2008年03月08日

日本一母性本能をくすぐる男!広島・尾形佳紀

母の体内に命が芽生えた時、人はまず女性としてその姿を成すと聞いたことがある。
そこから男に成長するものは男になり、女となるものは女になるのだと。
だから、少なからず男の中には、女としての部分が潜在的に残っているとも聞いた。
ならば、男にも“母性本能”なるものが、潜在的にあったとしても、何ら不思議ではないと思うのだ。
父性ではなく、母性。

カープの尾形佳紀を見る時、それを痛く感じさせられる。
心配で心配で仕方ない。
何とかしてあげたくて仕方ない。
手に余るような幸運など要らないから、ささやかでも堅実な幸せを、彼にもたらせてあげたい…。

プロ野球選手として、言葉は悪いけど同情にも似た気持ちをファンに抱かせることが、いいことなのか悪いことなのかは、人それぞれの判断に委ねたい。
ただ、私は、尾形佳紀というプロ野球選手を、ファン目線ではなく、あたかも親族のような気持ちで見てしまうし、応援してしまう。

1978年8月5日生まれ。
神奈川県出身。
日大藤沢高校では、2年生の時に夏の甲子園でベスト16。
日大では主将、3年生の時にベストナイン獲得。
しかし右膝前十字靭帯を断裂。
ホンダ、新日鐵君津、日本通運と社会人を経て、2003年ドラフト4巡目でカープ入り。
2005年、レギュラーになるも再び右膝前十字靭帯を断裂。
翌2006年には、右膝大腿骨滑車面軟骨損傷で、1年を棒に振る。
昨年は、足への負担を減らすために外野手に転向。

誰もが、頑張ってくれ!と願う一方で、もうダメかな…とも思い始めていた。
極端な話、怪我さえしなければそれでいい。そんな風にさえ思い始めていた。
尾形佳紀を見る度、無意識に手を合わせてしまう。
打席に立っても、守備に入っても、どうか…どうか、もう怪我だけはしませんように、と。

2007年の夏。
広島特有の蒸し暑さの中、祈りは歓喜に変わり、汗が涙になった夜。
対巨人戦。
尾形佳紀の代打サヨナラホームラン。
低迷するチームに虚しさを覚えるファンが、報われた夜。
涙ながらに語るヒーローインタビュー。
尾形佳紀の言葉に、黙って頷くしかなかった。
“本当に、良かった”と…。

外野へ転向するも、登録は本来の内野手。
空いたサードのポジションへ白羽の矢が立つのも、決して無茶苦茶なことではない。
でも、でも…尾形佳紀、サードへの知らせを聞いた時、私の知人友人は一様に
「ええよ、そがぁなことさせんでも」
「なんでサードなんかやらせるんよぉ、もぉ」
「また怪我したらどうするんねぇ」
と、怒りにも似た言葉を口にした。
それは、優しい母のようであり、面倒見のいい姉のようであり、おませな妹のようでもあった。

オリックスの清原が復活に向けて頑張っている。
その姿を見て思うのは、頑張れよ!であり、待っとるで!である。
しかし、グランドで普通にプレーしてるにも関わらず、尾形佳紀を見て思うのは、無理するなよ!であり、気をつけんさいよ!である。
無事これ名馬、がプロのアスリートに求められる最低限の資格なら、間違いなく尾形佳紀は失格だろう。
その野球センスは天才と呼ばれつつも、これだけ故障すれば、運だけのせいにも出来ないだろう。
それでも私は、尾形佳紀に今年も手を合わせる。
ただ今までと違うのは、祈りではなく、願い。

'捕ってくれ!ヨシノリ
打ってくれ!ヨシノリ
走ってくれ!ヨシノリ'

あなたの笑顔が見たい。
もう涙の笑顔はいらない。
満面の笑みでスタンドに手を振る、あなたの爽やかな笑顔が見たい。


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posted by koita |14:57 | 広島東洋カープ | コメント(6) | トラックバック(0)
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