2008年08月27日
拝啓、黒田様。
新しい職場で1週間が過ぎました。
海を渡り、異国の地で、奮闘するあなたと比べれば、屁みたいな環境の変化。
それでも私には、これまでの習慣とかリズムが全く違う大きな環境の変化。
ようやく1週間が過ぎ、雰囲気にも仕事にも慣れてきたところです。
慣れてきたものだから、少しばかり自分をアピールしようという欲も芽生えました。
手始めに、パソコンの壁紙を、変えました。
そう…まずはカープファンであることを、アピールしようと。
あれこれ考えました。
CARPのロゴにしようか、カープ坊やにしようか、スライリーにするか選手にするか…。
考えて、迷って…黒田様、あなたのカープ在籍時の画像を数枚、壁紙に設定させて頂きました。
数枚の画像が5分ごとに、ランダムに変化するよう設定して。
今、必死に戦っている選手を選ぶべきとは、自分でも思いました。そうでないと、失礼だろ!とも思いました。
だけども、新しい職場で人生の再スタートをきった私は、アメリカで頑張っているあなたに思いを馳せてしまうのです。
黒田様、あなたはカープを去ったのではない。あなたは、カープから旅立ったのだと、私は思っているから。
昨夜のヤクルト戦。
ルイスの好投と、栗原の勝負強さが眩しい勝利でした。
あなたが旅立ったから、ルイスはカープに来ることになった。
ルイスだけじゃなく、今年の補強は球団も力の入ったものとなりました。
もちろん、それは、あなたが旅立ち、四番が去ったから。
渡米直後は、毎日ネットでカープのことをチェックしていたあなたの目に、今のカープはどう映っているのか私は知りたい。
こんな補強が出来るなら、最初からやってくれよ!そう思っているでしょうか。
煮え切らない大竹を心配しつつ、大竹なりの成長に目を細めているでしょうか。
出場機会の減った倉のことが気がかりだったりするのでしょうか。
8試合連続打点の栗原は、四番として合格でしょうか。もっと、一発が欲しいですか?
私は、あなたの言葉を聞きたい。
そんな余裕などないかもしれませんね。好投するも打線の援護がなかったり、リリーフ陣が打ち込まれたり、自分自身調子を崩したり、簡単な一言で済ますつもりはないけれど、ついてないなぁと思うことがしばしばあります。
だけども、華々しさもなく、センセーショナルでもない、あなたのアメリカでの奮闘ぶりは、逆にあなたらしくて私は嬉しかったりもします。
阪神に3連敗した時は、一体どうなるやらと心配しました。
正直、ここから秋風が吹き始めるのかと思いもしました。
しかし、昨夜のヤクルト戦の勝利に、見ている側が思っている以上に、カープは勝ち方を覚えてきたと思ったのです。
諦めないとか、粘るとか、そういうのではなく、勝ち方を覚えてきた、と。
素人ファンの思い込みだから、まったく何の根拠もありませんが、こうすれば勝てる!こうすれば負けない!というものを、チームが共有できている、そんな印象を受けるのです。
それは、簡単に言えば『自信』という言葉になってしまうのだろうけど、ノーアウト満塁で押し出しの1点しか取れなくても逃げ切れる今のカープに、私はたまらなく痺れてしまうのです。
そこに前田という切り札が存在すること。1アウトからスクイズを仕掛けること。抑えというカードの切り方が多彩なこと。
確かに、なかなか5割に到達出来ません。3位中日との差をギリギリまで詰めては後退の繰り返しです。
届きそうで届かないその場所が、じれったくて、歯がゆくて、苛々悶々することもあります。
レギュラーシーズンを終えた時、果たしてカープがどういう成績を残しているのか、楽しみで楽しみで仕方ありませんし、不安で不安でたまらなくもあります。
ただ、黒田様。あなたがカープに帰ってきた、その時。
きっと、あなたは、驚かれるはずです。
生き生きとして、若さに溢れ、諦めず戦い、勝つことを覚えたカープに。
私は、あなたが帰ってくることを信じ、そのことを支持するファンの一人です。
わかっています。戦力として、あなたが帰ってくるのを待ち望んでいるのではないのです。
経験、プライド、努力、そしてカープへの愛情。
あなたが若いチームに与える影響を、私は待ち望んでいるのです。
