しかし、200という勝利数がマサの投手としての素晴らしさを証明した。彼の実績を疑う者はいないだろう。中日ファンでなくとも、マサを応援している野球ファンは決して少なくないのではないだろうか。そういえば彼のユニークなフォーム・仕草は、私もお気に入りでよくまねしたものだ。
技巧派として200勝を達成した投手はそう多くない。ただ単に200回勝ったというのでなく、己の技を磨き続け、常に高みに挑み続けた成果だ、とても重みがあり、誇れるものだと思う。
遅ればせながら、しのぎを削ってきたライバルチームのいちファンから、山本昌さんの偉業を祝福させていただきます。
そして、これからも長く、元気な姿で活躍をみせてください。
山本昌投手、200勝達成おめでとう!!!
※山本昌の主な記録
最多勝-3回
最優秀防御率-1回
最多奪三振-1回
沢村賞-1回
ベストナイン-2回
ノーヒットノーラン-1回(2006年9月16日:対阪神戦)
posted by let's go giants |15:37 |
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