2009年12月22日

2010サンフレッチェ広島への提言 【キリタニ】

『僕はもう一人のエースストライカーとGKの獲得を期待していたし、それができれば優勝争いのグループに組み込みたかったのだが、クラブの台所事情もあわせて、やはり現実はそれほど甘くはない…といったところなのかも知れない。J1といえども、広島にボールポゼッションで勝るチームなどほとんどないと思う。が、しかし、前線の助っ人外国人の質の違いもあり、カウンターの鋭さはやはりJ1とJ2とでは少し次元の異なるものだろう。どのようにして失点を抑えるか、またどのようにしてボールロスト時のリスクを限定するか、或いはまた時に敵にボールを預けて対応することができるか…。学ぶべきところの多いシーズンとなるのかも知れない。が、僕はこのサッカーに成功して欲しい。必ずJ1で何かを打ち立てて欲しい。きっと今年僕は、ヒロシマのサッカーを一番多く見ることになるだろう。このサッカーで、いずれニッポンの頂点を極めて欲しいと願っている』

上記は今年のはじめ、僕が『J1優勝争いを占う』というエントリーの中で、サンフレッチェ広島について綴った言葉である。他のクラブに関してはともかく、この見立てに関しては概ね間違っていなかったと思う。

34試合 15勝11分8敗 勝ち点56 得点53 失点44 得失点差+9 総合4位

たいへん立派な成績である。
しかし、僕は同時に少し残念にも感じるのだ。もしシーズン開幕前に、優れたGKの補強ができていたら…と。それによって、年間の失点を10減じることができていたかも知れない。であれば得失点差は+19。充分に3強の一角に食い込み、最後の最後まで緊迫した優勝争いを演じ、もしかしたら昇格初年度優勝という、Jリーグの歴史を塗り替える偉業を、成し遂げることができていたかも知れない。

今後、地方の中堅クラブがニッポンのビッククラブの一角に名乗りを上げる際には、そのぐらいインパクトのある“ストーリー性”が要求されるのではないだろうかと僕は思う。それにプラスして、そのサッカースタイル自体の個性と面白さも不可欠な要素となる。

そんな可能性を有したクラブは、このJリーグに幾つもない。今年のサンフレッチェ広島が、その大きなチャンスを逃してしまったのは、僕にとってはやや残念な出来事であったと言えなくも無い。来期に向けて移籍した柏木陽介同様、その次も、その次の次のシーズンも、今のポジションに留まる限りタレントの流出は避けられないだろう。この躍進を、短期的なサイクルによる単なる幸運の1年に終わらせてしまうか…。或いは長期的な栄光への足がかりとするか…。来期はその答えが明確になる1年であると思う。そしてその先行きは、相当に厳しいと僕は思っている。現状維持はマイナスからのスタートを意味する…と。


これは広島に限った話ではないが、もし僕がどこかのクラブの全権監督・マネージャーであるならば。或いはGMであったならば。まず一番最優先に補強を考えるポジションは、ゴールキーパーである。

なぜならば、ゴールキーパーはフォワードと共に、勝負を決するゴール前の、一番大切なポジションであり、尚且つフォワードよりも移籍による出入りが遥かに少ないポジションだからである。どんなに優れた日本人ゴールキーパーであっても、言葉の問題もあり海外移籍するような選手はほとんどいない。これがフォワードやミッドフィルダーであれば、少しの活躍で、すぐに海外移籍が取りざたされるものである。

一人の、日本代表レベルの優秀な日本人GKを備えるということが、チームの戦力的安定にとってどれだけ大きな効果があるか…大分トリニータ西川周作の獲得が決定すれば、それは今後10年、広島にとって非常に大きな財産、宝物となるだろう。

そしてシーズン前、僕が指摘した補強のもう1つのポイントであるFW。佐藤寿人の1年間休み無しの貢献によって、幸いにも今シーズンはこの部分がフォーカスされることはなかったが、もしシーズン開幕直後、或いは梅雨時に、負傷による長期離脱を余儀なくされていたとしたならばどうだっただろうか…。今シーズンの広島はまったく違う状況に追い込まれていたかも知れない。本来ならばGKの次に手当てしなければならないのは、このポジションである。僕ならば予算の無駄を徹底的に排して、ここに佐藤寿人のポジションを脅かす若い助っ人外国人ストライカーを補強したい。2、3年後を見据えても、今必要な対応ではないかと考える。

