2009年06月19日
オシムのインタビューから考える。 [1]
うるぐすという番組で、 オシムのインタビューを放送していましたので、 そのことについて私見を述べてみたいと思います。
Q 日本を去った理由とは? A 身体がもう無理でした。アドバイザーの仕事を続けることも出来ませんでした。サッカーの世界ではストレス無しで仕事を続けることは不可能です。そして私の身体にとってストレスは危険だったんです。サッカーは楽しむものではありません。サッカーは仕事であり、ビジネスなんです。サッカーは国のスタイルや価値を証明する場でもあるんです。 サッカーは楽しむものではありません、とは、なかなか厳しい御言葉ですね・・・(苦笑) 選手や監督など、サッカーで生計を立てている人にとっては、当然、サッカーは仕事であり、ビジネスでありますが、しかしその仕事というのは、観客を楽しませることであり、つまり、エンターティメントでありますから、要するに、真剣に観客を楽しませなければならない、そのプロでならなければならない、その意識を強く持たなければならない、と言うことかなと思います。そして、サッカーは国のスタイルや価値を証明する場でもあるんです、これは、なかなか日本人にはその意識が生まれ難い部分であるのかなとも感じます。日本は島国で、他国とは海を挟んでしか接していませんから、あまり他民族との抗争の歴史がありませんし、本当は日本も他民族国家ですが、今の日本人には、日本は単一民族国家であるという意識が強いですから、国のスタイルや価値というよりも、外国で見られる、民族のスタイルや価値というものを競い合うということが、あまり歴史や文化の中にありませんので、なかなかそこにファイティングスピリットを生むというのか、その国や民族のスタイルや価値の証明というものを、スポーツに求めるという考え方は、ほとんどしないと言っても良いのかもしれませんね。 Q フィジカルについては? A フィジカルをまだ改善できる選手はいます。他の選手に比べて技術や才能に恵まれている、遠藤と中村俊輔です。遠藤や俊輔といった、中心選手のフィジカルを強化すれば、チーム全体に大きな効果が出ます。俊輔にスピードが無いのは残念です。俊輔には、アイデア、判断力、強さ、があるので、全力で走ってプレーすることができたら、チーム力がとても上がるはずです。世界のトップ選手たちは、試合中、走り続けていますよ。 中澤、闘莉王、矢野、巻、は闘志とフィジカルが強く、当たり負けしません。しかし日本には速い選手がいません。一番速い選手は、駒野かもしれません。他にはいません。日本にはC・ロナウドのような、スプリンターがね。 ここでオシムが言っているフィジカルと言うのは、身体の強さ、と言うことだけでなく、全般的な身体能力のことを言っているのかなと思います。俊輔にスピードが無いのは残念です。いや、ほんとに、そう思いますし、日本のサッカーファンの、ほとんどの人がそう感じているのではないでしょうか。遠藤や俊輔のような選手に、もう少しでも身体能力の高さがあれば、そう感じることは常にありますよね。しかし、遠藤や俊輔に、その身体能力的な向上の余地が残されているのかと言えば、現実的には厳しいところだと思いますので、これからの先に、身体能力の高い遠藤や俊輔のような選手が日本に現れてくれること、それを願うばかりです。 そして、日本には速い選手がいません、つまり、スプリンターがいない、と言うことですが、これもまさにその通りだと常々感じます。FWに、一瞬の瞬発性で得点を奪える日本人選手がいない、サイドアタッカーにも威力を持っている日本人選手がいない、そのことが、日本の攻撃の威力に大きな欠落を生んでいることは確かだと思いますし、得点力不足ということも、そのことが大きいと感じます。但し、私は、日本人の先天的な特性上、スプリント能力で他人種よりも劣っているとは考えていません。スプリント性と言うのは、鍛え方次第で、日本人でも充分に他人種と互角に競い合えると思っています。そして、身体能力ということで言えば、日本人選手には、何よりもまずそのスプリント性、瞬発性、それを鍛えて欲しいと思っていますし、日本が強くなるには、そうするべきだと考えています。 Q 技術については? A 日本選手の技術はサーカスの技術です。皿回しはサッカーでは役に立ちません(笑) 日本代表の課題は「動きながらの技術」です。現代サッカーは試合の展開が非常に速いので、動きながらの技術が重要です。ジャンプのような激しい動きもよく見られます。速い動きの中でもアイデアをボールに正しく伝える、それが動きながらの技術です。そして速いサッカーをするためには、次の展開を予測しながら、素早く決断する能力が必要です。 動きながらの技術が足りない、プレッシャーの中での技術が足りない、これは、私も何度も書いていますし、多くの人が指摘している部分でありますよね。日本選手の技術はサーカスの技術、あまりに辛辣で厳しい言葉ですが、つまり、実践向きではない技術、と言うことですよね。リフティングが得意ではない選手でも、試合では活躍できる選手がいるように、本当に重要で、サッカーにおいて必要な技術というのは、動きながら正確にボールをコントロールできる技術で、プレッシャーの中で活かせる技術であるということは、当然と言えば当然のように思います。また、日本の選手は、練習では上手いのに、試合になるとヘタになる、と言うこともよく言われますが、結局これも、そういうことであると思います。サッカーがどのスポーツよりも困難なのは、動きながら足でボールを正確にコントロールしなければならない、という部分でもありますから、必然的に、それが高いレベルで出来る選手が優秀な選手であり、それがサッカー選手の優劣を分ける1つの大きな要素にもなる、と言うことですよね。動きながらの技術、トップスピードでボールを扱う技術、プレッシャーの中で発揮される技術、これが未熟であると感じますので、日本人選手の技術は高いとよく言われますが、私はそうは思わない、その大きな理由の1つであります。 