意地悪な言い方ですが、私はあなたが浦島太郎になることを密かに楽しみにしているのです。
そして、昨夜の勝利に、その楽しみが現実のものになることを確信した次第です。
拝啓、黒田様。
カープは、あなたが思っている以上に、強くなっています。
posted by koita |16:25 |
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2008年08月26日
残り37試合。
新聞の記事で、この数字を目にした瞬間、ちょっと驚いた。
もう、それだけしか残ってないのか…という思い。
もちろん、残り僅かな試合を1つでも多く勝って、どうかAクラス入りを果たして欲しい!という思いが一番なのだけど、ちょっとした寂しさを感じたりもする。
喜んだり、笑ったり、怒ったり嘆いたり…そういうカープを見る楽しみも、あと37試合なのかぁという寂しさ。
いやいや!クライマックスシリーズに挑んで、1試合でも多くカープの戦いが見られることを信じている。
マーティーがチームのことを家族と呼び、母の棺の中に全選手の名を書いたウィニングボールを入れた。
最愛の母とのお別れに、指揮官が日本から持っていたものは、監督としての誇りと、チームに対する愛情。
情に流されるからお前はダメだと言われても、マーティーのカープ愛を知る時、勝たせてあげたいという思いが込み上げる。
たまたま、だと思う。マーティーが居たとしても、阪神には3連敗したんだと思う。
だけども昨日、横浜に競り勝ったのは、マーティーがそこにいたからと思ってあげたい。
マエケンのヒーローインタビュー。
いつものように照れを隠せず、でも、言いたいことはきちんと表現しようとするマエケンの清々しさが、この胸を熱くする。
二十歳の青年に、四十一歳のオヤジが、心ときめかせている。
もしかしたら、チームメイトも似たような思いなんじゃないかと思ったり…。
たとえマウンドで四苦八苦することがあっても、何かマエケンには心ときめいて、勝てる気持ちとか勝たせてやりたい気持ちが湧いてくるのかな、と想像したりする。
試合もしっかり作るし、闘志も度胸も満点。でも、そういうこと以外に、不思議な魅力をマエケンは持っている。ただ若いというだけではなく、野球って楽しい!というメッセージをマエケンは見る者に発している。
残り37試合。
どう戦おうか?カープ。
がむしゃらに、必死に、歯を食いしばって、目には涙さえ浮かべて、命がけで戦おうか?
いや…
マエケンでいいんじゃない?
試合に出られることが楽しい。野球が出来ることが楽しい。プロの1軍の試合を戦えることが楽しい。
嬉しかったり、悔しかったり、それが楽しい。
今、Aクラス入りが夢じゃない位置で戦える…それが楽しい!
嫌でも応援する側は息を飲んで、瞬きすら忘れて熱くなるのだから、せめてプレイする選手の皆さんには、楽しく!激しく!今を戦って欲しいなと思う。
マーティーが以前、選手にこう言ったよね。
「プレイボールというのは、ボールと遊ぶってことだ」
負けられない戦いが続きます。
プレッシャーのかかる試合が続きます。
自身のプライド、ファンの願い、全てを背負って戦う日々が続きます。
だからこそ、選手の皆さんには、楽しんでもらいたい。
マエケンの清々しいエネルギーは、そのためにあるのだから…。
posted by koita |15:46 |
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2008年08月22日
日付もとっくに変わった時刻。
帰宅したら娘がまだ起きている。
寝っ転がって漫画なんぞ読んでいる。
勉強しろと言ったことはないが、早く寝ろとはよく言う。
どっぷり夏休みモードの娘に、
「まだ寝んのんか」
と言ったら
「寝れんのんじゃもん」
と、まるで何かの被害者のように答える。
それは君がたっぷり昼寝するからだろ!と言いたいところをぐっと我慢して、
「直ぐ寝れる方法を教えてやろう」
と娘の気を引く。
「ええか、数えたらええんじゃ。羊じゃないでぇ!大竹が一人、大竹が二人、大竹が三人って数えるんじゃ」
娘は鼻で笑って
「負けたん?」
