2008年08月08日
【北京五輪】 アメリカ戦と反町康治の責任 【キリタニ】
残念ながら想定内の内容であり、また結果であったと言わせてもらおう。 むしろゲーム中このチームの良い要素…すなわちメンバー個々のスピードある突破や、時折みせる少ないタッチでの速いパス回しなど、ピッチ状況の悪い中でも充分に発揮できていたように思う。そして逆に、やはりアタッキングサードの局面におけるチームのオートマティズム、前線からの動き出しとそれを受けてのムーブ&スペースメイキングの連動といった部分は、まったく進化が見えぬままにこの日を迎えてしまった。 この敗北が悔しいのは、この日のアメリカは、日本がそんな状態であっても充分に通用する相手だった…からである。 そして実際に敵の守備陣形の拙さ、動きの悪さから幾度も単独の、1つの勝負でチャンスを産み出せていたし、鍛錬したと見えるセットプレーではたびたび敵DFを混乱に陥れていた。数度の決定機を逃した不運は、選手個々の責任と断じられるものなのか…或いはPKを賜ることができなかったのは、ただアフリカ人主審のその力量の至らなさによるものだったのか…。 僕はそのどちらにも同意はできないので、やはりこれが反町ジャパンの、ニッポンの実力である…と、今一度正しく評価し、この胸に受け止めようと思う。 主審のジャッジはトータルで見ればむしろ非常に公平なものであり、すべてのジャッジを冷静に判断すれば、アメリカのエース、アドゥが多少気の毒に思われた…ぐらいのものではなかっただろうか。PKについては、与えられるより奪われる可能性の方が高かっただろう。また僕が主審であれば、日本選手のいくつかのプレーに対して“シミュレーション”のイエローを提示していたと思う。 “ヘタな主審の所為”で負けた…とする見方は、確かに一寸の救いをもたらすだろうが、この敗北の根拠がそこに在ったとは、やはり僕には思えない。 この相手に勝ち点1を奪うことさえ叶わなかった…それが、このチームの紛れもない実力であった。…残念ながら、僕はそう思っている。 負けたからといって厳しい事を言うのではなく、いままでずっとそう言ってきたからあえてまた言わせてもらおう。反町康治の2年間、そのチーム作りとは、要するに膨大な“選手選考”にあてられた時間、そのものだったように思う。確かに五輪最終予選の土壇場では、その“選手選考”が、U-20世代への思い切った切り替えが、見事に功を奏したと言えるだろう。しかし、今回その再現がならなかったとして、短期間に組み込まれた森本貴幸や森重真人が叩かれるのはあまりに不憫である。 いろいろなスローガンやコンセプト、その字面は、華々しくメディアの紙面で踊っていたはいたが、その実体、実相としての反町サッカーとは果たしてどんなものだったのだろうか?残念ながら現実のピッチ上に、僕はそれを読み取ることはできなかった。 欲しいもの、手に入れたいものと現実との隙間を、ただその選手選考と采配の妙で埋めてゆこうとする試み…チームスタイルの創造とは別次元の、そんな取り組みにかまけた2年間であったように思う。 世間の評価などよりもずっとずっと力のある世代、選手たちであると思うからこそ、この2年間が僕には残念でならない。国を代表する有望な若いタレントを率いる指導者として、本来彼のような性質の指導者が相応しかったのかどうか?技術委員会は、次期選考の前にしっかりと自省して欲しいと願う。 30度を越す暑さの中、アメリカはくたくたに疲弊していた…。そんな中、日本はやはり運動量で彼らのそれを大きく上回っていたように思う。この大会、暑さに対するピーキングも順化も、日本は充分に整っていた。そして選手個々は、それぞれに光る部分を、その輝きを、ピッチ上に表現し得ていたように僕は思う。今後に続く強豪国との2試合、特にオランダあたりは中国沿岸部の蒸し暑さには相当に苦しむことだろうし、その点では日本は比較的優位に試合を組み立てられることだろう。これでチャンスが完全に潰えたのではない…僕はそう思っている。 そして弱いチームが勝ちに行く…ということは、大敗するリスクを背負う…ということであると思う。それを厭わず、恐れず勇敢に立ち向かう…ということであると思う。往復ビンタを喰らってぶっ倒された時には、さぞ体裁は悪かろうとは想うが、反町氏には、せめてそんな“覚悟”を、しっかりと見せて欲しいと思っている。それが若く将来性あるタレントたちを率いて、ここまでの期待と時間を預けられてきたものとしての“責任”である…と、僕は思う。 選手たちにはプロとして、自身のプレーをしっかりとアピールしながら、消極的になることなく強国へ挑んでいって欲しい。きっと欧州は、内田篤人も香川真司も、しっかりと見、評価してくれているはずである。 ★サッカーブログランキング…応援のクリック、いつも本当にありがとうございます★ ⇒⇒⇒人気blogランキングへ キリタニ100法『安心実現内閣という喜劇』 *現在このエントリーは、コメント欄に認証システムを導入しております。参加を希望される方は、ご面倒をおかけ致しますが【スポナビ、そしてサッカーに集うすべての皆様へ】にて当ブログのコメント欄に対するコンセプションを一度ご確認のうえ、コメントをお寄せください。
posted by 桐谷 |11:45 |
2008 北京オリンピック代表 |
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