また、来期の広島で僕が一番危惧しているのはストヤノフの去就である。
柏木陽介の離脱は確かに痛いが、それでも森崎浩司、高萩洋次郎と、広島には彼の代役がいない訳ではない。が、ストヤノフとなると話は別である。中島浩司や森崎和幸がどれだけ頑張っても、ゴール前1対1の守備力とロングフィードの部分で、彼の不足をキッチリ埋められるものとは僕には思えない。

彼が離脱するとなれば、不完全ながらその穴を、辛うじて埋められそうなタレントは、阿部勇樹とブルーノ・クアドロスの2人ぐらいのものではないだろうか?彼が離脱するとなれば、それは来期の広島にとって、非常に大きな痛手となるだろう。


正直にいえば、僕は来期の広島は、今年以上に厳しいシーズンを送ることになるのではないだろうかと思っている。もし、ACLに出場する事にでもなれば、その厳しさはさらに苛烈なものとなることだろう。決して楽観はできないシーズン。だからこそ、今できるだけの備えを、ぬかりなく整えておいて欲しい。現場は100%のチカラを振り絞って必死に頑張った。その頑張りを生かすも殺すも、このオフシーズンの背広組み次第である。

この1年で、広島のサッカーは少年から大人になった。その魅力を損なうことなく、サッカーの楽しさとリアリズムを、ゲームの状況に応じて正しく使い分けられるようになりつつある。昨年に比べても、格段の進化を遂げたのだ。

2008年の9月、今Jリーグの中で一番面白いサッカーは、広島のサッカーである…と、僕はここへ書いた。その頃は広島のファン・サポーターの皆さんと、ほんの一部の人しか共感してくれなかっただろうそんな感覚が、この1年で多くのJリーグファンの間にも浸透してきている。これは広島にとっての、広島サッカー復権のための、またとない大きなチャンスである。2010年もこれを継続できるか、そしてそれによって何かカタチあるものを打ち立てられるか…。今在るものが永遠に在り続ける訳ではない。地方の中堅クラブであるサンフレッチェ広島にとって、もしかしたらもう二度と巡り来ないかも知れない、勝負の1年になるだろう。

いつだって、何度だって云うが、僕はこのサッカーで何かを成し遂げて欲しい。ニッポンのサッカー界に、これが進むべき正しき道であることを証明して欲しい。2010年の彼らの戦いに僕は期待している。


※関連エントリー
J1優勝争いを占う
広島のつまらない失点と、浦和のつまらないゲームの終え方
まだ蕾の浦和 七分咲きの広島
Jで今一番良いサッカー


箱根の坂と石畳の記憶

posted by キリタニ |11:04 | サンフレッチェ広島 | コメント(14) | トラックバック(0)
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2009年12月18日

クラブと移籍制度、そしてプロ監督の引き際 【キリタニ】

移籍制度の変更に伴い、今年のオフシーズンは派手な選手の入れ替えが予想されたが、折からの不況とクラブ経営自体の環境悪化もあり、親会社から潤沢な資金が提供されるクラブと、そうではないクラブの間での二極化が、より鮮明になりつつある。

またある意味金満と呼べるクラブも、ここからは大きな違約金を払ってまで他クラブの長期契約のタレントを狙いにはいかない。ここからはそれぞれのクラブフロントと共に、個々の選手自体の契約に対する慎重さや優れた知性も重要になってくるだろう。それによって得をする選手もいれば、大損をさせられる選手もいる。すべて自己責任が原則である。これまでのJリーグのある意味での馴れ合いや甘さが、これによって是正されてゆくことを期待する。

ちなみにこれらの制度改革を、Jクラブの中で一番熱心に批判・反対していたのが、元大分トリニータ代表の溝畑宏氏であったように思う。それが示唆するところをよく考えてみて欲しい。地に足つけたクラブ経営というものの何たるか…が、見えてくるのではないだろうか?ばくちやゲームとは違うクラブ経営、クラブの命を預かりそれを繋ぐ…という意識があれば、きっとこんなことにはならなかっただろう。クラブと同じように、選手というものも、誰かの、何ものかの所有物ではないのだ。