と聞いてきた。全くウケなかったことが悔しくて
「フォアボールが一つ、フォアボールが二つ、でも直ぐ寝れるでぇ」
と言ったものの、完全なる墓穴。
「ダメだったん?」
と、冷静に聞き返されてしまう始末。
バカ話にのってきてくれなかったのが面白くなくて、着替えながら俺は
「夏休みの宿題は大丈夫なんかぁ?」
と聞いてみる。明らかに八つ当たり。
「やったと言えばやっとるし、やってないと言えばやっとらん」
煮えきらない娘の返事。
「どっちなんじゃ!やったんか、やってないんかハッキリしんさいや。ええんか悪いんかハッキリせん大竹か、お前は」
と突っ込んだら、娘と嫁の笑い声が聞こえてきた。
う〜ん、シーボルの打点みたいだなあ、意外なところでウケやがる。
風呂を済ませ、まだ漫画を読んでる娘に話しかける。
「自由研究みたいな宿題はあるんか?今は」
「いや、そういうのはないよ」
「ほっかあ…まあ、ええけ、やってみぃや、自由研究を」
「何を研究するん?」
「大竹!」
「どう研究するんよ?」
「えかったり、悪かったり、ダメじゃ思ったら粘ってみたり、朝顔の観察よりよっぽど面白いで」
クスっと娘は笑ったが、多分それは読んでる漫画に笑ったのだと思う。
見るからにアップアップで、今にもマウンドから引きづり下ろされそうな大竹に向かって、“打たれろ”なんて思うわけがないのだ。
毎度のフォアボール連発を目の当たりにして、何しょんやぁと悲しくはなっても、とっとと変われと怒鳴ることはないのだ。
怒ることも、嘆くことも、どうせ気持ちが凹んだり落ち込むなら、自虐的にでも笑ったほうがいいや!と思うから、大竹に裏切られた日には、馬鹿話にするのだ。
大竹とはそういうピッチャーだから、と言い聞かせて。ベテランと呼ばれるようになってからも、解説者に“いいボール投げるし、持ってるんですけどねえ”なんて言われている大竹も、愉快と言えば愉快じゃないか。大竹という夢を、カープファンはずっと見ていくのである。
いつか、きっと…と、夢見ていくのである。もちろん、俺も、その一人。
いつだって、大竹がマウンドに上がれば、頼むぞ今日は!勝てよ!頑張れよ!と祈りにも似た応援を送っているのだ。
自慢じゃないけど、子供の頃、夏休みの宿題をまともにやった記憶がない。
いつも8月30日や31日に、ヒーヒー言いながらやっていた気がする。
夏休みは、とことん遊ぶものだった。海、プール、三角野球に夏祭り。
気がつけば後半戦が始まってからのカープは、まさに夏休みを楽しむかのような快進撃だった。
ところが、
「おいおい、宿題やらんといけんやろ?」
と、宿題が山のように貯まっていることを教えてくれたのが、今回の阪神だったのである。
夏休みが終わり2学期が始まるまでに、カープは宿題を片付けなくてはいけない。
5割という宿題を頑張ってやって欲しい。そして、2学期が始まってからでいいから、Aクラス入りという最大の宿題をやり遂げて欲しい。
ブラウン監督のベース投げからカープファンになった我が娘。
リプジー退場という笑うしかない珍事を教えてやろうと思ったら、コテンと寝ていた。
辛い辛い、きついきつい、3連敗…こちとら寝つきの悪い夜になりそうなのに、娘にはまだ無縁のようだ。
posted by koita |09:00 |
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2008年08月19日
まずはブラウン監督の実母、ジェラルディーンさんのご冥福を心よりお祈りしたい。
映画が好き。特に洋画が好き。
よく見るシーンで
「お前は自慢の息子だよ」
という親子の会話のシーンがある。
そして、大抵その次に続く言葉は
「愛しているよ」
だ。
どんなに我が子を溺愛していても、日本人にはなかなか口に出来ない言葉。子供が小さい時ならまだしも、成人した我が子を目の前にして、自慢の息子(娘)だとは言えないし、ましてや愛しているなんて、あまりに照れくさくて言えない。
だけど、ジェラルディーンさんの気持ちはきっと、映画のワンシーンのように、息子・マーティーを自慢に思い、全ての親がそうであるように我が子を心から愛していたと思う。
