2009年05月28日
率直に言って、この主力数名が欠けたチリは、日本とほぼ互角の相手であったと僕は思っている。
今回は日本における親善試合で4-0というスコアで快勝することができたが、これがアウェイのチリであったならば、同じように0-4で惨敗したとしてもなんら不思議は無い。
ほぼ互角と思しき相手にホームとはいえ4-0で勝つ。親善試合ながらもこちら自身ベストとはいえない状態で4-0で勝つ。この事実はやはり岡田ジャパンが、着実に成長、強化されていることの証である。展開については多少ラッキーな部分もあったが、決定機の数からみても2:1ぐらいの内容だった。きっと一年前であれば、こんなゲームにはならなかっただろうし、さらに昨年3月のWCアジア3次予選バーレーン戦のころであれば、ホームとはいえ惨敗を喫していた相手かも知れない。
これによって日本はチリより強い、WC本選でチリと同グループに入ったならラッキーだ…なんて思う人がいたら、それはそれでまた困った問題だとは思うが、1年前の日本代表より今の日本代表は確実に成長している。強くなっている。僕自身はそれが立証されたゲームであったと思っている。
強化試合としては、チリにもう少しハードプレスの時間帯を増やし、本番さながらのステディーなゲーム運びを期待したかったのだが、前半早い時間に先制され、少し大味な展開となってしまったのが残念である。これがWC本選であれば、強固な守りから入り、リスクを限定した中で精度の高いショートカウンターを仕掛けてくるチームなのだと思う。
世界トップ20の強国を除けば、今の日本と本番で対峙する場合、多くの国がそんな戦い方になるのではないかと僕は思っている。つまり日本が本選で迫られるのは、そんな状況において、能動的にこちらから仕掛けてゆき、そこで何が成せるのか…、出し切れるのか…、といったところなのだと。そういう意味では、前半20分以降の流れをあまり過大評価すべき試合ではない…とも思っている。逆に0-1と先にリードを許した展開の方が、得るものはより大きかったのかも知れない。
個別の選手について評価させてもらうならば、僕はこの試合今野泰幸が素晴らしかったと思う。所属クラブでの状況が思わしくない中、不慣れなポジションで、同クラブの若手の体調不良によって、久しぶりに起用されて、あれだけ積極的に動いて、競れて、思い切って前へ出て行ける。昨日の試合は、日本代表における、彼自身の殻をぶち破るような、強い気持ちとその能力を見せ付けたゲームだった。あのような意識こそが、またライバルの闘争心を煽り、このチームをさらに1歩高い次元へと進化させるエネルギーになるのだと思う。
同じように、阿部勇樹も自らの持ち味を存分に発揮してくれた。さらに厳しいプレッシャーの中で、多彩なアイディアを見せ付けてくれた中村憲剛のプレーに強く惹きつけられたし、途中から入って後半20分立ち止まることなくチェイシングを続けてくれた矢野貴章の気迫にも心を揺り動かされるものがあった。要するに現状スタメン未満の位置にいると思しき選手たちが、これだけの能力の高さと充実したメンタル、“本気”を見せてくれた。そこにチームとしての奥行きと確かな手応えが感じられた。
そしてこの試合のMVP。本田圭佑には、厳しいことを言うようだが、攻守の切り替えの部分をさらに意識し、磨いていって欲しい。このチームにおいて、当面中村俊輔と共存するのならば、彼はさらに、チームの、岡田監督の、その要求に応えなければならないのだと思う。その上で、あのギラギラしたエゴイズムを力強く貫いていって欲しい。彼、そして山田直輝、香川真司は、間もなくこのチームの限界を突き破り、穏やかな安定を押しのける存在と成り得るかも知れない。大きな時代の変わり目に、僕らはいま立ち会っているのかも知れない。
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【映画批評】雨あがる ★★★★
posted by 桐谷 |11:16 |
岡田JAPAN |
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2009年05月25日
これまでジェフ千葉の試合を見てきて、当のジェフサポーターの方々がどう感じ、どう捉えているのか僕には分からないが、僕の視点から率直に語れば、13節を終えて勝ち点12という結果でさえ、割と運に恵まれたのではないかと思っている。
FC東京、そして広島戦、勝利をあげた2つのゲームも、僕から見れば、ジェフ自体が良いゲームをした…というよりも、ほぼ相手の自滅に近いような試合だった。これは少し上の、時にその潜在力を充分に発揮しながら、パフォーマンスの安定を得ない大宮や磐田、神戸などの戦いぶりとは明らかに異なる要素である。
前半からオーバーペースで、前からのプレスを非常によく頑張る分だけ、最後はスタミナ切れをおこしてしまう。リードを守ろうとして、消極的になって引いてしまっている…という見方もあるのかも知れないが、僕が見る限り、疲れ果てて、前でプレスに行けなくなるから、最終ラインが下がってしまう。そしてまたマイボールを繋いで展開する余力もオートマティズムも欠いているから、最終的には常に押し込まれてしまう…。そんなところではないかと思っている。
結局失点してしまうのも、運がないから…というよりも、それだけの確率と可能性と機会を、相手に与えてしまっているから。要するに僕が見る限り、手痛い失点や勝ち点の喪失に関しては、ある程度妥当であり、論理的な結果に思えるのだ。