商品のようでいて商品ではない。大切に育ててくださった方々から預かり、いずれはさらに大きな世界へと羽ばたかせてやらなければならない。彼らはサッカー界共通の大切な宝物である…そんな意識が根底の哲学に無ければ、今後は有望な新人獲得さえ、ままならない時代となるだろう。

各チームの補強と編成の評価に対しては、今後個別にサンフレッチェ広島や浦和レッズ等に対するものを書きたいと思っているが、今回はいくつか動きのあった監督人事について、自分なりの感想を書き綴っておきたい。

監督人事にも、クラブとそして監督という2つの立場があり、その双方の立場からその決断に対しての評価というものがあるのだと思うが、どちらにとってもプラスなのかどうか疑わしいのが横浜Fマリノスのケースではないだろうか?

木村浩吉氏から木村和司氏へ、複数年契約を残していた浩吉氏をフロントの決断によって解任し、和司氏を招聘したのであるが、僕からみれば、そうしなければならなかった理由、和司氏でなければならなかった訳がまったく理解できない。

俊輔にフラれて逃した集客増のチャンスをこの一策で再び取り戻そうというのか、或いはうるさがたのOB連中の巻き返しなのか、僕にはよく判らないが、どちらにしてもその結果以前に、クラブとしてのサッカーに対する哲学やビジョンの欠如、カンカクの古さ…を感じさせる決断であった。

これはジェフ千葉にもいえることなのだが、傍から見れば権力者たちの保身、実の無いところへの妙な拘りや執着が、クラブ自体の生命力や成長力に縄をし、拘束しているようにも見えるのだ。横浜Fマリノスというチームは、例えば今、イビチャ・オシムが指揮しているとすれば、オズワルド・オリベイラが指揮しているとすれば、J1優勝争いに絡んでいるチームだと思う。本当にもったいないことをしていると僕は思う。

またそのケースとは別に、アルビレックス新潟の鈴木淳監督、そして川崎フロンターレ関塚隆監督の場合は、クラブ側の立場の損失とは別に、ある意味プロ監督としての立派な引き際…でもあったのかなと思っている。

経済に好況と不況のサイクルがあるように、クラブにも成長のサイクルというものがある。どんなに素晴らしい手腕を持った指導者といえども、そのサイクルに抗ってクラブを勝利に導くということはカンタンな話ではない。逆にいえば優秀な監督とは、そのサイクルを見誤らない人であり、時勢をとらえた身の振り方ができる人であると僕は思う。

今回の関塚隆監督の辞任については、ご自身の健康上の問題や例のナビスコの一件も複雑に絡み合っての事かも知れず、その主因がどこにあったのか僕には判らないが、鈴木淳監督、関塚隆監督とも、それぞれの将来を考えた場合、その引き際としては良いタイミングであると僕は考える。日本にも、本当の意味でのプロ監督というものが誕生しつつあるのかなという印象である。どちらも日本人トップクラスの優秀な指導者である。今後のさらなる活躍に期待したい。

今後のJ1は、大きく3つか4つぐらいの階層に区分けされてゆくことだろう。その中で新潟や広島のような地方の中堅クラブは、優勝という栄冠をその手で実際に掴みとるまで、毎年主力選手をぽつぽつと引き抜かれるような、そんなシーズンを過ごさなければならないのだろう。まただからこそ、そんな惰性を打ち破って、勝ち続けることで、クラブ自体の魅力、プレゼンスを高めてゆかなければならない。ここから2、3年のうちに、川崎を含めたこれらのクラブから、新たなチャンピオンが誕生してくれることを僕は期待している。

※関連エントリー
大分救済 その悪しき前例と今後
JUMP改革案への評価 その1
Jリーグは公平ではない

posted by キリタニ |11:25 | Jリーグ | コメント(8) | トラックバック(2)
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2009年12月15日

日本サッカー界今年の漢字は… 【キリタニ】

今年の日本サッカー界を漢字1字で表すならば、

                       