すぐに帰国せず、公にすることなく、いつものように指揮を執り、試合を戦ったブラウン監督を、母として当たり前のように許し、そしてそれも自慢に思っていたに違いない。
自分も親となって、そういう気持ちも解るようになったから、ブラウン監督も直ぐに帰国しなかったのだと思う。
チームを、試合を、投げ出し帰国したとしても、批難されることではない。だけども、直ぐに駆けつけないことが親不孝だとしても、目の前の仕事だけは全うしたいという我が子の責任感や決断を、親は目を細めて喜ぶのだと思う。たとえ、その時もう、息絶えていたとしても…。
最後のお別れを告げに、ブラウン監督は足早に帰国した。
悲しみを胸にしまい込み、試合に臨んだ指揮官の思いを、きっとカープの全選手が理解していると信じたい。
先発・宮崎が、試合を作れなかった。見ている方も、歯がゆく、悔しい早々のノックアウト、降板。
解説の佐々岡が言っていた。フォームに問題がある、でもそれはメンタル面の弱さがフォームを崩させている、と。
阪神を怖がっている、と。
もしもその通りなら、どんなに先発不足のカープでも、宮崎の居場所はないんじゃないかと思う。ブラウン監督が帰国するのを待つのかどうかは解らないけど、二軍落ちしても文句は言えない。
いや、まだ文句を言えるくらいであって欲しい。二軍落ちを言い渡されて、内心ホッとした、ゆっくり調整したいなんて思われたら、夢も希望もないから。
まるで何かの魔法にかけられたように、諦めず打線を繋ぐ野手陣の意地と心意気に、早く宮崎も染まって欲しいと願う。
厳しいことを言うけどと前置きして、佐々岡がストライクの入らない宮崎について、こう話した。
「いくら二年目とは言え、年齢が年齢ですからね(しっかりして欲しい)」
と。
月曜から新しい職場に勤め始めた私には、この佐々岡の叱咤が耳に痛い。年齢が年齢だから、と言われる宮崎も気の毒だとさえ思う。
どんなにキャリアがあろうと、歳を重ねていようと、だからと言って新しい環境で直ぐに力を発揮出来るものではないし、やって当たり前と思われても、正直辛い時もある。
だけども、その期待や叱咤に応えない限り、先には進めない。あなたならやれると思われていることを、その通りやってみせなければ、周囲から認められない。そして、それ以上のことをやってみせなければ、評価はされない。
ただの新戦力ではいられない宮崎に、今の自分を重ね見してしまうから、宮崎が這い上がってくることに期待する。
マーティーチルドレンという言葉を借りるなら、今季限りかもしれないブラウン監督に、早く親孝行して欲しいと願う。
年齢のことだけで言えば、ただでさえ他のルーキーより野球人生が短いのだから、1日1日、1試合1試合、いや1球1球を無駄にすることなく頑張って欲しいと願う。こんな素人ファンに言われなくても、宮崎本人はその気持ちでいると思うけど…。
孝行したい時に親はなし、昔から言われる言葉が、やけに頭を駆け巡った夜。
posted by 王城鯉太 |22:00 |
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2008年08月16日
8月13日の中国新聞。
市民球場ファンという歴史小説家・宮城谷昌光氏のコラム記事。
名古屋から新幹線でわざわざ観戦に訪れるほどの中日ファンの同氏がカープについて、こう語っている。
『広島野球は好き。竜と鯉は同類だと思っていますから。順位は関係ないんですよ。今日のこの試合、二度とないじゃないですか。その試合を全力でやるっていうのは、当たり前のようで意外とできない。ベテランが多いとすぐ試合を投げちゃう。広島は順位が下でも一試合、一試合真剣にやってきた。勝敗、点数関係なくね。
いいチームだなと思って、中日に見習えって言ったこともあるんです。』
中日ファンの同氏から、こんな素敵なコラムを寄せて頂いておきながら誠に恐縮なのだが、大逆転劇あり大竹の快投ありで中日に勝ち越したカープ。
昨夜も巨人との初戦を勝ち取って、ついに3位中日と1ゲーム差まで追い上げてきた。
毎試合毎試合、胸が熱くなるカープの戦いに、言葉を失うほどの驚きと感動を感じている。
お盆休み返上!
働くぞ、稼ぐぞ!
休みなんて、ない!
