2010年03月30日
C大阪vs浦和レッズ。浦和に変化の兆しが見えたゲームだった。
何かといえば、攻撃のメリハリ。速攻と遅攻の使い分け。繋いで崩す攻撃と、1本のパスでDFラインの裏を狙う攻撃。
得点経過において常に1歩先んじたゲーム展開、前掛かりに攻めてくる相手……という構図があったことは確かだが、その中でも攻撃に幅とバリエーションが生まれ始めたのは良い兆しである。田中達也が高いポジションから裏を狙い、途中出場の原口元気がその動きを補完してみせたことも理由の一つだろう。
エジミウソンが自らのプレースタイルの幅を広げ、ストライカーとしてだけではなく、ポストプレイヤーとしても、質の高いパフォーマンスを見せ始めている。できることならばシンプルな2トップの布陣を敷いて、その相棒に田中達也or原口元気というスピードと突破力を兼ね備えたタレントを配し、絶えず敵DFラインの裏を突く、敵DFラインを押し下げる……という狙いの元に、状況に応じた速攻と遅攻の使い分けを図ってゆくべきなのではないかと僕は考える。
この日の後半もC大阪に攻め込まれるシチュエーションがあったが、今の状況では、昨年までのような引いて耐えて守りきる……といった守備も難しいのだろう。であれば、カウンターを磨き、その中でまた出てくる相手に対しても怯まぬポゼッション……を構築するより他無い。面子的にもDFの整備は今シーズン中に完成することは難しいだろう。
2点取られて3点取り返すサッカー。
王者のサッカーにはまだまだ程遠いが、今年はこういうゲームが増えてゆくのではないかと予想する。昨年に比べても攻撃の迫力は増してきている。対戦カード的にも、ここで2つ3つと連勝してゆくことができれば、ACL圏争いがしっかりと見えてくる展開となるはずだ。
一方、負けたとはいえ、セレッソ大阪の地力が印象に残ったゲームだった。
この日は乾、香川が浦和のディフェンスにうまくつぶされ、シュートにまで持ち込んだ攻撃は少なかったが、それでも後半の優美なマルチネスのパスを起点に回るボールの動きは、弱者のそれではなかった。香川、乾の日本人アタッカー達とともに、このマルチネス、そして新加入のアドリアーノ、2人の助っ人ブラジル人のポテンシャルも特筆すべきものがある。このアドリアーノは、日本に留まればいずれJ1得点王を手中に収めるストライカーとなることだろう。
C大阪は開幕から厳しい対戦カードが続いた。
16位というポジションに低迷はしているが、この試合のパファーマンスを見る限り、この位置にとどまるチームではない。僕は今シーズンのセレッソ大阪にポジティブな印象を持った。いずれはこの攻撃力を活かし、上昇してくるのではないだろうか。
そして大宮vsFC東京戦。
あのアン・ヨンハのプレーにレッドカードが突きつけられるのであれば、日本のサッカー、Jリーグのサッカーに、スライディングタックルという選択は無くなる。キム・ジョンウ、キム・ナミル、日本の過保護すぎるジャッジに泣かされて活き場を失った韓国人選手たちはこれまでも少なくなかったが、いまこのアン・ヨンハも同じようにJリーグのヌルすぎる判定によってパージされようとしている。
アン・ヨンハは強い闘争心を持ち、激しいプレーを特徴とする選手ではあるが、決して汚いプレーヤーではない。あのレッドカードを貰ったプレーとて、報復でもなければ、危険なバックチャージでもないし、悪意あるスライディングではない。またそんな状況でもなかった。
審判はミスするもの。それは理解する。了承するが、このプレーにしろ、その後のマトの2枚目のイエローにしろ、当該選手の背後に居た主審の村上伸次さんには、接触箇所は見えていなかったはず。しっかりと確認できてはいなかったはず。実際マトの2枚目のイエローなどは、羽生の痛み具合を横目に見ながら、明らかに躊躇しつつ胸のカードに手を掛けた。
何度でも云うが、見えていない部分を予断や憶測で裁くのであれば、それは審判ではなく、レフェリーの侵犯行為、事実の捏造である。結果妥当だった。予想通りだった。そんなジャッジが、許されてよい訳はない。個人の軽率なレフェリングが、たった一つのジャッジが、ピッチ上22人の選手達と、1万3千人もの観客の為の、サッカーの舞台をふち壊し、殺してしまう。
80分間、サッカーにならないサッカーを続けた選手たちと、敗れた彼らを拍手で迎えたサポーターたちの苦痛と忍耐にわずかでも報いる為にも、この行き過ぎたジャッジが招いたアンフェアな事態を重く受け止めて欲しい。なんらかの改善策と通達を審判委員会には期待したい。
幾らかでも進化の見えた昨年に比べ、今年のJリーグのレフェリングの質は、明らかに後退している。退歩している。選手達は日々命がけで闘っている。レフェリーもプロフェッショナルを名乗るのならば、この問題に命がけで取り組んで欲しい。
※関連エントリー
Jリーグ理事会、そして岡田正義さんへ
一番つまらない試合
2010 J1順位予想
キリタニ文楽館、はじめます
【アフォリズム】001 恋愛とは…
【アフォリズム】002 恋愛とは…その2
【アフォリズム】003 恋愛とは…完結
【最近お気に入りの曲】痛いよ 清竜人
ペットの殺処分と女子高生たちによる救出
【最近お気に入りの曲】ソラニン Asian Kung-Fu Generation
posted by キリタニ |11:11 |
Jリーグ |
コメント(6) |
トラックバック(1)
2010年03月29日
Jリーグがチャンピオンシップの復活を検討していることが26日、明らかになった。プロ野球のクライマックスシリーズと同様の方式となることが有力で、早ければ来年度からの実施を目指している。スポンサーにとっても魅力的な大会で、Jリーグ活性化の起爆剤として期待されている。
