ラップギア☆岡村信将の競馬考察コラム

◆スプリンターズS、週半考察

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■近年の、JRA1200m重賞

春の高松宮記念と対を成す、秋のスプリント王決定戦、スプリンターズステークス。近年、芝1200mのJRA重賞はスローペース化の一途をたどっており、前半3ハロンの平均は3歳未勝利戦(の芝1200m)とほとんど変わらないところまできている。

数字を挙げてみると、2007年以降の過去10年、3歳未勝利戦の“芝1200m・前半3ハロン”平均が34秒0。芝1200m・重賞の平均は33秒7。たしかに重賞のほうが速くはあるのだが、北九州記念と小倉2歳S(馬場の速い小倉の重賞)、そしてこのスプリンターズSの3レースを除けば、平均は33秒9になる。3歳未勝利戦と0.1秒しか違いがなく、3歳以上500万下の平均(33秒9)と並んでしまうのだ。

500万下と重賞で、前半のペースがまったく同じ。これをスローペースと言わずに何と言うか。中距離や長距離だけの話ではない。私はこの現象を“真のスローペース症候群”と10年前以上もから指摘していたのだが、それは変わらず進行形しており、しかも10年前よりさらにスロー化が進んでいる。

未勝利や下級条件戦の1200mといえば、何が何でも先行有利。そういったレースで快速を飛ばして勝ち上がってきた馬たちがやがて重賞に集うことになるのだが、上記の数字はあくまで (その後未勝利に終わる馬も含めての)平均。重賞まで勝ち上がってくるのが“平均以上”の快速馬であることは想像に難くない。

ならば、なぜそれらの快速馬たちが遅くなるのか。それは、鞍上や陣営の意志がレースに介入しているからだ。それは考えるまでもなく、後続馬の末脚を警戒してのことなのだろうが、レースのラップを比較していけば、その思惑が自らの首を絞めていることが理解できるはずだ。

■スプリンターズSの考え方

前置きが長くなってしまったが、実はこの話、スプリンターズSとはまったく関係がない。なぜならこのスプリンターズSはちょっと珍しい、スローペースにはならない“現代競馬では特殊な”1200m重賞だからだ。

先ほど芝1200m・重賞の前半3ハロン平均は33秒7と述べたのだが、スプリンターズSの過去10年の平均は33秒2。それが33秒3の小倉2歳Sと、32秒7の北九州記念、この3レースだけは他の1200m重賞とは別物と考えるべきだろう。ちなみにもうひとつのGⅠ・高松宮記念は33秒7である。

他の1200m重賞とはことなり、このスプリンターズSは“ハイペース耐性”が要求される真のスプリント戦。具体的には“1200m戦を33秒台前半で先行し、勝ち切った経験を持つ馬”が狙い目となる。もう少し具体的な数字にすると、33秒7以上のペース、4角を4番手以内で勝利した経験を持つ馬。

下章のとおり、2000年以降スプリンターズS勝ち馬の多くは、該当年スプリンターズS出走前に、1200m戦を“前半3ハロン33秒6以内”で先行しての勝利経験を持っていた。 ※ハイペース耐性の調査。外国馬は除く。

2000年 ダイタクヤマト   1999年仲冬S 2001年 トロットスター    2002年 ビリーヴ      2001年500万下、2002年佐世保S、北九州短距離S 2003年 デュランダル     2004年 カルストンライトオ 2001年葵S、北九州短距離S、2002年TUF杯 2007年 アストンマーチャン 2006年未勝利戦、2006年小倉2歳S 2008年 スリープレスナイト 2008年京葉S、2008年北九州記念 2009年 ローレルゲレイロ  2009年高松宮記念 2011年 カレンチャン    2011年キーンランドC 2012年 ロードカナロア   2010年の新馬戦、2012年セントウルS 2013年 ロードカナロア   2010年の新馬戦、2012年セントウルS 2014年 スノードラゴン   2012年の1000万下 2015年 ストレイトガール   2016年 レッドファルクス  

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重賞の週半考察
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スプリンターズS
競馬

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 山口県出身、フリーランス競馬ライター。関東サンケイスポーツに1997年から週末予想を連載中。自身も1994年以降ほぼすべての重賞予想をネット上に掲載している。1995年、サンデーサイレンス産駒の活躍を受け、スローペースからの瞬発力という概念を提唱。そこからラップタイムの解析を開始し、 『ラップギア』 と 『瞬発指数』 を構築し、発表。2008年、単行本 『タイム理論の新革命・ラップギア』 の発刊に至る。能力と適性の数値化、できるだけ分かりやすい形での表現を現在も模索している。

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