そう、決めた今年の盆。
そうせざるを得ない、今年の盆。
幸い、バイト先の会社はお盆も営業。
さらには、知人からイベントの手伝いも依頼され、休みなく仕事することが出来た。
もちろん、今日も。そして、明日も。
渋滞知らずのガラガラの国道。
他県ナンバーの車。
コンビニから出てくる海水浴帰りの家族。
そういう光景に出くわすと、さすがに今が盆休み期間だと思い知らされ、少々胸が痛くなったりは、する。
面と向かって言えない情けない父は、娘にメールで詫びる。
どこにも遊びに連れて行ってやれんで、ごめんな…と。
「20日までにやらんといけん宿題があるけんね、ええよ」
気を利かせたつもりなどないであろう娘の返事に、駄目な父は救われる。
どこにも行かなくても、休みはなくても、どうしてもこれだけはしたい!と心に決めていたことがあった。
早く帰宅し、カープの試合を見ながら、ビールを飲むこと。
毎晩深夜に帰宅する自分にとって、一緒に晩御飯を食べ、他愛もない会話をし、一緒に時間を過ごすことが、今出来る唯一の家族サービス。
いやいや、家族サービスなんてのは都合のいい建前。
ただ自分が、カープの試合を見ながらビールを飲みたいだけ。
まったくもってダメ親父。
世間は盆休みの今週。
唯一バイトを早上がり出来るのは、14日の夜。
先発、大竹。
うわぁ…こりゃ苦いビールになるなぁと覚悟を決めたら、これがとんでもない快投。
マウンドで大竹が、笑っている。
カープナインにも、中日ナインからも叱られるんじゃないかと思うほど、大竹が笑っている。
何だ?この余裕は。どうした?大竹。
快投が続き、酔いもまわり始め、何だか解らない楽しさに身も心も高揚する。
「おい、大竹が笑いよぉらぁ」
そう言う度に、娘も
「どうしたんかね」
と驚く。
挙句には、二人して
「打たれろ!大竹らしく打たれろ!」
と言い、ゲラゲラ笑う。
「これは大竹じゃない。中にルイスが入っとるんじゃ」
と言い、馬鹿笑いをする。
口下手な大竹と、ウケ狙いの赤松。
二人のヒーローインタビューが、面白く楽しく、そして心強く、気持ちいい。
久しぶりのアルコール。
久しぶりの団欒。
カープの激勝。
もともとお酒は強くない体質。
そして、疲労…。
全てがグルグルと回って、眠りへと引き込まれる。
ヒーローインタビューを見終わり、チャンネルを変えようとした辺りから、心地よい眠りに引き込まれた。
畳が、顔に、心地よく…。
夢を、見た。
小学生だった。
体育館ではなく、講堂と呼んでいた、あの頃。
夢の中で、小学生になっていた俺は、その講堂で劇をしていた。
ボロの着物を着て、武士を演じていた。
地蔵が、舞台中央に、あった。
地蔵の顔が、赤松だった。
夢の中の俺は、ひどく緊張していて、客席には娘や嫁の姿も見えた。
ぎこちなく歩き、地蔵の前へ進む。
赤松の顔の地蔵が、話しかけてくる。
「お前の落としたカープは、これか?」
どうやら夢の中の劇で、俺は、カープをどこかに落として無くしたらしい。
赤松顔の地蔵が、武士の俺に見せたのは、オリンピックの代表チームがカープのユニフォームを着ている姿だった。
ダルビッシュが!上原が!カープのユニフォームを着ている。
「いえいえ、お地蔵様、違います。私の落としたカープは、こんな立派なカープではございません」
俺は、赤松顔の地蔵の前で伏し、そう答えた。
そして
「エースが旅立ち、四番が抜け、お金もない、スターもいない、地味な地方球団です」
と付け加えた。
すると赤松顔の地蔵が
「お前は正直者だ。褒美に、このカープをお前にやろう」
そう言って、もの凄い憩いで舞台上を走り始めた。
赤松顔の地蔵が、舞台上を走り始めた。
それを合図にして、どんどんカープの選手が集まってきた。
走る、走る、走る、みんなで走る。
小学生の俺も、その輪の中で、走る走る。
どこからか、声が聞こえてきた。
「こうして、正直者の王城鯉太は、絶対に諦めない心と、粘り強く戦う気持ちを、手に入れることが出来ました。めでたし、めでたし…」
目が覚めた時には、布団の上。
翌朝、娘と嫁が笑いながら教えてくれた。
笑いながら寝ていたこと。
寝言で、
「お地蔵様」
と言っていたこと。
今年のお盆は、休みはなくても、とても楽しい。
今日も、ノリノリのアゲアゲで、仕事に行ってきます。
posted by koita |08:13 |
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2008年08月13日
夕方。
アルバイト。
現場へ向かう車の中で、ラジオを聞く。
運転するのはオッサン。
たまに顔を合わせるオッサン。
41になった俺が、オッサンと思うのだから、世間的にはジイさんかもしれない。
試合開始に合わせて、オッサンがラジオを入れた。
カープファンなのかなあと、ちょっと親近感を覚えた。
話しかけようかと思うが、いかにも気難しそうな顔をしてるし、滅多に顔を合わさない人だから、お互い何も話さない。