今回復活が検討されているのは以前のような2ステージ制ではなく、プロ野球のクライマックスシリーズと同じ方式。まず2位と3位が対戦して、その勝者が1位のチームと対戦するという方式が有力視されている。
以上、3月27日7時1分配信 スポニチアネックスより
これが本当に実施されるのであれば、毎年Jリーグ最終盤の戦いにおいて、ファンやサポーターの注目が集まるのは、優勝争い……ではなく、3位、4位争い……ということになる。
たとえば鹿島アントラーズが、残り3試合の段階で、4位チームに勝ち点差10をつけたとする(毎年充分にあり得ることだろう)。
同時にCWCの戦いも見据えなければならないかも知れない。そして天皇杯もある。僕が鹿島の監督であれば、当然のように主力選手の温存を考えるだろう。ベストメンバー規定による制約があるのであれば、まず選手にはゲガをするな……と伝えるだろう。無理をするな……と言い含めるだろう。
そして口には出さないかも知れないが、この試合は負けてもいいんだ。チャンピオンシップで勝てればいいのだ……。そう考え、目の前のゲームへの集中を捨てて、如何にしてチャンピオンシップを勝利するかに策略を巡らす事になるだろう。
またそこには残留を争うクラブとの対戦もあるかも知れない。
同じく残留を争うライバルクラブは、事前に勝ち点3を得るためチンチンに叩いたが、ここからの試合に置いては勝ち点に意味はない。ケガをせず、体力を温存しさえすれば良いのだ。
そうやって首位のクラブが、残りの試合をまるで消化試合のように戦う。
勝ち点差によっては、2位のクラブが、或いは3位のクラブまでもが、ほとんどなんのモチベーションも無い状況で、残りの2試合、3試合、Jリーグのクライマックスを戦う……なんて状況が生まれることもあるだろう。
そしてチャンピオンシップでリーグ3位のクラブが勝利する……。その年の王者の座に就く。
それがJリーグの王者という事になれば、今現実にこのJリーグにおいて前人未到の偉業を継続する鹿島アントラーズのそれとどう釣り合いが取れるのだろうか?来年リーグ5連覇を達成した鹿島が、その後のチャンピオンシップにおいてリーグ3位クラブに敗れる。鹿島5連覇達成ならず……。多くのJリーグファンは、そんなJリーグをほんとうに求めているのだろうか?
このチャンピオンシップという制度は、Jリーグ売り上げの少しばかりの水増しのために、そんな不条理を許容せよ……という制度である。売り上げの水増しの為に、リーグ戦の価値と質を薄める。気の抜けたビールのような、Jリーグ最終盤の戦いが展開される。Jリーグとは、Jチャンピオンシップという水増しされた仕掛けのための、壮大な予選となり、また余興となるのだ。
組織としてのJリーグが為すべき事は、そんなことではないと思う。
むしろその逆こそを為すべきなのだ。
リーグ戦1試合1試合の価値を高め、質を高めること。
そのために何をすれば良いか、リーグとして主体的に何を成し得るのか?どんな手段が可能なのか?それを徹底的に考え、検討し、実践してゆくこと。それこそ、組織としてのJリーグが、いま何よりも優先して取り組まなければならない課題であり、責務なのではないだろうか?
短絡的に金を創出する仕組みではなく、揺るがぬ価値を創造するための智慧と地道な努力こそが必要なのではないだろうか?
そしてこれは日本代表ビジネス、JFAに対してもまったく同じことが言えるはずだ。日本サッカー界の権力者達は、進むべき方向を間違えている。
繰り返すが、大切なのは目先の金を創出することではない。未来を見据えて確かな価値を創造してゆくことである。
Jリーグチャンピオンシップの復活に反対する。
やるべきことはもっと他にあるはずだ。
※関連エントリー
脱・日本代表のススメ
Jリーグ改革 最後に言っておきたいこと
川淵VSナベツネ論争の裏側
キリタニ文楽館、はじめます
【アフォリズム】001 恋愛とは…
【アフォリズム】002 恋愛とは…その2
【アフォリズム】003 恋愛とは…完結
【最近お気に入りの曲】痛いよ 清竜人
posted by キリタニ |10:44 |
Jリーグ |
コメント(23) |
トラックバック(2)
2010年03月23日
昨年の夏、僕は『ポスト岡田への推薦状 後編』においてこのように記した。
僕が次期日本代表監督として推薦するのは、オズワルド・オリベイラ監督、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の二人である……と。
その思いに未だ変わりないし、この二人のいずれかに就任してもらうのが、日本代表の未来にとってはベストであると思っている。
が、しかしこれはあくまで僕の願望であって予想ではない。現実には、まずそうはならないだろうと考えている。御存知のようにオリベイラさんは、権力や権威に対して媚びることのないモノ云う指導者である。彼のこれまでの言動から、自らの信念を貫く高潔な意志の持ち主であることが伺い知れる。
何よりも優先して、円滑にビジネスとしての代表興行を取り仕切りたいJFAにとっては、監督オリベイラは非常に扱いにくい相手。そしてそれは、オシムに近いペトロヴィッチ監督に対しても同じ事が言えるだろう。過去にトルシエやオシムの、馴れ合いを拒む頑強な意志に悩まされた苦い記憶の残るJFA幹部達にとっては、そのいずれも、再び踏みたくは無い、同種の地雷と映っているのではないだろうか。
では、次期日本代表監督の本命は誰なのか?
