2008年05月10日

体操日本代表決定!

少し遅くなってしまったが、5/5・6に岡山市の桃太郎アリーナで開催された体操NHK杯で男女の北京オリンピック代表だ決定した。
私も4年前のアテネの選考会以来、生で観戦した。
それにしても4年前は東京で開催したにもかかわらず観客はまばらで殆どが関係者だった。
それに対して今回は岡山での開催ながら会場は満員。一般の観客も多くつめかけ、アテネ金メダル以後の体操人気がいまだ健在であることを痛感した。

さて、注目度の高い男子について、今回決定した代表は以下の通りである。

冨田 洋之
内村 航平
坂本 功貴
鹿島 丈博
沖口 誠
中瀬 卓也

今回の選考は、個人総合3位以内がまずそのまま選ばれ、残りの3人については2次選考会からの計4回の演技の中で各種目別にそれぞれ3位以内に入った選手のみが得られるポイントの合計で決定されるという方式。(ただし、対象は個人総合12位以内に限られる)
つまり、簡単に言えば、オールラウンダー3人・スペシャリスト3人ということになる。

この方式の中で冨田・内村・鹿島が3位までを占める展開が続いたが、最後の鉄棒で鹿島が2回の落下。一気に9位まで順位を下げた。鹿島自身は圧倒的な強さを誇るあん馬で大量にポイントを稼いでいるため代表入りに問題はない。しかし、鹿島を抜いて3位に滑り込んだ坂本が完全なオールラウンダーでポイントでの選出は絶望的だったため、ポイントで選ばれることが濃厚だったスペシャリストが、一人代表からもれることになってしまった。私の計算では、その対象がこの日素晴らしい演技で猛追した米田功だと思っていたのだが、後で確認したら田中和仁だったとのこと。何とか米田に代表に入ってほしいと思っていた私にはとってはある意味ほっとしたのだが…
ともあれ、今回の代表は非常にバランスのよいものとなった。一人一人の特徴をみてみよう。

冨田…言わずと知れた日本のエース。NHK杯の2日間では、苦手のゆか・跳馬を無難にまとめ、その他の4種目は3位以内に入る等安定感は抜群。数年前からゆか→あん馬→鉄棒と不安を抱えていたが、今は大きな不安を抱える種目はない。その反面、得意のつり輪・平行棒で一時期ほどの高得点が出ていないのも事実。技の正確さ・美しさは世界屈指なだけに、本番までにどれだけ演技勝ち点を上げることができるか。

内村…体操会に現れた待望の新星。ゆか・跳馬では日本屈指の実力を持ち、他の種目にも安定感がある。本番では今のところ2種目のみの起用か?選考会個人総合2位の実力的にあと一つでも使えるメドを立てたい。

坂本…日本の弱点であるあん馬・つり輪で実力を発揮する日本の鍵を握る男。この2種目は中国に大きく水を開けられているため、坂本にかかる期待は大きい。

鹿島…あん馬での強さは今更説明の必要なし。演技冒頭からの開脚旋回は圧巻。世界でも他に類を見ないダイナミックな演技をする。ただ、この日は得意のあん馬でもややバランスを崩し、鉄棒でも2度落下。他の種目も全体に精彩を欠いた。本番では、平行棒や鉄棒でも期待がかかる。鉄棒は2003年の世界選手権であん馬と共に種目別2冠を獲得した得意種目。この日の失敗を払拭してほしい。

沖口…ゆか・跳馬で種目別メダルを視野に入れる日本の秘密兵器。2次予選会を落選ギリギリの18位で通過し、周囲をヒヤヒヤさせたが、NHK杯2日間では得意の2種目以外も安定した演技を見せて確実に代表権を掴み取った。本番ではチームのムードメーカーにもなってほしい存在。

中瀬…最後の一人にふさわしいオールラウンダー兼スペシャリスト。得意のつり輪だけでなく、ゆか・跳馬・鉄棒と出番は多そう。冨田と同じようにクールでポーカーフェイスを貫く男が、日本中を熱くさせるか。


一人一人の実力・チームとしての総合力どちらも上昇している日本。ただ、連覇を目指すには更なるレベルアップが必要だ。昨年の世界選手権で、日本は中国に5点近い大佐を付けられて完敗している。特にあん馬とつり輪の実力差は埋めがたいものになっている。とは言え、日本も3位ドイツには大きな差を付けている。中国だけに照準を絞って戦うことは可能だ。ちなみに4年前の今頃も中国圧倒的有利と言われながら、本番でミスを連発した中国はメダルにも手が届かなかった。

個人総合はどうだろう。昨年の世界選手権では中国の楊威が圧倒的な強さを見せ付けた。日本のエース冨田とはポイントで2.5~3点程度の差がありそうだ。他にもドイツのハンビュヘン、そしてアメリカのポール・ハムら強敵は多く、メダル獲得は容易ではない。

ともあれ、種目別も含めて日本の力を存分に発揮すれば複数のメダルを獲得できると感じている。女子も含めて日本の美しい体操を見せてほしい。


今回のNHK杯では惜しくも代表から漏れたアテネ金メダル戦士達の姿も印象的だった。米田・塚原は最高の演技を見せてくれたし、けがで思うように体が動かない水鳥も得意の鉄棒では次々に離れ業をきめる彼らしい演技を見せてくれた。最後のあん馬を終えた時にはこの日最大の拍手。鹿島のあん馬に比べれば決して凄い演技をしたわけではないのだが、彼が高校時代をすごした準地元の岡山で精一杯の演技を見せてくれたことに私も本当に感動した。

最後に、帰りの新幹線の中でとても背の低い少女が松葉杖をついて歩いていた。よく見ると、山岸舞選手であった。鶴見虹子選手と共に若きダブルエースとして長く低迷していた日本の女子に明るい光をともしてくれた選手である。今回も2次選考会までは上位につけて代表入りに近づいていたが、NHK杯初日に負傷。その後の演技を棄権することになってしまった。奇しくも16歳の誕生日に悲劇を味わうことになってしまったのだが、まだまだ未来のある選手。この悔しさをロンドンにぶつけてほしい。

posted by koumeiteiou |10:22 | 体操 | コメント(0) | トラックバック(0)
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