日本代表・Jリーグ関連記事は「FCKSA55」へどうぞ。 【2009/06/19】 オーストラリア戦の選手評価と試合後記。 【2009/06/18】 オーストラリア戦 「またも逆転負け。しかも同じパターンと方法での逆転負け。この試合は現状の岡田ジャパンの攻守における問題点が100%出た試合」 【2009/06/17】 オーストラリア戦では初心に戻ることが必要。 【2009/06/16】 意図的に攻めず、ニュートラルな状態を作り出す、と言うことについて少し考察。 【2009/06/15】 7人のカテナチオからどう攻めるのか? 前3枚による攻撃の形と攻守における約束事の明確化が機能性のポイント。 【2009/06/14】 日本代表が現在の日本人選手の能力で結果を求めていくためには「7人によるカテナチオを完成させる」のが良いのではないか? 【2009/06/13】 カタール戦後の選手のコメントから思うこと。 【2009/06/12】 カタール戦後の岡田監督のコメントから思うこと。 【2009/06/11】 カタール戦 「ウズベキスタン戦と同じ内容の試合。結果は50点。内容は30点。失われつつある連動性のある攻撃と中盤の守備」 【2009/06/10】 ウズベキスタン戦後の選手の帰国後のコメントから思うこと。 【2009/06/09】 ウズベキスタン戦後の選手のコメントから思うこと。 【2009/06/08】 ウズベキスタン戦後の岡田監督のコメントと帰国後のコメントから思うこと。 【2009/06/07】 ウズベキスタン戦 「南アフリカW杯出場決定! よく頑張って耐えた! 結果は100点、しかし、内容は30点・・・、課題噴出」 【2009/06/06】 ウズベキスタン戦で必要なのはリスク管理と縦への球離れの速い攻撃。 【2009/06/05】 日本代表試合、代表強化、選手育成、について考えてみる。 【2009/06/04】 中村俊輔のセンタリング 「左足でニアに緩いボールは意味を感じない」 【2009/06/03】 ベルギー戦後の選手のコメントから考察。 【2009/06/02】 ベルギー戦後の岡田監督のコメントから考察。 【2009/06/01】 ベルギー戦 「相手の酷さを差し引いても良かった感じの試合」 【2009/05/31】 ベルギー戦で観たい守備的な相手を崩す攻撃。 【2009/05/30】 日本代表の守備の弱点 「右のファーサイドを改善するには?」 【2009/05/29】 チリ戦後の岡田監督のコメントから考察。 【2009/05/28】 チリ戦 「余裕の日本代表、焦るチリ代表、この試合は強かった岡田ジャパン」
posted by kodahima |12:11 |
コラム |
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オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
pegeさん、コメントありがとうございます。
1についてですが、
ちなみに、
44試合ということになると、
カップ戦なども含めて、
だいたいどのような日程になるのでしょうか?
そして、
2についてですが、
私も有りだと思います。
しかし、
規定までいかなくても、
クラブ方針ぐらいの感じでも良いような気がします。
posted by 管理者jube | 2009-06-21 02:05
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
はじめまして。
私は日本人選手の向上には、単純に以下の2つを実行すれば、各段に向上すると思います。
1.J1を12チームにし、4回戦総当たりの44試合をこなす。このとき、カレンダーをヨーロッパに合わせることが必須です。
2.TAKAさんと同じ意見ですが、スタメンに必ず19歳以下の選手を一人入れなければならない規定を作る。
まず、私は日本代表選手の育成は、基本的にJリーグのレベルアップでしか望めないという考えがあります。それに数人の海外でもまれた選手を加わるというのが、これからも続くでしょう。
1.について。。。
今のJリーグが近年、全体的にレベルダウンを落とし続けていることは明らかです。チーム数の増加と、良い選手の外国人選手を含めた近年の海外流出の激増が原因です。オシムさんもセルジオも繰り返し指摘しているとおり、日本はまだまだ18チームで高いレベルを保てない国なんです。フィジカルの厳しい真剣勝負が日本には少ないということは大変懸念すべきことで、18チームに分散されていたよい選手が12チームに集約され、なおかつ鹿島対浦和、ガンバ対浦和のようなチーム同士の対戦がシーズン中に2倍に増えれば、おのずと選手のスキルの向上は見えてくると思います。
2、について。。。
メキシコリーグなどで採用されていて、実際に効果があるようです。
私は基本的には、若手には自分でポジションを奪ってほしいと思っていますが、リーグが戦略的に、若手の育成のちょっとした手助けをしてもよいのではと思っております。そういう意味で、TAKAさんのように2人とは言いません、各チームに一人だけでも経験がつめれば、だいぶ違ってくると思いますので、ぜひリーグには検討してほしいと思います。
以上、長文失礼いたしました。
posted by pege | 2009-06-21 00:32
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
突拍子さん、コメントありがとうございます。
やはり悪くは無いと思います。
しかしそれも、
選手などが自主的にやってくれる方が良い、
そのようには思いますね。
posted by 管理者jube | 2009-06-20 23:03
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
突拍子もないアイディアというなら、僕もあります。
選手にスペイン語を学ばせるのはどうでしょう?