もしW杯後の会長選で犬飼基昭現会長の再選がなれば、僕はすんなりギド・ブッフバルトに決まる可能性が高いのではないかと思っている。実質的な犬飼主導の人事である。
監督にブッフバルトを据えて、浦和の選手たちに闘莉王や長谷部誠を召集して埼スタをメインに興行をおこなう。過去浦和において大きな実績を持つ彼であれば、斜陽の一途をたどる日本代表ビジネス復興の為に、そのような自らの成功体験を再び踏襲するプランで臨むのではないかと僕ならば予想する。
が、犬飼会長の再選がならず、川淵氏の推す新たな傀儡にバトンが引き継がれるのだとすれば、その際は西野朗さんの就任する可能性が一番高いのではないかと考える。しかしこれも、会長選次第……。今後毎年十億円単位の収益減の見込まれるJFAにあって、これまで通り川淵氏の権勢が維持されるかどうかは微妙なところのような気もする。金の切れ目が縁の切れ目……という状況も充分にあり得るだろう。そこでまた協会内に新たな力学が生じることも考えられる。となれば、原博美強化担当技術委員長が主導権を握っての次期代表監督選考(スペイン路線)の目も残されていると言えるだろう。
要するに
本命:ギド・ブッフバルト
対抗:西野朗
穴 :原主導によるスペイン路線 or 新会長自らによる抜擢
が、今現在の僕の予想である。
そしてあえて付言するならば、自らの予想でありながら、できることならば“外れて欲しい”と密かに願っている。僕個人の意中の人は、あくまでオズワルド・オリベイラ監督であり、でなければミハイロ・ペトロヴィッチ監督ということになる。彼らより優れた監督は世界を見渡せば何人かいるかも知れないが、彼らほどその立場に相応しく、また確度の高い選択はないと思っている。
彼らはアタッカーに強力な外国人FWを並べるのではないやり方で、しかも日本人主体の体制で、強固なチームを創り上げてきた。欧州のビッグネームと比較しても、これ以上信頼に足る確かな実績はないと僕は思う。
決まってから……では遅いのだ。
それを充分すぎるほど味あわされた2年半ではなかっただろうか。
僕は3カ月後のW杯を誰で行くのか……よりも、今この時点に至っては、2014年へと向かう体制がどう作り上げられるかの方が、日本のサッカー界の未来にとって遥かに重大な出来事であると考える。そしてそれに僕らの立場から幾らかでも関与し、影響を与えようとするのであれば、この時期にこそ、様々な場所において、真摯な議論が為されるべきである。
今がその時なのではないだろうか?
※関連エントリー
ポストオシムと『日本化』への道
“過大評価”の連鎖と“欧州遠征”
ポスト岡田への推薦状 後編
ニッポンの贅肉
キリタニ文楽館、はじめます
【アフォリズム】001 恋愛とは…
【アフォリズム】002 恋愛とは…その2
【アフォリズム】003 恋愛とは…完結
【最近お気に入りの曲】痛いよ 清竜人
posted by キリタニ |11:07 |
JFAについて |
コメント(50) |
トラックバック(5)
2010年03月19日
一番つまらない試合とはどんな試合か?
それは、レフェリーが勝敗を決してしまう試合である。もっと厳密に云えば、レフェリーのあやふやなジャッジによって、勝敗までもが歪められてしまう試合……である。
「ホールディング」に対するジャッジの厳格化によって、残念ながらそういうゲームが格段に増えてきている。リピート放送を含めて、ここまで10試合ほど見てきたが、僕の目にはその1/3が、レフェリーのあやふやなジャッジが勝敗を歪めてしまったゲームに映った。このままではJリーグがつまらなくなってしまう。
僕は以前この場に、
『Jリーグは手を使うファールに甘すぎる。厳しく取らなければ国際試合に対応できない』
と書いたことがある。
僕が厳しく取るべきだと考えたのは『手を使う』プレーであって、『腕を使う』プレーではない。さらに具体的に言えば、手で相手や相手のユニフォームを、アカラサマに掴むプレーであって、手で相手や相手のユニフォームをレフェリーに見つからないように上手に掴むプレーではない。
裁きの基準は、そこにファールが『在ったか無かったか……』ではないと僕は思う。
あなた(レフェリー)にそれが『見えたか見えなかったか……』であるべきだ。
あなた(レフェリー)はそれを『確認したか確認できなかったか……』であるべきなのだ。
そしてその前提は、観客も共有しなければならない。
これまで2節のJリーグを見ていると、相手の身体に腕が当ると即座に笛が吹かれるような過剰なジャッジが増えたし、明らかにレフェリーに見えていないような角度であっても、腕を使ったと思しき選手が、不当なカードを貰ったりしている。
これでは逆に国際試合に対応できなくなる。むしろ、腕はもっともっと上手に使うべきなのだ。