である。

Jリーグ、日本代表を含めたサッカー界の経済、構造、倫理、環境…。多くの事柄がすでに転換点を迎えているのではないだろうか。そしてまた協会トップや権力者たち、クラブ首脳たちの方針や発言も、思慮の無い思いつきや感情論、勘定論ばかりの、腰の据わらない転々としたものばかりであった。唯一、ブレなかったのは、犬飼会長の秋春制への妄執である。夏の代表スケジュールのためにJリーグを一旦中断させる…いや、させたい…なんとしても、させねばならん…という意地と覚悟だけは見上げたものであった。しかし、それも節操無く、様々な大義名分にカコつけて悉く論理破綻させられた果て…の無様な姿であり、最近では、転々と転がった先の、やけにしおらしい「要望」や「お願い」のような調子になっているのが、僕の目にはお茶目でさえある。ここからの最後の悪あがきが見ものである。

改革すべきところを変えずに、改革すべきではないところから手をつけて、元々すべきだったところが隠蔽されてしまおうとしている。これはここ数年来、そして今現在の、この国の政治の世界と、まったく同じ構図である。そして、そうこうしているうちに、今その高みから、転々と転がり落ちようとしているように僕には見えるのだ。

右肩上がりの時代ならば、誰がどんなふうにやっても、たいした問題にはならなかっただろうし、実際にそれは歴史が証明している。しかし、これからの時代は、誰がどうやったって困難な時代なのだ。だからこそ、指導者の優れた知性と英断、そしてそれを支えるみんなの智慧が求められるのだ。

来年こそは、『転』から『起』の年へ。

そのために一番大切なイベント、それは岡田武史氏率いる日本代表の南アフリカワールドカップではなく、2018、22年ワールドカップ日本招致の成否でもなく、次期JFA会長選である…と、僕は思っている。

そこでどのようにして、如何に透明なカタチで次期会長が選ばれるのか…。そしてそこで選ばれた次期会長が、開かれたJFA会長選というものに対してどのようなビジョンを示すのか…或いは示さないのか。僕はそこにこそ、今後10年、20年の、日本のサッカー界のミライがかかっているのではないかと睨んでいる。大切なのは、私益ではなく公益である。そしてそんな良識を守り得るシステムである。この悪しき流れは、どこかで断ち切らなければならない。

一個のニンゲンの視野とは限られたものである。一個のニンゲンの知識や思考にもまた限りがある。そして完全なものなど絶対に有り得ない。ニンゲンが下す判断とは、常に、そして往々にして、誤るものなのである。

だからこそ権力とは、それに連なる人々の評価に正しく向かい合い、そして耐え得るものでなければならない。

誰がそこに就くか…が、問題なのではない。彼がどうやって選ばれたか?またそれを、選んだものとしての責任を、皆が共有できるシステムこそが必要なのだと僕は思う。であれば、日本のサッカー界も、大きく変わってゆくことだろう。その時、ほんとうの意味で新しい時代を迎えることができるのだろうと、僕は思っている。

※関連エントリー
ポスト岡田への推薦状 前編
秋春制の結論

posted by キリタニ |11:09 | JFAについて | コメント(15) | トラックバック(5)
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2009年12月10日

東アジアプレミアリーグ構想 【キリタニ】

今回の2010年南アフリカワールドカップ予選。
果たして日本が欧州予選を戦っていたならば、或いは南米予選に組み込まれていたならば、その厳しい予選グループ、対戦相手を退けて本大会出場権を掴み取ることができていただろうか?

おそらく僕は無理だったと思う。

欧州、南米どころか、アフリカでも難しかったのではないかと思っている。そしてそれは他のアジアの出場権獲得国も同じようなものなのではないだろうか。要するにサッカーの世界においては、アジアはまだまだ発展途上なのである。そしてアジアのサッカー界が、今のまま欧州へのサッカー資源の一極集中を手をこまねいて見ている限り、今後この差は縮まるどころか、ますます開いてゆくのものと僕は思っている。

それに対する僕なりの空想、理想的“脳内”打開策の1つのモデルが、この『東アジアプレミアリーグ』の創設である。

AFCはいずれ東西で分割すべきであろうと僕は思っている。
そしてその際、欧州各国の人気・実力を有するトップリーグに対抗すべく、この東アジア一体を商圏とし、各国のサッカー人気とその選りすぐりのタレントを結集させた『プレミアリーグ』を創設することにより、この地域全体のサッカーマーケットの開拓とレベルアップを図ってみてはどうだろうか。

