2010年07月30日

「どのようにして勝ったかということを聞く人はほどんどいなくて」 オシムの言葉48

 2005年9月11日、千葉vs東京V戦(1-0)。
試合後、今のサッカー界の風潮について。
 今のサッカーのトレンドからすると、
勝ったチームが強いという方向に行きがちです。
その勝ったチームが、
どのようにして勝ったかということを聞く人はほどんどいなくて、
このチームに勝った、強いというふうになってしまっている。


<質を保つ為の努力は、
それを受け取る側にこそ求められる>


最近は総合的にコンテンツの魅力が落ちてる、
そのように感じます。

TV、
書籍、
雑誌、
そして、
ブログ、
あらゆる分野のコンテンツの魅力が、
急速に失われつつあると感じます。

昔に比べて、
明らかにTVを観ることも減ったし、
本を読むことも減りました。

そして私は、
サッカー雑誌というものを本当に読まないし、
最近では、
サッカー関連のブログを読むことも、
ほとんど無くなりました。

しかし、
TVや書籍などに対する、
面白いものを求める気持ちが失われたのかと言えば、
そうではありませんし、
もちろん、
サッカーに対する情熱が失われた訳でもありません。

要するに、
観たいと思うような、
読みたいと思うような、
そのような魅力的なコンテンツが無くなった、
そのコンテンツの質自体が著しく低下した、
そのように感じられるから、
と言うことであります。

今のサッカーのトレンドからすると、
勝ったチームが強いという方向に行きがちです。

人気がある=面白い、
売れている=価値がある、
勝っている=強い、
本当はそれは、
ほんの一部の事実でしかなく、
真実ではない訳ですが、
今の人はとにかく、
そのような価値基準しか持たない人が多い、
そのように感じています。

その勝ったチームが、
どのようにして勝ったかということを聞く人はほどんどいなくて、
このチームに勝った、強いというふうになってしまっている。

なぜ人気があるのか、
ではなく、
重要なのはなぜ面白いのか、
であり、
なぜ売れているのか、
ではなく、
重要なのはなぜ価値があるのか、
であり、
なぜ勝ったのかではなく、
重要なのはなぜ強いのか、
であり、
つまり、
どのようにして勝ったのか、
と言うのは、
誰が得点を決めたのか、
ということではなく、
なぜ勝てたのか、
ということであります。

しかし今の人の多くの興味は、
どのチームとどのチームが対戦して、
どちらが勝ったのか、
ということが大勢であり、
誰が得点を決めたのか、
そのことばかりに興味がある、
つまり、
表面的な結果にしか興味を持たない、
そのように感じる訳であります。

そして、
そのような視聴者や購読者や観戦者が増えることによって、
当然、
コンテンツを作る側も、
それに迎合していくことになり、
いつの間にやら気が付いたら、
中身のまるで無い、
質の悪いコンテンツが世の中に溢れ、
逆に今度は、
そのようなコンテンツが面白くなくなったと文句を言う、
実に憤りを感じるところであります。

私は以前にも書きましたが、
マスコミは視聴者が育てるもの、
供給されるモノの質は、
需要する者の質に左右される、
そのように考えています。

最近は、
長い文章は敬遠されるらしい。

最近は、
難解な文章は敬遠されるらしい。

どこかしこを見ても、
読みやすい、
観やすい、
分かりやすい、
そのような言葉ばかりが躍っていて、
それを読んで、
それを観て、
解かったような気になる、
知ったような気になる、
しかし実際は、
要点だけをまとめた文章からは、
真実を知り得ない、
そして、
真実を知り得ないということは、
更には、
真実を知ろうという努力を受け取る側がしないということは、
そのものの本当の面白さというものを知り得ない訳ですから、
やがては興味を失い、
総合的にそのコンテンツの質が落ちていく、
と言う事であります。

解かりやすさ、
読みやすさ、
観やすさ、
それを否定し、
複雑に散りばめられた要素から、
自分で答えを見つけ出す努力をすること、
しかし本当ならば、
更に言えば、
答えではなく、
思考の道をいくつも見つけ出す努力をすること、
そうすることによって、
そのコンテンツはより興味深く魅力的なものになり、
そして、
そのような受け手が増えることによって、
それを取り巻くコンテンツも質を高め、
輝きを増していくということ、
現代人の我々は、
よく反省し、
気が付かなければならない、
そのように私は強く強く思う訳であります。


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posted by kodahima |11:40 | オシムの言葉 | コメント(0) | トラックバック(0)
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