2009年07月17日

早稲田実業 カギは「エースの起用法」

 7月17日 西東京大会 一回戦 府中市民球場

早稲田実10-3実践学園(7回コールド)

レポート 小関順二

 
 さて今日は、首都圏の神奈川、埼玉の試合がなく、千葉は1試合だけだったので、足は自然と西東京大会が行われている府中球場に向かった。目当ては第2試合の実践学園対早稲田実戦。中でも早稲田実の2年生投手、小野田俊介(右投右打)のピッチングが見たかった。しかし、先発は同じ2年生の鈴木健介で、小野田は5番・右翼手でスタメン出場していた。

 試合は淡々と進行していく。4回まで実践学園が2対1とリードし、「もしかしたらもしかするな」とひとりごちるが、その言葉にどれほどの重みも感じていない。何となく、決まり文句のような言葉を吐いて、単調な試合に刺激を与えようとしていたのだ。

 そういえば、この試合も空振りが少ないとぼんやり思った。このことは数日来頭の中を占めていたことで、高校野球の試合で「ストライク」はほとんど見逃しとファールである。2ストライクに追い込まれてからの空振り、つまり空振りの三振は珍しくないのだが、カウントを作る段階での空振りは、よほどの快速球投手や物凄い変化球投手を相手にしたとき以外は少ない。

 たとえば、7月15日の千葉大会、流山おおたかの森対拓大紅陵戦のストライクの内訳は次の通りである。

◇流山おおたかの森……見逃し22(49%)、ファール19(42%)、空振り4(9%)

◇拓大紅陵……見逃し30(59%)、ファール21(41%)

 その2日前の13日に行われた佐野対宇都宮東戦も見てみよう(4回裏から調査)。

◇宇都宮東……見逃し7(32%)、ファール10(45%)、空振り5(23%)

◇佐野……見逃し17(63%)、ファール10(37%)

 おわかりのように、拓大紅陵と佐野は2ストライク以前の空振りは1つもない。4校の投手はごく平均的な投手ばかりである。どうして、2ストライク以前の空振りが少ないのかというと、小学校、中学校、高校の指導者から「空振りは悪」と教え込まれてきたからだろう。このことは「右投左打」の激増ともリンクした問題で、合理性を追い求めるあまり、日本の野球がいびつになりつつあることを示している。いつかまとめて書こうと思っているが、スタメンのうち3~6番打者くらいは空振りをいとわないフルスイングをしてもいいのではないかと思っている。

 さて早稲田実の小野田だが、10対3になった6回裏からリリーフのマウンドに立った。右翼を守っていたこともあり本格的なピッチング練習はしていない。5回表の攻撃のときブルペンに入っただけだ。当然、肩はできていないから先頭打者にストレートの四球を与え、7回には2人の打者に四球を与えピンチを招いている。

 左肩上がりと軽いヘッドアップがあるので、リリースで押さえ込まないとボールは高く上ずってしまうが、押さえ込もうとしすぎると低めへの伸びを欠いたストレートが打ちごろの球になってしまう。言ってしまえば、小野田は試合前の投げ込みを必要とする投手である。つまり、投げないときは野手としてクリーンアップを打つ、という起用法には向かない投手だと思う。

 リリースで押さえ込めたときのストレートは一級品だ。縦割れのスライダーも腕が振れ全国レベル。代わりっ端、先頭打者に0-3になるとノーワインドアップをセットポジションに変えるという修正に取り組む姿勢もいい。この次は用意万端整った先発投手としての勇姿を見てみたい。

posted by koshien2009 |23:33 | 西東京大会 | コメント(0) | トラックバック(0)
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