2009年06月24日
日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。
キリンカップのような試合、対戦国の戦力やコンディションやモチベーションが低い代表試合、そういう試合がある度に、こんな強化に繋がらない試合はする必要がない、こんな代表試合で選手を疲弊させる必要はない、そういう日本代表試合削減・不要論みたいなものが必ず出て来る訳ですが、そのことについて、それから、そのことにも関連して、クラブ強化と代表強化の関係性、選手育成、そのことについても、少し考えてみたいと思います。
○ 欧州と日本は土壌が異なる。代表という客寄せパンダは必要。 私が思うには、1つには、日本という場所でのサッカーの土壌と言うのは、欧州のそれとは全く違う、と言うことですね。欧州と言うのは、まずクラブ有りきで、地元クラブ中心でサッカー文化が育ってきた、と言うことが第一にあって、要するに欧州におけるクラブ間同士の対戦と言うのは、国と国とのぶつかり合い、民族と民族とのぶつかり合い、アイデンティティとアイデンティティとのぶつかり合いであり、つまり、そのクラブとクラブの対戦が既に、国と国との対戦であり、代表と代表の対戦である、と言うことであると私は感じています。だからこそ、多種民族の集合体である代表というチームが、価値の低い試合なんかをするよりも、クラブの試合の方が盛り上がる、そのような土壌がある、そのように思います。 しかし、日本の場合はそれと全く違い、日本国内の中に、強い民族的な対立や、そこで優劣を競い合うような土壌は無いので、よほどサッカーが好きで、よほど地元クラブを熱心に応援している人でなければ、そのクラブとクラブとの対戦と言うのは、代表試合程の熱を持たない、そのように思います。つまり、明確な、他民族との戦いである、国と国との戦いである、代表試合の方が、ハッキリと強い熱をもって応援でき、盛り上がるということですよね。 ではそのような土壌の中で、大幅に代表試合を減らしてしまったらどうなるのか? 当然その結果は、サッカー人気自体の低迷へと繋がっていく訳ですから、そうなってくれば、Jリーグの人気も低迷し、クラブの強化なんてものは現実的に出来なくなっていく訳ですよね。多くの日本国民にとっては、Jリーグ→代表、ではなく、代表→Jリーグ、と言うのがその大きな窓口にもなっていて、代表で活躍しているから、その選手をJリーグでも見たい、それが日本サッカーの土壌であると思います。そして、ではそういうことが悪いのか? と言う話になれば、それは全くサッカー通を自称する人による余計なお世話で、代表は見るけどJリーグの試合はほとんど見ない、結構なことだと私は考えています。どこが入口であれ、代表だけであれ、サッカーが好きになってくれるならば、そこにイチャモンを付ける必要は全く無い、そのように私は思いますね。 その国のサッカーを強くしたければ、代表人気だけでもなく、クラブ人気だけでもなく、その国のサッカー人気を上げていかなければならない、これは真理であります。そしてそれが、代表有りきであっても、クラブ有りきであっても、どちらでも関係ない、どんなことでも、まずは見てもらわなければ、来てもらわなければ、そのものの価値をアピールすることは出来ない訳ですから、それが何であれ、客寄せパンダというものは必要で、そうやって人気や資金を集めてから、それをどう有効活用していくのか、そこが問題になってくる訳ですから、日本のサッカーの土壌として、代表試合が最も効果的な客寄せパンダである以上、それを無くしたり削減することは、マイナスにしかならない、と私は思う訳であります。要するに、その多くの役割を、日本という特殊な土壌の中で担っているのは、代表試合でありますから、それを削減したり不要だという考え方は、理に適っていない、そのように私は思います。 ○ クラブが強くなれば代表が強くなる、は条件付きで、その条件が最重要。 そして2つ目には、クラブが強くなれば代表が強くなる、だから代表試合を減らして、そのぶんクラブの試合の数を増やして、または、そのクオリティを上げた方が、代表強化に繋がる、と言う考え方についてですが、私は、そこには絶対欠かすことの出来ない、最重要の条件が付いてくると考えています。 2008年のユーロで、スペイン代表が優勝しました。今まで何度も優勝候補に名前が挙がり、無敵艦隊とまで言われていたスペインという代表チームは、ユーロやW杯という舞台で、ことごとくその期待を裏切ってきました。では、その理由は何なのでしょうか? それは、2008年のユーロで優勝したスペイン代表を考えれば、その答えが解かるような気がします。それは、その優勝チームの主力選手の多くが、その所属クラブで主力として出場機会を得て、成長を続けてきたからであると、私は感じています。 しかし、現在それと正反対の状況にあるのが、イングランド代表であると思います。最近のプレミアリーグと言うのは、CL4強に多くのクラブを進出させ、最も強いクラブを抱えているリーグと言えます。しかし一方では、代表は低迷しています。それはなぜなのか? マンチェスター・Uというチームの中で、イングランド国籍選手というのは、36人中13人、約3分の1、その中で最近も試合で主力となっているのは、3~4人のみ。