2009年04月17日

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

2008/09 Vプレミアリーグ は優勝で終える事が出来ました。

改めまして、
東レアローズを応援してくれたFANのみなさんありがとうございます。

昨シーズンの悔しい思いを糧に1年間準備して来たことが実践出来た結果だと思います。

優勝するに至った要因は多々ありますが、考え得る要因の全てを明らかにすることは出来ません。

取得したデータもチーム用に細分化ものがあり、それらを明らかにして紹介すると優勝するに至った原因、これからも強化して行かなくてはならない項目など、目から鱗の情報をお見せできるのですが、なにぶん機密情報となりますので、どなたでも閲覧可能なV機構発表の公式データから見た今シーズンの結果を振り返りたいと思います。

まず昨シーズンのレギュラーラウンドの順位と公式記録を改めて見返してみます。

             スパイク(効果率)  ブロック  サーブ  レセプション
  
1位 サントリー    1位(1位)     2位     1位     7位
    24勝4敗

2位 パナソニック   2位(2位)    4位     3位     5位 
    19勝9敗

3位 東レ        3位(3位)    3位     2位     1位
    17勝11敗

4位 堺         4位(4位)     6位    4位     6位
    15勝13敗

5位 豊田合成     7位(6位)    1位     6位     8位 
    14勝14敗

6位 JT         6位(5位)    5位     5位     2位
    12勝16敗

7位 NEC       5位(7位)    7位     7位     4位
     9勝19敗

8位 大分        8位(8位)    8位    8位     3位 
     2勝26敗



技術統計とレギュラーラウンドの順位の相関関係が如実に現れているのは、()内に示したスパイク効果率だと言うことがお分かりかと思います。
さらにサーブ効果率の上位チームの順位が高いことも伺えます。

ブロック決定本数は高いに超したことは無いが、例えトップであっても4強入りできるとは限らないと示しています。

逆に、あまり順位との相関性のない項目はレセプション返球率であるといえます。(上位4チームの内セミファイナル進出は東レのみ)

当然、もっと詳しいデータはあるのですが、リーグ戦を勝ち抜くために必要となる大まかな技術項目が確認できます。
これらのデータを元に次のリーグ戦までにチームとしてどのように準備するかを検討し、対策を練っていったわけです。


そして、08/09の公式記録が以下の通り


             スパイク(効果率)  ブロック  サーブ  レセプション
  
1位 サントリー    1位(2位)     4位     1位     2位
    22勝6敗

2位 東レ        2位(1位)    1位     5位     1位 
    20勝8敗

3位 堺         5位(5位)    6位     4位     8位
    15勝13敗

4位 パナソニック   3位(3位)     5位    2位     5位
    15勝13敗

5位 JT         4位(4位)    2位     8位     7位 
    14勝14敗

6位 豊田合成     6位(6位)    3位     3位     6位
    12勝16敗

7位 NEC       8位(7位)    7位     6位     3位
    11勝17敗

8位 大分        7位(8位)    8位    7位     4位 
     3勝25敗



3,4,5位は1勝差と言うこともあり順位が逆転してますが、やはり今シーズンもスパイク効果率で優位に立ったチームの成績が上位を占めています。
我々東レアローズは決定率こそ、2位甘んじましたが、効果率では1位となり、最終成績も優勝を収めることができました。

昨シーズのデータから、スパイク効果率を向上させる事が出来れば優勝に近づく事が予測できましたので、予測どおりの結果となった訳です。

なぜスパイク効果率が向上したのかは、さらに細かいデータの提示を必要としますし、そこが本当の勝因となりますので、企業秘密とさせていただきます。

データを眺めてみますと、今シーズンは昨シーズン以上のバランスを求められたシーズンだった事が伺えます。20勝に到達したサントリー、東レは各項目で上位をキープ出来ていますし、サントリー関しては全ての項目でTOP4入りしています。

