2009年06月20日

オシムのインタビューから考える。 [2]

うるぐすという番組で、
オシムのインタビューを放送していましたので、
そのことについて私見を述べてみたいと思います。

 決定力については?
 決定力不足はトレーニングの結果です。通常の練習や親善試合で、何もトライせず、リスクも冒していなければ、それを大事な試合だからといって、選手に要求しても、不可能です。大事なのは積み重ねです。私の印象では、選手はゴール前で、何をしたら良いか分かっていないのでしょう。シュートすべきか、パスをすべきか。監督に聞かないと何も出来ないのです。選手が自分で決めることなのに。
日本には、背が低く、小回りのきく選手がいます。他の国にはいない「斜めに動ける選手」です。斜めの細かい動きは、日本がゴールを奪うのに有効です。なぜなら、背の高い選手は、背の低い選手が苦手だからです。動きを一瞬でコントロールすることが困難なので、日本の斜めへの細かい動きは武器になるでしょう。

日本人FWがその得点力を上げるために、どうすれば良いのか、そのことについて、私も多くの記事を書きますが、その度に御意見として、得点を取る部分は感覚や嗅覚だから、鍛えたり教えたりできないのではないか、ということを言われることもある訳ですが、私はやはりそうは思わない訳です。もちろん、それを全否定はしませんし、それも大きな要素ではあると思ってはいますが、しかし、現状の日本人選手を見ていると、私もオシムが言うように、決定力不足はトレーニングの結果、そう思えることが強くあります。要するに、まだそこのトレーニングがしっかりなされていない選手が多いし、その方法論をしっかり教えることができている指導者がいない、そのように強く感じる、と言うことであります。特に私の場合には、元スペイン代表、レアル・マドリードのラウルのプレーを見ていて、そのことを強く感じます。とにかくラウルのポジショニング、オフザボールでの動き、シュート技術の上手さというのは素晴らしくて、ではその全てが、ラウルの持つ先天的な、天才的な感覚や嗅覚から生まれているのかと言えば、決してそんなことは無いはずだと私は思う訳です。ラウルの得点を取る動きというのは、どちらかと言えば、野生的な嗅覚やひらめきというよりは、考え抜かれ、鍛え抜かれた、そのようなトレーニングの積み重ねから生まれてきている、そのように感じる訳です。通常の練習や親善試合で、何もトライせず、リスクも冒していなければ、それを大事な試合だからといって、選手に要求しても、不可能です、そして、常に自分で考えトレーニングしていること、それが重要であると私も思います。


 病室で岡田監督と2人きりで何を話したのか?
 全てを話しましたよ。どういう方向へ行くか、日本代表を良くするためには何が必要か。そういう話はいつもするべきです。日本人は意見を交換しない。自分が一番わかっていると思い込んでいるのです。お互いの経験を交換するべきです。そうすればもっと上にいける。
岡田監督は「日本人のメンタリティを考えるのがとても重要だ」と話していました。例えば1人の選手が悩むと、他の選手にも影響する。それは私も感じていました。考え続けています。答えを探し続けています。日本は他の分野のレベルが高いのに、なぜサッカーのレベルは高くないのか、という答えをね。

日本人が意見を交換しないのは、それが苦手なのは、自分が一番わかっていると思い込んでいる、と言うこともあるとは思いますが、まずは他人と喧々諤々と論争することを嫌う、そういうことはあまり良く無いことだ、不和の種になる、そういう文化があるからなのだと、私は思います。もちろん、プロの監督や選手に素人が意見するな、上司や先生に意見するな、ということも平気で、まるで絶対的に正しい事のように言ってくる人もいますから、そういうこともありますし、人の意見に耳を傾けない人間もいますから、オシムの言っていることも、あながち間違ってはないと思いますが、しかし、やはり日本人のメンタリティとして、まずは他人と論争することを嫌う、と言うことは大きいかなと思います。また、そういうことはハッキリ聞いてはいけないことだ、ということもあるのかもしれませんね。但し、やはり、そこは日本人の特性であるとは言え、少し変えていかなければならない部分だと、私は考えています。オシムが言うように、お互いの経験を交換するべきです。そうすればもっと上にいける。これはかなり大切な考え方であると、私は思う訳です。質問力、疑問力、そして、他人の意見を正しく理解して、自分の意見を正確に伝える、その能力、これを一言で言ってしまえば、コミュニケーション能力、ということであると思いますが、それをもっと養うことが、人間にとって重要なことであり、学校でも、最優先で教えるべきことであると、私は思う訳です。
日本は他の分野のレベルが高いのに、なぜサッカーのレベルは高くないのか? その答えの1つがこれであり、そして、前述した、日本は単一民族国家であるという意識が強いですから、国のスタイルや価値というよりも、外国で見られる、民族のスタイルや価値というものを競い合うということが、あまり歴史や文化の中にありませんので、なかなかそこにファイティングスピリットを生むというのか、その国や民族のスタイルや価値の証明というものを、スポーツに求めるという考え方は、ほとんどしない、と言うことが1つ、原因としてあるのではないかと、私は思います。


 メンタルについては?
 岡田監督は大丈夫だけど、選手たちは、まだまだ、だね。日本の歴史を見れば、メンタルは強いはずです。素質があるはずです。メンタルが強くなければ切腹はできません。神風も出来ません。それは過去の話で、今、全員が侍になれる訳ではありませんが、メンタルは日本人の強味です。それを知るべきです。