先発、マエケン。
ストライクが入らない。
いつもと違う、マエケン。
山本昌投手まで歩かせてしまう不調ぶり。
オッサンがふいに、言う。
「つまらんのぉ」
吐き捨てるようでもあり、嘆くようでもあり、とにかく冷めた口調で
「つまらんのぉ」
とオッサンは言った。
俺は慌てて、まあまだ若いし、未来のエースだしと返したが、オッサンはまた黙ってしまった。
五回はおろか三回ももたずにマエケン降板。
オッサンはまた
「ホンマにつまらんのぉ、この前田いうのは」
と言った。
今度は明らかに俺に向かって、言った。
ただ今度は俺が、何も言えなかった。
力なく、今日は駄目でしたねと返すのが精一杯だった。
解説の佐々岡が言っていた。
フォームがバラバラ。そしてそれを解っていながら、マウンドで修正できない。
今朝、新聞を読んだら、マエケン自身も同じことを言っていた。
まだ若い…修正できないことを責める気になれないし、悪いなりに何とかして欲しいと望むのも酷な気がする。
こういう日もある、仕方ないなあという思い。
そう思うと、仕方ない尽くしの敗戦。
岸本、上野、梅津、シュルツの中継ぎ陣は、きっちり仕事。
赤松、東出、小窪はノーヒットで1点をもぎとる、いやらしい攻撃。
栗原の同点ホームランは、文句なしの四番の仕事。
これで負けたのだから、仕方ない。素直に山本昌投手を尊敬する方が潔いと思う。山本昌投手のピッチングを目の当たりにして、マエケンが何を感じたか?に期待する方が、夢が広がると思う。
唯一、仕方ないに“?”をつけるとするなら、9回は横山か?永川か?ということ。
絶対、中国新聞の木村記者は、そこを書くだろうなと思ったし、そこしか書けないだろうと予想してたら、案の定“球炎”でそれをやかましく突いていた。
横山を擁護したい気持ちは解るし、ありがたい。ただ、それなら素直に、“横山が心配”“肩は大丈夫なのか”“無理はして欲しくない”で、いいじゃないかと思う。
延長を見据えた横山の起用は、そこまで悪い采配に思えないのは、俺が素人ファンだから?
深夜。
バイト終わり。
事務所でタイムカードを通していたら、あのオッサンが入ってきた。
俺がタイムカードを通し終えると、オッサンも続いた。
「負けましたね」
俺はオッサンの背中に話しかけた。
きっと、また、あの言葉を口にするんだろうなと、おかしな期待を持って話しかけた。
オッサンはタイムカードをケースに戻しながら
「横山が打たれたんじゃけ、仕方ないわあ」
と、こっちも見ずに言った。
何だよオッサン!あんた、立派なバリバリのカープファンじゃねえか!よく解ってるじゃねえか!
俺は嬉しくなり、思わず必要以上に大きな声で
「お疲れ様でした」
とオッサンが事務所から出ていくのを見送った。
オッサンがマエケンに対して言った
「つまらんのぉ」
の言葉。
それは、単に嘆いたり呆れた意味ではないことに、気付いた。
きっとオッサンは、しっかりせぇよ!何しよるんならぁ!という叱咤激励の思いを込めて、口にしたんだ、と。
思えば俺も、よく母から言われたものだ。
勉強が出来なかったり、会社を変わったり、独立して仕事がないことを話した時、口癖のように言われたものだ。
「ほんま、あんたは、つまらんねぇ」
と…。
ただ怒ったり、ただ嘆いてる時に、この言葉は使わないということを、改めて知った敗戦の夜だった。
posted by koita |12:40 |
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2008年08月10日
鳴り物による応援の善し悪しや好き嫌いは、ひとまず置いといて、天谷と赤松のオリジナル応援歌が出来たことを素直に喜びたい。
勝負の8月。
天谷、赤松、二人がここまで頑張ってきたからこそのこと。そしてファンの二人を後押しする気持ちの表れだと思う。
早く実際に聞いてみたいなあと思う。
応援歌の詞に浮き上がる選手への愛が、好き。
よく考えてるなあと感心もするし、共感を覚えたりもする。
やれ打てそれ打ての一辺倒ではなく、頑張れ!頑張れ!と励ますようなメッセージ。
若い選手への詞には、特にその思いが色濃く出ていて、好き。
天谷の応援歌。
♪
ここで男上げろ
打つぞ
バット響かせて
明日のカープ担うは
天谷宗一郎
♪
足とか走るということに触れていないのは意外だったけど、きっちり未来を担うと歌うあたりに、天谷へ寄せるファンの期待とか思いを表していると思う。
天谷の応援歌が出来たと聞いた時、
♪走れ走れ天谷、勝利を目指し走れ…♪
と、聞き覚えのあるあれだったらどうしようと思っていたので(笑)安心した。
冗談だよ、梵。早く帰ってきてくれ…。
赤松の応援歌。
♪
今だ
魅せろ
君の果敢な姿を
赤い星を捉え
そこで君が輝け
♪
ええ~?!赤い星ですか(笑)
ちょっとこれは駄洒落も入れてますか?もしかして。
遠回しに、赤星選手に追い付け追い越せ!というメッセージを多分に含んでますよね?