これらの技術項目を見ただけでも、来シーズンに向けてチームとしてどこに主眼をおいて強化していくのかは、もうお分かりかと思います。




さて、続いては、少々ファイナルの振り返りをしたいと思います。

結果的には3-0のストレートで堺BZを下し優勝を勝ち取った訳ですが、内容的には簡単なゲームではありませんでした。

レセプションスパイク効果率で47% 堺17%と大きくアドバンテージを奪いながら、ラリースパイク効果率で7% 堺16%と大苦戦しシーソーゲームとなってしまいました。
しかし、最後まで高いサイドアウト率を保つ事が出来た事と、要所でのブロックが機能したこともあり、接戦を制することが出来たと考えられます。


機能したブロックに関しては、堺BZよりも積極的に複数ブロックを形成する意識が高かった事が影響していると感じました。


また、試合後にレセプションスパイク時のクイック出現率の低さを指摘される声があがりましたが、レセプションスパイク効果率47%という数字は勝つために必要な効果率を十分クリアできていた訳ですから、クイックの少なさはむしろ、サイドアウトを奪う為に好影響だったと言えます。

セッターが選択するレセプションスパイクのトス配分に関しては、最も効果的な攻撃を合目的的に選択する事が求められています。
あくまでも、決定する確立の最も高い攻撃を選択する事が求められているのであり、クイックに上げる事が目的になってしまってはいけないのです。


この試合、レセプションスパイク出現数は富松3本、篠田8本でした。この試合だけを見てみると富松の打数は少ないと言えます。
しかし、レギュラーラウンド28試合の公式記録を見てみますと、篠田に比べ富松の出現数が多く、効果率も高いという結果が浮かび上がります。
さらに詳しいデータを相手が所持しているわけですから、注意すべきは篠田<富松という当たり前の構造となります。

なおかつ、篠田が前衛時には2度ボヨビッチの前衛と重なります。
相手とすればボヨビッチによる前衛からの攻撃をマークしたいところに、普段打数の多くない篠田が打ち込んでくれば、対処しずらいことは予測できます。

なおかつ、レギュラーラウンドでは効果率も出現率も高かった、富松の打数が少ないとしても、最後までマークを外しきれない思考に陥いったとしても納得です。

顕著だったのが、3セット目の24点目を奪ったボヨビッチのバックスパイクに対して、相手は富松のBクイックに反応してしまいボヨビッチのバックスパイクにブロック1枚で簡単に決められたケースと、最後の25点目、クイックの意識を捨てきれずにミドルが反応したために、ボヨビッチのバックスパイクがブロックの間を抜けて決定したケースです。

レギュラーラウンドの布石がなければ、あのポイントはボヨビッチにしっかりと2枚ブロックを形成されても仕方のない場面です。

本当に勝たなければならない試合に向けて、しっかりと種をまいた事が実を結んだと考えられます。

もう一つ付け加えますと、この試合のサイドプレーヤーのレセプションスパイク打数を比較すると、ボヨビッチ17本 米山13本 今田11本 越谷3本となり、決してボヨビッチの打数が多かったとは言えません。
「もしかしたら、クイックや他のサイドもあるかも?」という思考からブロックの対応に遅れたとしても仕方のない事だと考えられます。

それらの理由から、最後の24点25点のレセプションスパイクをボヨビッチが決定しやすくなった事を表しています。


この試合のデータを眺めるだけでも、今シーズンの阿倍の成長が見てとれます。

さらに篠田のリーダーシップは鬼気迫るものがありました。

その他の選手ひとりひとりにもコメントを寄せたいところですが、本人に直接伝えたいと思います。



今回の優勝によって来期はディフェンディングチャンピオンとなって臨むこととなりました。

水泳の小柳清志がこんな言葉を残しているので紹介します。
「同じ失敗をしないということは誰にでもできるが、一番難しいのは同じ成功を繰り返さないことだ。」


ディフェンディング(defending)には「守る」とか「防ぐ」という意味があります。この優勝を守ろうとするのでなく、もう一度掴みとりに行かなければならないと思います。
アタッキング(attacking)チャンピオンの姿勢で連覇を目指したいと思います。

