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南野拓実の現在地

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オーストリアカップ準決勝アウェイのアドミラ戦で、レッドブル・ザルツブルクは5-0と快勝した。先制点とだめ押しの5点目を奪ったのが南野拓実。フル出場で決勝進出に貢献した。

今シーズンの南野拓実はリオ五輪参加でチームへの合流が遅れ、出場機会が増やせていない。同じくリオ五輪に参加していた韓国代表ファン・ヒチャンがリーグ戦21試合1430分の出場に対して、南野は15試合755分にとどまる。監督の信頼を十分に得られていないと言わざるをえない。

今季のRBザルツブルクの基本フォーメーションは4-4-2。ツートップは先に挙げたファン・ヒチャンと冬に中国に移籍したホナタン・ソリアーノがレギュラーだった。ソリアーノは3季連続オーストリア・ブンデスリーガの得点王であり、チームではキャプテンも務めていた大黒柱。今季はそこまで得点を積み重ねてはいなかったが、絶対的エースではあった。

攻撃的MFは右がヴァレンティーノ・ラザロ、左がヴァロン・ベリシャ。ベリシャは豊富な運動量と献身的な守備が持ち味。一方、21歳のラザロはチームのユース出身で10番を背負うホープ。ドリブル突破が魅力の選手。

南野は昨シーズンは右MFの起用が多かった。だが、オーストリア代表にも選出されたラザロにポジションを奪われた形だ。そこで南野の直訴もあってトップ起用が増えていった。そしてソリアーノの移籍。これで先発の座を確保できるかと思われたが、ウインターブレイク後もベンチとなる機会が少なくない。

現在、ザルツブルクのツートップは、ファン、南野、今シーズン加入ししばらく怪我で戦列を離れていたヴァンデルソン、レンタル先で活躍し冬に復帰したディミトリ・オベルリンの4人が主軸。CFタイプのファンに対して、南野とヴァンデルソンはセカンドストライカータイプだ。

ザルツブルクの中で南野拓実の最大の長所は、数字で見ても分かるとおり決定力だ。リーグ戦15試合755分で11得点。68.6分で1得点の計算だ。GKとの1対1に強く、GKのニアでも手の出しにくい頭の高さへのシュートが目立つ(アドミラ戦の1点目もそうだった)。 ペナルティエリア内での落ち着き、シュートへの意欲、アイディアといった点で他の選手より抜きん出ている。

南野の最大の得点パターンは裏へ抜け出してのシュート。一方で、ポストプレーは得意ではない。今季リーグ戦ではアシストは2点と伸びていないが、パス能力も高い。アドミラ戦でも4、5回スルーパスを通した。ザルツブルクの2点目は南野のスルーパスをラザロがダイレクトで折り返し、キーパーがこぼしたところをヴァンデルソンが詰めてゴール。

南野が使われない理由として守備を挙げることが多い。しかし、守備の意識はもともと高いし、そこまで守備が下手というわけではない。ベリシャほどの守備の強度はないが、ラザロと比べて著しく劣るわけではない。

では、なぜ使われないか。おそらく、個での突破力が足りてないからだと思う。Jリーグにいたときは、ドリブルで相手を抜いて行くこともできていた。しかし、欧州では運ぶドリブルはできても、抜くドリブルができない。右MFとしてラザロに負けているのがまさにそこだ。

南野に限らず、日本人の攻撃的選手で個の力で打破できるタイプは非常に少ない。パスワークを絡めながらボールを前に運ぶことはできても、ドリブルで相手を抜き去って局面を変えられる選手はほとんどいない。しかし、欧州ではそこが求められる。クラブの規模は違うが、清武が使われず、乾が使われ続ける理由もそこだろう。

南野の契約は1年の延長オプション付きで2018年までと言われている。欧州で22歳は若手とは呼ばれないだろう。数字は残しているので移籍するチャンスはある。ただどこに移籍しても前めの選手は競争が激しい。個で打開できないと、パスを待っていてはなかなかチャンスは得られない。もう少し質の高いリーグへ行くべきだとは思うが、自分の武器を活かせるクラブかどうかは慎重に選ばなければならないだろう。

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