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アートオンアイス2017 ローザンヌ公演感想 

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 2017年AOIに高橋大輔が出演すると知り、2015年に観たチューリッヒ公演とは違う場所で、できるならばもう少し上の観客席から観てみたいという衝動に駆られ、ローザンヌの2公演を鑑賞してきた。

上方の席から観ることによって一番感激したのは照明の美しさ。特にステファン・ランビエールとデニス・ヴァシリエフス選手によるプログラム「四季」は、リンク、壁、天井モニターすべてに季節の色彩が映し出され、視界が色に染められたかのようだった。そして、その色彩の洪水に埋もれないステファン・ランビエールの際立つスケートの存在感に、また彼の凄さを知った気がした。集団でリンクに出てきてもすぐに目が彼を探し当ててしまう。選手時代よりも惹きつける力が数段強くなったように思える。  惹きつけられたスケーターといえば、ジェイムス・モリソンの歌にあわせて滑るサラ・マイアーの溌溂とした輝きにも、つい身を乗り出してしまいそうになった。ライティングがつくり出す筋肉の陰影までが生命力に溢れていて、みている者の気持ちをも満たしてくれる演技だった。

高橋大輔のプログラムは、「キャラバン」とジェイムス・モリソンとのコラボレート。 「キャラバン」はおそらくショーの内容に合わせた演目ということなのだろうが、もう一度ちゃんと見てみたいと思っていたプログラムだったので、予想外にライブでみられたのはとても嬉しかった。 楽器の音色とともに伸縮するスケートを目の前に、音の表し方の多角さを見逃すまいと瞬きを惜しんだ結果、そのあとドライアイのため何度も無理矢理あくびをひねり出す事態になってしまった。飛び上がってから回転する美しいジャンプも、弾むプログラムに不可欠な要素として興奮を呼び起こしてくれた。 よい演技をみると、そのプログラムの曲がいつまでも頭から離れない。公演後、ホテルでの歯磨き中に「キャラバン」が頭の中に鳴り響くのに気づいて、ローザンヌに来られて良かったとしみじみと思った。  きらびやかな「キャラバン」とは対照となるジェイムス・モリソンとのセンチメンタルなコラボレートは、新鮮な興味をそそられるものだった。繊細な機微を出しづらい大きめの衣装での演技は、わかりやすく大きく伝える、ということをクローズアップしたかのようで、これからプロスケーターとして様々な演目に取り組んでいくうえでそういったことがどう発展していくのか、それを見る自分がどう受け取っていくのか、新たな関心が頭をもたげた。

AOIは音楽アーティストの存在に比重を置いているので、アーティストのコンディションや音響の良し悪しでショー全体の印象が左右される難しさがあるように思う。けれども、こういったものを見せたい、という明確な意志を彷彿とさせる内容は、見ている側の想像力を豊かにしてくれる、自分が知るアイスショーの中では稀有なものだ。 ローザンヌ公演は2年前に観たチューリッヒ公演よりも会場も小さく、ややコンパクトにおさまった感はあるものの、その分身近に、また地元の人々が楽しむ雰囲気を肌で感じることができた。 訪れたことのない場所への旅とフィギュアスケート鑑賞を同時に味わえるという贅沢な誘惑には、何年経っても抗えない。



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