無論、日本一国でそれを為すのがずっと以前からの僕の理想であった訳だが、昨今の経済状況や、この国のサッカーを取り巻く環境を見る限り、すでにそれが望むべくも無い夢物語に過ぎないことは明白である。であるならば、この地域のサッカー資源の中で、各国において抜きん出たものを一度ここに集約して、東アジア全体で“脱亜入欧”のプランを、各国の協調の元に議論し、考えてみる段階なのかも知れない。

参加チームは全18チームのホーム&アウェイ。
最終的に上位2チームに対して、UEFA/CLは無理としても、UEFAヨーロッパリーグ(旧UEFA/CUP)出場権を協賛スポンサーの提供を条件に、UEFAの協力により付与する事ができれば、更に意義ある挑戦となるだろう。

その18チームの内訳は
前年度優勝チーム1 前年度準優勝チーム1 オーストラリア2 日本2 韓国2 中国2 タイ1 ベトナム 1 インド1 マレーシア1 シンガポール1 香港1 その他2(予選勝ちあがりチーム)。大雑把にだいたいこんなところだろうか。これに各国の強豪チームを適当にあてがってみると、

浦項スティーラーズ(韓国)※前年度優勝チーム該当
名古屋グランパス(日本)※前年度準優勝チーム該当
シドニーFC(豪州)
アデレード・ユナイテッド(豪州)
鹿島アントラーズ(日本)
川崎フロンターレ(日本)
水原三星ブルーウィングス(韓国)
FCソウル(韓国)
北京国安(中国)
上海申花(中国)
クルン・タイ・バンクFC(タイ)
ビンズオンFC(ベトナム)
イースト・ベンガルFC(インド)
ジョホールFC(マレーシア)
シンガポール・アームド・フォーシズFC(シンガポール)
サウス・チャイナFC(香港)
その他2

イメージとしては、大体こんな感じになるのではないだろうか。。
もしかしたらその初期には、Jリーグとさほど変わらないレベルのリーグになる可能性も否定しない。しかし、これが2年、3年維持されれば、いずれは各国の才能、代表レベルのタレントと、アジア経済の成長力を背景にした、素晴らしい助っ人外国籍選手が参加してくる可能性が高い…と、僕は予想する。また、ここで得られる過酷なアウェー体験は、日本人選手ばかりではなく、他のアジアの将来有望なタレントたちが、各国代表チームにおいて国際試合を戦う上で、非常に大きな財産となるだろう。

そしてさらに、このリーグであれば、結構な規模のTV放映権による収入が期待できるのではないだろうか。やがてはそれが、このリーグのレベルを底上げし、さらなるマーケットの掘り起こしに繋がり、アジア全体におけるサッカー文化の進展にも寄与するのではないだろうかと僕は期待する。

ちなみに僕の案では、各国出場チームの選定は、各国の協会に一任すれば良いと考える。
日本や韓国のような国であれば、毎年のプレミアリーグ下位チームを各国リーグ優勝チームと自動的に、あるいはプレーオフにより入れ替える事が望ましいと思う。が、プレミアリーグ下位国であれば、その国の代表メンバークラスを1つのチームに集約して、このプレミアのリーグ戦を戦わせるのもひとつのアイディアであると思うし、リーグレベルの向上の為にも、そのような裁量は与えてやっても良いのかも知れない。

東アジアプレミアリーグ。

勿論、AFC内の主導権争いや各国の思惑もあり、とんとん拍子で進む話ではないだろうが、この発展する東アジアの経済力を、いつまでも欧州リーグの添え物として浪費している今のこの状況を、僕はもどかしく思っている。この経済力を少し取りまとめ協調し合うだけで、このアジアにも、欧州に負けず劣らないだけのサッカーリーグを、築く事も可能になるのではないだろうか?

皆さんにも独自のアイディアがあれば、是非聞かせてもらいたいところである。


Jリーグは道に迷い疲弊している。CWCも、今のままではいずれは頓挫してしまうだろう。再び、世界へのルートが閉ざされてしまうかも知れない。新しいビジョン、新しい夢が、いま日本のサッカー界には必要なのではないだろうか。これからしばらくのあいだ、僕は折を見ながら、この国のサッカー界のリセットと再構築について、自分なりの空想を書き綴ってゆければと思っている。

※関連エントリー
世界の中のニッポン
アジア人枠への感慨
いつかこの巨大な壁を CWC総括


思い出の曲No.17~Happy Christmas~John Lennon 

posted by キリタニ |11:27 | Jリーグ改革案 | コメント(43) | トラックバック(4)
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2009年12月08日