稲本潤一や長谷部誠、松井大輔を見ていて、僕がもっとも感心するのは、腕の使い方と上手なファールの仕方である。欧州に行って、皆が皆、間違いなく上達するのはこの部分である。正しいファールの仕方とその為の判断力……と、言い換えても良いかも知れない。特に一番激しいリーグで、激しいポジションで、濃密な経験を積んできた稲本潤一のそれは、これまでの日本選手の中でも最高峰のレベルにあると僕は思う。
本来ならばJリーグは、彼のような知性や判断力や経験やそのテクニックこそを、日々のゲームの中で育んでゆかねばならない。そのためにもJリーグのレフェリーたちは、海外の、とりわけ欧州トップリーグのゲームを、もっともっと丁寧に見るべきであるし、その基準を素直に取り入れるべきなのだ。
僕がJリーグのレフェリーに求める事は、ルールブックの杓子定規な適用の前に、欧州基準に照らした感覚的な妥当性であり、ある面での大らかさである。
あからさまにユニフォームを引っ張るようなベタなファールやベタなシミュレーション、そして危険なバックチャージの類には容赦なく罰則を与えるべきだが、激しくエキサイティングなゲームを演出する上での、身体と身体との激しい衝突や、感情と感情のある程度のぶつかり合いや交錯は、積極的に解放し、また許容してゆくべきであると考える。そこでの適切な判断力こそが、ゲームの質やファンの満足度に繋がってゆくのだ。
素晴らしい試合であればあるほど、レフェリーの存在は目立たないものである。また良いレフェリーであればあるほど、笛の数も、カードの数も少ないものである。要するに僕にとっての良いレフェリーとは、少々眼力は劣れども、予断で裁かない、笛を吹かないレフェリーのことである。
ニーチェの遺した言葉にこんなものがある。
事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
ニンゲンは神ではないのだから、たとえゲームの審判を任されたレフェリーであろうとも、すべての真実を知ることはできないし、僕達もまたそれを許容しなければならない。要するに、判らない事は判らないまま捨て置く覚悟を持って、ジャッジとはなされるべきなのだと僕は思う。
※関連エントリー
絶対に守るべき審判のルール
Jリーグ新規約~グッドルーザー規定~
Jリーグ理事会、そして岡田正義さんへ
posted by キリタニ |11:37 |
Jリーグ |
コメント(9) |
トラックバック(2)
2010年03月08日
浦和レッズは4-4-2、或いは4-3-1-2、4-3-2-1で戦うべきであると僕は思う。
昨年からの問題だが、4-2-3-1では、どうしても速い攻めのときゴール前の頭数が足りない。2列目からゴール前に割って入るカタチが描けない。そしてどん詰まりの遅攻になったところで、前の3-1の足が止まり、後ろからオーバーラップするタイミングもスペースもないところで、攻撃の流動性を失い、雑なパスミス、無理なドリブル突破から、カウンターを喰らっている。
この試合のように、敵に先取点を奪われてから、速い、小さな選手を前に何人送り込んでもあまり意味はない。そもそも前線は疲弊し動けない選手で大渋滞を起こしているのだ。スペースを自らの活き場としているタレントたちが、持ち味を発揮できる状況にはないのである。
現実のサッカーにおいて、そういう状況になれば、もはや美学や美意識などまるで通用しない。
強く大きく逞しいターゲットこそが必要なのだ。だからこそ闘莉王なき今シーズン、その穴をターゲットに成り得る助っ人外国人FWで埋めておくべきであると僕は思っていた。そしてまただからこそ、ポンテ後の新助っ人にその役割を期待したいのである。
2つの失点は、どちらもつまらない過怠やミスから生じたものである。これは個人の意識や、集中力の問題なので、戦術や監督を責めても仕方の無い部分でもあろうかとは思う。しかし、そんなひとつの小さなミス、失点によって、今後も幾度となく生み出されるであろう、この0-1の状況に対して、有効に対応し得る手段を持たない事は大きな問題である。闘莉王がいた昨年にはあまり自覚されなかったリスクであろう。
高崎寛之に期待する部分もあるのだろうが、この試合のようにベンチにも入れない状況であれば、一刻も早く切り替えて、手当てするべきである。
速攻と遅攻の使い分が何よりも大切なのだ。攻守の切り替え、球際の気迫、そして集中力。すべての手本となるものが、この日の鹿島アントラーズである。
いくつか危ういミスもあったが、突破のカタチと勝負するキモチを持っている 宇賀神友弥は、非常に期待の持てるタレントである。 そしてもう少しメリハリはつけて欲しいが、セルヒオ・エスクデロのドリブル・キープ力は、使いようによっては良い武器にも成り得る。柏木陽介については、彼自身の将来のためにも、今は後ろに下げずに前で勝負させるべきである。
