2010年03月01日

王者鹿島の死角とサンフレッチェ広島の憂鬱【キリタニ】

最後に勝敗を決するのはFWの決定力。

サッカーというゲームを、僕はそのように理解している。
特にJリーグのように、上位クラブと下位クラブの実力に開きがなく、どんな対戦であれ、まず一方的な大差のつくような展開になることのない混戦のリーグであれば、尚更である……と。

アラウージョ、ワシントン、マルキーニョス。ここ最近の優勝クラブを見ても、土壇場で際どいゲームを決め切る突出したエースストライカーが存在していたことは云うまでも無い。例外は昨年の鹿島アントラーズぐらいのものではないだろうか。

マルキーニョスが13得点。興梠慎三が12得点。
これは並みのFWとしては決して悪い数字ではないが、それまでの優勝チームのエースストライカー達と比較すれば、明らかに物足りない数値である。もし今年、鹿島アントラーズにとっての死角、J1優勝争いにおいての急所となる部分があるとすれば、この2トップの得点力ではないだろうか、と僕は思っている。やはりFWが薄いな……というのが、ACL、ゼロックスの2試合を見ての改めての感想である。

云うまでも無く、敵ゴール前というのは、ピッチの中で最もスペースがなく、また時間的余裕もない空間である。そこでのアイディアを生み出すもの、またプレーの余裕やシュートの精度をもたらすものも、僕は大きな括りで云えば、秀でた“スピード”であり“俊敏性”なのだと思っている。

マルキーニョスは確かに素晴らしいストライカーではあったが、昨年中盤以降の彼のパフォーマンスを見る限り、そのゴール前でのスピードと俊敏性にやや衰えを感じるのだ。以前であれば余裕を持って捉え切れていたボールへの反応が、1テンポずつ、0.1~0.2秒ずつ、遅れはじめている気がするのだ。

であれば興梠慎三に、2~3年前のマルキーニョス並みのパフォーマンスを期待したいところであるが、それも簡単な話ではないだろう。今年に関しては、6月のWCまで度々代表に呼ばれては、ゲームに出られず調子を崩したところで、またクラブに舞い戻る…というスケジュールが予想される。体調の維持管理に関しても、例年より難しい部分がありそうなのである。

また大迫勇也の成長も噂には聞いているが、この1年で現状のマルキーニョスからポジションを奪うだけの地力を有しているかどうか…。僕自身、彼に対する期待は大きいし、この状況は大きなチャンスであるとは思うが、並みのクラブであればいざ知らず、優勝争いを繰り広げるクラブのFWとしては、まだもう少しの猶予と成長が必要なのではないかと予想する。

2試合見たところでは、フェリペ・ガブリエルも2トップの一翼を担えそうなタイプではないし、球離れは早く細かいテクニックはありそうだが、現時点で評価するならば、昨年まで鹿島に在籍した増田誓志と五十歩百歩の実力である。この1年で本山雅志からポジションを奪えるほどのインパクトは、正直感じないのだ。

鹿島は昨シーズンでも2位、3位の川崎フロンターレ、ガンバ大阪に比べればチーム総得点は10以上少ない。要するに、僕の目に映るマルキーニョスの衰えというものがホンモノであるとするならば、得点力といった部分で、今年の鹿島は昨年以上に苦労するのではないかという印象である。

その点、ガンバ大阪はキッチリ数で対応してきている。
どの助っ人がハズレで、どの助っ人がアタリなのかは現時点でなんとも云えないが、少なくとも抜かりなくその部分の不安に手当てしてきていることだけは確かである。

シーズンが始まっても、並居る助っ人外国人FWたちが、平井将生からポジションを奪い返せないようであれば、思いもかけず苦しいシーズンとなる事もあるだろうが、この周到さと、外国人助っ人というものに対する割り切りこそが、ここ数年のガンバの安定した成績を支えているのだと僕は思う。

ACL第一節、サンフレッチェ広島vs山東魯能の試合を見て、僕が一番残念に感じたのは高萩洋次郎のパフォーマンスである。才能は充分すぎるほど感じる。しかし、そのプレーに成長の跡が見られないのである。あと1歩、2歩の頑張り。あと10cm、20cmの精度。そして1本のパスに込める気持ちや集中力……といった部分が、柏木陽介に比べて足りていない。現状では、その穴を埋め切れていないのだ。

新戦力に目を向ければ、クロスの精度はともかくとして、山岸智はスムーズに動けているし、戦術自体はよく飲み込めているように映る。ここにミキッチが加わり、サイドからのドリブル・突破というもうひとつの攻撃のカタチが加われば、中央のダイレクトパスからの展開も、もう少し活きてくることだろう。状況判断にも優れた西川周作の加入によって、失点もかなり減らすことができることと思う。

しかし、この広島に関しても、鹿島と同じように“得点力”といった部分での上積みが期待しにくい雰囲気なのである。それは佐藤寿人の年齢的な部分についての危惧でもあり、昨年中盤以降のパフォーマンスに対する不安でもある。攻撃時の状況においても、しっかりとした守備陣系の保持と、チームとしてのリスクマネージメントに取り組み始めた広島である。今後は闇雲に前掛りに人数を割いてばかりも居られない筈である。その点も考慮すれば、1トップ2シャドーの一角に、できることならば単独で切り込めるタレントが欲しかった……というのが僕の実感である。

これらの点を踏まえながら、次回僕の2010年J1順位予想をアップしてみたいと思っている。


※次回J1順位予想のルール
○予想順位と結果の差異を、上であれ下であれ、すべて正数として加算する。
○優勝チームを的中させた場合、マイナス10のボーナス付与。
○降格チームを的中させた場合、1チームにつきマイナス5のボーナス付与。
(全3チーム的中であればマイナス15。順位は問わず)
○より点数が少ないほうが勝者。
(おそらく平均値は60~70点ぐらいと予想)
(マイナスの数値を叩き出すものが居たら『神』と認定します^^)

皆さんもぜひ御参加ください。


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posted by キリタニ |11:21 | Jリーグ | コメント(4) | トラックバック(2)
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