今後も応援宜しくお願いいたします。

応援ありがとうございました。

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posted by kobayashi |11:00 | 2008/09 Vプレミアリーグ | コメント(11) | トラックバック(1)
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2008/09 シーズン・男子決勝(東レ - 堺)(その3) 【suis annex weBLOG】

第3セット、堺としては何かを本質的に変えてこない限り勝機はないと思えたが、まずスタートローテーションからして、両チームのマッチアップは1・2セットと同様(東レは各セットとも同じローテーションからスタートし、堺が自チームのレセプションから始まるセットとなった2セット目にローテーションを一つ戻す形)であり、堺が大きくブロック戦略を変える様子は伺えなかった。序盤3-2から、今田選手のスパイクサーブが前衛

2009-05-10 22:59 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
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2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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改めて優勝おめでとうございます。
そして、ブログの再開待っていました。

小林さんもおっしゃっていますが、決勝戦はストレートで
勝ったとは思えないほど、一進一退の試合で
マッチポイントを取るまでドキドキしながら観ました。

小林さんのデータ分析を読ませていただき、「なるほど」と
うなってしまいました。今期の阿部選手の成長ぶり、安定感は素人目にも明らかでしたが、データの活用、それを踏まえてのトスワークがあったからなんですね。

日韓トップマッチ、黒鷲旗と試合が続きますが、お体に気をつけて頑張ってください。
これからも応援します。

posted by のん | 2009-04-17 11:31

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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優勝おめでとうございます!

テレビ観戦ですが、決勝戦見ました!
いいところでブロックが決まってて、
そこが勝因になったのかなぁ…なんて思い、
そこが他のチームより、すっごいいいところですね!
小林コーチのデータ分析と、
プレーヤーでの経験が活かされているのでしょうか^^

個人的にも、ブッロクが好きなので、
これからもそんな活躍をたくさん見ていきたいです。

応援しています!がんばってください!

次のゲームも楽しみにしています。

posted by マユミ | 2009-04-17 14:15

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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小林コーチ優勝おめでとうございました。

優勝戦のプレーについて、説明してもらい疑問が解けました。
様々な分析の結果があってのプレーだったのですね。
阿部選手のトスワークも納得できますね。
それにしても東レのブロックはすごい!ですね。
相手へのダメージはかなり大きいと思います。
最高のプレーを見せてもらい、本当にありがとうございます。
ブログの更新楽しみにしていますね。

posted by さわ | 2009-04-17 20:13

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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詳しい解説をありがとうございます。
読めば読むほど『納得』です。

特に、センター攻撃に関しては、TVの解説で「少ない、少ない」とかなりマイナスな表現でしたが、その解説を聞いている時点で疑問に思っていました。

簡単に言ってしまえば、センターは「使えばいい」のではなく、「効果的に使う」ことが重要なんだと、改めて感じました。



それにしても、今期の決勝戦は、始まる前から「絶対勝つ」と信じきって観戦することができました!

チームの皆さんの、強い思いが優勝を引き寄せたのだとも思います。

本当におめでとうございます。

来シーズンも、あらたなるチャレンジ精神で、更なる飛躍の年となることを期待しています。

posted by くるみ | 2009-04-17 22:33

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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改めまして、優勝おめでとうございます。

決勝戦は会場で見たのですが、小林さんの説明を読みつつ、今録画してあったのを見て振り返ってみました。
私は応援専門でバレーは全くの初心者ですが、小林さんの説明で納得できるところが多々ありました。
小林さんの素晴らしい分析、そしてそれを元にした選手のプレーが優勝につながったんですね。

会場・TVで見たすべての試合、見ていて良かったと思えるものばかりで楽しかったです。
これからもずっと東レを応援し続けようと思います。
頑張ってください。

posted by まい | 2009-04-18 23:17

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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 改めて、優勝おめでとうございます。
 そして、詳しい奥の深い説明をありがとうございます。
 