しかし、この横浜Fマリノス戦に関しては、今年はじめてその内容自体で相手を押し込み、上回ったゲームであったように思う。
1点リードした後半、例によって同じように守勢にまわる局面はあったが、そこまでの展開は明らかに千葉が支配し、押し込んだ試合。これまでの運試しのような攻めに比べれば、攻撃もキチンとお膳立てをした上で幾度かの決定機を作り出してみせたし、球際の強さと運動量に加えて、まだ出し手と受け手の関係でしかないながらも、深井正樹、谷澤達也と、巻誠一郎の間には“あうんの呼吸”というものが根付き始めている。運任せではないひとつの鍛錬された得点のカタチを構築できてきたのは、数少ない光明のうちのひとつであると思う。
毎試合見ている訳ではないので、この日の横浜が普段に比してどれだけだらしのないパフォーマンスであったのか?或いは闘えていなかったのか?判然としないが、結果勝ち点1に終わったとはいえ、そこにある程度の内容が備わっていたことは、僕はこれまでにない変化であったように思う。
最近冴えないパフォーマンスの続いていた谷澤の復調。そしてここへ来てやっと枠を捕えはじめた下村東美や中盤の選手たちによるミドルシュート。この試合に関しては、なんとか当たり前のJ1の内容、及第点の与えられる内容が示せていた。ここに適正な補強を、迅速に怠り無く加えてやることによって、夏からは少なくとももう1歩高い次元のサッカーができるようになるのではないか…。それが現実となることを切に願っている。
ジェフの選手たちは己の能力の限界の中で、ここまで常に精一杯のチカラを出して闘ってきたと思っている。このマリノス戦にしろ、彼らがどれだけ球際に気持ちをこめてぶつかっていたか。TV画面を通しても、痛いほど伝わってきた。このJリーグ前半戦の選手たちの奮闘に対して、僕は心から拍手を送りたいと思う。
中盤戦からの課題として、
今の戦力で、前線からのハードプレス一辺倒で、この夏場を乗り切ることはやはり非常に難しいと僕は思う。
明日からポゼッションサッカーを…なんて夢想を、今ここで語る気などサラサラないが、現状の数少ないチャンスを得点に結び付けてくれるストライカーと、可能ならば鹿島のダニーロのような、リードした局面でもしっかりと個の力でボールキープに貢献できるMFがいれば、落とさなくてもすむ幾つかの勝ち点は拾えるのではないかと思う。
またDFラインは全体の問題であり、一人の強い個の補強を加えたところで、また他の別の穴をつかれれば綻びは生じてくる。いまの最大の問題は、失点の数にあるのではなく、得点力不足、得点機会の不足なのだろうと思う。ミラー監督のアプローチが一変するのでない限り、前線の強い個の個人技、得点力に期待する…という方向性が、もっとも合理的、論理的な方向性なのではないかと考える。
○年計画…などという寝言を言っていられる状況でないことは、クラブフロントもよく認識すべきである。シーズン前からすでに動く余力のなかった大分とは話が違うし、この状況は彼らのように、主力選手の大量離脱といった不運に苛まれたものでもない。あらかじめこうなることが予測できていない時点で、見込みが甘すぎたのだ。
まだチャンスは充分に残されている。けれども、その為にも、これ以上の怠慢や失敗は許されない。この状況に際して、まともな危機感を持ち、適切な手当てをして、選手達の尻をさらに力強く叩いてゆかなければならない。
チャンスも充分にあるが、危機もすぐそこで大きな口をあけて待っている。
ここに適切なサポートを加えるのも、見ごろしにするのも彼ら次第である。これまで重ねてきた夥しい散財のつけをよくよく省みると共に、いま必要なものの本質を見誤る事のない選択を期待したい。
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愛する鴻池先生に捧げる川柳
posted by 桐谷 |11:19 |
ジェフ千葉 |
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2009年05月22日
日本代表メンバーは以下の通り。
GK:
楢崎正剛(名古屋)
都築龍太(浦和)
川島永嗣(川崎)
DF:
中澤佑二(横浜FM)
山口智(G大阪)
田中マルクス闘莉王(浦和)
駒野友一(磐田)
今野泰幸(FC東京)
長友佑都(FC東京)
槙野智章(広島)
内田篤人(鹿島)
MF:
中村俊輔(セルティック/スコットランド)
橋本英郎(G大阪)
遠藤保仁(G大阪)
中村憲剛(川崎)
松井大輔(サンテティエンヌ/フランス)
阿部勇樹(浦和)
長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)
本田圭佑(VVV/オランダ)
香川真司(C大阪)
山田直輝(浦和)
FW:
玉田圭司(名古屋)
大久保嘉人(ボルフスブルク/ドイツ)
矢野貴章(新潟)
岡崎慎司(清水)
興梠慎三(鹿島)
『日本代表への推薦状』という本文を仕上げようと思っていたのだが、時間に追われているうちに岡田監督の発表に先を越されてしまった。この数ヶ月間、岡田監督は関東のみならず地方のスタジアムにまで熱心に足を運ばれていた。その結果は、今後の選出にさらに活かされてゆくのではないかと思っている。まずはWC出場権獲得。その後に代表のマイナーチェンジにトライする展開があるのではないかと思っている。
