2009年08月06日
注目ゲームの観戦ポイントはここだ!
文 小関順二
第91回選手権大会の組み合わせが決まったので、見どころを紹介しよう。まず初日、好カードが続く。
『常総学院-九州国際大付』
『明豊-興南』
『八千代東-西条』
は、いずれも強豪同士による激突で、熱戦が期待できる。
常総学院は茨城大会で打率・611を記録した4番黒田昂希(外野手)と、好打プラス好リード&強肩を誇る羽鳥尊(捕手)がチームを支える、どちらかというと攻撃主体のチーム。
対する九州国際大付は帝京、花巻東とともに優勝候補の一角に位置づけられるほどの強豪。
とくに福岡大会7試合で12本塁打を放っている打線は注目の的(12本塁打は8試合のPL学園と並び今大会ナンバーワン)である。
国枝頌平(三塁手)、榎本葵(2年・外野手)、河野元貴(捕手)と続くクリーンアップの破壊力は大会屈指と言っても過言ではないので、是非目を凝らして見てもらいたい。
明豊対興南も面白い。
明豊は大分大会で今宮健太(遊撃手&投手)が3本、河野凌太(外野手)が2本ホームランを打っている打撃のチーム。
と言うと投手陣が非力に聞こえそうだが、野口昂平、今宮の左右投手陣は安定した実力を誇り、大分大会では5試合で3失点しか許していない。
対する興南は沖縄大会5試合(43回)で48奪三振を記録した左腕・島袋洋奨が支えるディフェンス型のチーム。
春の九州大会では両校が準々決勝で顔を合わせ、3対0で興南が勝っているが実力は紙一重。
センバツ大会で19三振奪いながら初戦敗退した興南のほうが「今度は勝たないと」という勝利へのモチベーションが強いような気がする。
さて、次のデータを見てもらいたい。
◇チーム打率5傑
①日大三・488
②中京大中京・474
③長野日大・413
④日本文理・396
⑤龍谷大平安・388
◇個人打率8傑(6割超えだけ紹介)
①西浦直亨・810(天理・遊撃手)
②伊藤剛・654(長野日大・遊撃手)
③河合完治・650(中京大中京・三塁手)
④大熊征悟・636(日大三・外野手)
⑤橋本貴弘・632(龍谷大平安・捕手)
⑥国友賢治・625(中京大中京・二塁手)
崎田聖羅・625(立正大淞南・投手)
⑧吉田正尚・615(敦賀気比・一塁手)
3日目、第2試合の、
『龍谷大平安-中京大中京』
は上のデータを見てわかるように強打対強打のガチンコ勝負が期待できる。
龍谷大平安の橋本は打率・632をマークする強打者で、対する中京大中京にも河合、国友という6割超えの好打者がいて、4番堂林翔太(投手)はドラフト上位指名の可能性を残すスラッガー。
総合力で中京大中京が上回るが、どっちに勝敗が転んでも不思議ではない。
同日第4試合の、
『花巻東-長崎日大』
からも目が離せない。
打撃優位のチームが多い中、エースの圧倒的な実力で優勝候補に名をつらねるのが花巻東だ。
春、夏の甲子園大会史上、実力で菊池を上回る左腕を探したが、ついに発見することができなかった。
MAX152キロの快速球、安定した投球フォームがもたらす正確なコントロール、さらに縦・横2種類のスライダーと縦に割れるスローカーブの精度が高く、打者としてはセンバツでは打率・333と安定して打ち、打点4は川村悠真とともにチームトップだった。
菊池が万全の出来なら攻略は極めて困難だが、初戦の相手がセンバツで優勝を争った清峰を破っている長崎日大というのも因縁を感じさせる。
7日目第2試合の、
『敦賀気比-帝京』
も好試合が予想される。
敦賀気比の山田修義は福井大会で4試合・38回を投げ奪三振49を記録した本格派左腕だ。昨年のセンバツ時はいまだ発展途上にあり球速も130キロ台前半が精一杯だったが、今夏は143キロまで伸ばし、ドラフト候補と言っても格負けしない存在感を見せている。