総評としては、昨年の問題は問題としてそのまま残っているし、闘莉王を失ったという攻撃面における不足に対する手当てもできていない。が、契約面や経済的な制約のある中で、若い力が台頭し、旧世代との代替が進みつつあることは事実だし、ゴールというカタチには結び付けられなかったものの、昨年よりもさらにもう一歩進んだ攻撃が見られそうな予感はあった。
6月まで少なくとも5割の星をキープしていかなければならない。そのためにも次のFC東京戦は、負けられない試合となる。
いうまでもなく、この試合で鹿島アントラーズの方が遥かに大人で、高いプロ意識を持った集団であることが証明された。むしろ得点には直接繋がらなかった、マルキーニョスのバーを叩くシュートや、数々のカウンターにおける決定機のほうが、両者の地力の差と格の違いを見せ付けていたように思う。
特に2トップの動きが本当に素晴らしかった。
僕は今年の鹿島の不安要素に2トップの得点力をあげたが、もし彼らがこの好調を維持し得点を量産していくようであれば、昨年ほど苦しむことなく4連覇という偉業を達成することも可能なのかも知れない。モチロン、ACLの戴冠とセットで……でなければ困るが。
実際にはそんなにうまく事が運ばないのが現実であろうが、この1試合で、密かに前エントリーを改ざんさせてもらいたいぐらいのキモチにさせてくれたマルキーニョスと興梠慎三のパフォーマンスには、86分間感動しきりであった。交代後、オリベイラさんと力強く抱擁しあったマルキーニョスの姿を、僕は長く記憶することになるだろう。ぜひこの姿をACL決勝後にもう一度再現して欲しい。彼にとっても、今年が鹿島で最後のシーズンになるのかも知れない。
フェリペ・ガブリエルのパフォーマンスを見る限り、僕はこのポジションにスタートから遠藤康を使ってみるべきじゃないかと思っている。オリベイラ監督はわりと頑固にメンバーを固定してくるタイプで、そのプライドを慮ってのことと思うが、ダニーロの初年度も結果の出ない彼を我慢して使い続けた。もちろんオリベイラ監督なりの緻密な計算と深慮を持って選択してゆくことになるのだろうが、ポスト本山のインパクトを求めるのであれば、僕の目にはフェリペよりもこのレフティの方に魅力を感じる。今こそ大きく開花するべきタイミングなのではないかという予感がする。
他方に目を向ければ、湘南ベルマーレ、清水エスパルス、名古屋グランパスと、僕は4-3-3システムと思しきチームのゲームを立て続けに3つ見た訳だが、この難しいシステムをもっとも良く把握し、スムーズにこなしているのは湘南ベルマーレであった。山形相手に勝利することはできなかったが、ピッチ状況の悪い中で、ボールの良く回る美しいサッカーを展開していたと思う。湘南のサッカーは面白そうである。
逆に云えば、名古屋は強くなりそうな予感はプンプン漂っていたが、サッカー自体は昨年よりつまらなくなるのかも知れない。これもサッカーの皮肉なところで、そこを補完する意味でも、金崎夢生やブルザノビッチには是非とも頑張ってもらいたいと思う。次、豊田で川崎にキッチリ勝利することができれば、大きな自信にもなるだろう。ケネディの怪我が何よりも怖いが、もしそうなった場合、闘莉王をFWで使うこともあるかも知れない。
先日のバーレーン戦のエントリー。
右サイドアタッカー中村俊輔に代わる候補として、僕が一番最初に頭に思い浮かべたのは、この金崎夢生と石川直宏であった。開幕戦におけるこの二人の活躍は、僕にとっても非常に嬉しい出来事だった。
そして最後に大宮。
この試合を見ていて、僕はオシム時代のジェフ市原を思い出した。代表を指揮したことによりオシムといえばポゼッションサッカーというイメージがついてしまっているかも知れないが、当時は遅攻による得点なんてほとんどなくて、前に速い攻めと躊躇のない全員攻撃が特徴だった。今年の大宮は、そのオシム時代のジェフに似ているかも知れない。
もしこの日の相手が鹿島アントラーズであったとしても、きっと彼らならば勝ち得たのではないかと僕は思う。それぐらい勝利への執念を感じた。熱くて、強いサッカーだった。今年は浦和や広島と共に、この大宮のサッカーを追いかけてゆこうと思っている。
※関連エントリー
2010 J1順位予想
クラブと移籍制度、そしてプロ監督の引き際
ジェフ千葉降格の総括
犬飼会長の激怒と正義について
posted by キリタニ |11:05 |
Jリーグ |
コメント(14) |
トラックバック(3)
2010年03月04日
試合を見ていて少々残念に思ったのは、バーレーンが日本に対して良いサッカーをしようとしてきたことであり、そして実際に、なかなか良いサッカーをしてしまっていたことである。
これでは本大会で当る3つの国との、3つの試合の、あらゆる状況の、シミュレーションになどなりはしない。ガチンコのバーレーンであれば、少なくとも日本にとっての0-1の状況、引いた相手に対して、なんとしてでもゴールをこじ開けなければならない状況における、ある程度の予行演習にはなったはずだ。
