2008年09月19日

U-19仙台カップ から…

 現在のU-19日本代表は日本国内で密かに期待されているカテゴリーではないだろうか。
 2年前のU-17アジア選手権を制すなどアジアでは結果を残しているこの世代。U-17W杯ではグループリーグ敗退と世界では結果の出ていないチームに私が期待しているのはエースの柿谷曜一朗の存在だ。
 U-17W杯の対フランス戦で見せたセンターサークル付近からのロングシュートは身体の使い方、判断、技術に優れたファインゴールだった。その当時、かの有名な金子達人氏が「彼は天才だ」というコメントも「もっと知りたい」という私の好奇心を駆り立てた。
 そして次世代の日本サッカーを担う代表の戦いというのを私自身体感したく9月15日、仙台で行なわれている「仙台カップ国際ユースカップ2008」を観にいった。日本、韓国、ブラジル、フランスの4カ国でリーグ戦を行い勝者を決めるという今年で6回目の大会である。海外の強豪国を招いて行なわれるこの大会はU-20W杯を目指す上で実力を計る絶好の舞台となっている。

 15日は大会最終日で日本対韓国、ブラジル対フランスという組み合わせだ。
 私は、世界と日本ひいてはアジアの差はどこにあるのかという問題提起をして試合に臨んだ。
 まず日本対韓国戦。試合は両者中盤からトップにクサビを当てて連動性からチャンスを作り局面ではドリブルで勝負を仕掛けるというアグレッシブなゲーム展開だった。どちらもDF面で対応の甘さが目立った。アプローチの甘さや1対1の対応。勝敗を分けたのはリスタートと柿谷のテクニックだった。後半早々のFKで得点し五分五分だった試合の流れをぐっと引き寄せた。そして柿谷のドリブル突破からのシュート、クロスでチャンスを作った日本は追加点を決め試合の主導権を渡さない。韓国は時間と共に勢いを失くしていった。
「なかなかやるじゃないか」
 どちらに転んでもおかしくない展開で柿谷のキープ力や攻撃のアイデアは日本に安心感をもたらし韓国DFを翻弄し続けた。強烈な個が与えるプラスの影響力がチームを勝利に導いたのだ。技術レベルは確実に上がっているし“仕掛ける”意識も高い「やはり期待どうりだ」と思ったのはほんの1時間だけだった。
 次のブラジル対フランス戦。日本の勝利の余韻に浸るスタジアムは一変した。
  まさに戦場である。激しいコンタクトと削りあいの応酬でめまぐるしく変わる攻守。吹かれっぱなしの主審の笛、そのたびに起こる選手同士の小競り合い。誰もが違ったやり方でゴールを狙っていてチームプレーよりも個人対個人の戦いという印象が強い。隙を見せたら最後、ヒビの入ったダムを決壊させるかのごとく力強く連動して攻撃をする。
結果的に試合は終盤にセットプレーから両チームゴールを決めるまで膠着状態だったが常に緊張感のあるゲームだった。

 私は北京五輪で観た日本代表と世界の差は速いゲームスピードの中でいかに良い選択をし続けるかという問題とフィニッシュへのアプローチの共通理解が足りなかったと感じている。今回2試合観て選手一人一人が「点を入れる為に」「点を取られない為に」どうするかを追及していく姿勢が根本にあってその次に個チームとして力を発揮させるかという事が大事なのだと感じた。
 世界との技術レベル差は確実に埋まっている。それはスペースと余裕がある時の話で今、世界と戦う為にはスペースと余裕の無い状況でどれだけ個をだすことができるかが鍵になっている。しかし、課題はあるが確実にレベルアップしているのを今大会で確認できた。
 日本の成長と共に世界も成長する。

posted by leraditoni |14:05 | 国内サッカー | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年09月07日

最高のパス

2010W杯アジア最終予選 

日本VSバーレーン
 3 - 2

アジア最終予選が始まった。大事な初戦の相手はアウェイでバーレーン。バーレーンは中盤で激しいプレスをかけ日本のパスワークを封じようとした。ファール覚悟の激しいコンタクトは日本選手の集中力を乱すのには効果的だったように思う。その代償にバーレーンは試合の20分以上を10人で戦う事となったが終盤の猛攻は人数差を感じさせなかった。

日本はいい時間帯に得点を重ねた。18分にFKで中村、前半終了間際PKで遠藤そして85分中村憲のロングシュート。先制、中押し、駄目押し、最高の初戦だと思った瞬間から歯車が狂いだした。そして『最高のパス』からバーレーンの1点目が生まれた。

あのパスを『最高のパス』と表現する理由は三つある。一つ目は「得点に直結するパス」ということ、二つ目は「試合の流れを変えるパス」。試合は日本が終始リードしていたにも関わらず内容はどちらに転ぶかわからない状況だった。1-3となったことでバーレーンの選手とサポーターは希望を手にした。

最後に三つ目は「相手の逆をとるパス」だったということだ。あの場面、右サイドからグラウンダーのクロスに日本の選手は誰も反応できなかった。近野は見送り、内田は相手と身体を入れ替えられた。足を一歩出すだけで防げたのに何故でなかったのか?ここからは私の予想なのだが3-0で勝っているという安堵感、湿度の高さと疲れからシンキングスピードが低下し徹底してハイボールで攻撃してきていたバーレーンに日本の選手はグラウンダーが来ると予測できなかったのではないだろうか。
「足を動かす」という意思に反して身体は鈍行を辿り、見送ったボールはゴールへと吸い込まれる。DFにとってこれほど残酷なパスがあるだろうか。故意か偶然か張り巡らされたハイボールという伏線は試合を劇的に変えた。バーレーンの選手が放ったグラウンダーのパスには多くの情報がつまっていて日本のDF陣は情報を消化できずフリーズしたのだ。

これだから真剣勝負は面白い。

日本では「終盤、集中力を欠いた締まりの無いゲームだったが勝ててよかった」というのが見方だがバーレーンの素晴らしい得点が試合を盛り上がらせる一つの要素であったこと覚えておきたい。

posted by leraditoni |22:25 | 国内サッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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