ざっと選手を見渡すと、やはり山田直輝(浦和)と槙野智章(広島)の選出に目が行くのだろうと思う。槙野智章に関しては、その攻撃力は闘莉王にも引けをとらない卓越した才能も感じるが、ディフェンス面におけるいくつかの要素にまだまだ甘さが目立つ。岡田監督もそれについてはよく把握されているのだと思うし、今回の選出については、まだ期待枠の範疇を出ないのかも知れない。が、山田直輝に関してはある意味当然の選出であり、誰が監督であっても選ばれる選手なのではないかと僕自身は思っている。
山田直輝の素晴らしさは総合力。そのアベレージの高さに加え、この年代にしては飛びぬけた知性と献身をあわせ持つところである。シンプルに言えば、彼は遠藤保仁であり、二川孝広でもある。さらに彼は、球際に気持ちでぶつかれるし、ラストパス、ラストタッチに魂を込められるタレントでもある。18歳にしてすでに遠藤保仁、中村憲剛、そして中村俊輔の強力なライバルであり、間違いなく2010年後の日本代表の核となる選手になるのではないかと僕自身は思っている。
結局書くことのできなかった『日本代表への推薦状』で、僕は5人の選手を岡田監督に推薦させてもらおうと思っていた。それは、
石櫃洋祐(神戸)
阿部翔平(名古屋)
岩下敬輔(清水)
菅野孝憲(柏)
そして石川直宏(FC東京)
である。
結局、彼らの選出は叶わず自分自身の見立ての甘さを露呈してしまったことになるかも知れないが、いずれ彼らが代表に絡んでくることを期待して、これからのJリーグでの活躍を、さらに期待して見守りたいと思う。
今回の26名の選手。よくバランスの取れた、それでいてファン心理をくすぐるうまい選出だと思うが、玉田圭司と興梠慎三のケガの状態が少し気になるところである。事前に渡邉千真の抜擢を予想していたのだが、誰かを選んだ理由と共に、誰かを選ばなかった理由…というのも会見やインタビューから引き出せるのであればぜひ聞いてみて欲しいところである。僕なんかは未だオシムさんに、なぜ鹿島の選手を選ばなかったのか?を聞いてみたくて仕方が無い。
彼らの代わりに…ということであれば佐藤寿人が召集されることになるのだろうが、次世代の台頭、浦和の原口元気や鹿島の大迫勇也、さらに横浜Fマリノス、齋藤学などの成長に期待したい。また岡田監督は最後には闘莉王や中澤佑二を前線に上げることを考えているのだと思うが、僕ならば、このFW5枠の中に巻誠一郎を必ず入れておきたいところである。最後の最後の局面、特にゴール前では技術よりも気持ちが要求されるものであると僕自身は思っている。すでに決まった以上、WCアジア最終予選では彼を必要とするような“状況”にぶち当たらないことを祈るばかりである。
まずはチリ戦の先発メンバー発表を楽しみに待ちたい。
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人類の課題と新型インフルエンザ
posted by 桐谷 |11:36 |
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2009年05月21日
物事を改革する。変化させる…という話になると、人々の思考は、まず現状維持の保守的な思想からスタートするもののようだが、多くの場合それは、未来への見通しや現状の切実な問題を見落としている場合が多い。そもそも現状…というものに問題意識がないのだとすれば、それも無理からぬことなのだとは思うが、“変わらない…”ということはひとつのリスクであり、さらに“変われない…”ということは、或る意味それが存する社会の、致命的な危機であることも同時に認識すべきなのだと僕は思う。近いうちに登録選手枠25人へのJリーグ制度改革に対する賛意を、本文において示したいと思っている。(2009.05.08)
大分トリニータvs横浜Fマリノス戦。
半分のスタメンが欠けたあの面子で、大分の選手たちは本当によく頑張っていたと思う。そして、だからこそ、単純な注意不足、集中不足で失った二つの失点が残念でならない。あのピッチ状態、暑さの中でも、アタッキングサードまではしっかりとビルドアップできていた。メンバーが変わってもチーム自体のカタチが崩壊している訳ではないのだ。よく頑張った!と、あえて言わせてもらう。そして、もう1歩頑張れるはずだ…と。とにかく球際、球際である。そこで踏ん張る事。絶対にあきらめない事。いまそれが一番大事な事。あのエジミウソンやホベルトの気迫を、いま東や住田、そして誰よりも清武弘嗣に見せて欲しい。(2009.05.09)
浦和レッズvs川崎フロンターレ。
この試合は、たくさんの論点を内包した非常に興味深い一戦であった。ACLをはさんだ厳しいスケジュールの中で、あれだけのパフォーマンスを見せてくれた川崎は充分に復調を感じさせてくれたし、一方の浦和の戦いぶりは、ここ数戦の苦しみを裏付ける明確な理由を示していたように思う。審判の判定とフェアネスにまつわる古くて新しい問題点もあらわになったゲームであったし、これについてひとつ本文を立ち上げて自分なりの思いを語ってみたいとは思うのだが、なかなか時間が取れなくて残念ながら自信がない…。(2009.05.11)
引き続き、浦和レッズvs川崎フロンターレ。