が、しかしこれも、東アジア選手権以来、ここ一月ほど代表や岡田監督に対する不信感やフラストレーションを溜め込んできたファン・サポーターのストレス解消、毒抜きの用は為したのかも知れない。寒い中、この消化試合の為に豊田スタジアムまで駆けつけてくれた4万人近いサポーターの皆さんも、概ね満足されているのではないかと思う。
良い試合だった。純粋に面白いサッカーだったし、面白い試合だった。
しかし、ひとつ釘を指しておきたいことは、ベネズエラ戦で出来なかったこと、中国戦で出来なかったこと、韓国戦で出来なかったこと、それらのことがこの試合でできていたからと云って、日本代表はそれを克服した訳でも、あの時点から成長した訳でも、やはり海外組みの方が力が勝る…という訳でもないのだと僕は思う。
異なる相手に、異なる状況で、異なる目的で、異なる戦い方を挑まれる、或いは挑む。
そんなてんでばらばらの各々のゲームを同一の視点で語り、
『何ができた、何ができなかった』
なんて同じ基準で、同じ要素を抽出しようとすることは無意味である。
死海の水はしょっぱいだろうし、それに比べれば摩周湖の水はさぞ清らかでクセもないことだろう。必要なのはその水が異なるという自覚であって、おいしく呑めたか呑めなかったか…ではない。
死海の水がしょっぱいのも、日本人にとってのキムチが少々辛すぎるのも、きっと大阪生まれの岡ちゃんの所為ではないと思う。岡ちゃんの生まれるずっとずっと前から、死海の水はしょっぱいし、韓国のキムチは辛い。
そういう前提を踏まえずして、どこまでも自身の欲求を基準にモノを云うのであれば、ヒディンクであれ、オシムであれ、オリベイラであれ、その時がくれば後ろ足で砂をかけ、ツバを吐き捨てるような非礼を、僕らはまた繰り返すのだろう。
中村俊輔には、エスパニョールにおける不遇の状況の中で、よくこれだけのコンディションを維持し、ゲーム勘を養ってきたものだと素直に感心させられた。相変わらずポジションは低く、右ウイング、或いは右SHとしては、ゴールへの意識が希薄に映る部分もあるが、少し引いた位置での30M、40Mの裏を突くパス精度は、他の日本人には真似の出来ないレベルにある。
しかし一方で、逆サイドの松井大輔、長友佑都の連携や、高い位置での絡みを見れば判るように、松井大輔があの位置に張って、あの位置で仕掛けてこそ、SBの自由を引き出す多彩で厚いサイドアタックが展開できる……という側面もあるのだ。
南アフリカで中村俊輔を使うならば、我慢をする状況ではなく得点を取りに行く状況。
しかも、一列下げて、右ではなく左。
僕が岡田監督の立場であれば、そういう選択になると思う。
また本田圭佑は、やはりこのチームの攻撃の核になるべきタレントなのだと再認識させられた。
厳しいプレッシャーの中に身を晒しながら、前を向いてゴールへ向う、そのゴールへ向うスピードの中で、1テンポ2テンポのタメを作り、敵を引き付けスペースを拵えた上で、限りなく100点に近いパスを事も無げに通す。呼応した松井大輔も見事だったが、日本が南アフリカで得点するとすれば、あの攻撃こそが最も可能性の高いカタチなのではないかと僕は思う。
願わくば右サイドにも、この日の松井大輔のように、本田圭祐のパスに呼応し得るタレントの起用を乞いたい。また森本貴幸には守備的な負担のないところで、自由にゴールを狙わせるべきなのだろうと僕は思う。TV画面にも何度か映った、敵DFラインとの駆け引きは、例えボールが出てくる事はなくとも、それ自体がひとつのエンターテイメントの体を為していたように思う。この試合、僕が一番興味深く見入ったのは、この森本貴幸のDFライン裏へ仕掛ける際の動き出しのスピード・俊敏性と、その駆け引きであった。
この試合で何かが変わった訳ではないし、東アジア選手権によって何かが変わった訳でもない。さらに云えばこの15年、日本のサッカーの世界における立ち居地に、何か大きな変化があった訳ではないし、何かが大きく変わった訳でもないと思っている。
僕の中での岡田武史監督に対する評価は70点である。
そして南アフリカにおけるGL突破の確率は20%~30%。
日本はアジアで3~4番目の国。
岡田監督解任…反対。
その時々の1試合、2試合の出来不出来によって、この評価が大きく変わることはきっとこれからも無いだろう。まあ、だいたい、そんなところである。
※関連エントリー
素晴らしい試合とサッカーの真実
幸運なグループEとニッポンのGL突破確率
岡田ジャパンの可能性 番外編
posted by キリタニ |11:12 |
岡田JAPAN |
コメント(12) |
トラックバック(2)
2010年03月02日
まずは予想順位を。
1位 名古屋グランパス
2位 ガンバ大阪
3位 鹿島アントラーズ
4位 浦和レッズ
5位 FC東京
6位 川崎フロンターレ
7位 ジュビロ磐田
8位 清水エスパルス
9位 サンフレッチェ広島
10位 大宮アルディージャ
11位 モンテディオ山形