この山田を迎え撃つ帝京は大会ナンバーワンと言っても過言でない強力打線が売り物。
東東京大会決勝の都雪谷戦、平原庸多(投手)、佐藤秀栄(外野手)、原口文仁(捕手)と続くクリーンアップの強打を目の当たりにして、「選手権でも優勝候補」と確信した。
投手陣は平原を筆頭に鈴木昇太(2年)、山崎康晃(2年)、伊藤拓郎(1年)と140キロ超えの本格派が控え、大会屈指の陣容。
前田三夫監督の采配にも名将らしい“どっしり感”が出てきて、スキがなくなりつつある。
3回戦まで決まった組み合わせを見ると、常総学院、九州国際大付、敦賀気比、帝京がいるブロック、明豊、興南、西条、常葉橘がいるブロック、花巻東、倉敷商、日大三がいるブロックを勝ち上がったチームが優勝争いのカギを握ると予想する。
posted by koshien2009 |17:10 |
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2009年08月02日
横浜だけじゃない。さらなる群雄割拠時代の到来
レポート 鷲崎文彦
全国屈指の激戦区といわれる神奈川。県全
体のレベルは他県と比べても間違いなく高い
と感じたが、過去10年の夏の11代表校(昨年
は第90回記念大会のため南・北神奈川に別れ
て2校出場)を見てみると、横浜が5回、桐
光学園が3回と両校の力が1歩抜け出してい
るのが現状だった。
そんな中、横浜隼人が両校を破って甲子園
初出場を決めた。前回、書いたように聖地で
どんな戦いぶりを見せるのか興味深いが、秋
以降も隼人は注目されることになるだろう。
主戦投手の今岡一平、4番の大野康太、好守
のショート菅野雄太は2年生。彼らが残る来
夏まで実力上位校としてマークされる存在に
なる可能性が高いのだ。
他でも名門の慶應は全国から好素材を集め
て08年センバツから3季連続甲子園出場を果
たすなど急激に力をつけ、土屋恵三郎監督が
復帰した桐蔭学園も今夏は優勝してもおかし
くないチームに仕上がっていたように強豪復
活を印象づけた。これまでの桐蔭は選手の進
路について、高校卒業から即プロ入りするこ
とを勧めずに大学を経由してから目指すルー
トを基本としてきたところがあった。最近の
プロ野球を見れば大学、社会人を経験した選
手の方が活躍する確率は高いように思うが、
選手とすればすぐにプロに行きたいと考える
子も少なくない。そのため、そのことが足か
せとなって桐蔭を敬遠していた有望中学生も
いると聞く。ところが、最近はその方針を軟
化させたそうで、また選手が集まり出したよ
うだ。レポートした佐相眞澄監督率いる「県
立の雄」川崎北も今後どうなっていくか。
一方、中核を担ってきた横浜は渡辺元智監
督が年齢的にもそろそろ後継者を見つける時
期に差し掛かっているといえるだろう。実際
にそうした動きをしているとの情報も聞こえ
てきている。いきなり禅譲するのではなく、
帝王学を学ばせてからになるだろうが、変化
の時が近づいている。
追いかける1番手の桐光はこの夏いきなり
4番に座った1年生の菅原善敬を始め、好素
材が集まっており王者の座を虎視眈々と狙っ
ている。
東海大相模、横浜創学館、横浜商大、日大
藤沢、日大…。神奈川はハイレベルな「群雄
割拠」へと変わっていきそうな気配だ。
posted by koshien2009 |13:01 |
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2009年07月22日
忙中閑あり~夏の大会で見た1、2年生特集
レポート 小関順二
夏の大会はどこへ行こうか日程を作るのが最大の楽しみだが、同時に雨に降られての日程変更が日常茶飯事で頭を抱えることがしばしば。