いろいろと物議を醸した闘莉王のジュニーニョに対するファール(PK)であるが、皆さんが主審、あるいは副審であったならば、あの状況でPK宣告したのだろうか?或いはしなかっただろうか?純粋に審判視点で見てどう決断したのか…非常に興味深いところである。ルールには反するかも知れない。けれどもあの状況は決定的なシーン…とも言えなかった。僕ならばたぶん笛は吹かなかっただろう。依然イエローが多すぎることに不満はあるが、腰周りがだいぶシェイプアップされた西村さんは褒めてあげたい^^もちろん、あのPK判定に不満がある訳ではないことも付け加えておこう。(2009.05.14)
本田圭佑のオランダ2部リーグ年間最優秀選手賞の受賞をとても喜んでいる。北京五輪の際はいろいろと物議を醸しもしたが、歯に衣着せず自分の意見を言う、そして様々な批判にもめげずに自らを貫こうとする彼の姿勢を、僕は素晴らしいと思う。海外で成功するかどうか…それは単にサッカーの実力のみではなく、コミュニケーションスキルやキャラクター、そしてその意志の強さ、信念の強さ…といった部分までをも求められるのだと僕は思う。いずれ代表で、さらに成長した彼のプレーを見られる日を楽しみに待ちたい。(2009.05.15)
追記 ~浦和レッズの今~
実は近々『フォルカー・フィンケを考察する』というエントリーを書こうか…と、思っているところなのだが、ここまでの浦和レッズの今シーズンの戦いぶりを見てきて感じたことについて触れておきたい。
最も印象深く感じることは、ビルドアップの部分、つなぎの部分が本当に充実してきたな…ということである。そして逆にそれによって相手に引かれ、最後の部分、アタッキングサードにおける最終局面の崩しのところで、スペースを失い、手詰まりになって、窮屈なパスをカットされ、不用意なカウンターで肝を冷やす…といったシーンも徐々に多くなってきているように思う。
これはポゼッションサッカーのある意味での宿命なのだと思うが、そこから生じる敵カウンターアタックのピンチを、失点に結び付けない最終ラインの頑張り…といったところで、坪井慶介の果たしている役割は非常に大きい。ビルドアップ、ポゼッション面での最大の功労者が山田直輝だとすれば、その輝きの陰の部分での最大の功労者を、僕は坪井慶介であると思っている。彼の能力とカバーリングによって、救われた試合は少なくない。僕が選ぶのであれば、浦和レッズ前半戦のMVPは坪井慶介の名をあげたいと思う。
ガンバの西野監督が「うまくなったなという感じはするが、強さはあまり感じなかった」といまの浦和について語ったらしいが、相手チームからみれば怖さ…という点で、ワシントンやエメルソンが居た頃の、ある意味中盤を省略した速い攻撃の方が脅威であり、同じくポゼッション主体のガンバにとっては、守りの準備をさせてくれる分、いまの浦和は、川崎や新潟に比べ組し易く怖くない、強くない…といった印象になるのかも知れない。ある意味妥当な評価であると思う。が、実際のところあの日のゲームは、ガンバ側にとってより悔しさ、口惜しさの残ったゲームであったことも確かだろう。
ここからさらにもうひとつ上の段階に進むためには、アタッキングサードのオートマティズムをどう進化させてゆくか。そして新たな強い個を、そこに導入するか否か…にかかっている。
この先はいずれここに書き記すだろう『フォルカー・フィンケを考察する』の中で触れたいと思うが、田中達也、ポンテが負傷し、原口元気のパフォーマンスが下降気味である現在、もうしばらく我慢が強いられる展開が続くのではないかと思っている。
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マスクは嘲笑の対象となり得るか? ~新型インフルエンザ~
posted by 桐谷 |11:23 |
一言コラム |
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2009年05月14日
いまある制度を変えるとき…というものは、往々にして変えることのリスクのみが議題の中心となり、いまある制度の問題点や変わらないことのリスク…といったものが見逃されがちである。特にこの国においては、その傾向が顕著であるように思う。
それはある意味では穏健…とも言い換え得る精神性に根ざしたものなのかも知れないが、一方でそれは来るべき未来への先見を欠き、常に刻々と変化する社会状況や経済状況に対応できない…という負の側面もあわせ持つ価値観である。僕はそれを、この国の一番のリスクであると考えている。
秋春制やバックパス禁止令のような思いつきや非合理の改革は反対だが、さきほど為された移籍金制度の是正や、今回の登録選手枠25人制案はJリーグの実情に根ざした正しい改革の方向性であると、僕は評価している。これにベストメンバー規定の廃止と、外国人枠の段階的自由化(AFC枠の先行開放)が加われば、Jリーグはアジア広域をマーケットとする、さらに質の高いリーグへと成長することが可能になると予想する。Jリーグは、アジアのプレミアリーグを目指すべきなのだ。
いくつかのサイトで反対を唱える方々の意見を目にした。クラブ目線から見た反対、選手目線から見た反対、日本のサッカー界…という論拠を用いた反対。それらのすべてに、一理あることはあるのかも知れないが、日本のサッカー界全体とそこに携わる人々の利…を、効率的に、なおかつ安定的に追求してゆく場合に、僕はこの登録選手25人枠はいたって真っ当な制度であると思っている。
皆さんは日本のプロ野球の登録選手数は何人だかご存知だろうか?
約700人だそうだ。
それに対してプロサッカー選手は?