12位 セレッソ大阪
13位 横浜Fマリノス
14位 京都サンガ
15位 ヴィッセル神戸
16位 アルビレックス新潟
17位 ベガルタ仙台
18位 湘南ベルマーレ
【総評】
昨シーズンの上位クラブはほとんどが“高齢化”という問題を抱えており、また経済的な背景もあり、有望なブラジル人選手の流入も滞ってしまっている為に、昨シーズンに比べ、そのチーム力を大きく伸ばしてくるようなクラブが見当たらないのだが、そんな中で唯一国内から4人の大物選手(田中マルクス闘莉王、千代反田充、ダニルソン、金崎夢生)を獲得した名古屋グランパスが目を引く。
これにより各ポジションに激しい競争が生まれ、また今年はACLに足を引っ張られることなくリーグに集中できる。他の上位チームに比べ有利な条件が揃い、ストイコビッチ監督の日本代表監督への就任がない限り、今年は初優勝のチャンスなのではないかと考える。
ただし、このように年齢構成を歪にさせる付け焼刃のチーム作りはある意味リスクも含む訳で、3年後のダメージについては今からよくよく検討しておくべきである。これからの時代、親会社やスポンサーの経済力に依存したチーム作りは危険である。
【各クラブ短評】
1位 名古屋グランパス
※優勝のカギはブルザノビッチとダニエルソンが握っている。もしケネディが潰れたらアウト。
2位 ガンバ大阪
※高齢化は大きなリスクだが、ルーカスが役割の幅を広げている。遠藤一人に依存しないチームが出来つつある。
3位 鹿島アントラーズ
※今シーズンの成否はマルキーニョス次第。大迫勇也と共に、遠藤康、ジウトンの成長に期待。
4位 浦和レッズ
※序盤は少し苦しむのではないかと予想する。6月で契約が切れるポンテ後の新助っ人が浮沈のカギ。
5位 FC東京
※新助っ人リカルジーニョに期待。FWを除けばすでに優勝できるだけの体制は整っている。
6位 川崎フロンターレ
※中村憲剛が昨季までのパフォーマンスを継続できるか。ジュニーニョの衰え、テセのモチベーション、不安要素は少なくない。
7位 ジュビロ磐田
※何よりもJナンバー1の2トップを擁していることが強み。前田の怪我とグノのWC後の動向が気になるが、万全な二人が揃えばさらに上位進出も可能。
8位 清水エスパルス
※補強ポイントが正しかったのかどうか疑問だが、長沢駿、大前元紀の二人の若いFWに期待。
9位 サンフレッチェ広島
※ACLもあり、今年は苦しむと予想するし、苦しむべき時期なのではないかと考える。佐藤寿人、ストヤノフ後のチームについて今から検討しておくべき。
10位 大宮アルディージャ
※今年僕が一番期待するクラブ。堅守速攻のサッカーで、Jクラブの悪しきポゼッションへの傾斜にカウンターパンチを食らわせて欲しい。
11位 モンテディオ山形
※助っ人韓国人体制。鹿島からの二人の獲得。非常に手堅い、賢明なチーム作りの手法であると思う。このクラブは成功するべき。小林監督にキムクナンのポテンシャルを引き出して欲しい。
12位 セレッソ大阪
※問題はディフェンスなのだろうが、攻撃陣の質・量はJ1トップクラスであり、アドリアーノ次第では広島の再現も可能。
13位 横浜Fマリノス
※普通の監督で普通のサッカーができれば、真ん中より下にくる戦力ではないように思う。木村新監督の手腕に不安。俊輔獲得がチームのさらなる混乱を招かないか心配。
14位 京都サンガ
※郭泰輝、チエゴの獲得もあり中盤から最終ラインの守備はさらに堅くなる。問題は得点力。
15位 ヴィッセル神戸
※エジミウソン、ポポ、都倉の獲得はさすがだが、何か強気になれない。どうしてだろう^^;
16位 アルビレックス新潟
※大きな試練のシーズン。矢野貴章、マルシオ・リシャルデスの本当の力が試される。
17位 ベガルタ仙台
※良いサッカーをしている良いクラブがJ1に残れるか?しっかり腰の入った攻撃を仕掛けてゆくチームだけによりリスクは大きい。個人的にはこのサッカーが大好きなのだが…。
18位 湘南ベルマーレ
※状況としては昨年の山形と同じ。ここで生き残るということは“奇跡”を起こすことに等しいことではないかと思う。反町康治の意地と、田原豊と馬場賢治の底力に期待する。
以上、2010年J1順位予想でした。
J1順位予想のルール
○予想順位と結果の差異を、上であれ下であれ、すべて正数として加算する。
○優勝チームを的中させた場合、マイナス10のボーナス付与。
○降格チームを的中させた場合、1チームにつきマイナス5のボーナス付与。
(全3チーム的中であればマイナス15。順位は問わず)
○より点数が少ないほうが勝者。
(おそらく平均値は70点ぐらいと予想)
(マイナスの数値を叩き出すものが居たら『神』と認定します^^)
皆さんもぜひ御参加ください。
※関連エントリー
2010浦和レッズの展望
僕がフィンケを見切る瞬間
しなやかに、そして力強く
日本代表vs鹿島アントラーズ 強いのはどっちか?
