2008年05月31日

土曜の午後、カープは負けた。

午後イチ。
仕事が落ち着いた。
悪い虫が騒ぐ。
自営業の特権。
プレイボールに間に合う!
大急ぎで一旦自宅に帰る。
楽天戦を見るために。

ふいの帰宅に驚く嫁と娘。
「カープ、カープ」
とチャンネルを持とうとして叱られる。
手を洗えと叱られるダメオヤジ。
「今日は高橋建、勝つでぇ」
独り言も勇ましく、テレビの前に鎮座。

宮城は雨。
失点の雨。
「ダメじゃん」
容赦ない娘の一言が背中に聞こえる。
「馬鹿言うなぁ、カープはここから逆転するけぇ面白いんじゃ」
まだ、この時点では、本気でそう思っていた。

打てないかなぁ、これが。
素人の目には、岩隈の何が凄いのか、ピンと来ない。
あ、と思う。
きっと、他球団のファンも建さんのことをそう見ているのかな、と。
打ちそうな気配も、何かやらかしてくれそうな雰囲気も、まったく感じられない今日のカープ。

追加点。
エラーと言えばエラーだけど、打球の当りも、転がったコースも、ランナーと交錯して見えたとすれば、仕方ないエラー。
キダゴーを責めるのは、酷な気がする。
そりゃぁ、抜けたら今日は終りと解っているんだから、グラブに当てるなり、体で止めるなりしてくれよとは思ったけど…。

会話は、既に、ない。
馬鹿オヤジの様子に、2人、無言。
「宿題は?」
「済んどるよ」
「おい、晩ご飯の支度は?」
「昨日のカレー」
娘も嫁も、用事がない土曜の午後。
そんな時にテレビを占拠し、空気を重くし、会話を奪う馬鹿オヤジ。

「チャンネル、変えてええよ」
気を利かしたつもりでもあるし、見るのが耐えられなかったのも本音。
犠牲フライと、選手会長のホームランを見て、リモコンを娘に渡し、立ち上がる。
「逆転は?今日はせんのん?」
嫌味でも皮肉でもない娘の問い掛けが、背中に痛い。
「いや、よく見たら、これ…去年の再放送じゃわ。確か負けた試合よ、うん。再放送、再放送!帰ってきて損したわぁ」
精一杯、おどけて見せたつもり。
渾身のギャグを飛ばしたつもり。
さぁ、お前ら!“んなアホな”とツッコんで来い!
「へぇ、そうなんじゃ」
「去年のじゃけ、まだ弱いんじゃ」
返す言葉もないボケ殺し…ある意味、見事。



ゆらりと、でも確かに灯ったカープの炎。
その炎を覆い隠すかのような、東北の雨。
何より、見ていて怖いのは、その雨さえも操っているかのような、野村監督の笑み。
何度もカメラが捕える、いやらしい笑み。

仲間由紀恵の代表作は何?
現在放送中の『ごくせん』?
いや、僕の中では圧倒的に『トリック』。
作品の面白さも、仲間由紀恵のハマリ役ぶりも、絶対『トリック』。

「お前らの考えてることは、サクっとマルっとお見通しだい!!」

そのセリフが、野村監督の笑みに、重なる。
立ち上がりに失敗した投手が何を考えるか。
どう攻めたくて、どうしたいか。
思うように打てぬ打者達が何を狙って、何を待っているか。
そして、焦りばかりが募る敵を、どう追い込めばいいか、も。

ここまでの仕事ぶりを思えば、建さんの乱調を誰も責めることは出来まい。
それだけ、建さんを信頼していたということ。
それだけ、建さんの乱調がショックだったということ。
誰1人として、
「ドンと来い、超常現象!」
と大きく構えることが出来なかった敗戦。

posted by koita |21:38 | 広島東洋カープ | コメント(1) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加