2009年11月09日
ジェフ千葉降格の総括
いま僕がジェフ降格について感じていることを、ありのままにここへ書き残しておきたい。 ○もしミラー監督があのまま監督を続けていたら降格しなかっただろうか? 答え:NO やはり相当に苦しんだだろうと思う。シーズンも半ばを過ぎてから、やっとの事で呼びよせた期待のストライカーがネット・バイアーノであった。僕は80%ぐらいの確率で難しかったと思っている。 ○では、どうやっても降格は免れなかったのだろうか? 答え:NO シーズン開幕前に使える外国人ストライカーを用意しておくべきであったと思う。今現在の大宮とミラー体制のジェフとは、ほとんど同じレベルのチームであると思うが、一つだけ大きな違いがある。それはラファエルの存在である。ジェフが今年J1に残留するためには、ミラー体制の存続+ラファエルレベルのストライカーの2つの条件が必要だったのだと考える。そのためにフロントは外国人枠を全活用してでも使えるストライカーの発掘に全力を尽くすべきだった。 ○降格の責任はフロントにあるのか? 答え:YES 今になって当事者同士責任を擦り付け合うようではいけないと思うが、第三者の立場からみれば、一番その責任を果たしていなかったのはフロントであり、強化部であったと思う。選手達はJ1では及ばない実力の中で精一杯戦っていた。そしてミラー監督の戦術は、そのジェフの実力を考えれば至って現実的なものであった。それに対して、フロントはサポートらしいサポートもせぬままに、自らのクラブの実力を見誤って、低迷の原因をミラー監督の戦術やチーム作りに求めた。致命的な誤解であり、サッカーに対する不理解であったと思う。 ○江尻監督を続投させるべきか? 答え:NO 監督交代とは常にAとBとの比較によって決定されるべきものだ。江尻監督より期待値の高い監督と契約できるならば、『監督交代』は合理的判断であり、そうでないならば非合理な決断ということになる。シーズン半ば唐突に、アレックス・ミラー監督から江尻篤監督に切り替えたように。問題はその「期待値」の捉え方である。 同時期に監督交代したポポビッチ監督、ネルシーニョ監督、そして三浦俊也監督…。タイプはそれぞれ違えど、僕はそのすべてのチームは、今のジェフよりも良いサッカーをしていると思う。そしてポポビッチ監督の大分などは、まさに同じ方向を目指しながら、既にジェフに比して1歩、2歩先へ進んだサッカーを実践している。 フロントとしては、自らの決断の誤りを今ここで認めることは辛い事だろうし難しい決断になるのだと思うが、ここが今後10年のジェフの分かれ道であると思う。しっかりとした実績と手腕を持った監督でベースを築くべきである。オシムさんのサポートを得てチームを立て直すのもひとつの手段である。 ○ジェフは1年でJ1復帰できるか? 答え:わからない 僕は現在のジェフに、他クラブからオファーの届く選手はそれほどいないと思っている。 ほぼこのままの戦力、江尻体制下で戦うのであれば昇格の可能性はせいぜい40%。 ポポビッチクラスの監督が招聘されれば60%。 さらにポポビッチクラスの監督に、ラファエル、イ・グノ、クラスの助っ人ストライカーが1人加われば80%以上の確率で可能になると思う。 来期のJ2であれば、経済的にも戦力的にもJEFはトップクラス。この大きなアドバンテージが活かせないのであれば、根本的にチームのマネジメントが間違っていることの証左である。 もし僕がジェフ千葉のGMであったならば、 5年後、J1で優勝争いに加われるチーム…を目指して、まずはDFライン、MFを可能な限り若い日本人選手で固め、チームの土台作りに着手するだろう。勿論1年でJ1復帰できれば幸いだが、その為の近視眼的なチーム作りはしない。1年で復帰しても、また次の1年で降格してしまっては、本来の目的に対して、逆に遠回りになってしまうからである。 J2に留まる事で一時的に財政が縮小してしまうことは、何も悪い事ばかりではない。それによって見えてくる浪費や、否応なく削られるムダといったものも少なからずあるはずだ。それはやがてはクラブの余力となる。同じようにJ2降格というのも長期的視点に立てば悪い事ばかりではないはず。もし仮に今年またキセキの残留を果たしていたとして、なんらの反省もなく来年そのツケを負わされるのであれば同じ事である。いや、未来の視点から見れば、さらに無駄な1年を浪費したことに他ならない。昨年苦しみの中で勝ち取った奇跡の残留を、抜本的なフロントの体質改善や意識改革に結び付けられず、この1年を無為に過ごさせてしまったことが本当に残念でならない。 チームの土台作りこそ、一番手間と時間が必要なパートなのだと僕は思っている。土台が悪ければ高い建物は築けない。取り除くべきものはしっかりと取り除き、必要なものは長期的な展望に立って躊躇いなく取り入れる。そこで中途半端な振る舞いをすべきではない。 またJリーグの現実を考えれば、前線での攻撃に関しては、外国人助っ人に委ねるのが合理的であろう。そこでしっかり働ける助っ人選手を備えることができない限り、ジェフのクラブ規模で、J1の中位から上位へ食い込んでゆくことはかなり難しいと僕は思う。当たりの外国人ストライカーを引き当てるまで、単年度レンタルで毎年入れ替えてゆくことを覚悟せねばならないと思う。 新監督候補として一人だけ名前を挙げるとすれば、経営難といわれるアデレードFCのアウレリオ・ヴィドマー監督(元フェイエノールト/広島)を推したい。昨年のACL、僕が一番惹かれたのはこのヴィドマー監督率いるアデレードFCのサッカーであった。しっかりとボールを繋ぐ攻撃と、計算されたプレッシング。オーストラリアのクラブでありながら、オランダのそれを見ているようであった。オランダのフェイエノールトや広島での選手経験もあり、若い選手でチームの土台を築くにはうってつけの人材であると思う。今回のジェフが彼に狙いを定めることはまずないだろうが、一度Jリーグでその手腕を拝見してみたい若手の指導者である。 そして最後に、選手たちはやはりよく戦ったと思う。全力で頑張ったが15/18には届かなかった。それが現実だったのだろう。精一杯戦った選手たちに、僕は心から拍手を送りたいと思う。そしていつも言うことだが、ここからの3試合こそが彼らにとって一番大切な戦いである。勝敗よりも大切なもの…の為に、最後の最後まで、死力を振り絞って戦う彼らであってくれることを僕は願っている。 今年もジェフのサポーターたちは最後の最後まで立派だった。彼らの理解が、この忍耐が、いつの日か報われ、祝福されることを祈っている。
posted by キリタニ |11:02 |
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