posted by キリタニ |11:09 |
Jリーグ |
コメント(43) |
トラックバック(8)
2010年03月01日
最後に勝敗を決するのはFWの決定力。
サッカーというゲームを、僕はそのように理解している。
特にJリーグのように、上位クラブと下位クラブの実力に開きがなく、どんな対戦であれ、まず一方的な大差のつくような展開になることのない混戦のリーグであれば、尚更である……と。
アラウージョ、ワシントン、マルキーニョス。ここ最近の優勝クラブを見ても、土壇場で際どいゲームを決め切る突出したエースストライカーが存在していたことは云うまでも無い。例外は昨年の鹿島アントラーズぐらいのものではないだろうか。
マルキーニョスが13得点。興梠慎三が12得点。
これは並みのFWとしては決して悪い数字ではないが、それまでの優勝チームのエースストライカー達と比較すれば、明らかに物足りない数値である。もし今年、鹿島アントラーズにとっての死角、J1優勝争いにおいての急所となる部分があるとすれば、この2トップの得点力ではないだろうか、と僕は思っている。やはりFWが薄いな……というのが、ACL、ゼロックスの2試合を見ての改めての感想である。
云うまでも無く、敵ゴール前というのは、ピッチの中で最もスペースがなく、また時間的余裕もない空間である。そこでのアイディアを生み出すもの、またプレーの余裕やシュートの精度をもたらすものも、僕は大きな括りで云えば、秀でた“スピード”であり“俊敏性”なのだと思っている。
マルキーニョスは確かに素晴らしいストライカーではあったが、昨年中盤以降の彼のパフォーマンスを見る限り、そのゴール前でのスピードと俊敏性にやや衰えを感じるのだ。以前であれば余裕を持って捉え切れていたボールへの反応が、1テンポずつ、0.1~0.2秒ずつ、遅れはじめている気がするのだ。
であれば興梠慎三に、2~3年前のマルキーニョス並みのパフォーマンスを期待したいところであるが、それも簡単な話ではないだろう。今年に関しては、6月のWCまで度々代表に呼ばれては、ゲームに出られず調子を崩したところで、またクラブに舞い戻る…というスケジュールが予想される。体調の維持管理に関しても、例年より難しい部分がありそうなのである。
また大迫勇也の成長も噂には聞いているが、この1年で現状のマルキーニョスからポジションを奪うだけの地力を有しているかどうか…。僕自身、彼に対する期待は大きいし、この状況は大きなチャンスであるとは思うが、並みのクラブであればいざ知らず、優勝争いを繰り広げるクラブのFWとしては、まだもう少しの猶予と成長が必要なのではないかと予想する。
2試合見たところでは、フェリペ・ガブリエルも2トップの一翼を担えそうなタイプではないし、球離れは早く細かいテクニックはありそうだが、現時点で評価するならば、昨年まで鹿島に在籍した増田誓志と五十歩百歩の実力である。この1年で本山雅志からポジションを奪えるほどのインパクトは、正直感じないのだ。
鹿島は昨シーズンでも2位、3位の川崎フロンターレ、ガンバ大阪に比べればチーム総得点は10以上少ない。要するに、僕の目に映るマルキーニョスの衰えというものがホンモノであるとするならば、得点力といった部分で、今年の鹿島は昨年以上に苦労するのではないかという印象である。
その点、ガンバ大阪はキッチリ数で対応してきている。
どの助っ人がハズレで、どの助っ人がアタリなのかは現時点でなんとも云えないが、少なくとも抜かりなくその部分の不安に手当てしてきていることだけは確かである。
シーズンが始まっても、並居る助っ人外国人FWたちが、平井将生からポジションを奪い返せないようであれば、思いもかけず苦しいシーズンとなる事もあるだろうが、この周到さと、外国人助っ人というものに対する割り切りこそが、ここ数年のガンバの安定した成績を支えているのだと僕は思う。
ACL第一節、サンフレッチェ広島vs山東魯能の試合を見て、僕が一番残念に感じたのは高萩洋次郎のパフォーマンスである。才能は充分すぎるほど感じる。しかし、そのプレーに成長の跡が見られないのである。あと1歩、2歩の頑張り。あと10cm、20cmの精度。そして1本のパスに込める気持ちや集中力……といった部分が、柏木陽介に比べて足りていない。現状では、その穴を埋め切れていないのだ。
新戦力に目を向ければ、クロスの精度はともかくとして、山岸智はスムーズに動けているし、戦術自体はよく飲み込めているように映る。ここにミキッチが加わり、サイドからのドリブル・突破というもうひとつの攻撃のカタチが加われば、中央のダイレクトパスからの展開も、もう少し活きてくることだろう。状況判断にも優れた西川周作の加入によって、失点もかなり減らすことができることと思う。
しかし、この広島に関しても、鹿島と同じように“得点力”といった部分での上積みが期待しにくい雰囲気なのである。それは佐藤寿人の年齢的な部分についての危惧でもあり、昨年中盤以降のパフォーマンスに対する不安でもある。攻撃時の状況においても、しっかりとした守備陣系の保持と、チームとしてのリスクマネージメントに取り組み始めた広島である。今後は闇雲に前掛りに人数を割いてばかりも居られない筈である。その点も考慮すれば、1トップ2シャドーの一角に、できることならば単独で切り込めるタレントが欲しかった……というのが僕の実感である。
これらの点を踏まえながら、次回僕の2010年J1順位予想をアップしてみたいと思っている。
※次回J1順位予想のルール
○予想順位と結果の差異を、上であれ下であれ、すべて正数として加算する。
○優勝チームを的中させた場合、マイナス10のボーナス付与。
○降格チームを的中させた場合、1チームにつきマイナス5のボーナス付与。
(全3チーム的中であればマイナス15。順位は問わず)
○より点数が少ないほうが勝者。
(おそらく平均値は60~70点ぐらいと予想)
(マイナスの数値を叩き出すものが居たら『神』と認定します^^)
皆さんもぜひ御参加ください。
※関連エントリー
2009Jリーグベスト11&最優秀監督 【キリタニ編】
勝つべくして勝った鹿島、その強さの理由
J1 優勝争いを占う
J1 残留争いを占う
民主党を割れ!~子ども手当ての財源に所得税の増税か~
posted by キリタニ |11:21 |
Jリーグ |
コメント(4) |
トラックバック(2)