幸運なグループEとニッポンのGL突破確率 【キリタニ】

わりと幸運なグループと言えるんじゃないかな…というのが、僕の第一印象である。

日本以外の、それぞれの3つのポットの中の力関係をみれば、ひとつも『ババ』は引かなかった。しかも、ポット1の中のそれをみれば、オランダは開催国南アの1つ上ぐらいの序列であり、またもし日本がメキシコの代わりに南アと同組のAグループに入っていたとしても、結局ポット4からフランスが補完される…という具合である。要するに、どこにも逃げ場らしい逃げ場はなかったのだ。

イングランド・アルジェリア・スロベニア・米国の、米国の代わりに、グループCに日本が入っていたならば、20%程度の突破の可能性が、35%程度には膨らんだのかも知れないが、もう一度ドローをやりなおして、アルゼンチン・ナイジェリア・ギリシャ・韓国のB組や、ブラジル・コートジボワール・ポルトガル・北朝鮮のG組に、韓国や北朝鮮の代わりに入っていたならば、限りなく絶望に近い落胆を味合わされていたことだろう。

カメルーン⇒オランダ⇒デンマークの対戦順も悪くはない。
そういう意味では、この組み分けは日本にとって幸運であったと言えるレベルであると僕は思っている。

しかし、グループリーグ突破の可能性…となれば、また別の話である。カメルーンというチームが、どのような状態で大会に参加するかが読めず、その時点での彼らのモチベーションが図りかねるのが、最大の不確定要因だと思うが、このアフリカ大陸で行なわれる大会において、当たり前のカメルーンであれば、

オランダ  80%
カメルーン 60%
デンマーク 40%
日本    20%

ぐらいのグループリーグ突破の可能性なのだと思う。が、もし仮にカメルーンが何らかの問題を抱えての参加になるとすれば、

オランダ  80%
カメルーン 40%
デンマーク 50%
日本    30%

ぐらいの期待が持てるのかも知れない。いずれにせよ、このグループの鍵はカメルーンが握っているのであり、日本の予選突破の命運を分ける試合が、そのカメルーンとの直接対決となる初戦であることは確かだろう。もし、日本が初戦でカメルーンに勝利することができたならば、グループリーグ突破の可能性はカメルーンの40%からさらに20%をもぎ取ってその時点で50%となる。逆に敗れれば30%のうちの20%をカメルーン与えることとなり確率10%あるかどうか…。ドイツWC同様、ほぼその時点でノーチャンスに近い状況に陥ってしまうだろう。

が、カメルーンと初戦を戦えることは、日本にとっては大きなチャンスである。もし、日本がカメルーンに勝つとすれば、それは初戦である可能性が一番高いと僕は考えるし、またこの大会もしカメルーンがそのチカラを出し切ることなく敗退するとすれば、それは初戦で躓いたときであろう。要するに、このグループの鍵はカメルーンであり、そのカメルーンの初戦こそが、このグループリーグの趨勢を決める上で、最も大きな影響を与え得るゲームなのだ。日本はそこに間接的にではなく、直接関われる機会を得たのである。

詳細な分析や予想は、また大会前にでも書いてみたいと思ってはいるが、

1.比較的幸運なグループに振り分けられた。
2.ラフな肉弾戦と個で打開してくる南米ではなく、繋いでくる欧州2チームは日本にとっては相対的にやりやすい相手である。
3.しかしそれでも日本のGL突破の確率は30%に満たないだろう。

の3点が今の僕の率直な感想である。
皆さんはこのグループEにどんな印象を持たれただろうか?

