2009年08月23日
新潟野球の歴史を塗り替える日本文理
8月23日 準決勝 日本文理2-1県岐阜商 レポート 小関順二 まずは下の表を見てもらおう。昨年までの20年間、新潟県勢が選手権でどういう戦い方をしてきたかわかると思う。 1回戦 2回戦 3回戦 89年 ●新潟南 1-6智弁学園 90年 ●高田工 5-6八幡商 91年 ●新潟明訓1-8柳ヶ浦 92年 ●長岡向陵0-11星稜 93年 ○新潟明訓3-1松江一●新潟明訓0-10横浜商大高 94年 ○中越2-1坂出商○中越1-0浦和学院●中越2-3長崎北陽台 95年 ●六日町 2-8柳川 96年 ●中越 0-9倉敷工 97年 ●日本文理6-19智弁和歌山 98年 ●新発田農2-5浜田 99年 ○新潟明訓10-5宇和島東●新潟明訓1-4旭川実 00年 ●新発田農4-14智弁和歌山 01年 ●十日町 0-10明徳義塾 02年 ●日本文理1-8海星 03年 ●中越 0-2江の川 04年 ●日本文理1-2京都外大西 05年 ●新潟明訓4-7宇部商 06年 ●日本文理1-2香川西 07年 ○新潟明訓1-0花巻東○新潟明訓2-1甲府商●新潟明訓3-8大垣日大 08年 ●新潟県央工2-4報徳学園 6勝20敗、勝率・231――これが過去20年間の成績である。ちなみに、第1回大会から昨年(第90回大会)までの通算成績は16勝48敗、勝率・250。勝ち星(16)、勝率(0・250)は49地区の何と最低である。その新潟県代表の日本文理がこの大会、快進撃をしている。 2回戦 日本文理4-3藤井学園寒川 3回戦 日本文理12-5日本航空石川 準々決勝 日本文理11-3立正大淞南 準決勝 日本文理2-1県岐阜商 この4勝で第1回からの通算成績は20勝48敗となり、勝率は・294となり、北北海道、山形、富山を抜いて46位に上昇した。決勝の中京大中京を破れば勝率・304となり、準決勝で敗退した花巻東の岩手(勝率・295)を抜いて45位になる。新潟のさまざまな不名誉を一掃する躍進だということが、これらの数字はよく表している。 この躍進の牽引車になっているのがエース・伊藤直輝(右投右打)である。寒川戦で初めて見て、フォームがいい投手だと思った。最も目立つのが高い位置でのリリース。 球持ちが短いというのではない。真上からの腕の振りと、リストで“ボールを潰している”ため、リリースポイントが高く見えるのだ。低めに伸びるストレート、角度十分にキレ込む変化球は、このフォームがなければモノにできなかったと思う。 変化球は120キロ台中盤の縦割れスライダー、117、8キロでシュート回転しながら落ちるチェンジアップがあり、どれもキレ味が鋭い。140キロ前後の速さがあり、多彩で実戦的な変化球があれば、それをどういうふうに使うかがポイントになる。 山田智弘と対した7回、無死一塁の場面を再現しよう。山田は昨日書いたように、振幅の大きい打撃フォームに特徴がある。当然、一本調子の投手に強く、緩急で攻めてくる投手に弱さがあるが、このクセの強い長距離砲に伊藤は1、2球ストレートを続けた。 緩急の攻めではないじゃないか、と言われそうだが、2球目のストレートは高めのクソボール。この1球でストレートのイメージを植えつけると同時に変化球を使いやすくし、3球目以降スライダー、カーブを続けて空振りの三振を奪う。こういう緩急もあるのだなと教えられた。 9回にも先頭の江崎秋馬を高めボール球のストレートで空振りの三振に仕留めているように、ボール球の使いどころが伊藤は本当にうまい。これが中京大中京打線にも通じるかというのが決勝戦のポイントになる。 決勝の相手、中京大中京は1番から9番まで、息を抜けない強・好打者をずらりと揃える。対する伊藤はこれまでの4戦、右打者には被打率・234、左打者には被打率・271という記録が残っている。 中京大中京では左打者の河合完治が花巻東戦で、本塁打に加え、三塁打2本を打って絶好調。これをどう抑えるか、伊藤―若林尚希の「ナオキ・バッテリー」の腕の見せどころになる。
posted by koshien2009 |23:11 |
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