今現在すでに1100人に近い数のようだ。
これは知人からの伝聞でしかないが、プロ野球全体の年間収入は1100億円程度であるという。それに対してJリーグはいくらなのだろう?ネットから数字を拾ってみると2007年度の数字でJ1J2合わせて約700億円を少し超える程度。なんだ400億しか変わらないのか…と、思われるかもしれない。が、700人で1100億円を稼ぐプロ野球選手(1人あたり1.57億円)と、1100人で700億円を稼ぐプロサッカー選手(1人あたり0.63億円)では、一人当たりで割り出した収入には、約2.5倍の格差がある。
2005年度のプロ野球選手の平均年俸が約3700万円ほどであるのに対して、何年の平均か忘れたが、J選手のそれが約1600万円ほどであると聞いたことがあるので、ここには2.3倍の格差が生ずる。当然の事だが、業界全体の1人あたり売り上げと、それぞれの選手の1人あたりの平均年俸は概ね比例の関係にある。要するに、これからJ参入する新規の地方都市に、浦和のような収入を誇るクラブが出てこない限り、このJリーグ選手1人あたりの収入はますます減少し、それに伴い選手の待遇もますます悪化してゆく…ということである。
Jリーグ初年度、1993年には各クラブの営業収入は平均約28億円程度であったと聞く。10クラブで大雑把に280億円。この時点で選手数は、おそらく300人に満たなかっただろう。ところがいまそれが1100人の大所帯となって総収入は約700億円。これ以上クラブ・選手数を増やして総収入を嵩上げしてみたところで、選手数増加により、全体としてのプロ選手の待遇は、ますます悪化の一途を辿る。果たしてそれが、サッカー界の、そしてJリーグの、目指すべき姿として正しいのか否か?僕は大いに疑問である。(以上、おおまかな数字ですが明らかな誤りがあれば訂正します)
ご存知のようにプロ野球には新入団選手に対する、数千万円という莫大な契約金というものがある。すべての選手がその契約金を受け取っているのかどうか僕には分からないが、選手側から見ればある意味サッカー界より魅力ある制度である。しかし、サッカー選手はどうだろうか?J1からあぶれ、今J2で、新規加入の地方クラブで汗を流している選手たち、またはJ1でほとんど出場機会すら与えられず、紅白戦要員として2~3年の短い選手生命をくすぶらせたまま無一文で消えてゆく選手たちがいったいどれだけあるだろうか?
たった2、3年、総額300万円~500万円の代価しか得ずに、サッカー界を去ってゆく若者たちを、自省なくこれ以上量産してはいけない…と僕は思う。セカンドキャリアに対する取り組みは充分に評価するが、一番大切なのはこれを無闇に増やさない…という試みであり、どこかで歯止めをかけることなのではないだろうか?そのための施策…という意味でも、プロサッカー界へ引き上げた選手たちのそれぞれ一人一人の人生に責任を持つ…という意味でも、登録選手枠25人制という方向性は妥当なものであると僕は思っている。
調べてみれば多くのクラブで、不可欠な戦力として使われていると思しき選手は僕の感覚では概ね20名程度である。その欠員や、ナビスコでの抜擢で、年間ほんの数試合出場できる選手を含めても、多くのクラブでおおよそ25、6名あれば足りている。にも関わらずほとんどのクラブが30名~35名とBC契約含めて期待枠の選手を抱える事で、中には紅白戦すら満足に出られない若手選手すらいるだろう。
この選手たちが、自らの実力に相応なリーグで切磋琢磨し、実戦経験を積む。力ある選手は自らの力で這い上がり、無い選手はさらに下部のカテゴリーで、必要な戦力として用立てられていく。それこそが自然な循環のあり様なのだと僕は思う。
確かにプロサッカー選手を1100人から2000人、さらに3000人と水増ししていけば、この国のサッカーレベルも少しは向上するのかも知れない。が、しかし、どこにでもそれは存在するように、ある程度の“加減”というものがあるはずだ。世界でもおそらくアメリカ大リーグに続きNo.2の実績を持ち、尚且つ長い歴史と伝統を誇る日本プロ野球。未だ日本で一番人気のスポーツとして認知されるこのプロ野球リーグにおいて、現状プロとして成立している頭数は約700人(独立リーグ除く)。それでもほとんどの球団は赤字経営(企業補填)なのだろう。それに対して、やっと世界の二流国と三流国の間に顔を出し、どの数値を見てもプロ野球には到底敵いそうもないプロサッカー選手が1100人。プロという定義を、そのクオリティの面から、そして経済的な面から捉えた場合に、これは明らかに過剰、行き過ぎた拡大であったのではないだろうか。
昨年から僕はJリーグのダウンサイジングを推奨してきた。
このまま自省なく拡大政策を続けてゆけば、いずれプロサッカークラブというものの社会的信頼や期待を裏切るというリスクを助長してしまうこととなり、またプロサッカー選手なるものへの子供たちの憧れや期待を消失させてしまうことにもなりかねない。今年、そして来年…、存亡の危機に晒されるクラブはきっといくつもあるだろう…。それを踏まえて、Jリーグはさらなるダウンサイジングと、競技クオリティ保持のバランスに向けて、リーグ内で議論を深めてゆかなければならないし、また適時必要な施策を採用してゆかなければならないのだと思う。そしてまた、自らが身を切る覚悟でリーグ運営自体のリストラクチャリング、コストカットをしてゆかなければならないのではないだろうか?