※関連エントリー
岡田ジャパンの可能性 3つ目のゴール
岡田ジャパンの可能性 2つのオートマティズム
岡田ジャパンの可能性 たった1つの強化策


思い出の曲No.17~Happy Christmas~John Lennon 

posted by キリタニ |11:19 | 岡田JAPAN | コメント(28) | トラックバック(7)
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2009年12月07日

勝つべくして勝った鹿島、その強さの理由 【キリタニ】

試合後の選手達のあっけらかんとした笑顔を見て思った。このチームだけが違う次元で戦っていたのだろうな…と。

これが川崎フロンターレでも、ガンバ大阪であっても、仮に鹿島ではなく彼らが優勝していたとしたならば、試合後のピッチ上の光景はかなり様子の違ったものになっていたことだろう。やはり鹿島は勝つべくして勝ったのだ。そう強く印象付けられた試合後の光景であった。

前半、いつもどおりの落ち着いた立ち上がりに見えたが、後半に入るとハーフラインを越えて前からプレスに行き、浦和のビルドアップを封じに行く。僕はこれを、川崎3点リードの知らせを受けての対応であり、スパートなのだとばかり思っていたが、どうやら選手達は川崎の結果は知らされずに後半のピッチへ入っていたようである。あくまでこの日のゲームを磐石に勝利する為の事前に定めたペース配分、予めのプランニングだったようだ。

この日は浦和レッズの攻守にわたるバランスの良さと健闘もあり、多少てこずっていたようにも見えたが、それでも無駄に力まず、人数をかけて前のスペースを自らで潰すような焦りも見せずに、彼ららしい中盤の無駄のないパス交換から、DFラインをすり抜けたストライカー、興梠慎三に預けた内田篤人のピンポイントのクロスボールは見事だった。ゲーム終了間際、優勝のプレッシャーからか、二列目が最終ラインに吸収されてセカンドボールが拾えずににやや押し込まれる場面があったが、実はそれさえも計算どおりに、すべてがオリベイラ監督のロジックの中で完結された、予定調和のドラマの演出のようにも僕には見受けられた。

やはり鹿島は、勝つべくして勝ったのだ。

鹿島の強さ…を、一言で言い表すことは非常に難しいことなのだが、僕はそれを“目に見えない部分の緻密さや周到さ”にあるのではないかと思っている。そしてその目に見えにくい部分。サッカーの表と裏の裏の部分を構成する緻密さや周到さの為に、妥協無くあらゆるものを厭わず、躊躇わず、注ぎ込もうとするひたむきな情熱が感じられるのだ。監督や選手のみならず、背広組みの人々や、おそらくファンやサポーターをも含めて、他のどのクラブよりもサッカーの本質を的確に捉えた“見識と哲学”を有しているのだろう。これは他のクラブが未だ及ばない、鹿島だけの突出したアドバンテージであると僕は思う。

そしてそれだけに、彼らのサッカーやサッカー観は非常に厳しい。他者の甘えを許さないものであるが、一方で保有選手の育成や、移籍におけるクラブの志向や流儀を見れば、その厳しさの裏側に、しっかりと血の通った人間的な温もりや、巣立ってゆく選手達への愛情を感じ取ることができる。鹿島を離れた選手達が、他のクラブに行ってもその輝きを失わずに活躍し得てきたのは、クラブとして多少損をすることはあっても、彼らがまだ輝ける適切なタイミングでリリースしてあげよう…という、このクラブの一貫した姿勢あってのことだと僕は思う。そしていずれは、そんな小さなひとつひとつの積み重ねが、さらにこのクラブの価値を高めてゆくことになるのではないだろうか。

さあ、来年もまたACLである。
毎年毎年、『鹿島の強さは国内限定。アジアでさえ通用しない』と誹られ、なぜに鹿島ファンでも、サポーターでもない、一人のオシム【狂】信者であるらしいこの僕が、こんだけ悔しい思いをさせられ続けなければならないのか。なんともスッキリしないのである。まったくもって遺憾…なのである。やはり鹿島には、勝つべくして勝って欲しい。なにがなんでも、来年のACLだけは勝ち取って欲しいと願っている。


僕は生来のへそ曲がりなので、こんな時にあえて無粋な話をするのだが、今彼らが登りつめた、この山の頂が高ければ高いほど、またその反動もきっと過酷なものになるのではないかと、一方で心配もしている。今のところ欧州トップリーグのように、厳然たる強者と弱者の隔ての無いJリーグでもあるだけに、勝ちながら世代交代を進める…というのは、いかに鹿島と言えども、なかなかに困難な課題である。来年、オリベイラ監督にJFAからのオファーが無く、今後もさらに2、3年と鹿島に留まることになるのであれば、僕はぜひその世代交代の果ての行き着く先、その結末を、最後まで見せてもらいたい。

