2008年06月27日
スペインvsロシア 「ヒディンクの誤算と判断」
大会 :EURO2008準決勝 開催日:2008年6月26日 スコア:「3-0」 結果 :スペイン勝利 得点者:シャビ グイサ シルバ
○ スペイン代表 「4-2-3-1」 FW:F・トーレス MF:シルバ ビジャ(セスク) イニエスタ MF:シャビ セナ DF:カブデビラ マルチェナ プジョル S・ラモス GK:カシージャス ○ ロシア代表 「4-3-3」 FW:アルシャフィン バヴリュチェンコ サエンコ MF:ズイリヤノフ セマク セムショフ DF:ジルコフ イグナシェヴィッチ べレズツキー アニュコフ GK:アキンフェエフ ロシアの方は、 「4-5-1」ではなく、 「4-3-3」、 アルシャフィンをトップ下ではなく左に置いた、 3トップにしてきました。 この意図は、 スペインのSBを封じよう、 ということだったと思います。 そしてまた、 細かく繋いで、 全体的に押し上げてくるスペインの攻撃を、 いつもより低いゾーンで、 後の7枚の守備ブロックで奪い、 前の3枚に放り込む、 そのようなヒディンクの作戦だったように思います。 そこには、 いつものように、 前から前からプレスを仕掛けると、 個人技が高く、 ショートパスやダイレクトパスが巧みなスペインには、 そのプレスを簡単にすり抜けられてしまう、 というヒディングの計算があったのだと思います。 しかし、 いざ試合が始まってみると、 そこにヒディングの誤算があったように思います。 今大会のスペインは、 あまり中盤で時間をかけず、 簡単に前線へボールを出す攻撃をしており、 ボランチもサイドバックも一斉に攻撃参加してしまう、 そのような戦い方はしておらず、 守備にもかなり強い意識を持って戦っていること、 それは準々決勝のイタリア戦でも顕著でありました。 従って、 前半は、 守備ではまずまず問題なかったものの、 攻撃に関しては、 スペインのDF4枚とセナ、 更にシャビ、 この6枚が、 ロシアの前3枚の選手をシッカリと見ていましたので、 全く攻撃に機能性がありませんでした。 スペインが従来のスペインで、 全体的に攻撃的ならば、 そして、 中盤で時間をかけて繋いでくる攻撃をしてくるならば、 このヒディングの作戦は効果的であったのかもしれませんが、 今大会のスペインには、 あまり効果的ではない作戦であったと思います。 前半のデータとして、 スペインの方が圧倒的に攻めているという印象ながら、 ポゼッション率はロシアの方が高かったという事実が、 それを物語っていると思います。 そして後半、 ヒディングは勝負に出ました。 システムをいつもの「4-5-1」に戻し、 これまでやってきたような、 攻撃的な守備プレスを仕掛ける、 そのような戦い方です。 しかしそれによって、 前述しました、 いつものように、 前から前からプレスを仕掛けると、 個人技が高く、 ショートパスやダイレクトパスが巧みなスペインには、 そのプレスを簡単にすり抜けられてしまう、 ということ、 そのことが現実となってしまいました。 またロシアの選手は、 前半にアグレッシブな戦い方をしてこなかったことで、 後半から急にギアを入れようとしても、 なかなかそのギアがトップに切り替わらなかった、 その為に最後までリズムも取り戻せなかった、 そのようにも感じました。 そうなってくると、 緩い中途半端なプレスをかわせる、 前半よりも守備ゾーンにスペースでき、 そこを活かせるスペインが、 どんどんと得点の匂いを漂わせてきて、 左でボールを受けたイニエスタのシュート気味のクロスに、 シャビが飛び込んで、 先制点を挙げました。 この先制点によって、 スペインが圧倒的に有利になります。 当然ロシアは、 同点に追いつくために、 更に前から前からプレスをかけ、 全体的に攻撃的にならざるを得ないですから、 スペインにとっては、 カウンターからの攻撃が威力を持ってきますよね。 プレスをかわされて、 DFの裏にスルーパスを出される、 ロシアにとっては、 そのようなシーンが増えていきました。 そして結局、 ビジャに代わって途中交代で入っていたセスクから、 F・トーレスに代わって途中交代で入っていたグイサにパスが出て、 それがオフサイドにはならず、 スペインが2点目を追加。 更に、 シルバが3点目のダメ押しを決めて、 スコア「3-0」、 スペインの快勝となりました。 これは個人的な考えでありますが、 ロシアとしては、 前半の戦い方のまま、 後半も戦った方が良かったのではないかと思います。 確かに、 ここまでのアグレッシブなロシアではありませんでしたが、 前半にも、 一発のパスからバヴリュチェンコという形で、 決定的なシーンがありましたので、 内容は悪くても、 我慢のサッカー、 120分引き分けでも良しとするようなサッカー、 それを続けるべきではなかったかと思います。 前半を終えた時点では、 まだスコアレスの同点でもありましたからね。 しかし、 ヒディンクとしては、 若いロシアには、 そのような戦い方を120分することができない、 そう判断していたのかもしれません。 まあ結局、 どうするべきだったか、 ということは、 結果論でしか判断することができないので、 その正解は、 もう永遠に分からないところです。 さて、 これで決勝は、 ドイツ対スペインとなりました。 