 ディフェンデングチャンピオンとして追われる立場と考える方は
 たくさんいらっしゃると思いますが、私も小林コーチと
 同じような考えで、今年は今年、来年は来年で
 「勝ち」に行かなければいけないと思っています。
 どのチームも目指すのはただ1つです。

 私の好きな言葉に「天才は有限、努力は無限」と
 いうものがあります。努力にゴールはないと思って
 います。そういう気持ちで仕事に取り組んでいます。

 更なる強い東レを熱望しています。
 週末の日韓戦、リーグ戦で見れなかった東レ
 メンバーの生での観戦、楽しみにしています♪

 日韓戦、黒鷲と続きますが、小林コーチも選手に
 負けないように頑張ってくださいね!!

posted by カペちゃん♪ | 2009-04-19 23:26

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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改めて、優勝おめでとうございます!!

決勝戦はエンド席(ステージ脇)で生観戦させていただきました。
3枚ブロックがきれいに揃って飛んでいるシーンが多々見られ、「美しさ」を感じました。第2セットの阿部選手の3本のツーアタックも素晴らしかったと思います。

ご指摘の、レセプションと順位の相関性の低さは興味深いですね。レセプションが成功すると、相手チームにとっては逆に攻撃パターンを予測しやすいという側面があるのでしょうか?
それ以上に二段トスの精度が影響しているのかも知れませんね。

今後も素晴らしいゲームを観戦させていただけることを楽しみにしてます^^

posted by もり | 2009-04-20 17:16

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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優勝おめでとうございます!
「守るのではなく、掴み獲る」
もう、ここから次への戦いが始まっているのですね。
冷静に分析し、結果がたとえ優勝であっても浮かれることなく次に向かう姿が頼もしいです。
私もそうありたいと思いました。
ますます進化していく東レアローズを応援しています!

posted by 勝利の女神 | 2009-04-21 01:41

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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今さらながら。。優勝おめでとうございます!
初めてコメントさせて頂きました。。。
小林さんのブログ再開~良かったです(こちらも遅いですね)

私は今回は篠田さんのリーダーシップに感激しました!!連続して優勝逃してしまった3年間(かな?準備期間も含めて)の苦悩といいますか、葛藤を思うと。。
私の中のMVPは篠田さんでした!!

これからも応援していきます。。
この世知辛い今の社会、楽しみを喜びをありがとうございました(礼)

posted by naomi | 2009-04-21 09:00

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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優勝おめでとうございます!
なるほど、そのように策を練ることで
狡猾に労せずして優勝をもぎとったわけですね?!
スゴイです!
小林さんのようなブレーンがいれば
東レは今後も苦労ナシですね!
来季も頑張って下さい!

posted by K | 2009-04-26 16:20

2008/09 Vプレミアリーグ を振り返って

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日韓トップマッチ優勝おめでとぅございます!!
Vリーグ、日韓戦2冠達成です。
そしてすぐに黒鷲です。

日韓戦では両日観戦させていただきました。
東レの気迫溢れるプレー、粘りのプレー、どの部分を
とっても印象に残るもので・・
そして1番は、2日目第3セット。サムソン火災3点
リードからの富松選手の3連続ブロック!!
そして、ここから更に逆転へ、そして優勝。
たまんないです!
途中篠田キャプテンへの警告がありましたね。
その時ふと小林さんのブログに書かれた言葉を思い出し
ました。
「熱い心がなくなっては篠田の良さがなくなる。」
真剣だからこそでてしまうものでもありますね。
東レの強さの秘密もそこにあるのかも知れませんね。

私事ですが、2日目お写真一緒に写っていただき
ありがとうございました。(柵まで越えていただいて。)
前日、緊張のあまり、差し入れ渡し、目が合った瞬間
フリーズしてしまい、頭の中も真っ白。後ほどかなり
悔やまれました。
でも、本当に有難うございました♪
3年連続のお写真は私のパワーの源です!

posted by カペ | 2009-04-27 22:22

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