2009年07月03日
岡田ジャパンの可能性 2つのオートマティズム
これまでの日本は、自国開催のそれを除けば、ワールドカップ本大会においては、つねに最底辺の“参加者”のひとつに過ぎなかった。※『岡田ジャパンの可能性』より もしその位置づけを脱して、今回“参加者”から“挑戦者”への足場を築きたいと思うのであれば、最低でも3試合を4~5点の失点に抑え、さらに攻撃面では3つ目の得点(GL突破33%の確率)を得ることが最低条件になるのではないだろうか。※『岡田ジャパンの可能性 3つ目のゴール』より では、そのために何が必要なのか? いまできることとは何だろうか? 結果的にグループリーグ突破ができるのであれば、それに越したことはないが、WCアジア予選突破とWC本大会グループリーグ突破のその間には、カンタンに乗り越えることの出来ない大きな壁が聳えているものと僕は思っている。単に成功か失敗かではなく、その狭間の中で、4年毎の日本が、いまどの位置に在るのかを確認するのは、とても大切な作業であると僕自身は思っている。そしてさらに大切な事は、その舞台で一歩ずつの前進と進化を実現させること。そしてその方向性を決して見失わない事である。 第1ポット:ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、フランス、イタリア、イングランド、スペイン、メキシコ 第2ポット:エクアドル、パラグアイ、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、アンゴラ、チュニジア、オーストラリア 第3ポット:オランダ、チェコ、ウクライナ、ポルトガル、スイス、ポーランド、クロアチア、スウェーデン 上記は2006年ドイツワールドカップドローにおける第1~第3までのポットのラインナップを記したものである。来るべき2010年南アフリカワールドカップ組み分け予想の一例として参照いただければと思う。日本はモチロン第4ポットという前提である。 第1ポット。 僕はどのチームが出てこようと、まずまともな勝負にはならないものと思っている。アクチュアルタイムが60分あるとすれば、おそらくまるまる30分は自陣ゴールから30Mほどのゾーンを、ひたすら8人~9人で固めなければならない状況に陥るのではないかと考える。このポットとの対戦が何番目にくるかで、その戦い方に変化も生じてこようが、失点をどの程度に抑えられるか…それがテーマとなる一戦である。 そして第2、第3ポット。 ここでくじ運にさえ恵まれれば、期待として第2ポット相手に勝ち点3。第3ポット相手に勝ち点1。という計算や見込みも成り立とうが、どちらにしてもゲーム内容としては、概ね圧される展開が予想されるだろう。 要するに3試合すべてを、自力に勝ると思われる相手を敵に回し、やや圧されぎみの展開の中から、どう勝ち点を拾っていくか、失点を最小限に抑える中で、どのようにして3つ目のゴールに果敢に挑んでいくか…。そんな戦いになるものと予想する。これを突破か敗退か…のどちらかで白黒をつけてしまうのは、いささか乱暴、大雑把過ぎるのではないか?突破か敗退か…の間には、まだまだ何大会か費やして、2つ3つ乗り越えなければならない高いハードル、距離があるのではないか?僕がこれまでに説いてきたことは、そういうことである。 上述したように、多くの時間を自陣奥深くに引きこもらざるを得ない展開がベースとなる。それはこの4年間の日本代表の戦いの中で、あまり経験したことの無い状況である。さらにまた、往々にして前線に間延びしがちな、今の岡田ジャパンの4-2-3-1ベースのフォーメーションは、ここでの戦い方に有効なシステムであるとは僕は思わない。 僕が期待したいのは、ベーシックな4-4-2或いは4-4-1-1であり、後ろ2ラインで跳ね返す手堅いディフェンスシステムの再構築である。それは、つい先日のACLで鹿島アントラーズがFCソウル相手に見せてくれた後半のディフェンスのカタチであり、さらに言えば2002年日韓ワールドカップにおいて、イングランドがアルゼンチンの猛攻に耐え、凌ぎきった、ある意味ベタなディフェンスのカタチである。 