この決勝の対戦、 優勝するだろうと予想していた人が、 おそらく最も多かったドイツと、 優勝して欲しいと思っていた人が、 おそらく最も多かったスペインということで、 現実と希望の戦いになったかなと思います。 私としては、 どちらが勝っても構わないので、 とにかくスペクタクルな試合になってくれること、 それを期待したいと思います。 しかし、 これでもう30試合見たことになるのですね~。 残るは後1試合だけになってしまいました。 何でもそうですが、 華やかな大会が終わってしまうというのは、 寂しいものです。 日本代表・Jリーグ関連記事は「FCKSA55」へどうぞ。 今選ばれている日本代表メンバーでは試行錯誤しても限界が見えている? 日本人選手に学んで欲しいシュヴァインシュタイガーの2つのゴール。 日本にもきっといるはずパク・チソン的選手。 アイデアは義務と経験と学習と寛容から生まれる。 バーレーン戦 「アイデアの無い人はサッカー選手にはなれない」 基本的なことをまず丁寧にプレーしながらスピードアップ。 ヒディンクサッカーを日本代表にも。 FWを主導的に考えた攻撃の構築を望む。 3次予選3試合選手活躍度ランキング及び総評。 日本人選手に欠けている相手をコントロールする能力。 残念ながら2006年6月12日から日本代表は成長してない。
posted by jube |21:46 |
EURO2008 |
コメント(3) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
(表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kodahima/tb_ping/80
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
スペインvsロシア 「ヒディンクの誤算と判断」
ミヤノフさん、コメントありがとうございます。
やはり応援しているチームというのは、どんな戦い方であれ、勝った方が嬉しいですよね。ドイツとイタリアよりはオランダやスペインに好感を抱くというのは私も同じですが、しかし、それはドイツやイタリアのようなスタイルの国があるから、ということも言えると思いますので、様々なスタイルが楽しめるという意味で、私はドイツやイタリアのサッカーも嫌いではないです。
dumさん、コメントありがとうございます。
心が狭いということは無いと思いますが、他の国に倒してもらって、それで敵を討ったことになるのかは、少し微妙な感じです・・・(苦笑) まあ、それはともかく、この試合の後半のスペイン、ロシアが前から前からいく意識が高まってからは、華麗なパスワークでロシアを圧倒していたと思います。セスクもそうですし、シルバ、イニエスタ、シャビ、セナ、多くの選手が良かったですよね。そしてドイツは、足下が下手だと言われていますが、個人的には、そう言われているだけで、もしかしたらドイツ選手もそう思い込んでいるだけで、それ程下手ではないのではないかと、ずっと思っています。
posted by 管理者jube | 2008-06-28 20:55
スペインvsロシア 「ヒディンクの誤算と判断」
昨日のスペイン素晴らしかったです。16年オランダを応援してきている僕としては、我が母国(もうそのぐらいの気持ちです)を負かしたロシアをスペインに粉砕して欲しいと願っていました。とても気持ちよかったです。心の狭い人間です(苦笑)。
しかし昨日のサッカーを見せられては純粋にスペインを応援したくなります。素晴らしいパスワークでした。美しいパスワークはアートだと僕は思いました。重要無形文化財のように、そんな風に芸術として指定したいぐらいです。
セスクは素晴らしい。彼は本当良い選手ですね。派手さはないんですが、パスを出すタイミングとコースが抜群です。それ以上にスペースを見つけあるいはスペースを作り出し、縦へ走るスピード、タイミングが本当素晴らしいです。あとは彼のもうひとつの武器、得点力を決勝戦で発揮して欲しいです。おそらくスタメンで出場すると思うので。
やはり僕はサッカーは美しくあって欲しいです。昨日のスペインを見て心底思いました。美しいサッカーは心に響きます。イタリアのような勝ち上がり方では正直、燻るものがあります。ドイツは僕の中ではかなり印象は変わってますが。昔程ガチガチじゃないです。特に06年ワールドカップは驚きました。ドイツがこんな華麗なサッカーをするのかなと。今大会のドイツは一試合も見ていないので分かりませんが、決勝戦は楽しみです。
posted by dum | 2008-06-28 09:03
スペインvsロシア 「ヒディンクの誤算と判断」
昨日の本コメント欄でのドイツサッカー論――盛り上がってましたねぇ。
私なんかは、もう出来上がったイメージだけでドイツとイタリアは×です。
やはり魅力的なサッカーと言われるチーム――オランダやスペインに好感を抱いてしまいます。
でもこれが逆にJリーグの贔屓のチームだったりすると、勝てばどんな勝ち方(もちろんドイツのような)でも良かったりしちゃうんですよね……。
いずれにせよ、フィアナルではスペインの魅力的なサッカーが炸裂して欲しいです!
posted by ミヤノフ | 2008-06-27 22:53