今日がそういう日だ。
本当は7月21~24日まで近畿(三重含む)、中国、四国を駆け足で見て回る計画を立てていた。しかし天候がそれを許さない。昨日21日の降雨予想を見たら「大阪100%」となっていた。今日はまだわからないが、東京が雨なので朝一番の新幹線に乗って遠出する勇気が起きない。
というわけで、今日は飼い始めたばかりのチビ猫のはしゃぎ回る姿を見ながら、夏の大会で見た1、2年生の逸材にどういう選手がいるのか紹介することに決めた(これまでに紹介した選手は除外する)。
◇木暮友也(高崎経大付2年・中堅手・左投左打)
打席に立ったときのオーラがものすごく、凡打2つしか見ていないにもかかわらずノートに「逸材」と書いた。
遅い始動とゆったりしたステップ、さらに動かないバットを見れば只者ではないとわかる。
野手は名門校からしか輩出されないのが常識だが、この選手はこれから見続けていこうと思った。
◇中嶋涼太(横浜創学館2年・投手・左投左打)
光陵戦でリリーフ登板し、4回を2安打無失点に抑えた。
長所はストレートに勢いがあることと、右肩の早い開きがないことで、短所は腕の振りが固く、コントロールが安定せず(とくに高低のバラツキが目立つ)、変化球に特徴がないこと。
今後の課題は“脱力”と、リストワークに習熟することだろう。
◇早稲田実の1年生、安田権守(左翼手・右投左打)
元気のよさがひときわ目立つ1番打者だ。
始動・ステップが忙しく、バットが下から出る悪癖に囚われながら、打球の強さと思い切りのよさは天下一品。
不満は1番打者にしてはストップウオッチが示す数字が物足りないこと(実践学園戦は、①中前打4・85秒、③二塁打8・87秒、④中前打4・91秒)。全力疾走の目安は「一塁到達4・29秒未満、二塁到達8・29秒未満」なので、この数字を目安にして脚力を磨いてもらいたいと思った。
◇帝京1年の松本剛(遊撃手・右投右打)
打つ形のよさに注目した。
1年生だとバットを立てたまま打ちにいくのは難しいが(西武の銀仁朗でさえ、昨年までは打ちにいく直前にバットが寝ていた)、松本は最後までバットが立ち、さらにこれを浅いタテ軌道でボールの下に潜り込ませる技術も備えていた。
墨田工戦は1安打だけだったので、今度は盛大なヒット量産のシーンも見せてもらいたい。
◇国士舘1年の岡雄大(中堅手・右投左打)
松本と違い、チャンスメーカータイプ。
打席の中で体もバットもよく動き、塁に出れば投手のけん制でアウトになる未熟さがありながら(青稜戦)、左・中・右の全方向に打ち分けるバット操作の巧みさに将来性を感じないわけにはいかない。
脚力は青稜戦が①中前打4・37秒、⑤二塁打8・31秒と中途半端なので、もう少し頑張って1番を打つ高橋直樹の域にまで達してもらいたい(高橋は同試合で①一塁ゴロ4・26秒、②二塁ゴロ4・06秒、③遊撃ゴロ3・95秒を記録しているように、凡打でも足を緩めない全力疾走の持ち主として知られている)。
◇東海大望洋の2年生捕手、坂本拓弥(右投右打)
真下貴之の女房役を果たした彼は、イニング間のスローイングは最速2・03秒と「2秒切り」は果たせなかったが、ボールの強さと捕ってから投げるまでのフットワークが一級品で、来年のドラフト候補として自信をもって押せる。
課題はバッティング。八千代東戦の2、3打席で記録した遊邪、三邪は非力さと形の悪さを物語っている。
◇横浜1年の近藤健介(遊撃手・右投左打)
春の県大会、関東大会では非力さばかりが目立ち、まともに批評する気にならなかったが、相模原総合戦ではバッティングに強引さが出てきて見ごたえがあった。
反動をつけた大きな一本足打法とインステップは短所と言ってもいいが、2、3カ月前までは強くバットを振ることさえできなかったのだから、成長の印と受け取りたい。