そうでないにしても、そう受け取られても構わないという意図は間違いないと思います。
いいですねぇ、こういう“狙い”は好きです。
そこで君が輝け、なんて素敵な言葉じゃないですか。遠慮なくカープでチャンスを掴んで、どんどん昇っていったらいい、という親心を感じます。
応援歌が出来たことについて赤松のコメント。
「打席では集中してあまり聞こえないけど、ありがたいことです」
うん、うん、それでいいです。
ファンの声援や雰囲気に鳥肌を立てるのは、緒方くらいのベテランになってからで充分。
そういう、ある意味冷静なものより、今はガムシャラに打つことに集中してくれたら、それでオッケーです。
天谷、赤松と仲のいい小窪も
「僕も格好いいのを作ってもらえないですかね。そのためには成績を残して認めてもらわないと」
と語ってますが、直ぐですよ、小窪の応援歌が出来るのは。今のまま、必死にそして伸び伸びと野球をしていたら、直ぐ完成しますとも!
僕はキダゴーが大好きなんですが、そういうのを抜きにしても、キダゴーの応援歌は大好きです。もしかしたらカープの全選手の応援歌の中で一番好きかもしれません。
あの、どこまで早くなるんじゃ!と思ってしまう“タテ乗り”のテンポも、異質な感じがして好きです。
何より、歌詞です!歌詞!
♪
輝く大地で
汗水流せば
必ず芽が出る
喜田剛
チャンスで火を吹く
お前のバットで
勝利を掴むぞ
いざ行け
♪
後半部分は、まあよくある歌詞ですが、何が素晴らしいって最初の歌詞ですね。
グラウンドではなく、輝く大地!
頑張ればではなく、汗水流せば!
お前がヒーローではなく、必ず芽が出る!
この泥臭い言い回しが、たまらなく好きです。
応援歌というより、何やら諭しているようでもあり、極端な言い方をすれば慰めているようにも思えます。
これはもう、ホント、選手の成長を願い見守る親心以外の何物でもないですね。
自分も41歳になってしまいました。
今さら何か芽が出るとは思えないですが(笑)何かしらの目を出そう!花を咲かそう!と思う次第です。
カープが、勝負の8月を迎えているように、僕もまた勝負の8月です。
アルバイトも続けますが、盆明けから新しい職場で仕事をすることになりました。頑張ります。
posted by koita |19:59 |
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2008年08月08日
中国新聞より…
『ベンチ裏で4連勝を見届けた瞬間、横山は感慨深げにこう言った。
「来たぞ、これは」』
今季初の同一カード3連勝をしただけ。たったそれだけのこと。
他のチームからすれば、そんなことで喜んでるの?だと思う。
だけども、ここに辿り着くまでのプロセスが、僕らカープファンの心を熱くする。
ただの3タテではない、チームの成長を実感出来る喜びが、たまらなく愛しい。
横山が口にした言葉は、ただの喜びではなく、自惚れでもなく、ようやくチームが“戦える集団”になったことへの実感。
横山がそう実感したように、選手が自信を持ち始めたことが、素直に嬉しい。
試合終了後。
テレビカメラはスタンドのあちこちを探り、応援に疲れ、敗戦に落胆する阪神ファンの子供達を映す。
夏休み。楽しみにしていた阪神の試合。楽しみにしていた阪神の勝利。
今日は勝つって言ったじゃないか、傍らの父親にそう言いたげに口を尖らす少年。
優勝は間違いないんだから、そう落ち込むなよと、慰めているかのような父親の力ない笑み。
その光景は、正直、胸に痛いけど、思うようにいかないのがスポーツであり勝負であることを、どうか解って欲しい。
負けても尚、余裕があるのだから、来るべき栄光の日のために、悔しさを夏休みの宿題の絵日記に書いて欲しい。
子供達が、その素直な感性でプロ野球を観ているというのに、大人達は余計な調味料を加えたがる。
今日のデイリースポーツ(広島版)が、そう。
どこに3連勝したかでなく、チームの成長を素直に喜びたい。
