2010年02月05日

「じゃあどうするんだ。いる人間でやるしかないだろう」 オシムの言葉37

 2005年7月、雑誌のインタビューにて。
 ロナウドは日本にいるのか? え?
アンリはいるか? いない?
じゃあどうするんだ。いる人間でやるしかないだろう。
なぜ固定する必要があるんだ。
なんでひとりの人間がやる必要があるんだ。
日本人は日本人で、大きいタイプ、速いタイプ、色々いるじゃないか。
試合に出てうまくいかなかったら、代えるのは当然だ。

'<現状の戦力でどう戦うのか、
どう戦うのがベストなのか、
そして、
その戦力での100%とは何であるのか、
80%でもなく120%でもなく、
100%とは何であるのか>'


一流選手という基準には、
明確なものは無いと思いますが、
個人的な感覚からすれば、
現状の日本には、
世界の一流選手と言える選手はいない、
そのように思います。

従って、
要するに日本代表というのは、
これから二流三流ぐらいの選手で、
W杯という舞台で戦わなければならない、
ということであります。

ではそのような戦力で戦う時に、
どうやって戦うのがセオリーなのかと言えば、
1つには篭城と奇襲であり、
2つには各個撃破、
と言うことでありますよね。

サッカーというゲームにおいては、
本当の戦争とは違い、
数の優劣というのは基本的にありませんから、
相手が一流であっても、
こちらが二流三流レベルであれば、
ゴール前に人数を固めることによって、
つまり篭城することによって、
それほど簡単には得点を奪われることはありませんよね。

もちろん簡単には、
と言うだけであって、
篭城すれば必ずしも守り切れるという訳ではありませんし、
不運が起きれば簡単に失点してしまうかもしれませんし、
1点奪われたら、
そのまま2点3点と奪われてしまうこともある、
それは然りだと思いますが、
玉砕覚悟で野戦を行うよりは、
まだ一発逆転の可能性を見出せる、
そのように私は思います。

但し、
その一発逆転の可能性を高める為には、
幸運に頼るだけでは愚でありますから、
奇襲作戦というものが必要で、
つまり奇襲というのは、
サッカーで言えばカウンター攻撃、
と言うことになりますよね。

オシムのサッカーは、
リスクを冒すことを推奨していますが、
しかし決して攻撃的なスタイルとは言えない。

どちらかと言えば、
あえて言葉で表現するとしたならば、
攻撃的なカウンターサッカー、
そのように表現できると私は考えています。

つまり、
基本的には守備をしっかりする、
守備から試合に入る、
ということであり、
しかし、
その守備からボールを奪った瞬間には、
全員がリスクを冒す意識を持って一気呵成に攻撃する、
つまりカウンター攻撃になった時には、
多くの選手が躊躇することなく攻撃参加する、
と言うことであります。

実際のところ、
二流三流の戦力で一流の戦力と戦うにはこれが一番で、
そのために、
運動量やスピードが必要、
と言うことでありますよね。

また各個撃破もそれと同じで、
それはつまり数的優位をあらゆる局面で作ろう、
と言うことですが、
このあらゆる局面で、
と言う部分が実はネックで、
個人的には、
あらゆる局面で数的優位を作ろう、
そのために相手よりも多く走ろう、
これが岡田ジャパンでもテーマになっていますが、
あらゆる局面で数的優位を作ろう、
これはちょっと違うと思う訳です。

本当のところ正しくは、
数的優位な局面をある局面では作り出そう、
と言うことであり、
前でも後ろでも、
右でも左でも、
全ての局面で数的優位を作ろうという考え方は無謀で、
そこまでの運動量を求めることは、
逆に無謀であり危険であると私は思う訳です。

オシムが言うように、
なぜ固定する必要があるんだ。
なんでひとりの人間がやる必要があるんだ。
日本人は日本人で、大きいタイプ、速いタイプ、色々いるじゃないか。
と言うことですから、
何も全ての局面で勝つことを求める必要は無い訳で、
日本にも、
それが二流であれ三流であれ、
選手には得意とする武器がある訳ですから、
それぞれの選手が、
その得意とする武器を発揮すれば良い、
つまり、
ヘディングを得意とする選手はヘディングで、
ドリブルを得意とする選手はドリブルで、
パスを得意とする選手はパスで、
それぞれが、
少しの小さな局面で勝てれば良い、
他の局面では、
相互補完によって負けないようにすれば良い、
その考え方の方が、
現状の日本には適している、
そのように私は思う訳であります。

そしてそれを作り上げる過程では、
試合に出てうまくいかなかったら、
代えるのは当然だ。
ということであり、
もちろんそれは、
クルクルと選手を代えてしまうことではなく、
育てるということ、
熟成させるということ、
それを前提として実行した上で、
それでも適さない選手は代えていく、
ということであります。

現状の戦力でどう戦うのか、
どう戦うのがベストなのか、
そして、
その戦力での100%とは何であるのか、
80%でもなく120%でもなく、
100%とは何であるのか、
それを考えると同時に、
それを完成させていく、
その作業こそが、
岡田ジャパンに残された時間でやるべきことである、
そのように私は思うところであります。


日本代表・Jリーグ関連記事は「FCKSA55」へどうぞ。

【2010/02/05】 ベネズエラ戦後の岡田監督のコメントから。
【2010/02/03】ベネズエラ戦 「誰も効いていなかった試合」
【2009/11/20】香港戦後の岡田監督のコメントから。
【2009/11/19】 香港戦 「速いパス回しをする時の個々の個人技、精度が課題」
【2009/11/17】 南アフリカ戦後の俊輔と遠藤のコメントから。
【2009/11/15】 南アフリカ戦 「誰が何で相手の守備を崩す最初の切り込み役となるのか?」
【2009/10/15】 トーゴ戦 「後は監督が云々というよりも、選手がそれを実現してくれることに期待するしかない」
【2009/10/11】 スコットランド戦 「森本と本田に期待感の勝利」
【2009/10/09】 香港戦 「高まらないプレイの精度と質」
【2009/09/14】 岡田監督のガーナ戦後のコメントから。
【2009/09/10】 ガーナ戦 「モヤモヤの大逆転勝利」
【2009/09/08】 岡田監督のオランダ戦後のコメントから。
【2009/09/06】 オランダ戦 「善戦? いや、結果が全て、ですよね」

posted by kodahima |11:48 | オシムの言葉 | コメント(0) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL: (表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kodahima/tb_ping/395
コメントする

「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。

※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
  例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」

※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
  例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。

詳しくは以下2ページをご覧下さい
【仕様変更】PCからのコメント投稿について
ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」