二宮金次郎がこんな言葉を残している。
道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である
僕たちもいずれ、この箴言の持つほんとうの意味を、痛切な痛みとともに知るだろう。クラブの経済も若手の実戦経験も大事である。そしてプロサッカー界の道徳と責任という視点は、さらに大切なものであると僕は思う。この改革が、そんな精神をも踏まえた、今後の抜本的なJリーグ改革へ向けた端緒となることを期待している。
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許すということは、強さの証だ
posted by 桐谷 |11:10 |
Jリーグ改革案 |
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2009年05月11日
ジェフ千葉vsサンフレッチェ広島。
球際の強さとリスクマネージメント、そして運動量と何よりも闘う気持ちが、勝敗を分けたゲームであった。言葉にすれば陳腐な表現にしかならないが、僕はいまのジェフの戦いぶりに、他のどのチームよりも闘う“気持ち”の強さを感じている。少し言い方を変えれば、それは“何か”を起こしてくれそうな予感…である。
巻誠一郎を中心に、深井正樹、坂本將貴、そして斎藤大輔…。ミラー監督が信じて、使い続けている選手たちが全身全霊をこめて、100%のチカラを振り絞り闘っている。彼らの戦い方は、パスワークで相手を翻弄し、組織で崩して、ねじ伏せる…というものではないが、自らのウィークポイントを的確に踏まえたうえで、リスクの少ないところで、敵に最大限の脅威を与えるというリアリズムに根ざしたものである。
以前のように押し込まれてただ蹴る…という段階を脱し、リスクの高い中央でボールを持たず、素早くサイドに展開して預ける…という流れが、だいぶオートマティックに出来るようになってきている。ここ数試合では、そこからSBのオーバーラップも見られるようになり、ミラー監督の志向するガチガチのロジックから少し解放され、彼ら自身の持ち味を加味しつつ、徐々に良い方向へと進化させている段階なのかも知れない。6節のFC東京戦あたりまでの内容と比べれば、随分メリハリの効いた攻撃と守備ができるようになったと思う。このスタイルを貫く限り、今後気温の上昇と共に選手の消耗も激しくなってくると思われるが、このGW連戦、一度も走り負けする彼らの姿を見なかった。その運動量とメンタルは賞賛に値するものだと思う。
彼らのその戦いには、ニュートラルな立場で試合観戦に臨んでいても、人の心を掴み、引き込んでくる“熱”があるのだ。ピッチで戦っている彼らは、昨年の厳しい経験を決して無駄にはしていない。今後も苦しい状況はまだまだ続くだろうが、この気持ちを最後まで切らさないこと。ファンやサポーターの信頼に最後まで応え続けること…。それがジェフの選手たちにとって、いまも、そしてこれからも、一番大切な責任なのだと思う。
リスクマネージメント。
この日の試合は、それに対するそれぞれの監督と、選手達の認識、チームそれぞれのインテリジェンスの部分が、勝敗を分けるカギとなった試合であった。
単純に、互いがどのゾーンでボールロストしたか…を表にすれば、双方のリスク管理の意識の差が如実に現れるはずだ。直接失点に繋がらなくとも、自陣バイタルエリア付近での有り得ない横パス。最終ラインとGKとの意思疎通の欠落による危機は幾度となく散見された。そしてその危険な選択を、広島は先制点を取ってから始めている。
失点後、前半の速い段階で、千葉が広島最終ラインにまで、オールコートでプレスをかけてきた。繋ぎに窮するぐらいならば、蹴って様子をみればなんのことはないシチュエーションである。30度近い気温と強い日差し。GW連戦の最終戦。先制したのは11分である。そこから深井のゴールまでの約30分間。彼らは負う必要のまったくないリスクを、99%リターンの望めないキケンなゾーンで支払いながら、勝手に消耗し、そして勝手に自滅していった。
0-0の状況であれば、広島というチームはJで一番強いチームではないかと僕は思っている。けれども1-0(1点リード)の状況に対する対応ができていない。
その点で、彼らはJで一番稚拙なチームである。
僕はこのサッカーのスタイルがJリーグで一番美しいと思う。尊いものだと思っている。そして日本のサッカーが目指すべきスタイルとして“価値あるもの”であると信じている。だからこそまた、同時に結果も求めたい。報われなければならない…のだと思っている。
連戦の疲れの中で動けなかった。球際で負けた。柏木陽介が不調だった。ストヤノフが気負いすぎていた。そしてまたその気負いすぎていたストヤノフに、前線の運動量不足でパスコースを与えきれなかった…。敗因を探せばいくつかの不運も含めて、思いつく要素はたくさんあるだろう。が、今後、どれだけポゼッションの業と精度を磨いてゆき、アタッキングサードにおいて、どれだけ見事な連携で美しいゴールを量産しようと、1-0(1点リード)の状況、そのリスクマネージメントを学び、実践してゆかない限り、彼らはJ1において真の強者とは成り得ないと僕は思っている。
1-0(1点リード)の状況に対応する…ということは、自らのスタイルに対する妥協でもなければ、変節でもない。サッカーの現実において、むしろそのスタイル・志向に対する、正当性の立証作業…のようなものである。そしてそこで裏付けられた“結果”以上に、重要なものなどない…という一方の現実、プロとしての免れざる価値観も、彼らには噛み締めながら戦って欲しい。ある意味で、彼らはニッポンのサッカーの可能性をも背負って戦っている。勝手ながら僕は、そう思っている。
サッカーにおける90分という時間は、それ以外の、人生における時間と同じように、彼らに対して、あらゆるもの…を要求する。そのあらゆるものに対応し得る引き出しを持つことが、今シーズンこれからの彼らの課題なのではないだろうか。そして彼らならばいつか、“勝つ”という目的ではなく手段によって、彼らのサッカーの、そのほんとうの価値を証明してくれるのではないかと、僕は期待している。その日を待ち焦がれている。
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次期民主党党首に長妻昭氏を
posted by 桐谷 |11:04 |
サンフレッチェ広島 |