このクラブとオズワルド・オリベイラであれば、鮮やかにそれをやり切る、切り抜けて君臨し続けるかも知れない…という期待も捨てきれないのだ。王者鹿島アントラーズのその苦闘と勝ち続ける強さを、今後も僕は楽しみに見守ってゆきたいと思っている。


今年のJリーグも、僕にとっては本当に楽しかった。
すべてのクラブや選手たち、リーグ関係者やスポンサー、メディアの皆さん、そしてファンやサポーターの皆さんやスタジアム等で働くボランティアの皆さん、一年間、ほんとうにありがとう。そして、お疲れ様でした。

★鹿島関連エントリー
日本代表vs鹿島アントラーズ 強いのはどっちか?
J1 優勝の行方を予想する
最後にはケンカの強い方が勝つ 
2009Jリーグベスト11&最優秀監督


映画批評 ザ・マジックアワー ★★★ 

※今後ポツポツと2009シーズンの各チームの感想を書き綴ってゆければと思っていますがどうなるでしょうか?まもなくWCドローの日本のグループについての考察をアップする予定です。

posted by キリタニ |10:56 | Jリーグ | コメント(13) | トラックバック(1)
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2009年12月01日

2009Jリーグベスト11&最優秀監督 【キリタニ編】

少し早いですが、2009年Jリーグベスト11とMVP。そして最優秀監督【キリタニ編】の発表です。(システムはなぜか3-6-1)


GK 川島永嗣/川崎フロンターレ 
※一年間安定したパフォーマンス。

(次点・北野貴之)


DF ストヤノフ/サンフレッチェ広島
※広島のサッカーにとって不可欠な存在。フィード、一対一、そしてFK。J最高のDF。

DF マト/大宮アルディージャ
※DF面に弱点はあるが、それを補ってあまりある得点力とリーダーシップ。

DF 岩政大樹/鹿島アントラーズ 
※Jリーグにおける日本人ベストCB。

(次点・伊野波雅彦)


MF 中村憲剛/川崎フロンターレ
※今現在日本で一番価値ある選手。今もまだ日々進化し続けている。

MF マルシオ・リシャルデス/アルビレックス新潟
※派手なプレーはないが、総合力ではJの歴史上でも有数のタレント。

MF 小笠原満男/鹿島アントラーズ
※今年の彼は1年を通して決して本調子ではなかったと思うが、厳しい状態の中での頑張りを評価したい。

MF 石川直宏/FC東京
※彼が今年のJリーグを盛り上げてくれた。ケガを治して絶対にWCに行って欲しい。

MF 明神智和/ガンバ大阪
※WC本大会に臨む日本代表には、彼や小笠原のような選手こそ必要だったのではないだろうか。

MF エジミウソン/大分トリニータ
※どんな状況であれ常に自身の100%を出し切る姿に何度も何度も感動させられた。僕の心の中では、彼こそが2009JリーグのMVP。

(次点・柏木陽介・野沢拓也)


FW 前田 遼一/ジュビロ磐田
※今年やっと自身のほんとうの価値・ポテンシャルを証明してくれた。この前田遼一が選ばれない代表は日本の代表ではない。

(次点・ジュニーニョ)



MVP エジミウソン/大分トリニータ
※理由は上記の通り。理屈じゃなくて感動した。ただ、それだけ。モチロン異論は受け付けております^^;

(次点・中村憲剛)


最優秀監督 オズワルド・オリヴェイラ/鹿島アントラーズ
※決してブレることなく今年もまた自身の哲学を貫き通してここまで来た。チームがピンチの時にどんな立ち振る舞いを見せるか…そこで問われるものこそがその人の真の哲学であり、器なのだと思う。そういう意味で、今のJリーグにおいてオリヴェイラという人は傑出した存在である。

(次点・小林伸二/もし山形の監督が小林さん以外の誰かであれば、今年山形はJ1残留を果たせなかったと僕は思っている。彼の成し遂げた仕事は、もしかしたらガンバや川崎を率いてJ1で優勝することよりも価値あることなのかも知れない。スカパーでの試合後のインタビューも明快で的確。今現在日本人最高の監督さんであると僕は思っている)

以上、キリタニの考える2009年Jリーグ・ベストイレブンとMVP。そして最優秀監督でした。


男性のNGグッズとは… 

posted by キリタニ |11:16 | Jリーグ | コメント(14) | トラックバック(2)
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