チェルシーというチームの中で、イングランド国籍選手というのは、30人中8人、約4分の1、その中で最近も試合で主力となっているのは、やはり3~4人のみ。リヴァプールというチームの中で、イングランド国籍選手というのは、27人中4人、約7分の1、その中で最近も試合で主力となっているのは、1人か2人のみ。アーセナルというチームの中で、イングランド国籍選手というののは、33人中6人、約5分の1、その中で最近も試合で主力となっているのは、ウォルコットという1人がいるかどうか。 では一方のリーガはどうかと言えば、バルセロナというチームの中で、スペイン国籍選手というのは、33人中19人、約2分の1以上、その中で最近も試合で主力となっているのは、6~7人。レアル・マドリードというチームの中で、スペイン国籍選手というのは、32人中15人、約2分の1、その中で最近も試合で主力となっているのは、3~4人。バレンシアというチームの中で、スペイン国籍選手というのは、31人中23人、約3分の2、その中で最近も試合で主力となっているのは、8~9人。だいたい今のスペイン代表と言うのは、この3チームの中から選出され、後はビジャレアルのマルコス・セナとカブデビラ、F・トーレス、セスク、シャビ・アロンソ、リエラ、というプレミア組で構成されている訳ですが、このプレミア組の中で主力と言えるのは、F・トーレスぐらいですよね。 ちなみにユーロの決勝のスタメンは、F・トーレス、シルバ、セスク、イニエスタ、シャビ、セナ、カブデビラ、マルチェナ、プジョル、S・ラモス、カシージャス、でしたが、本来ならば主力はセスクではなくビジャでありました。要するに、F・トーレス以外の主力は、全員国内組ということですよね。しかし、バルセロナ以外のクラブと言うのは、CLでプレミアの4強以上に結果を残せていません。 さて、どうでしょうか? これを見ても、外国籍枠を拡大なり撤廃して、クラブが強くなることで、代表も強くなると言えるでしょうか? 結局は、外国籍枠を拡大なり撤廃すると、自国の才能のある、将来性のある選手の、出場機会とかビッグクラブへの所属の機会が奪われ、そのクラブ自体は外国籍選手の力で強くなっても、その国の選手の能力は低迷してしまい、代表も弱くなる、そう言えるのではないかと思います。従って、外国籍枠などを撤廃してクラブが強くなることで、その国の代表も強くなると言うのは、全く根拠が無い、と言うことであります。結局、自国のクラブが強くなれば、その国の代表が強くなる、と言うのは、それが自国の選手の活躍によってそのクラブが強くなれば、という条件付きということで、その、それが自国の選手の活躍によってそのクラブが強くなれば、と言うことが、最もポイントであり、最も重要ということであります。 人というのは、競争社会の中のみで成長するのではない、過酷な競争原理の中のみで成長する訳ではない、そこにはきちんと、経験や実績を積み、能力を伸ばす為に必要な舞台、そのチャンスが与えられていなければならない、これが絶対で、それが理解できない人と言うのは、世の中の仕組みや育成原理を全く理解できていない、そのような人であると思います。人と言うのは、他人の家の芝が良く見えるもので、同じような実力の日本人選手とブラジル人選手がいたら、どうしてもブラジル人が良く見えてしまうもので、またその逆の心理も然りで、フランス人監督ならフランス人選手を使いたいし、ブラジル人監督ならブラジル人選手を使いたいし、オランダ人監督ならオランダ人選手を使いたい訳ですから、そこには必ず偏りというものが生まれてしまいがちなので、従って、絶対そこには規制というものをかけないと、正しい自国の選手の育成には阻害になる、と言うことですよね。 自国のリーグを盛り上げること、自国のクラブが強くなること、それで代表も強くなる、と言うのは正しい。しかし、外国籍枠を撤廃するなどして、拡大するなどして、過剰な競争原理を持ち込むことで、その自国の選手の能力が向上し、それが代表強化にも繋がる、と言うのは全くもって根拠が無い、と言うことであります。大事なのは、競争と保護のバランス、そこであると、私は強く考えています。 日本代表・Jリーグ関連記事は「FCKSA55」へどうぞ。 【2009/06/24】 皆様への質問で御寄せ頂きました御意見への感想です。 【2009/06/23】 皆様への質問 皆様のサッカー観 日本代表について。 【2009/06/22】 第14節 横浜FMvs浦和R 「攻守における浦和の悪さばかりが目立ち、カウンター2発でマリノスがレッズを撃沈」 【2009/06/21】 第14節 G大阪vsA新潟 「結果、内容、共に新潟が上回る」 【2009/06/20】 オーストラリア戦後の岡田監督のコメントから考察。 【2009/06/19】 オーストラリア戦の選手評価と試合後記。 【2009/06/18】 オーストラリア戦 「またも逆転負け。しかも同じパターンと方法での逆転負け。この試合は現状の岡田ジャパンの攻守における問題点が100%出た試合」 【2009/06/17】 オーストラリア戦では初心に戻ることが必要。 【2009/06/16】 意図的に攻めず、ニュートラルな状態を作り出す、と言うことについて少し考察。 【2009/06/15】 7人のカテナチオからどう攻めるのか? 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posted by kodahima |12:10 |