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2009年05月08日
そろそろ次の日本代表戦に召集して欲しい選手が、自分の頭のなかに溜まってきている。近いうちに吐き出してスッキリさせてもらおうと思っている。いつも代表選出を考えながら思うことは、4バックの人材の薄さ…についてである。突出した個は未だ見当たらないながらも、数だけは事欠かないFWの人材。また日々量産され続ける素晴らしいMFの人材に比して、4バック…それも特に中央の中澤祐二と闘莉王に代わり得る人材がなかなか見当たらない。甲府のダニエルや山形のレオナルドみたいな選手が、突然変異で生まれることは、やはりしばらく期待できないのだろうか?(2009.04.27)
Jリーグが来季から、J1クラブのトップチームの登録選手数を最大25人に制限する方針を固めたことが1日、明らかになった。世界的不況が続く経済状況下でクラブ運営のスリム化を促すトップチームの“少数精鋭化”はユースチームとの連携強化が不可欠となり、若手の出場機会増につながる*以上中日スポーツより
信じて訴え続けてきたことが現実になりそうで喜んでいる。これでクラブ経営の効率化・合理化が図れると共に、真に力ある若手が、その実情に相応しい競争環境の中で、実戦経験を積めるようになるだろう。論理的な選択である。これらのJリーグ改革は、望ましい方向へ向かっている。(2009.05.02)
J1第9節、浦和レッズvsアルビレックス新潟。
新潟サイドからみれば到底納得のゆかぬいくつかの判定があっただろう。実際のピッチ上、TVカメラが拾いきれない部分も含めて、すべての“事情”をうかがい知ることはできないが、未だ高山主審のジャッジには無用なカードが多いように思うし、感情的な反応と見受けられる部分も多々ある。リシャルデスが退場になるまでは、僕が今年見た中で一番質の高いゲームであり、また感動的な内容であっただけに、そこに行き過ぎたカードの乱発が介在してしまったことは非常に残念でならない。(2009.05.04)
J1第10節、柏レイソルvs浦和レッズ。
浦和2試合続けての劇的な勝利。前線と中盤の流動性に少し翳りが見え始め、連戦の疲れもあってか集中の欠ける時間帯も増えてきたように思うが、最後の最後、勝負どころでの気迫はどのチームよりも充実している。この日の2得点ともに、気迫でねじ込んだゴール。2試合合計勝ち点1で終わってもおかしくない展開で、キッチリ勝ち点6を掴んだ。この苦しい連戦の中での勝ち点5の差は、シーズン終盤の勝負どころで大きなアドバンテージとなることだろう。素晴らしいゲームだった。(2009.05.05)
J1第10節、清水エスパルスvsジェフ千葉。
清水の戦術的無策…が印象に残った試合でもあった。あのピッチコンディションの中、ジェフのハイプレスも重々承知した中で、清水らしい繋ぐサッカーがうまく機能せず苦しんだ挙句、ヨンセンの投入を残り10分まで渋った長谷川監督。彼自身がこの試合を難しくしていたように思う。そしてうまくジェフの流れに嵌り込んでくれたこの清水から逃した勝ち点2の損失は、いまのジェフにとっては非常に大きい。前線でチェイスし、裏を取り、また時に時間を作るキープで押し上げを促していた深井正樹の交代が響いた…という印象である。今の深井はジェフの攻撃のただひとつの拠り所のように見える。(2009.05.07)
追記 『日本代表への推薦状~序章~』
いずれ“日本代表への推薦状”という本文を書こうと思っているのだが、ここでは2010年には間に合わないかも知れないが、大迫勇也や山田直輝に続く期待の若手として、最近の僕が見たゲームの中で特に光っていた3名の選手をあげておきたい。
まず一人目は、大分の清武弘嗣。
ボールタッチがやわらかく、またオフザボールの動きも質が高い。ある意味で“剛”のイメージのある金崎 夢生と“柔”のイメージの清武は非常に良いコンビになると思うのだが、窮地に立たされたクラブの救世主となるような大ブレイクを期待したい。
二人目は、柏の大津祐樹。
僕はあまり柏の試合は見る機会がないので、昨年の活躍は知りながらノーマークだったのだが、ここ数試合で見た彼のダイナミックで躍動感あふれるプレーぶりには目を奪われた。仕草や態度のところどころに気持ちの強さも感じさせるし、その身体全身で、闘う柏のスピリットを体現するかのようなプレーぶりは、見るものの心に熱を注ぎ込んでくれる。2010年後の日本代表へ向けて、とても楽しみな素材である。
そして最後に、ジェフ千葉の岡本昌弘。
ここに来てやっと完成したのでは…という印象である。もうすでに若手といえる年齢でもないと思うが、立石や櫛野の壁をようやく乗り越え、揺るがぬレギュラーポジションの座を獲得しつつあるように思う。特にここ数試合のパフォーマンスは素晴らしいもので、彼のスーパーセーブがなければ、ジェフの失点はさらに4~5点積み増されていたことだろう。この活躍によってすぐに日本代表へ…とはゆかないだろうが、菅野孝憲、西川周作と共に、楢崎、川口時代後の、次世代の代表GK候補の一角に数えられる選手になってゆくことを願って、さらなる成長に期待したい。
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政治ポジションテスト
posted by 桐谷 |11:21 |
一言コラム |
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2009年05月07日
或るクラブがある。
すでに強化費を使い果たした挙句に、開幕10試合にしてチームは7連敗。単独最下位の位置にどっぷり浸かってしまった。その時僕がそのクラブの会長かGMであったならばどうするだろうか?
自らの保身を考えるならば、しかるべきタイミングを見て現監督を解雇し、すでに金はないのだから内部昇格でコーチの誰かに采配を任せることを考えるだろう。うまくゆけばそこから盛り返して自らの罪は問われないかも知れない。また少なくとも、自身の職責は果たしたような気にはなれるし、何もしないで結果降格してしまうよりは、周囲の印象もずっと良いだろう。
欧州や南米における頻繁な監督解任劇の多くも、きっとそのような権威者の心持からくるものがほとんどであろう。優先するのは、ひとまずクラブの未来よりも、窮地に追い込まれたいまこの瞬間の自らの立場なのだと思う。
しかし、これが真に愛すべきクラブであったならばどうだろうか?
