2009年11月02日

浦和レッズ再建案 低迷の原因とGMについて 【キリタニ】

僕がフォルカー・フィンケ監督の続投を支持する理由。

それは今シーズン序盤、それはまだ片鱗でしかなかったのかも知れないが、彼は彼のサッカーのカタチをしっかりと見せてくれた…からである。僕はそこに充分に魅力的なサッカーの要素を、そして信頼にたる“手腕”を見せつけられた気がした。

しかし一方で、あの連勝を続けていた時でさえ、終盤の運動量の低下は著しく、最後は1-0の状況を、自陣にズルズルと押し込まれた状況で辛うじて守りきっていた。結果、勝ち点3を得ることには成功していたが、おそらくフィンケさんはその部分について納得はしていなかっただろう。彼はそんな状況こそを、ポゼッションすることでゲームを主体的にコントロールしたいタイプの指導者なのだろうと僕は想像する。

このままでは夏場に向けて苦しい状況を向えることもあるだろうな…と、僕は思っていた。そして案の定、運動量の低下と結果の出ない苛立ちから、ポンテなどの一部主力選手がゲームの中で真剣味にかける振る舞いを見せるようになる。

フィンケ監督だからこそ、この1年だけは…と、チームの内部崩壊のリスクと自らの求心力の低下を懸念し、我慢に我慢を重ねて使い続けてきたのだと思うが、これがオシムさんや西野さんであれば、その時点でキッパリけりをつけてしまっていただろう。或いは選手契約上の何らかの制約があったのかも知れない。

シーズン序盤にみせた、少なくとも前半の途中までは人とボールがスムーズに連動してゆくサッカーが、シーズンの中頃からどんよりと停滞してしまう大きな原因となったのは、前線から中盤の運動量の低下とポンテの独り相撲、そして山田直輝の離脱によるものだと僕は思っている。

浦和レッズというチームの主力選手たちは、ここまで数年間のACLでの活躍や相次ぐ代表への抜擢によって、かなり厳しいスケジュールをこなしてきた。しかも、スタメンと控え選手の間には常に大きな壁が存在し、ローテーション的な試みによってチーム力の底上げを図るような努力や工夫にも、これまであまり熱心ではなかった。チーム内のポジション争いも傍から見る限りはそれほど激しいものには見受けられなかった。

目の前の勝利を得るためには、それは確かに有効で現実的な判断だったのかも知れないが、結局はそれによって、自身のポジションにあぐらをかくスター選手の増長を招き、或いは試合で使ってもらえない選手たちのモチベーションを削ぎ、そして固定化されたスタメン選手にのみ負荷のかかる体制を長年続けてきたことにより、本当の意味で身体をいじめるトレーニングというものが疎かになってきていたのではないだろうか。それによっていまこんなにも、走れないチーム、運動量の足りないチーム、そして頑張れないチームに成り下がってしまったのではないだろうか。

その主力選手たちももう総じて若くは無い。はっきり言って、これからフィンケさんのサッカーに適応できる心身を持ち合わせているとも僕には思えない。また長期契約によって、今年一年ですべての血を入れ替えられるような状況にないことも判っている。これらを勘案すれば、僕は来年すらも、まだ苦しみが伴う改革の途上に在るものと思っている。チームフロントが、早計にACL出場権云々を語るべきではないだろうと。付け焼刃ではない、本当の改革を為すのならば、まだまだ苦しむ覚悟がいる。

逆にその覚悟が無いのであれば、いますぐフィンケさんを切り、また目先の勝利を追って一喜一憂するのもひとつの案ではあると思う。

しかし、世代交代はいずれ避けては通れない道である。後に先送りすれば先送りするほど、チームは深いダメージを負うだろうし、今の日本の経済状況や浦和の懐具合、そして外国人助っ人のスカウティング力・交渉力を見る限り、ワシントンやエメルソンのようなスペシャルなストライカーを獲得し、その個力によって優勝争いに絡むというのは、相当に困難な話であると僕は思っている。

要するに、今現在の浦和に残された道は、二者択一のようでいて限りなく一択に近いものなのではないだろうか…と。

フィンケ監督の経歴を見る限り、彼は良いトレーナーであるばかりでなく、よいマネージャーでもあるのだと思う。僕たちの立ち位置からは、強化部門トップの信藤健仁氏の仕事に対する視界が届かないことを自覚しながらも、僕はチームの戦力補強その他を含めて、包括的なマネージメントの権利を一度フィンケ監督に委ねてみる必要性を感じている。

Jリーグ各クラブは、このGM職だけは日本人の手によって成し遂げたいようだが、僕はこのポジションこそ、現状では海外の優れた知性の手に積極的に委ねてみるべきだと思っている。Jリーグ各クラブのそれを見る限り、その大きな権限をうまく使いこなす事ができずに、クラブのビジョンでは無しに、自らの個人的な願望や人間関係にかまけて、あまりにも拙劣なチーム運営をするGMが少なくない。

さらに言えば、そもそもクラブの将来ビジョンなるものの具体像を描きながら、クラブ運営に当っているクラブフロントといったものが、いったいこのJリーグにどれだけあるだろうか?

外国人助っ人獲得のためのコネクションも持たずに、あくどい代理人にコロリと騙され、性懲り無くヘタをうつ挙句に、現場の要望は一切吸い上げることをしない。そんなクラブの障害にしかならないようなGMならば、むしろ居ない方がよほどマシだろう。知恵も経験もある外国人監督に、すべて単年度契約を条件に、全権を委任した方がはるかに合理的で低リスクである。僕ならばそう考える。

次回は来期に向けた浦和の戦力補強の私案と、DFラインの再構築について語ろうと思っている。

posted by キリタニ |10:31 | 浦和レッズ | コメント(7) | トラックバック(3)
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