ただ、「大きい一本足」と「インステップ」のどちらか1つはやめたい。バッティングを不安定にする要素を2つ抱えて打てるほど高校野球は甘くはないからだ。
posted by koshien2009 |13:37 |
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2009年07月18日
7月18日~21日 近畿地区の展望
レポート 氏原英明
17日は、終業式のため、京都を除き試合の予定はなかった。
その京都も、雨天により中止が決定。
近畿地区の高校野球は束の間の休息日となった。
これまでを振り返ってみると、順調に前評判の高いチームが勝ち進んでいる形か。
しいてあげるとすれば、昨春の選抜ベスト4の東洋大姫路が初戦で敗れたことくらい。といっても、東洋大姫路を倒したのは市尼崎だから、〝番狂わせ゛というには足らず。
あとは春季和歌山大会の優勝校・向陽が初戦で敗退したことくらいだ。
ここで、中間展望でも考えようかと思ったところ、早くに始まった奈良大会をのぞけばまだ序盤戦。展望するにはまだそこまで進んでいない。
ただ、これから進むにつれ、好カードが増えてくるので、現時点で分かっている時点での楽しみな試合を列挙してみた。
<18日>
【京都】
立命館VS京都外大西
【滋賀】
綾羽VS滋賀学園
【奈良】
奈良大付VS桜井
【兵庫】
報徳学園、神港学園、神戸国際大附登場。
<19日>
【京都】
福知山成美VS京都学園
【奈良】
郡山VS智弁学園
【滋賀】
甲西VS八幡商
<21日>
【大阪】
履正社VS桜宮
18日試合予定の京都大会、立命館VS京都外大西は注目カード。
昨年秋、実力度NO1といわれた京都外大西を、完封に封じ込めたのが立命館だった。いわば、リベンジマッチというわけ。立命館が返り討ちにするのか、京都外大西がリベンジを果たすのか。
同日の滋賀大会、綾羽VS滋賀学園も好カードだ。ともに、近江を追う私学校として、近年、力をつけてきた両チーム。早すぎる対戦だが、王者・近江に取って変わるために、ここを制したいところだ。
同日、奈良大会は昨夏の準優勝校・奈良大付と昨秋の準優勝校・桜井が対決。
また兵庫大会では強豪が続々登場。センバツベスト4の報徳学園、タレント集団・神戸国際大附、投手力充実の神港学園と、強豪校がついにベールを脱ぐ。
19日に目を移すと、センバツ出場校の福知山成美と京都学園が激突。福知山成美のエース長岡と中学時代は長岡を凌駕する活躍を見せた本格派右腕・高橋が対決。以前に高橋の取材をしたことがあるが、ライバル心を燃やしていた。
同日、奈良大会の智弁学園VS郡山は大注目だ。郡山の指揮官・森本達幸監督はことし限りで47年の指導者生活にピリオドを打つ。その相手に迎え撃つのが、32歳の小坂将商監督率いる、私学の強豪・智弁学園だ。奈良県の3強を形成する2校の直接対決は楽しみだ。
滋賀ではシード校の甲西と八幡商が対決。どう転ぶのか。
21日には大阪大会で大注目のカードがある。この春の準決勝でも対決した履正社と桜宮。この春季大会で準優勝を果たした桜宮には、ことし注目が注がれている。久々の公立校の甲子園出場がなるか、そのためには私学の壁を乗り越えなければならず、その1番手として、履正社と対戦する。
一方の履正社はエースの橋本が2回戦で好投を見せた。投打にもバランスの良さを見せつけているだけに、桜宮とどう対峙するのだろうか。
終業式が終わった明日からは、夏休みモードで大会は白熱具合を増していく。今後は、どんな展開になっていくのか、楽しみである。
posted by koshien2009 |00:48 |
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