まあ、そうですね、その当の本人である日本人の私からすると、もはや、メンタルは日本人の強味ではなくなっている、と言うことですよね(苦笑) 外国人がよく日本人のイメージとして、今でも描いている、サムライ、芸者、ハラキリ、忍者、神風、そういうものは、ほとんどいつかの昔に、とうに失われているものなので、武士道=フェアプレー精神、というものは、まだ根強く日本人には残っていて、それは今でも世界に誇れるものであると思っていますが、武士道=精神性の強さ、という部分では、既に幻想かなと思いますね(苦笑) ジーコは日本人の和を尊ぶ精神と真面目な気質がサッカーに向いていると言っていましたし、オシムは武士道的な精神性の強さが日本人の強味だと、世界と戦う上で武器になるとは言っていますが、それは今の日本人を少し過大評価していると、現実の日本人を見誤っている部分もあるかなぁと、思ったりしますね・・・。私は常日頃思っていることがあって、それは何かと言うと、聖徳太子から始まり、和を大切にしなければならないと日本の偉人たちは多くそれを言いますし、武士道なんかも和を尊ぶことを説きますが、つまりなぜ常にそういうことが日本人たちへの教えとして何度も繰り返し言われるのかと言えば、逆に、日本人というのは、あまり和を大切にしないことが多いからだ、ということですね。また、日本人が精神論が好きなのも、それが欠けていることが多いからだ、そのように私は思う訳です。もし、本当に日本人の気質として、和を大切にしたり精神的に強いならば、そこにわざわざ、和を大切にしろとか、精神的に強くあるべきだ、と言うことを説かなくても良い訳ですから、と、私は思う訳ですね。まあ、外国人が口にする日本人の良い部分というのは、リップサービスも多いですしね(苦笑)


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posted by kodahima |12:01 | コラム | コメント(3) | トラックバック(0)
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オシムのインタビューから考える。 [2]

コメント投稿者ID :

tomzさん、コメントありがとうございます。

そういう頭脳や意識であっても、
技術的や身体的な面であっても、
トレーニングの中から、
それを高めていかなければ、
それが試合で出来るはずもない、
と言うことですよね。
まだまだ日本はその部分で、
トレーニングの量も質も低い、
そのように感じます。


totoさん、コメントありがとうございます。

フェアプレー精神という部分での武士道精神と言うのは、
まだまだ良い部分として引き継がれていると思いますが、
メンタル面での強さという部分では、
ちょっとどうかなぁという気が私にはしています。
そして、totoさんが言われるように、
まずは経験、
実践経験、
なるべく高いレベルでの経験、
なるべく高いレベルでの実戦経験、
それが日本には必要とされていますよね。

posted by 管理者jube | 2009-06-20 23:11

オシムのインタビューから考える。 [2]

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日本人のメンタルについて。
僕は海外に住んでいるものです。確かにサムライ、ハラキリ、特攻などの日本人のイメージはみんな持ってます。そして現在の日本人のイメージは真面目、根気強い、和を大切にする、技術力(TOYOTA、SONY,アニメなど)が高い、ズルをしないなどがあり、わりとすんなり「昔のサムライや特攻」→「現在の日本人」を受け入れていており、やはり武士道的な精神、メンタルは強いと思っているようです。(マイナスなイメージでシャイっていうのもありますが)
僕も昔とはだいぶ形は違うのかもしれませんが、日本人は武士道精神を持ってると思います。もちろんサッカーにおいてもジーコやオシムが言う様に、メンタルの強みはプラスに働くと思います。
ただサッカーにおいて圧倒的に経験(体験)が足りないと思います。単純に技術を盗みそれを応用して自分のものにできるのは得意ですが、サッカーは自分の体で経験し蓄積しなければならないと思います。日本のサッカーを向上させる一番の近道は若い頃から海外で高いレベルでトレーニングさせ、指導者も海外で経験を積ませる。その時に初めて日本人の言われた事はやる真面目さがポジティブに働くと思います。まぁ〜これはかなり難しいのかとは思いますが。。。

posted by toto | 2009-06-20 19:15

オシムのインタビューから考える。 [2]

コメント投稿者ID :

ゴルフを例にとって、ラストパスをグリーンへのせること、シュートをうつことをパッティングと考えてバーディー以上とれたらゴールしたと仮定すると、日本人は3mに寄ってないとバーディー狙わない雰囲気ってとこかな。小さい時からの指導の仕方の問題もあるんじゃないかな。チームプレーを強調してボールを大事にすることは間違いではないけど、どの段階でリスクを冒すべきかの判断が弱い選手が多いような気がする。ゴルフにたとえたのは、バーディー狙わないゴルファーはプロ試験に受からないだろうし、ゲームの中で何回バーディーにトライできるか、バーディーにトライできるチャンスをつくるゲームだということを理解していれば、トライするチャンスを失敗してもそれを無駄とは考えないと思う。サッカーにプロ試験があったらチャンスにトライできない選手はプロになれないだろう。その点で選手の層がまだ薄いといえる。(トライしないレベルではプロのFWになれないのが、海外なんではないかな)

posted by tomz | 2009-06-20 14:31

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