スペインの他に中南米のアルゼンチンやウルグアイ、パラグアイ、メキシコなどサッカーの強豪国の多くで公用語として使われているスペイン語を学ぶことによって、
それらのスペイン語圏の国へ抵抗なく移籍できるようになってくれると、日本のサッカーにとってもプラスになるのではないでしょうか?
また、スペイン語を学ぶことによって、海外への憧れを抱いてサッカーそのものにおいて新たなモチベーションになったりもするのでは?
「Jリーグで終わってたまるか!」みたいな。
中田英寿さんも学生時代からイタリア語を勉強していたそうですし。
posted by 突拍子 | 2009-06-20 14:49
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
TAKAさん、コメントありがとうございます。
そうですね、
アイデアとしては悪く無いと私は感じますが、
出来れば、
ルールを作ってということよりも、
クラブとか監督とかが、
自発的にそのような方針でやってくれることが、
最も反発も少ないし、
理想的であるように思います。
posted by 管理者jube | 2009-06-19 23:58
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
これは突拍子もないアイデアなんですが
例えばJリーグの各チームで20歳以下の選手
二人は出場させなければいけないルールを作るとかどうでしょう。
日本で良い選手を育成するポイントは以下のとおりだと思います。
①若くて才能のある選手を発掘する。
②若いうちから高いレベルの試合を経験する。
③その中で23歳ぐらいでJでトップレベルの選手は海外に行く。
賛否両論だと思いますが
上記①~③の流れが出来やすくなるのは間違いないかと。
日本だとちょっと才能ある高校生とかだとすぐちやほやされるので
プロに紛れて早い段階からもまれてほしいです。
posted by TAKA | 2009-06-19 23:36
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
ぶふぉふぉんさん、コメントありがとうございます。
やはり、
そういうところから、
変えていかないとダメですよね。
練習よりも試合を多く、
せめて試合と練習は半々、
それぐらいにならないと、
若い世代の育成には厳しいところですよね。
一貫性さん、コメントありがとうございます。
確かに遠藤と俊輔は成長していると思います。
特に守備面とか運動量とか身体を張るという部分では、
以前よりも大幅な成長が感じられます。
しかし、
それでもまだ世界と戦っていくには厳しい、
特にスピードという面では厳しい、
そういうことであると私は思います。
fuluさん、コメントありがとうございます。
他国と戦う時の闘争心という部分で、
オシムは物足りないと感じていたのだと思いますが、
そこは日本は少し特殊な土壌にあるので、
難しいところかな、
と言うことですよね。
日本独自のスタイル、
つまり、
日本らしいサッカーということだと思いますが、
オシムがそうだと思っていたものは、
半々という感じだったのではないでしょうか。
またそれは、
オシムが4年間日本代表の監督をしていたとしても、
完成するというところまではいかなかったと思いますし、
そこは土台作りということで終ったのではないかと思います。
posted by 管理者jube | 2009-06-19 22:53
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
その国の文化がその国のサッカーを決定づける、
といことでしょうか。
オシムさんが病に倒れなかったとしても、日本独自のスタイルがどこまで形になっていたか。そう簡単ではなかったと思われます。
ただ、過去を振り返ってみても仕方がないので、今後に期待したい。
posted by fulu | 2009-06-19 20:29
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
最近の雑誌に載っていたインタビューでは、俊輔と遠藤のことを、オシムさんの予想外に伸びた選手として褒めちぎってるんですけどね・・・
posted by 一貫性 | 2009-06-19 16:28
オシムのインタビューから考える。 [1]
コメント投稿者ID :
>動きながらの技術
日本は、より多くの人が、実際にサッカーの試合ができる環境が整備されていない。
学校の部活なんて、1校1チーム。
たとえ100人の部員がいたとしても、公式戦で試合ができるのは一握り。しかもトーナメント戦ばかり。
レギュラーでさえ、ガチンコの試合をする機会が限られている。
多くの選手は練習のための練習ばかりになり、実戦力が育たないのも当然かと。
posted by ぶふぉふぉん | 2009-06-19 15:00
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