2007年09月10日
【五輪最終予選】サウジアラビア戦 戦評
僕が監督であればこの試合残り20分、DFを一人下げてでも平山相太を投入して“勝ち負け”の勝負を挑んでいただろう。 気温34度、湿度73%で始まった試合である。当然両者ともに疲弊してグダクダの終盤戦である。そこで細かく繋いでサイドを攻略して…などの手数などまったく要らない。ただ二人のターゲットをクロスに対して平行に配置させて、ひたすら放り込み、そのこぼれ球を狙うべきシチュエーションであった。 勿論“勝利”を狙うことによって、必然的に“敗北”のリスクも過分に背負うことになる。けれども退場者も出、自陣に引きこもったあの状態のサウジに対してであるならば、そうすることによって、失点する可能性よりも得点する可能性の方が遥かに高かった筈である。現場における状況からそう判断したのであれば“勝つ”為に全力を尽くすのが、あの時点における判断の“必定”であると僕ならば考える。それは“アウェーで勝ち点1”の覚書などよりも、勝負師としてはるかに優先されるべき“決断”ではなかっただろうか。 もしここで敗れていれば、サウジの心は砕かれていただろう。そして実質的にこの予選をリードする日本に対して、次戦例えアウェーといえども、カタールの戦い方も少しばかり違ったものになっていた筈である。 言うまでもなく、この予選で勝ち残るのは1チームだけである。このサウジ、カタール両者に対して、日本はホーム&アウェーのどちらかには必ず勝たなければならない。その場合、僕はアウェーで勝つ事と同じぐらい…いや、それ以上にホームで勝つことは困難を伴うものであると理解している。そしてその困難に打ち勝つ術を、A代表を含めて未だこの国は確固たるものを見出してはいない。 この状況を野球の1打席に例えるならば、1-3からの“絶好球”を見逃し2-3に追い込まれた…といったところかも知れない。 ここからは思い切りの良いスイングは期待できないだろう。まず“当てて”ゆくことが最大の目的となるだろうし、そのような展開であれば、さらに正しく繊細な判断力に基づく、監督の“采配”というものが求められてくるはずだ。一つの過ちも許されない、後の無い状況がこれから続いてゆくことになる。 このレベルの相手に対しても、家長昭博の個力が充分に通用し得たのは、とてもポジティブな要素だろう。そしてA代表同様、ポゼッションで優位にたてることが明確に証明された。戦術的迷いの中で、ひとまず立ち返る場所を得た。これは選手達にとって、非常に大きな拠り所となるものであるだろうし、ここから得た自信が彼らの今後の戦いに良い影響をもたらす事を期待したい。 また内田篤人のキレのある攻め上がりと、そのタフネスには今後に期待を抱かせるものがあった。そして水本裕貴の球際の気迫と的確なマーキング、迷いの無い判断力には、成熟した安定感を見て取ることができた。A代表の人選に余裕の無いポジションでもあるし、この最終予選の中での彼らの成長を、今後さらに大きな期待を持って見守ってゆきたい。 次戦ホームのカタール戦が終わり次第、僕は反町氏を更迭し吉田靖氏か城福浩氏に切り替えるべきであると思っている。 積み上げてきたものなどひとつも見当たらない。このチームもA代表からの統合されたコンセプトの中に、一刻も早く組み込むべきである。 次のアウェーのカタール戦まで1カ月ある。 もし残された時間を無為に過ごせば、最終予選を勝ち抜けることはあっても、その後の北京で、この期間の手痛い“損失”を身を持って思い知らされることになるだろう。 “損きり”をするのは誰にとっても辛いことだ。 けれども誰かが責任を持って決断をしなければ、“何もしない”というこの状況は、日々新たな過ちを積み重ねていくことと同じことである。 ★サッカーブログランキングに参加しています…応援のクリック心から感謝いたします★ ⇒⇒⇒人気blogランキングへ
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posted by 桐谷 |10:31 |
2008 北京オリンピック代表 |
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