コラム |
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日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。
コメント投稿者ID :
ymさん、コメントありがとうございます。
親善試合については、
その時々や相手によって、
様々な位置付けがあると思いますが、
アジアカップのようなアジア相手の大会、
そして結果が問われる大会については、
負けても良いとは言って欲しくなかった、
そのように私は思います。
プレッシャーについては、
監督が守る部分というのは確かにあると思いますが、
しかし結局最後は選手が自分自身で跳ね返していかなければならない、
そのように思いますし、
またそうでなければ、
なかなか国際舞台で活躍するのは難しいような気がします。
posted by 管理者jube | 2009-06-29 23:46
日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。
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親善試合をどう考えるか、という点では監督によるところも大きいのかと思います。
ジーコは相手がどこでもいいという感じでしたけど、オシム氏はあくまで強化につながるような相手、ただし日本に来て全力を出してくれる国を希望、岡田監督は、完全に花試合、楽に勝ててWC予選の試合にいいイメージで入れるように。
という感じだったと自分は思います。
あと気になるのは選手に対するプレッシャー。
ジーコはあくまで力を出し切れればあいてはどこでもいい(勝てるはず、または負けてもまだ納得できる)という態度、オシム氏は徹底してマスコミに対しては負けても別にいいと弾幕を張ってました。この2人のときは選手は案外プレッシャーってなかったのかなと思います。うまく監督がマスコミから守ってくれたのかなと。
それに対して岡田氏は、プレッシャーから選手を守ってないと感じます。親善試合ではそれでも気楽にやれても、公式試合では固くなりすぎてます。
まぁ、オシム氏が負けてもいいって言ったのが監督がそれじゃだめとかいう意見も多かったですが、こうなってみると選手がプレッシャーを上手に受け止められないのなら、監督が守る必要もあるんじゃないかと。
posted by ym | 2009-06-28 22:49
日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。
コメント投稿者ID :
無名さん、コメントありがとうございます。
サッカー人気をいかに高めるのか、
それがやはり、
日本のサッカーをいかに強くするのか、
そこに直結してきますよね。
そして日本の場合は特殊な土壌でもありますから、
その人気を高める役割として代表は大きい、
従って、
そこを活かすことが重要ですよね。
まるいさん、コメントありがとうございます。
私の場合は、
アジア枠も含めて、
5枠ぐらいは許容範囲であると考えていまして、
そしてそうなれば、
例えば25人制であるならば、
8人ぐらい外国籍選手をチームで抱える、
それぐらいがベストになるのかなと考えています。
但しそれでも、
もう少し時間が欲しいかなとは思っています。
posted by 管理者jube | 2009-06-24 21:59
日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。
コメント投稿者ID :
スペインを参考にするなら外国枠を登録選手の半分弱まではふやしたほうがいいって理解もできますね。
レベルの高い選手と同じチームでやることが成長につながりますしね。
各ポジションに最低半数以上日本人を入れなきゃいけないとかってルールがあれば・・・・。妄想ですねw
もっとガツガツしたFWの選手がでてきてほしい!韓国のFW陣やらチョンテセやら隣の芝がよくみえます
posted by まるい | 2009-06-24 18:00
日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。
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欧州・南米、どこの地域もサッカーが文化として根づいている。クラブチームは地域の誇りだ。翻って、日本はどうだろう?どれだけ、スポーツニュースでサッカーの話題が出るだろう。代表、クラブレベルより、もっと根源的なとこがまだまだ、なんだと思う。ようは、欧州・南米と戦う前に、もっと人気がなくては。
posted by 無名 | 2009-06-24 17:19
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