自ずから強者に脅え、自らで引きこもる必要などまったくないが、耐えるときは11人でひとつになって耐える覚悟が不可欠だろう。問題はその押し込まれた状態からどうやって得点を狙っていくのか、或いは敵を自陣に押し返す守りのポゼッションを構築してゆくのか…ということである。そこにはボール奪取時の素早く、的確な判断力と、速攻と遅攻の選択に対する、チーム全体としての対応と共通認識が求められる。 ボール奪取後、ただちに前線の起点に預けて速攻のカタチが作れる状況にあるのか?或いは一度サイドに回して敵の圧力を交わし、そこから蹴りこむフェイントを交えながら、ゆっくりと後ろからボールを回す。敵の重心を後方に傾かせながら、場合によってはGKの繋ぎまでをも用いて、守りのポゼッション、敵をひとまず自陣に押し返すポゼッションを構成する。そんなふうに、圧し込まれる試合の中で、こちらの時間をいかに作ってゆけるか?またその中で判断を見誤らず、いくつの速攻のカタチをフィニッシュにまで結び付けられるのか? 実際に得点できる可能性は、間違いなく前者、速攻のカタチに近いものであろう。しかし、機を見ず、見誤り、そればかりを狙っていては、やがてディフェンスがパンクしてしまう。3本以内のパスでフィニッシュまで至れるというボール奪取時における見極め、状況判断。そしてそれが不可能と見なした場合の、両SBのゾーンとGKまでを用いた、後方からの落ち着いたボール回し。ここからの1年で、その2つのオートマティズムをじっくりと煮詰めてゆくべきである。 2010年南アフリカワールドカップ、岡田ジャパンのベースになるのは、僕はそんな戦い方であり、スタイルになるのではないかと思っている。ゲームの序盤や中盤、最終ラインで奪ったボールを、3つ4つゆっくりショートパスで繋いで、前線へ…。そんな余裕のあるスローな攻撃では、まず可能性のあるフィニッシュまで持ち込ませてもらえないだろうと考えている。 ただし、ご存知の通り南半球にある南アは、この時期一年で一番涼しい時期を迎える。首都プレトリアの6、7月の平均気温は18度。これは東京の4月や11月とほぼ同様。まず間違いなく、ハイプレッシャーのレベルの高い戦いが繰り広げられることだろう。日本はそこで如何にして相手の勝ち気を利して戦略を組み立て、またその勝ち気を利して日本のアイデンティティともなりつつあるポゼッションで、相手を消耗させるか? そこで3つ目のゴール…なのである。 最後、後半残り20分。そこまでしっかりとゲームを支配できたならば、相手の足の止まった状況を見定めて、僕は日本の次のステップの為にも、恐れず、果敢に、全員で、ゴールを勝ち取る意志を持って、前へ出て行って欲しい。 『速く、厚く、ダイレクト』なボール回しで、局面を創り、そしてそれを打破して、遮二無二ゴールを目指して欲しい。そんな時間帯を作り、それをモノにし得た時。その時こそ、WCにおいて日本は真の挑戦者としての地位を得たといえるのだろうと思う。 ウズベキスタン戦後から、絶えず、しつこく、『このチームは変わらなければならない』と言ってきたのは、上記の2つのベースの構築プラス勝負どころでの仕掛け、そしてその為のチームとしてのモデルチェンジを期待してのことである。この思想や前提を踏まえずして、或いは理解してもらえぬままに、ただ即物的にシステムや選手名について論じても、ほとんど意味を為さないことであろうと僕自身は思っている。顔だけ取り替えても、実体はなにひとつ変わることのない、どこかの腐臭のする政党のように。 次回はフォーメーションを含めた速攻と遅攻。攻めのカウンターと守りのポゼッションについて、もう少し具体的に書き記してみたいと思う。 ★サッカーブログランキング…応援のクリック、いつもありがとうございます★ ⇒⇒⇒人気blogランキングへ 愛する鴻池先生に捧げる川柳
posted by キリタニ |11:09 |
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