真に愛すべきクラブであったならば…
少なくとも事ここに到るまでに、考えて、考えて、考え抜いて、可能な限りベストな選択を、妥協なく追及してきたはずである。であるならば、それで敗れたとしてもベストを尽くしたと信じて、胸を張ってこれに殉ずるのではないだろうか。自分がクラブから受け取るべき給与をすべて投入してでも、最後のワンチャンスにトライするだろう。小さな金であっても他クラブの若手の一人か二人を現場に投入できるかも知れない。もしかしたら半年の契約でAFC枠を埋める事も可能なのかも知れない。現場の意見を聞いて、一番有効な使い道を見出し、速やかに行動することだろう。
自分が信じて選択した監督が、降格という結果によって、その場を追われる時は、当然自分がクラブを去る時である。
ここまでやって結果ダメだったら、一緒にサポーターに頭を下げて辞めよう。命を賭けて、最後の悪あがきに全力を尽くしてみよう。
きっとそう言って、彼らをピッチに送り出すのだと思う。
それは3/18の確率で訪れる現実なのだ。あらゆるクラブが免れることのできない確率。これが大分のようなクラブであれば、事前に3/9の確率と言えたのかも知れない。現在の千葉のようなクラブであれば、そもそもが3/6…50:50に近い、非常に困難なタスクなのだ。
結果として、降格を逃れることは確かに可能なのかも知れないが、この1/3、1/2の確率を逃れることは絶対にできない。クラブの運営にとって真に大切なのは、結果どうであったか…の遥か前に、その1/3の確率を少しでも1/4に近いところへ、1/2の確率を1/3に近いところへチーム力を押し上げることであり、同時に遠い未来であったとしても、いつの日か1/18へと導こうとする希望とビジョンを、ファンやサポーターへ示すことなのだと僕は思う。そしてその困難なタスクに対してどう立ち向かったのか?どんな選択をしてきたのか?であるのだと僕自身は思っている。要するに、常にその為に、その時点で、ベストと思われる方策に、全力を尽くしてきたのか否か…である。
シャムスカを切れ!
ミラーを切れ!
と、一サポーターとして、もし事前に考えもしなかった自分であれば、それによって今フロントを非難・糾弾することなどできないだろう。大分であれば、金が無いのもそもそも分かっていたこと。であれば、様々な不運や選手たちの未熟が重なって、こうなるだろうことも事前にうすうす頭をよぎっていたはず。ならば、ここでもしかしたら降格の危機に晒されることがあるかも知れないことも、充分に覚悟していたことだろう。
大分は充分に危うい。選手達の心も折れかけているように見える。勝ち点3ではなく、勝ち点1の重さを、それぞれがもう一度噛み締めてみることが必要なのではないだろうか?そのひたむきさが、シャムスカと大分サッカーの原点であったように僕は思う。
そして千葉は、まだまだ選手たちの心は折れていない。試合内容はJ1のどのクラブよりも厳しいものであるが、すべての試合で、相手を上回る運動量で選手たちは必死で頑張っている。もしもまだ余裕が残されているのだとすれば、これに応えるのはフロントの責務である。日本人選手の質…という点で、大分以上に苦しいのは明白であるはずだ。彼らはミラーさんを選んだ…という責任を、全うしているようには僕には思えない。
J1において、得点できる外国人ストライカーの有無は、クラブの命運を握る決定的な要素である。考えてみれば、これは欧州においてもそう変わりは無いのだ。いくら中盤をうまく作ってもフィニッシュでヘマばかりしているのであれば同じ事だ。いま必死になって残留争いをしている下位クラブも、ここまでの結果を見る限り、その部分の見立てが甘かったか、或いは失敗したクラブたちである。今や使える外国人ストライカーの有無は、下位クラブがJ1に生き残るための生命線とも言える。誤魔化しの利かないこの現実に、両クラブがどう対処してゆくのかが今後浮沈の鍵になってくるのではないかと思っている。
シャムスカ、ミラーを切るべきかどうか?
オシムやフィンケのような代わりがすぐ用意できるのであれば、躊躇わず切れば良いと思う。
しかし、それが現実に可能なのだろうか。それが不可能なのであれば、そこに無駄に金を使うよりも、その分で一人の外国人ストライカーに賭けた方が良い。なぜならばオシムやフィンケを引き当てる確率よりも、イ・グノやペドロ・ジュニオールを引き当てる確率の方がはるかに高い…と僕ならば思うからである。そしてまたたとえオシムやフィンケであったとしても、今のこの両チームの戦力や条件で、残留の結果を導き出すのはカンタンな話ではない。いずれにせよ厳しい挑戦である。単に自らのアリバイ作りでお茶を濁すのではない、フロントの真の覚悟が、いま問われているのだと僕は思う。
両クラブの復活と奮起に期待して、今後彼ら背広組みの覚悟を見極めてゆきたい。
単に残留か降格か…ではない。
ここでの彼らの姿勢や選択は、その後の未来へも波紋を投げかける事になるのだ。そこには彼らの、紛れもないサッカーに対する知性と、クラブの未来に対するビジョン、そして愛情が透けて見えるはずである。一番大切なのは、一時の幸運や不運による浮沈や成否によって、ファンやサポーター達がそれを見誤らないことである。クラブを強くするのも弱くするのも、最終的にはそれを支えるファンやサポーターの知性と行動力なのではないか…。僕はそう思っている。
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思い出の曲No.13 働け・ロックバンド~サザンオールスターズ~
posted by 桐谷 |10:45 |
Jリーグ |
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