諦めず、粘り、繋ぐ。そして守る。勝ちたい気持ちが途切れることなく、チャンスを窺い、訪れた好機を逃さない選手達を、素直に誇りに思いたい。
相手は関係ない。
自分に出来ること、自分達の野球を、必死にやろうとする選手達を心から愛したい。
きっと、また、歯車が狂う時が来る。
まだまだ発展途上。まだまだ成長途中。
やっぱりダメかと頭を垂れる時が来る。
だけども、これからは、例え失意と自信喪失に頭を垂れても、
「おい、わしらはやれるんじゃ」
と言える選手が必ずいる。
それが、横山の言葉であり、同一カード3連勝で得た自信。
みんなで勝つという、カープらしいスタイル。
ようやくスタートラインに立った…そう思えた昨夜の勝利。
でも、また泣かされる夜が来るんだろうなあとも覚悟している。
随分悲観的なのねと叱られても、まだ信用出来ないのねと怒られても、カープを長年愛してきたからこその揺らぎを、どうか許して下さい。
ただ、カープが好き。それだけは、揺らぐことのない事実。
自分達で強くなろうとするチームを目の当たり出来る喜びも事実。
横山の言葉が、この体を流れる血をより一層赤くする。
熱く、激しく、赤くする。
posted by koita |11:10 |
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2008年08月06日
朝。
普段にはない渋滞。
仕事の現場へ向かう車の中。
運転する青年が言う。
嘆くように、怒るように、吐き捨てるように…。
「せんでええんじゃないん、もう」
私は少し驚き、そして黙っていられず、つい口を挟む。
「いやいや、大事なことじゃけぇ」
今日、8月6日。
原爆の日。
平和公園で、平和祈念式典。
あの日から63回目の、夏。
今改めて、広島市民球場が、いい場所に作られたなあと思う。
目の前に平和公園。
球場から原爆ドームが見える。
3塁側内野席。その最上段に喫煙コーナーがある。
煙が風に流され、席に向かってしまうことも多々あって、煙草を吸わない人には本当に申し訳ない思いがする。
球場の外に向かって煙を吐こうとすると、そこには原爆ドームがあって、平和の尊さをふいに感じたりする。
「どうなっとるんならぁ、ホンマに」
「大したもんじゃのぉ」
「駄目じゃ、ありゃあ」
時に怒り、時に嘆き、時に喜び、広島弁が飛び交う。
スタンドにはたくさんのカープファンがいて、グラウンドには白と赤のユニフォームが眩しい。
市民球場でカープの試合を観て、向かいには原爆ドームと平和公園があって、強烈に今自分が広島に居ることを感じる場所。
たまらなく、地元意識が強くなる場所。
他県から応援に来たカープファンや、相手チームのファンの方々は、どうなんだろう。
野球を観に来たついでに、平和公園へ足を運んだりするのだろうか。
原爆ドームだけでなく、資料館も見て帰ってくれるのだろうか。
戦争を知らない私達。
ぜひ、一度は足を運んで欲しいなと願う。
昨夜、阪神戦の初戦に快勝。
マエケンの好投。
勝って嬉しいという喜びはもちろんだけど、それ以上の喜びを感じるのは、マエケンの可能性や未来。
中国新聞の写真に、心を奪われる。
握りしめた右手の拳。眉間の、しわ。吠えて、開いた口。
まだ細く思えるその腕だけど、逞しい力がみなぎっている。
素晴らしい写真。
原爆で焦土と化し、草も木も生えないと言われた広島。そこから逞しく、力強く、復興を果たした広島。
過去があって、今があって、未来がある。
マエケンが今カープに居るという事実に、私の胸は高鳴る。
早く3年後、5年後のマエケンを見たいと、胸がときめく。
未来を夢見ながら今を過ごせるという、この上ない幸せが、昨夜の阪神戦にあった。
私たちは幸せ。
平和で幸せ。
カープを応援できる。
プロ野球を楽しめる。
喜んだり、傷ついたり、泣いたり笑ったり、幸せ。
8月6日の朝。
マエケンがくれた勝利の余韻に、つくづく幸せを感じる。
平和が、一番。
posted by koita |13:10 |
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