フィギュアスケートをみる

スターズオンアイス2016 TV放映鑑賞

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これからのアイスショーが、競技会とはまた別の、大きな期待と歓喜を与えてくれるものに育っていくような、そんな予感がするショーだった。

世界選手権を終えたばかりの現役選手達にはやはり少し疲れの色がみてとれたが、チャン選手からは競うことから解き放たれた滑る喜びを、フェルナンデス選手からは今までのプログラムとは違う新しい表現を、宮原選手、宇野選手からはショーであっても真剣勝負、といった真摯でまっすぐな演技を見せてもらうことができた。 宮原選手、宇野選手を見ていると、エキシビションやショーでも常にその姿勢を貫いていた町田樹の現役時代を思い浮かべてしまう。見ている者に襟を正させるような彼の演技がまた見たくなってしまった。 さらに、宇野選手は4回転フリップへの挑戦も披露。雰囲気や演技から伝わる柔らかさとともに、内に秘めた強い芯を感じる選手だ。柔と剛を併せ持つ、また今までにないスケーターの個性は、これからさらにどう進化していくのだろうか。

現役復帰を果たした、浅田真央選手。休養を経たあとの浅田選手は、以前よりもふくよかな色香をまとっているような気がしていたのだが、特に今回の演技では激戦後の疲れも相まってかそれが濃厚で、みていて妙にどぎまぎしてしまった。 蝶々夫人という重い演目と、密度の濃いエッジワークをこなしながらも軽やかにみせてしまう浅田選手のスケーティングのバランスはとても絶妙で、しっとりと心地よい。ただ、今回はなぜかどぎまぎの方に軍配があがってしまったのだが。 チャン選手と同じく、新しい魅力を携えた浅田選手が競技会でどう戦っていくのかも目が離せそうにない。

ダイナミックなペア、華やかなアイスダンスのショーらしい盛り上がりも、単純にスケートを楽しむ気持ちを呼び起こしてくれた。過度な演出がなくとも、それぞれの演目に見応えを感じさせてくれる、シンプルで潔いショーだと思った。

そして最後の演目である、高橋大輔の新プログラム。 再びスケートと向き合うことを決めた彼の演技がいったいどんなものになるのか。個人的には、どうしようもないほどの緊張感とともに待っていたプログラムだった。 その緊張は、曲が流れ始めた途端にほぐれた。みる者を演技者一点に集中させていくのではない、演技者のひとつひとつの所作からなにかが放出されているような感覚。久しぶりに味わえる豊かで幸福な感覚だ。それを存分に堪能できる、ある意味挑戦的なジェフリー・バトルのプログラム構成にも、感嘆の息が漏れた。 高橋大輔は本当にリンクに帰ってきたのだ、とプログラムに浸っていたら、ジャンプのミスで驚いて、体がぎくりと固まってしまった。そうか、ジャンプもあったのかとその時初めて技そのものを意識した。

プロスケーターとしての評価は点数では表されない。それは観客とスケーター自身に委ねられる。高橋大輔の場合、誰よりも採点に厳しいのが彼自身ではないかと思うので、もしかするとこれからの道は、スケートのみに集中できた競技者であったときよりも険しいものになるのかもしれない。けれども、そんな想像をさせてしまうからこそ、彼のスケートに期待せずにはいられないのだ。

もうすぐスイスでは、ステファン・ランビエールを中心としたアイスショー、アイスレジェンドが開催される。浅田選手、高橋大輔も出演するそのショーの演者・演目情報からは、ステファン・ランビエールの並々ならぬこだわりが感じられる。 会場に足を運べないのは非常に残念だが、そんなこだわりのアイスショーが日本で開催される日もそう遠くないのではないかと、スターズオンアイスを見る限り思ってしまうのだ。



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